映像編集

2006年05月20日

シャッター効果で寄る

被写体の揺れ動く気持ちを表すために色々なアングルのショットを組み合わせたり、視線を誘導して表情の演技で今後の展開を予感させるために顔面アップに切り替えたりということはよく行われる手法である。まずは単純な切り替えでアップにしたのがこれだ。

単なる切り替えアップ

急激に切り替わるのでちょっとキツイ感じになる。これを和らげるためにシャッター効果が有効なのだそうだ。シャッター効果とはカメラの前に遮蔽物が入って一瞬被写体が隠れるのをきっかけにいろいろ切り替える編集のことを言う。次はソファーに座っている人とカメラの間を人が通って座っている人を覆い隠した瞬間にアップに切り替えた例である。

遮蔽されたタイミングでアップ

多少は和らいだような気もするが、なんとなくまだぎこちない。それでもソファーに座っている人から手前の人にちょっとだけ注目が移った瞬間に切り替わるので、以前に勉強したブリッジングショットの効果が多少出ている気がする。
次にアップの画面に遮蔽した人物の一部を写りこませたのが次の例だ。

遮蔽物を画面に残してアップ

これなら違和感がない。手前でピントがボケた人もアップに切り替わっているが、ボケているのであまり切り替わりを感じない。この手前のボケた人物の2つのショットが1つのブリッジングショットとして機能して、滑らかな繋ぎになっているのがわかる。さらにカメラの位置ではなく、ズーム比を変更してアップしているので、主観がぶれることなくついて行ける効果もあるようだ。



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2006年05月14日

動きの強調

物事を強調する単純な方法はアップである。そしてジャンプを強調するなら足元である。まず最初に遠景のジャンプを見てもらいたい。

ジャンプ(遠景)

次にジャンプの時に足元にズームインさせたものを見て欲しい。

足元にズームインしたジャンプ

2つを見比べると後の方がジャンプが強調されていると思う。さらにジャンプ後に土煙や反動によるブレなど効果を付けると効果的かもしれない。また、格闘シーンではジャンプはカメラポジションを転換する時の編集ポイントとしても使い勝手が良いようだ。参考にした書籍では仮面ライダーを例に挙げているが、ライダーはジャンプの後で上昇していき、何度か空中回転をして、ライダーキックに繋いだりして行くわけだ。CGと違って人間が演じているから遠景でジャンプを撮るとショボくなるのでこういう方法が考案されたんだと思う。他にもジャンプする時にキャラクタのバストショットから地面にカメラを振ってジャンプの速度感を出す手法も見たことがある。いずれにしても地面を離れた後にキャラクタが写らないようにすることで、ちょっとしか跳んでないのをごまかせるのが結構大きいかもしれない。CGならキャラクタを無限に上昇させられるので、ミサイル発射みたいにカメラで追っかけてしまいがちだが、こういう作り方もかえって新鮮かも知れない。

着地はジャンプとまったく逆に、足元のアップからズームダウンする。

着地(遠景)

足元からズームアウトした着地

着地した事がインパクトのある足元のアップで強調された瞬間、勢いのあるズームダウンで全景が現れ、これからの展開に胸躍る感じの演出になる。さらにここでキャラにポーズをとらせてバストショットから急激なズームダウンを角度を変えながら3連発とか繋ぐと、かっこいいヒーローの見せ場感が出て、いいね。特撮の人達が積み重ねて来たそういうひとつひとつの工夫に感謝だね。



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2006年05月07日

同ポジ同サイズは直結しない

スピーチとかを固定カメラで撮って短く編集しようとすると、編集ポイントで被写体がガクっと動いてとても気になる事になる。次の映像は2つの連続しないショットを直接繋いだものだ。

