September 02, 2005

肝だめし!


T施設断面及び仕上表作成
昼はH君と298円の某ラーメン店。この値段なら文句なし。その後M書店のおたくグッズ満載の店内をひとしきり眺め歩くもなにも買わず。H君はボトルキャップ購入の模様。
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午後A店舗の内装塗装色の打合せなど。
その後小学校PTAのレクリエーション=肝だめしのお手伝い、で会場設営+お化け役。用意した、暗幕、お経のテープなどで会場の雰囲気作り。武満徹の名曲「ノベンバーステップ」のCDも効果音楽に・・。
別のお化け役のお母さんの口裂け女?は髪振り乱し、着物姿、かなりの迫力でした。果たして、夜更けの小学校に子どもたち(保護者も)の悲鳴が絶え間なく聞こえつづけたのでした。

BGM:ノヴェンバー・ステップ/武満徹/小沢征爾指揮トロント交響楽団


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非伝統的本格日本建築?


知人のKさんが運営するデイサービスの建物は本来住宅として建てたという本格的な日本建築、それも各所に豪勢な銘木が散りばめられ、施工したのは宮大工と言うちょっと浮世離れした建物なのですが、庭に面した建具がすべて甲丸レールに乗った木製だったりして、隙間からの冷気がこれからの秋冬、高齢者にはつらいようです。
その対応策を考えてほしいと依頼され、施工会社勤務の友人Bさんと現地へ。
玄関ポーチもつるつるの御影石で、これも足元不安な人には雨雪のときはつらそう。これの対処(滑り止めの加工処理)も含め、建具の取替えなどを何パターンか提案し、数日中に概算見積り提出することに。
つるぴかのポーチや巨大床柱ってのは伝統的にはないとは思いますが、いつごろからこんなのが表れたんでしょう。ちょっと興味ありますね。

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お昼を居町の信用金庫本店近くの山喜屋でうどん定食。(ここは戸隠蕎麦屋なのですが、うどんもなかなかおいしい)
この店は僕が勤め人だったころ、事務所がごく近所だったのでしょっちゅう利用していた店なのです。おばさん相変わらず元気そうでなにより。

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午後はR山荘の図面の続き。H君が事務所に来たので、T施設の図面のヘルプ依頼する。頼りにしてます。
退所後、事務所近くのスポーツクラブで思いっきり汗をかいて帰宅。
図書館で借りた青木淳の「原っぱと遊園地」を読む。本の内容についてはまた近々書きます。

BGM:Tipographica/Tipographica

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September 01, 2005

備忘録


午前中、昨年作ったカフェのグリストラップ不調とのことで現地へ。コンバージョン物件に四苦八苦して入れたもので、既存配管を使用しているため排水口径が不足しているのかもしれない。とりあえずこまめなメンテナンスで対処。
今日は給料日のため銀行へ。
午後T邸矩計図。やっと先が見えてきましたが、細部はまだまだ。
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T施設基本設計OKとの連絡あり、実施をすすめるが手が足りない。H君にお願いするか? 夕方C社と補助金がらみで打合せへ。

BGM:Jaco Pastorius/Jaco Pastorius



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August 30, 2005

OMソーラーのオープンハウスに行く


R山荘断面再検討、なんとかまとめて構造担当へ連絡。詳細は図面で指示。昼食後M工務店のオープンハウスへ出かける。M工務店はOMソーラーというソーラーシステムを持った住宅を手がける工務店。M工務店のMさんはとても勉強熱心な人で、頭が下がります。

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長野市北部(といっても最近はさらに北へ広がっているので、旧長野市の北部ですね)の住宅団地の中。少し変形した矩形の敷地に建物が30度ほど傾けて配置されている。四方に三角の庭ができ、北側の三角庭の使い勝手のことなど考えれば有効利用とはいえないかもしれないが、この建物の置き方は結構新鮮。ソーラーを有効に働かすために建物を南面させるとこういう向きになるらしいが、この古い住宅街では燐家との視線のずれ、建物位置のずれが逆に広がりを感じさせる。

T邸1OMソーラーは以前にやったことがあるが、面白い。屋根面で集熱した空気を床下に送って1階床から家全体を暖めるシステムで、まぁ太陽の暖かさが実感できると言うよりやんわり太陽の気配を感じられるといった程度の暖房ですが、なんとか自然の力を無駄なく生かそうという考え方がとても好ましい。
とはいってもOMソーラーも日々進化しているようで、今回のシステムでは暖めた空気を床下に送るためのファンは太陽電池を使ってまわしているとのこと。音も以前より格段に静かで、また機会があれば使ってみたいと思います。Mさんその時はよろしく。

