ASBJは20日、日本基準の開発に関する予見可能性を高めるため、検討状況及び今後の計画「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」を改訂し、公表しました。

[ASBJ]「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂(2025年6月20日現在)


「後発事象に関する会計基準」について、2025年7月に公開草案を公表することを目標としている旨が追記されました。

その他、大きな変更はありません。もちろん、「のれん非償却」も計画に入っていません。
変更点は下の一覧に背景色を付けています。

審議資料等はこちら


▼現在開発中の会計基準に関する今後の計画
1. 開発中の会計基準
(1) 金融商品に関する会計基準 
  →予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損について検討
  →2022 年 4 月より、予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損について、IFRS第9号「金融商品」のモデル(ECL モデル)を開発の基礎として検討を進めている。現在、金融資産の予想信用損失に関する会計上の取扱いに係る適用指針の文案を検討しつつ、合わせて企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」、移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」及び移管指針第12号「金融商品会計に関するQ&A」等の改正案に関する検討を行っている。

(2) 四半期報告書制度の見直しへの対応
 →企業会計基準第 33 号「中間財務諸表に関する会計基準」(中間会計基準」)及び企業会計基準第 12 号「四半期財務諸表に関する会計基準」を統合した会計基準(「期中会計基準」)の開発に向けて、検討を行っている。
 → 中間会計基準に関連する他の会計基準等の修正への対応については、2024年6月より検討を開始している。また、>期中会計基準については、2025年4月に公開草案を公表済

(3) 後発事象に関する会計基準
 →監査基準報告書560実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」の移管方針について検討を行い、公開草案の公表に向けて審議を進めている2025年7月に公開草案を公表することを目標としている
(4) 継続企業に関する会計基準
 継続企業に関する会計基準の開発を行う
 →2025年2月から検討を開始している。

(5) 法人税等に関する会計基準
企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、基準の適用対象となる税金についての原則的な定めを置くとともに、関連する実務上の取扱いに関する指針の見直しを行うことについて、2025年5月より検討を開始している。

2. 開発中の指針(実務上の取扱いを含む。)
(1) 金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の「暗号資産」に該当するICO トークンの発行・保有等に係る会計上の取扱い 
  →資金決済法上の「暗号資産」に該当する ICO トークンの発行・保有等に係る会計上の取扱いについては、「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」の公表済。現在、論点整理に寄せられたコメントへの対応を検討している。
(2) バーチャル PPA に係る会計上の取扱い
 →バーチャル PPAに関して、現在我が国において行われている一般的な取引形態で用いられる取引を前提に、需要家の観点から優先度の高い論点に範囲を限定した当面の会計上の取扱いについて、2024年9月から検討している。
 →2025年3月に公開草案を公表済。公開草案に寄せられたコメントを検討中

(3) 繰延資産に係る会計上の取扱い
 →繰延資産に係る会計上の取扱いについて、今後、検討することを予定している
(4) 子会社株式及び関連会社株式の減損とのれんの減損の関係
 →2017年10月より検討を開始している
(5) 譲受人が特別目的会社である場合の金融資産の消滅範囲の明確化
 →今後、リソースの状況を踏まえて、検討を開始することを予定している


「後発事象に関する会計基準」については、後発事象の基準日を(IFRSに準じて)「財務諸表の公表承認日」に変更し、財務諸表の承認日や承認した機関・責任者の名称などの注記を求める方向で審議されています。詳細は「週刊経営財務」(2025/6/2号、2025/6/16号)をご参照ください。

注記はこんな感じになると思います。

財務諸表の承認
(じげん 2024年3月期有報(IFRS)より)