今朝の日経より。

金融庁は上場企業に国際会計基準(IFRS)の採用を義務付ける時期について結論を当面見送る方針だ。企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)が7月にもまとめる報告書に、強制適用の時期を明記しない。国際会計基準を任意に適用できる企業の範囲を拡大する案は盛り込む。最短で2016年とされていた強制適用は先送りとなる可能性が高まってきた。
(中略)
結論を見送るのは、適用を義務付けるとシステムや会計処理の大幅変更を迫られる企業の負担が重いとの声に配慮したためだ。
(中略)
希望すれば任意で国際会計基準を適用できる企業の範囲は広げる方向だ。グループ内に資本金20億円以上の会社を持つ場合と限っていた制限を緩め、新規上場企業にも利用を認める。現在、12社(5月22日現在)にとどまる利用企業を増やし、将来の強制適用に向けた素地を整える狙いがある。(以下省略)

想定通りの「結論先送り」です。
この国のお役所の人達の意思決定はなんでこんなに時間がかかるのやら。。。

個人的には、「企業の負担が重い」から「結論を見送る」というのはロジックが破壊していると思います。
現実的には、金融庁がダラダラと意思決定を無意味に遅らせているから、現場はプロジェクトを立ち上げることもできないし、予算も付けることができないし、システムの改修もできないという状況の企業が大半かと。「結論を見送る」から毎年のようにコンバージェンスの対応に迫られるなどの企業の負担が増えているのではないでしょうか。

日経電子版(2013/3/26)には、「仮に強制適用する場合でも、4〜5年など十分な準備期間を設ける」という金融庁幹部のコメントが掲載されておりましたが、4〜5年など十分な準備期間を設けるつもりであれば、なおのこと早く結論を出したらどうなんだ?? と思うわけです。

こうやってダラダラと意思決定を遅らせている上に、こういう訳が分からない記事も。
国際会計基準(IFRS)の導入義務付けの結論が当面見送られる見通しになり、金融庁は日本基準とIFRSの折衷案となる新たな会計基準作りに乗り出す
(中略)
日本には国内基準、米国基準、IFRSの3つが併存しており、これに折衷案が加わることになる。折衷案はIFRSを基本としながら、日本として受け入れにくい個別の項目は日本基準を適用する形になりそう。例えばリース会計。日本基準が貸借対照表に計上されないのに対し、IFRS原案では資産・負債計上が必要となり、リースを活用している企業の間で抵抗感が大きい。(以下省略)

誰のために、何のために折衷案を作るのか、意味不明です。


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