同じアングルのショットを繋いだもの

見ての通り、見ていると切り替わりが凄く気になる。だから同ポジ同サイズは繋がないのがベストだろう。次の映像は同じシーンを別ショットのカメラに切り替えたものだ。

別のアングルのカメラどうしを切り替えたもの

これなら別に問題は無いだろう。しかし不幸にも固定カメラ1台の映像しか無いとか避けられない事情がある場合は間に橋渡しとなる別映像をかませる方法もある。これをブリッジングショットと言う。次の映像がブリッジングショットを挟んだもの。ちょっと無理やりなサンプルになってしまったが、サウンドがあると印象は全然違うと思う。

ブリッジングショットで繋いだもの

ショックを少なくと言う意味ではクロスディゾルブとか使ってオーバーラップで切り替える手もある。しかしこっちは前のショットからちょっと時間が経って感じのニュアンスが入るかな。

クロスディゾルブで繋いだもの



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2006年05月02日

イマジナリーラインは超えないのが基本

p06050203カメラが切り替わった時に見ている人の方向感覚が混乱する事がある。例えばA、B、2人で会話しているシーンでそれぞれのアップを繋ぐ時、AもBも同じ側から撮れば画面に映る横顔は向き合う形になり、アップだけでもお互いに向き合っている事を認識できるが、Bを反対側から撮るとAもBも横顔の向きが同じになって向き合っているにもかかわらず見ている人には2人は同じ方向を向いているように感じられてしまう。こういう混乱を防ぐ方法のひとつにイマジナリーラインを意識したショットを心がけるという方法がある。イマジナリーラインとは対話線とも呼ばれ、わかりやすい例としては先にも書いた2人が対話するようなシーンで2人を結んだ想定上の線分を想像すればいい。先に書いたような方向の混乱を起こさないためには繋ぐ時にこのイマジナリーラインをまたがないというのが原則だ。さて実験した映像を上げてみる。カメラの配置は図を参照。クリックすれば大きな映像が表示できる。この図でカメラ3がイマジナリーラインを超えている。まずカメラ1からカメラ2に切り替える原則を守ったシーン。

カメラ1=>カメラ2

続いてカメラ1からカメラ3に繋ぐイマジナリーラインを超えたシーン。

カメラ1=>カメラ3

原則を破った方の映像はキックをしていたはずのキャラの方が蹴り飛ばされているような錯覚に陥る。このようにイマジナリーラインを意識した繋ぎはアップの繋ぎで混乱を起こさないために大切な原則である。しかし意図的にこの原則を破る事で見る者を混乱に陥れるなんて演出もアリなので、なかなか深いねぇ。



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2006年04月30日

ワンアクション編集で演技の同時性を

2人の人が互いに銃を向けるシーンを撮る場合、緊迫感を演出しようと思ったら撃つ者撃たれる者の主観に立ったカメラワークが効果的だと思う。主観に立つためにはカメラは人物の視線に合わせることになるが、そうすると自分も銃を相手に向けていて、同時に相手も自分に銃を向けた事を表現するためには、自分の視野に相手が銃を構える姿と銃を構える自分の手を同時に入れる方法が考えられる。ただそうすると両者の緊迫感を表現するという意味ではちょっと物足りない感じになってしまう。そこで2人それぞれの視点で自分に銃が振り向けられる所を撮って繋ぐことが考えられる。それを短純にやったのがこの映像だ。

単純に繋いだもの(WMV)

見てわかる通り、迫力は出せていると思うのだが、銃を突きつける時間に差があるようでもあるし、テンポももたついた感じになる。そこでワンアクション編集の出番である。2人が銃を突きつけるまでのカットを途中で切り替えることで、2人の動作が同時に起こっている事を表現し、テンポのいいシーンに仕上げることが出来るのである。これが修正したシーン。

ワンアクション編集で繋いだもの(WMV)

くどくどと説明臭い映像は見ていて飽きる。逆にあまりにチラチラして落ち着きの無い画面は見ていて疲れる。人間の感覚はどちらに対しても長く継続して受容できない構造になっている。逆にこれらを絶妙なバランスとタイミングで切り替えれば、素晴らしい効果を上げられるはずである。ワンアクション編集はダラダラした映像にピリッとした緊張感を入れるスパイスに持って来いなのかも知れない。



take_z_ultima at 01:45|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)
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