金融庁は10日、「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)を公表しました。

[金融庁]「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)の意見募集について


これまでの融資に関する検査・監督は、各金融機関のビジネスモデルとは切り離して、特定の内部管理態勢のあり方を想定して設計されてきたため、金融機関の融資に関する様々な取組みや将来損失の的確な見積りを制約する結果となっている可能性が指摘されていました。

そこで、検査マニュアルによる画一的な対応を改め、金融機関の個性・特性に着目し、これに即した検査・監督を行う方針を示しました。具体的には以下のとおり。


▼融資に関する検査・監督の考え方と進め方(案)
金融機関の経営理念・戦略に応じた検査・監督
1. 金融機関の個性・特性(=全体像)を理解する。
• 金融機関がどのような経営環境の中で、何を目指しているのか(経営理念)、そのためにどのような経営戦略や融資方針、リスクテイク方針を採用しているのか

2. その上で、どのように金融仲介機能を発揮しようとしているのか、それに伴う健全性上の課題は何かを明らかにする(健全性と金融仲介は表裏一体)。
例えば、地域に根ざした融資を行うのであれば、当該地域の産業事情に通じているか、当該産業特有のリスクにどのように対応しようとしているのか等


将来を見据えた引当の見積り
1. 金融検査マニュアルに基づいて定着した現状の引当実務(主に過去実績を基に算定)は否定しない。

2. マニュアルに記載がなくとも、足元や将来の情報に基づきより的確な引当と早期の支援を可能に
(例1)自然災害(個社毎の損失額が不明な段階でも、類例や被災状況等を踏まえ大まかに推計・引当)
(例2)技術革新(関連会社のメーカーからの受注に実際に影響が出る前でも、将来の受注減少が見込まれれば予め引当)
(例3)特定産業の好・不調(足元好調でも、将来の不調が見込まれれば引当に反映)

([出所](別紙2)「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)の概要  より)


意見募集は10月11日まで。
本年12月に、寄せられた意見を踏まえ本文書を最終化し、検査マニュアルを廃止するようです。