現在発売中の『週刊エコノミスト』(2016/12/20号)が「粉飾 ダマし方見抜き方」という特集を組んでおりますので、興味深く読んでみました。

粉飾の手口は色々ある、のれんもリスクだ、会計監査には限界がある、監査の精度向上に人工知能(AI)の活用が期待・・・・・・といった内容が前半に書かれております。巨額ののれんを計上しているソフトバンクグループの経理部長に、のれんについてインタビューしておりますが、『のれんには減損リスクは当然あるが、それが何か?』と回答をされているのは爽快です。元オリンパス社長のマイケル・ウッドフォード氏へのインタビューも掲載されております。オリンパスの粉飾事件後も、上場企業の粉飾決算の開示件数が増えているのは、盲目的な服従が当たり前という日本の企業風土に問題がある、と。さらに、日本の企業風土を最も良い形に変える、唯一かつ最善の方法は、敵対的な買収を許容し、促す法整備だ、と。敵対的買収は、「弱いモノが強いモノに駆逐される」ことにより資本主義を成功に導く最も重要なメカニズムだという主張は、最近『サピエンス全史』を読んでいただけに、「なるほど〜」と唸りました。

後半では、不正会計を未然に防ぐ監査法人や監査役にフォーカスを当てた記事。
ジャーナリストの磯山友幸氏は、『逆風の監査法人 人気職業から転落した会計士 不正会計の撲滅に不安残す』という記事において、公認会計士が人気職業から転落したのは、オリンパスや東芝の粉飾事件が原因で、学生達がそっぽを向いたからではないかと書かれております。ただ、それだけで学生達がそっぽを向くだろうか、という気もします。根本的な原因は、金融庁が公認会計士の合格者を一気に増やしたことにあり、大量合格者→就職難民→大量採用→監査法人リストラ→給与減少といった負のスパイラルにもあると私は思っております。投資した時間や提供した価値に対して、経済的なリターンがあるのかということは、仕事を選ぶ上での大きな要素だと思いますので。

山口利昭弁護士による「監査役の覚醒−増えるモノ言う監査役」という論稿は非常に濃い内容。監査役の方は是非ご一読下さい。


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