私は以前、本ブログでこんなことを書いたことがあります。
freeeなどの「クラウド会計」といわれているものの普及は(税理士)業界にとって脅威だと思います。税務顧問も経理部も必要ないという会社が確実に増えてくると予想してますので、(税理士業界は)ますます厳しい環境に置かれるのではないかと思います。

これからの人口減少時代において、企業の経理部は、事務作業の効率化や管理コストの削減は欠かせないものになるはずです。既に多くの中小企業において、従来のスタンドアロン型会計ソフトから「クラウド会計」に変更し、大幅な事務作業の効率化・自動化と管理コストの削減を実現しておりますが、この流れは加速するはずです。

そうなれば、税理士業界においても、従来型の月次顧問報酬と申告報酬を獲得するというビジネスモデルでは経営が成り立たなくなるはずです。

生き残るために、企業においては「クラウド会計」を使いこなすべきですし、税理士さんにおいても(「クラウド会計」を脅威とするのではなく)「クライド会計」を使いこなし、ビジネスモデルを変革する機会と捉える必要があると思います。

これから「クライド会計」を使いこなしたいという方にオススメしたいのが本書。企業の経理担当者と会計事務所の方と両方をターゲットに、「クライド会計」をこれから使う方から、さらに使いこなして効率化・自動化を極めたいという方まで、とにかく「クライド会計」を使いこなすために書かれた解説本です(なお、本書ではマネーフォワードの「MFクラウド会計」の画面を使って解説してます)。

本書を読んで、「クライド会計」が経理部のあらゆる業務を自動化するために進化(というか浸食)しているなぁと感じます。私も時々「クライド会計」を操作してますが、使いこなせていない機能が多くあることも分かりました。もはやネットバンキングのデータを読み取って自動仕訳を切るためのソフトではない。監査のAI化の前に、経理部のオートメーション化が先にくるでしょうね。会計システムが「リアルタイムで情報を提供してくれる意思決定に有用なシステム」(P41)となり、経営者がタブレットから意思決定情報を取りに行くようになるのではないでしょうか(そのため、経営者にもある程度の会計リテラシーが求められるようになると思います)。

「クラウド会計」を使用している企業の数は、少なく見積もっても100万事業所を超えるようです(本書P3より)。既に日本の全法人の4分の1が「クラウド会計」を導入しているということになります。数年後には殆どの法人で導入され、管理会計も税務申告もある程度は自動化されるはずです。そうなったときに経理部はどうあるべきか。「クラウド会計」を使いこなせるようになった「少し先」を考えながら本書を読むと、何か気付きが得られるのではないかと思います。