決算発表が遅い会社の決算スケジュールを分析すると、単体決算が遅すぎるという会社は少数で、連結決算・開示業務が遅いという会社の方が圧倒的に多いといえます。

連結決算が遅延する会社は、親会社の連結決算プロセスに問題を抱えているケースもありますが、子会社からの「連結パッケージ」の提出が遅い、もしくはその精度が低いというケースも目立ちます。

多くの上場企業の「連結パッケージ」は複雑すぎると思います。

拙著『決算早期化の実務マニュアル<第2版>』(P38)に、こんなことを書きました。

・・・ソニーやホンダといった巨大な上場企業であっても、その子会社は大半が非上場企業である。しかも、ほとんどが知名度の低い中小企業である。例えば、ソニーは1,240社の連結子会社を有するが(2015年3月31日時点)、皆様はその子会社の名前を何社いえるだろうか。ほとんど出てこないはずである。このように、通常は上場企業の子会社といえども、大半は知名度が低い企業である。知名度が低い企業に連結決算の実務経験が豊富な人材はまずいないと思っておいた方がよい。上場企業であっても連結決算の実務経験を有する優秀な人材を確保することが難しいにも関わらず、知名度の低い子会社がそのような人材を確保することは、極めて困難なことである。子会社の決算担当者は、連結決算の実務経験どころか、連結財務諸表の基礎知識すら有していない場合もあるだろう。そのような連結の基礎知識を有していない経理担当者にとって、親会社からの連結パッケージを入力することですら相当レベルの高い仕事を要求されているということを忘れてはならない


さて、「子会社からの連結パッケージの提出が遅い!」、「精度が低い!」という方の会社の連結パッケージは何ページあるでしょうか? それは連結決算の知識がない方でも簡単に入力できるようなものでしょうか?

子会社からの連結パッケージ提出が遅延している会社の連結パッケージを見ると、非常に分量が多いというケースが目立ちます。分量が多いのに、網羅性に欠けているというケースもあります(網羅性が欠けているので、連結パッケージを入手した後も、追加資料を依頼しなければならない)。

まずは、連結パッケージの見直しをすべきです。見直しのポイントは、連結決算の知識がない方でも簡単に入力できるような分量・体裁にするということです。

その際に、連結パッケージの「分冊化」も検討すべきです。

例えば、エクセルシート100枚以上もあるような膨大な量の連結パッケージを「決算日後3営業日以内に提出せよ」と子会社に命じることは酷な話です。酷な要求が連結パッケージの遅延、もしくは精度の低下を招いている可能性もあります。本当にそれだけの情報を「決算日後3営業日以内」に必要でしょうか。子会社のために分冊化してあげ、連結パッケージの入手日をズラしてあげるだけでも子会社の業務負担は大幅に軽減されると思います。

拙著『決算早期化の実務マニュアル<第2版>』(P49)には、3パターンの分冊化の方法を提案しておりますので、参考にしてみてください。


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