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コンセプトは「何でもない家」だそうで、まちなみになじむ普通の家ということでがんばり過ぎないデザインがよいです。ちょっと物足りない気もしますが、建築家設計の住宅のようなあざとい感じがなく、といってハウスメーカのような軽薄さもない。玄関周りのゆとりあるたたずまいはその中間をいく、ほどよいバランスというところ。

BGM:JOAO VOZ E VIOLAO/Joao Gilberto

take4_archi at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 住宅 

August 06, 2005

草間彌生


T施設平面だけ間に合わせて午前中打ち合わせ。その足で、JIA(日本建築家協会)の会合があるため松本へ。昼に少し時間があったので、松本市美術館でやっている草間彌生の展覧会へ立寄る。
JIAの会合へ出るのはこれが初めて。長野では設計事務所の横のつながりは薄いようで、普段同業者で建築の話をすることは少ないけれど、JIAではその機会を提供してくれそうだ。会員の作品発表などの後納涼会だったが、アルコール抜きで参加して長野へ車で戻る。まだT施設の立面を作らなければ。
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草間彌生展実は草間彌生の作品を見るのは好きです。松本市美術館には常設で草彌生の部屋があり、何度か見に行っている。見た目の奇抜さや、いわゆるアートっぽさ全開の作風もちょっと・・という気がするし、それでいて作品のテーマは反復、増殖、生命の賛歌・・とても分かりやすかったりする。また、露骨な性的モチーフや、女性的な生臭さに人によっては拒否反応もある。
それでも草間彌生が好きなのには二つの理由がある。
ひとつは創り続けることのObsession、休み無い製作へと駆り立てられるような思いが息苦しさを伴うほどに感じられること。理由などない。すぐに創りはじめなければなならない。その焦燥感さえもキャンパスに封じ込めて。
怠惰な生活を続ける自分への自戒の思いも感じつつ。
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もうひとつの理由は草間彌生の作品がそのおかれた場そのものを変質させる力を持つこと。
最初に常設の蛍光シールとブラックライトを使った作品(部屋?)に入ったとき、その簡単な仕掛けにもかかわらず空間を一気に違うものにしてしまう手際に驚かされた。自分が普段空間をいじくってああじゃこうじゃやってるのは、いったい何なのか?
しかし、場の空気を変質させる力はそういった直接空間を扱う作品や立体だけでなく、キャンバスに描かれた小品までもがそういう力を持っている。作品に封じ込められたObsession、反復、増殖といったモチーフ(=終わり、際限の無さ)がその枠を超えて流出する、と言葉にするのは容易いが、作り上げるのは容易くはない。

BGM:Music For 18 Musicians/Steve Reich -- そのまんま・・

take4_archi at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 展覧会 

August 05, 2005

昨日休んだ報いが・・


今日はR山荘の構造と模型を仕上げる予定だったが、T施設どうしても今日中に図面提出となり、泣く泣く打合せキャンセルをお願いして、T施設の修正プラン作成。夜までに終わらず、持ち帰り。(涙)
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よって今日はBGMもなし・・・と思ったが、気分転換に一枚。

BGM:This Years Model/ELVIS COSTELLO

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August 03, 2005

ネモージュス−1/ジャン・ヌーヴェル


昨日連絡をもらったAビルの打ち合わせ。以前に設計させてもらった建物の小規模の増築だけれど、きれいに収めるのは難しそう。M店舗のプラン調整。来週には業者に見積り依頼をする。R山荘構造チェック、やっと終わって構造へメール。
夜は建築士会の理事会に30分遅刻で出席。ビアガーデンで納涼会だったが、1時間ほどで雷が・・・屋内に非難。

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DVD ネモージュス−1/ジャン・ヌーヴェルを観る。
ヌーヴェルは僕の大好きな建築家の一人。ネモージュスは1987年だからかなり前のものだ(アラブ世界研究所とほぼ同時期)。羽を広げたようなバルコニーや張り出した金属製の庇など一見フォルマリズム風の建物に見えるが、実はこれは公共の集合住宅で、かなり厳しい制約の中で造られている。ヌーヴェルはその条件を逆手に取り、この建物を同じ予算で、3〜4割り増しの床面積を確保することを課して設計し、それを実現している。
設計条件の困難さは時に設計者にとってプラスに働く。進むべき方向を簡素化し、設計の意図を明快に伝えることを可能にしてくれる。ぶっちゃけた話施主の理不尽な要求に対し、「予算が無い」とつっぱねつつ、設計者にとって最も肝要な部分を温存することができる。(施主の理解が不足しているとしても、結果的にその部分が施主の利益につながっていなければならないとは思うが・・)

