東京図書館制覇!Blog版

東京23区の公立図書館を全て訪れたサイト「東京図書館制覇!」の管理人TakeniのBlogです。
こちらでは、読んだ本や東京散歩など、図書館以外のことも書いてます。

カテゴリ: 作家別:典厩五郎

修羅場へ急げボギー』読了。最近、図書館に行っても、自分の「読みたいリスト」の中の本しか読まないことが多く、たまには“ジャケ買い”ならぬ“ジャケ借り”をしないと選書眼が落ちると思って、借りてきた本です。幸い、選書眼は落ちていかなかったようで、さすが典厩五郎面白い!まあ、典厩五郎は2冊目なので、“ジャケ借り”というほどインスピレーションに頼ってはいない選択なのですが(笑)。

事前情報全くなしで読み始めて、裕次郎や赤木圭一郎の時代の映画の世界を読んでいたつもりが、政界を巻き込んだキナ臭い話になっていき、突拍子もないクーデター話さえ、ありえそうな話に見えてくる…。これぞ楽しめるフィクションという小説です。

赤木圭一郎が亡くなった頃を舞台にしているのですが、歴史にも残る人物の実名と、明らかに誰を指しているのかわかるけど現実とは違う名前と、虚構の人物が入り乱れているので、どこからがフィクションでどこからが事実なのかわからなくなる。でも、その境界線なんてどうでもいい、小説を読んでいる間は事実と思いこんで楽しみたい。そんな気になって、どっぷり世界に入り込んじゃいました。

登場人物の口を借りて語られる、辛口の政治・社会批評もご愛嬌。この頃に比べたら、いろんなことが陽の目に晒されるようになっているのでしょうが、それでも尚闇の世界で政治や社会を動かしている人はいるんでしょうね。

メインキャラクターから小者まで、いろんな登場人物が出てくるのに、各キャラクターの姿がありありと目に浮かぶのは、シナリオライターでもある作家の技でしょうか。

そんな典厩五郎の小説、Amazonで見ると「出品者からお求めいただけます」ばかりなのが悲しくもあり…。こうなったときに頼りになるのが図書館。どうぞ、除籍にせずに、大切に所蔵し続けてくださいませ。

ブログネタ
読んだ本 に参加中!
探偵大杉栄の正月』読了。実在の人物を使った探偵小説、なかなか楽しませてもらいました。

ストーリーは、お金に困っていた大杉のもとに、幼なじみにして長年の喧嘩相手である刑事から、企業家夫人の失踪事件の調査依頼が来る。何か思惑があるに違いないと思いながらもお金のために引き受けると、これに国家を脅迫するペスト菌ばらまき事件まで絡んできて、さあこの謎を解くことができるかどうか、、といったもの。

竹久夢二、石川啄木、松井須磨子といった実在の有名人が脇役で登場するのも楽しいです。史実との折り合いがどうこう(と言うほど私には知識がないんだけど)というより、皆小説内でいきいきしていて、、いやそれは嘘だな、竹久夢二なんて全然さえない男として描かれているんだけど、それがまたそれらしくって、楽しめるんですよ。難を言えば、ちょっと登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなりそうなのですが、半分読んだところで最初から読み直してどうにかクリアしました(笑)。

でも、この明治後期を描いた小説は純粋に楽しんでばかりもいられないと思うところがあって、いつのまにかキナ臭い法律が成立しちゃったり、広く国民が知ったらおかしいと思われるに違いないことが目立たぬように進行しちゃうところなんかは、今の世の中と似ているようにさえ思えてしまうんですよね。

二度と同じ過ちを繰り返さないように、例えば昔の歴史を翻ってみたりして、今の世の中の流れを客観的に見ていかないといけないですね。

▼『探偵大杉栄の正月』のレビュー
Amazon カスタマーレビュー

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