2009年12月11日に「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正が公布・施行され、有価証券報告書の株主総会前の任意開示が可能となりました。投資家に対するディクスロージャーの徹底という観点からいうと、決算の「適正性」「適法性」のみならず、「適時性」の要件も満たす必要があると思います。そのため、不正・粉飾が相次いだ際に、「適正性」「適法性」を徹底するための確認書制度や内部統制報告書制度が導入され、「適時性」を徹底するために四半期報告書制度や決算早期化制度が導入されました(それぞれ別々の制度のように思われていますが、一体として“ディスクロージャー改革”が行われたわけです)。
しかし、従来、有価証券報告書は総会後に提出していたため、「適時性」の要件を満たしてるとはいえませんでした。
そこで、有価証券報告書の株主総会前の任意開示が可能となるような制度へ変更されたわけですが、昨日の日経記事によると、有報の総会前提出には(意外なことに)否定的な意見もあるようですね。
例えば、「今さら総会前に有報を提出して意味があるのか」(エーザイの幹部)、「財務部門だけでなく、内部統制委員会でも十分議論したうえで作成しており、提出には時間が必要」(花王の取締役)という意見が紹介されています。「適正性」「適法性」「適時性」の3要件よりも、正確性や慎重さも重視しているのかもしれません。
しかし、左上の日経に掲載されていた図表にもありますが、有報が投資家の投資意思決定の判断材料となっているかというと、そうともいえない実態があります。やはり、投資家へのアカウンタビリティを考えれば「適時性」(タイムリー・ディスクロージャー)も重視すべきだと考えています。
ついでにいえば、(記事には書かれていませんでしたが)有報、短信、計算書類と、同じようなものを3つも作成することが、投資家や決算実務担当者にとって何か意味があるのか、ということも常々思う点であります。たんなる縦割り行政の弊害ではないんでしょうか。有報の早期開示のみならず、金証法・会社法・取引所ルールの一体化の早期実現を望みます。
こうすればできる!決算早期化の仕組みと実務著者:武田 雄治
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