中小企業庁の「中小企業の会計に関する研究会」(座長、江頭憲治郎早大大学院教授)は17日、中小企業の会計処理に関する新しい指針づくりの基本方針を発表しました。

第7回中小企業の会計に関する研究会

我が国の法人形態の中小企業は257万社あり、全法人の98.8%を占めているようです。
そんな中、我が国の会計制度のコンバージェンスが進んでいるわけですが、IFRSへのコンバージェンスが進んでいる会計基準を中小企業に適用させる意義は乏しく、現実的とは言えないことから、2010年2月に中小企業庁において「中小企業の会計に関する研究会」が設置され、非上場企業の会計制度のあり方について検討が行われてきました。

今回の報告書においても、金融庁が公表した「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」と同様に、「中小企業の会計処理のあり方について、IFRSを適用する必要はない」と明記されています。また、「IFRSへのコンバージェンスが進む会計基準とは、一線を画して検討が行われるべき」とも書かれています。

そこで、中小指針(中小企業の会計に関する指針)とは別に新たな会計指針を作成する方針を示しています。

この新たな会計指針作成についての基本的な考え方として、以下のように記載されていますが、これは激しく同感。
『中小企業の会計のあり方は、中小企業の成長に資するべきとする視点を議論の出発点とし、会計処理のあり方についても、経営者が理解でき、それを活用した結果、自社の経営状況を適切に把握し、経営に役立てることを可能にし、資金調達先の多様化、資金調達の円滑化や取引先の拡大を目指すことが出来るというように、経営者自身が会計ルールのユーザーである点が考慮されたものである必要がある。』
「経営者自身が会計ルールのユーザー」であり、会計というものが(中小企業の)経営に役に立つものでなければ意味がないと思います。原点に帰った取得原価主義会計を中小企業は行うべきだと考えます。

なお、上記リンク先の資料、会計と会社法・税法・金商法との関係や、各国の会計制度の概要などもまとめられており、有益で面白いです。興味があればご一読下さい。


参考
非上場会社の会計基準に関する懇談会