昨日紹介した日経記事に、監査報酬が1社あたり「平均約3億円」とあったことにかなり違和感を感じたのですが、丸山会計士が監査報酬の分布を調べてくれてました。

監査報酬の分布は超ロングテール

「概ね66%の企業の監査報酬は30百万円以下、概ね75%の企業の監査報酬は40百万円以下、概ね90%の企業の監査報酬は60百万円以下」ということで、1社あたり平均約3億円というのは、かなり実態からかけ離れていることが分かります(日経の調査では、株式時価総額上位300社の監査報酬の調査ですので、すなわち、上場企業の上位10%以内の会社が対象でありますので、上場企業の平均からは大きくかけ離れることになります)。


さて、内部統制監査や四半期決算の導入を理由に、各社、監査報酬の値上げが監査法人から要求されていると思います。
確かに、内部統制監査等で監査工数が増えますが、2倍や3倍に増えるわけはないと思います。
では、何で監査報酬だけが急増するのか。
個人的な仮説ですが、監査報酬を増やさざるをえない業界の事情があるのではないでしょうか。

先日も書きましたが、公認会計士試験合格者はほとんどが監査法人へ就職します。初任給は年収400〜500万円といったところでしょうか。社会保険料等の負担も考慮すると監査法人は新入社員1名あたり年間600万円くらい負担することになります。
合格者が3000人で、全員が監査法人に就職するとすれば、3000人×600万円=180億円を負担することになります。
これは、監査法人が負担するわけですが、間接的に、被監査企業や株主が負担することになります。上場企業が3800社とすると、1社あたり180億円÷3800社=474万円は最低でも監査報酬を“毎年”増加させなければ、監査法人は新入社員の人件費を負担できないわけです。上述の通り、「概ね66%の企業の監査報酬は30百万円以下」ですので、監査報酬が“毎年”約500万円も増加し続けなければならないということが、どういうことかは想像できると思います。さらに会計士の数を増やそうとしてますから、おっそろしいことです。
丸山さんの分析の通り、監査報酬はロングテールです。監査報酬がもとから小さな企業は、この御時世、監査報酬の増額要求は飲めませんので、従来から監査報酬が大きな会社の監査報酬をさらに増やさなければならないという構造にあると思われます。
どうも、制度上、構造上の限界があるように思います。
さて、監査法人が有限責任化すると、他の監査法人の監査を受けた上で、財務諸表を公衆縦覧する必要があるようですが、監査法人の財務諸表にゴーイング・コンサーン注記が付いたりしないでしょうね!?





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