ヌーヴェルは言い切っている。
「“美”は大きさに比例する」
「大きな空間が美しい居住空間なのだ」
非常に単純な原理、立上る建物にそれははっきりうかがえる。しかし建物そのものの表れ方は決して単純なものではない。

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このDVDで本当に面白いのは実際に住民たちが、ネモージュスに住込んでいるところの映像だ。この建物は作者の芸術的意図から内装の改変を禁じられている。しかし、実際は住み手によって、壁紙や化粧板でさまざまな改変が施されており、「住民の圧勝」という言葉で締めくくられている。その生き生きしたさまを観ると、ヌーヴェルはこの住民たちの規則破りまで見透かして、この規則を作ったのでは・・・とは考えすぎか。
広い廊下を自転車が走り、ベランダは植物やダンボールや何やかやで埋め尽くされていく。そういった生活のごたごたを内に抱えつつも、たとえばベランダの過剰に大きな傾斜手摺がそれを包み、下の街路からの眺めは相変わらず、ヌーヴェルの意図したままの光を映している。

BGM:Ascenseur pour l'echafaud/Miles Davis ルイ・マル作品のサントラ フレンチ繋がりという事で・・・

take4_archi at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 建築 

August 02, 2005

雑木の庭


午前、A店舗内装の現場打ち合わせ。今日出るはずと思っていた見積り、工程が出てこない。若干の訂正の連絡と見積り提出期限を確認。
午後、T倉庫意匠図UP。メールで送る。R山荘構造のチェック・・終わらず。

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ここ何年か関わっている旅館の仕事を通して、雑木による庭造りの得意な造園屋さんと親しくなったこともあり、旅館に限らず自分の設計のなかで、雑木を主体とした庭(と呼べないような敷地周縁空間も含めて)のウェイトが大きくなってきている。周辺環境と建物との関わりと言う意味では小手先の建築デザインなどより庭の造りこみのほうがずっと効果的だし、むしろそれ抜きでは住宅は考えられない。

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木洩れ日の庭で/中谷耿一郎 読了

著者は東京から八ヶ岳の麓に移住してきた造園家。ちょっとメルヘンなタイトルから、自然に親しむ田舎暮らしのドキュメントかと思わせる。そういった色合いもないとはいえないが、本の後半では著者の仕事を通じた経験から、単に庭の設計にとどまらず建物、周囲の環境も含めた景観のあり方を論じていて興味深い。

「地形は庭の骨格ともいえるもので、地形づくりのうまくいっていない土地にいくら樹や花を植えて化粧を施しても、周囲の景観と調和しにくいだけでなく、庭自体がよくなることも少ない。」
「人の自然に対するかかわりが一番顕著に現れているのが、地表面である。」

そして何より著者が関わった庭の写真が美しい。

BGM:Nude Ants/Keith Jarrett  やっぱ"Oasis"はいいですね。

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August 01, 2005

見えない都市


今日から8月。依頼してあったR山荘の構造の概要がメールで届いた。南側テラスの屋根がごついこと、内部柱位置の間違いなどありチェックしなければいけないが、集中できず明日へ持ち越し。同じく山のT施設の2階の平面図をまとめる。

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見えない都市/イタロ・カルヴィーノ 読了
カルヴィーノの本を読むのは初めて。マルコ・ポーロがフビライ汗に都市の記憶を語る。それぞれの都市を寓意的に読むこともできるし、それらの話の合間に語られるマルコとフビライの対話に物語る行為そのものへの視点を深読みすることもできる。読者への読みを誘発するさまざまな仕掛けが埋め込まれている。
カルヴィーノ自身は、この物語を読むあらかじめ決められた身振りなど考えていないのだと思う。どのように読むかは読者自身に委ねられている。

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奇をてらうような人目を引く建物を造りたいとは思わないけれど、その前でふと立ち止まってしまうような仕掛けが、全体から遊離することなく埋め込まれており、それが見る人それぞれに違った思いを抱かせる・・そんな風にできればよいのですが。

BGM:Elegiac Cycle/Brad Mehldau

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