自民党・金融調査会は3日、「金融調査会 提言2025」を公表しました(5月22日付)
[自民党]金融調査会 提言2025
この提言では、企業会計に関する小委員会で議論した内容については、以下の論点も提言しています。
「5.のれんの会計基準のあり方」だけは、すべき調ではなく、「議論が行われることが期待される」という表現に留めています。今回の自民党 金融調査会や企業会計小委員会では、のれんの会計基準を変えることに賛同した議員はおらず、むしろ、「のれんを非償却にしたいのであれば、IFRSを任意適用すればよい」という意見が出ていましたので(週刊経営財務 2025/6/9号、 2025/5/19号参照)、民間13団体などがとりまとめた提言とはトーンが違います。
[自民党]金融調査会 提言2025
この提言では、企業会計に関する小委員会で議論した内容については、以下の論点も提言しています。
1.サステナビリティ情報の開示・保証
→ 保証の担い手は「財務諸表監査での長年の実績を有し、高い独立性や倫理を備えた公認会計士が、主導的な役割を担うべき」である。
2.コーポレートガバナンス改革の推進
→ 金融庁において、東京証券取引所と連携し、「コーポレートガバナンス改革の実践に向けたアクション・プログラム 2024」の後継となる政策パッケージを取りまとめ公表すべき。
3.一体開示・有価証券報告書の株主総会前開示
→ 金融庁は、企業の取組状況の実態を把握するとともに、有価証券報告書レビューによる調査を行うべきである。また、株主総会の3週間以上前の有価証券報告書の開示に向けて、取締役会に前向きな企業のための相談窓口設置や官民の関係者の連携による一体開示の支援等、必要な追加的措置を検討すべきである。さらに、企業が十分に余裕をもって必要な情報を開示することができるよう総会開催日の移動についても検討すべき。
→ 日本公認会計士協会は、会員監査人に対して、必要な周知等を行うべきである。
→ 法務省や経済産業省は、株主総会資料の書面交付の不要化・電子化を含めた制度面での整理を検討する等、企業による株主総会前の適切な情報提供の取組みが容易となるよう推進策を検討するべきである。
4.監査を巡る現状と課題
→ 上場企業等を監査する監査事務所は、監査法人のガバナンス・コード改訂も踏まえ、情報開示の対応、 IT ・人材基盤等の整備を進めるべき。
→ 大手監査法人は、システムへの投資額を含めた開示の充実を促進すべき。
5.のれんの会計基準のあり方
→ 近年、のれんに関して様々な指摘が行われていることを踏まえ、我が国におけるのれんの会計基準のあり方の検討を開始すべきタイミングにあると考えられるため、多様な関係者による深度ある丁寧な議論が行われることが期待される。
「5.のれんの会計基準のあり方」だけは、すべき調ではなく、「議論が行われることが期待される」という表現に留めています。今回の自民党 金融調査会や企業会計小委員会では、のれんの会計基準を変えることに賛同した議員はおらず、むしろ、「のれんを非償却にしたいのであれば、IFRSを任意適用すればよい」という意見が出ていましたので(週刊経営財務 2025/6/9号、 2025/5/19号参照)、民間13団体などがとりまとめた提言とはトーンが違います。