August 06, 2005

草間彌生


T施設平面だけ間に合わせて午前中打ち合わせ。その足で、JIA(日本建築家協会)の会合があるため松本へ。昼に少し時間があったので、松本市美術館でやっている草間彌生の展覧会へ立寄る。
JIAの会合へ出るのはこれが初めて。長野では設計事務所の横のつながりは薄いようで、普段同業者で建築の話をすることは少ないけれど、JIAではその機会を提供してくれそうだ。会員の作品発表などの後納涼会だったが、アルコール抜きで参加して長野へ車で戻る。まだT施設の立面を作らなければ。
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草間彌生展実は草間彌生の作品を見るのは好きです。松本市美術館には常設で草彌生の部屋があり、何度か見に行っている。見た目の奇抜さや、いわゆるアートっぽさ全開の作風もちょっと・・という気がするし、それでいて作品のテーマは反復、増殖、生命の賛歌・・とても分かりやすかったりする。また、露骨な性的モチーフや、女性的な生臭さに人によっては拒否反応もある。
それでも草間彌生が好きなのには二つの理由がある。
ひとつは創り続けることのObsession、休み無い製作へと駆り立てられるような思いが息苦しさを伴うほどに感じられること。理由などない。すぐに創りはじめなければなならない。その焦燥感さえもキャンパスに封じ込めて。
怠惰な生活を続ける自分への自戒の思いも感じつつ。
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もうひとつの理由は草間彌生の作品がそのおかれた場そのものを変質させる力を持つこと。
最初に常設の蛍光シールとブラックライトを使った作品(部屋?)に入ったとき、その簡単な仕掛けにもかかわらず空間を一気に違うものにしてしまう手際に驚かされた。自分が普段空間をいじくってああじゃこうじゃやってるのは、いったい何なのか?
しかし、場の空気を変質させる力はそういった直接空間を扱う作品や立体だけでなく、キャンバスに描かれた小品までもがそういう力を持っている。作品に封じ込められたObsession、反復、増殖といったモチーフ(=終わり、際限の無さ)がその枠を超えて流出する、と言葉にするのは容易いが、作り上げるのは容易くはない。

BGM:Music For 18 Musicians/Steve Reich -- そのまんま・・

take4_archi at 23:00│Comments(0)TrackBack(0) 展覧会 

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