山口弁護士のブログでも取り上げておられますが、本日(6月21日)の日経新聞朝刊の社会面右下に、トライアイズ(4840)の元常勤監査役に対する謝罪広告が掲載されていました。

トライアイズと元常勤監査役の争いの経緯は、(山口弁護士のブログにも書かれておりますが)「モノ言う監査役」と経営執行部と対立が発端であり、法廷闘争にまでもつれ込みました。

元監査役の忠実な業務 → 取締役会での元監査役に対する恫喝行為 → 会社が定時株主総会で監査役の解任議案を提出 → 監査役が差し止めの仮処分申立 → 監査役の解任議案を取り下げ → 総会後に監査役が総会決議の一部に瑕疵があるとして決議の取り消しを求め訴訟 → 臨時株主総会開催 → 監査役解任 という流れてあったと思います。

元監査役は任務を忠実に行いながらも任務懈怠を理由に解任されたわけですが、同じような境遇にあった場合に裁判を起こすという行動に踏み込むことができない監査役もいるのではないかと思います。しかし、ウェブサイトや雑誌などで掲載されていたこれまでの元監査役の主張などを拝見すると、元監査役は私的感情ではなく、我が国の監査役制度やコーポレート・ガバナンス制度の維持・発展のために、色々なものを犠牲にしながらも闘う覚悟を決めたのだと思います。

本件謝罪広告は、判決に基づくものではなく、当事者間における裁判上の和解条項の履行としてなされたもののようであります。未だ別件裁判が係属中のようでありますが、ここまで正義を貫いて闘い続けた元監査役F氏には深く敬意を表したいと思います。


『後世へ遺すべき物は、お金、事業、思想もあるが、誰にでもできる最大遺物とは、勇ましい高尚なる生涯である。』 (内村鑑三)