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公認会計士武田雄治のブログです。

企業買収

日本M&AセンターHD社長「不適切だった」資金目当てのM&A仲介/朝日新聞

日本M&Aセンターホールディングスの三宅卓社長が朝日新聞のインタビューに答え、「資金目当て」と疑われる「不適切」な買収案件を仲介していたこと認めています。

[朝日新聞]日本M&AセンターHD社長「不適切だった」資金目当てのM&A仲介

この会社(注:中小零細の製造業を数多く買収していた都内の会社)では、買収先から引き出した多額の資金が、M&Aや運転資金にあてられているとして昨秋の取締役会で問題化した。買収先から引き出した資金を、同じ会社の買収資金や仲介手数料にあてる事例も複数あった。日本M&Aセンターでは十数社分のM&Aを仲介していたが、商談中の案件はすべて中断し、社内ルールの大幅な改定に取り組んだという。

三宅氏は都内の会社による買収事例について「不適切だった」と認めたうえで、「当初の志は間違っていなかったが、途中から積極的なM&Aに走り、資金不足となって『資金目当てのM&A』になってしまった」との認識を示した。そうした買い手を仲介したことについて、「ターニングポイントを見抜けなかったのは大きな反省点だ」とした。


日本M&Aセンターは10日、「M&Aトラブル防止のための取り組みについて」を公表しています。
[日本M&Aセンター]M&Aトラブル防止のための取り組みについて

テレ東『ガイアの夜明け』で「企業買収に潜む“詐欺師”」を特集 TVerで10月18日(金)まで視聴可能

沖縄ではテレ東が映りませんので、TVerでようやく観ました。

[TVer]ガイアの夜明け 緊急取材!企業買収に潜む“詐欺師”

「ガイアの夜明け」(2024/10/4放送)において、ルシアンホールディングスによるM&A被害を取材した番組が放映されました。行方をくらましたルシアン元幹部や仲介会社代表にも取材しており、かなり踏み込んだすごい内容です。

中小M&Aガイドライン」が改訂されり、一般社団法人M&A仲介協会が自主規制ルールを改正する背景には、こういう事件が横行していたのですね。M&Aに携わっている方は必見です。

10月18日(金)22時まで視聴可能です。


ガイアの夜明け

([出所]ガイアの夜明け 番組公式Xより)

一般社団法人M&A仲介協会 買収後に売り手の経営者の連帯保証を解除するよう買い手に義務付ける 自主規制ルール改正

ストライク(6196)の荒井邦彦社長が代表理事を務める一般社団法人M&A仲介協会は19日、悪質な譲受け事業者を中小M&A業界から排除し、より開かれた実効性のある自主規制団体となるべく、体制を強化することをあ発表しました。

[M&A仲介協会]&A仲介協会 新団体名「M&A支援機関協会」に名称変更

[日経]M&A仲介協会、企業買収後の連帯保証の解除を義務化

悪質な譲受け事業者による被害の防止するため、自主規制ルール「広告・営業規程」を改正し、M&A成立後のリスク事項に対しての説明義務を追加し、最終契約書の草案作成時、経営者保証の解除を譲受け事業者に義務付ける条文案を盛り込むことや、譲受け事業者の資力についての調査義務を定めるようです(2025年1月1日施行)。

なお、団体名を「一般社団法人M&A支援機関協会」に変更するようです(2025年1月1日変更)。


【関連記事】
2024/8/31 中小企業庁 「中小M&Aガイドライン」改訂版を公表 ー 悪質なM&A仲介業者の営業行為を排除へ

M&A仲介 経営者保証の解除がされないトラブルが相次ぐ

M&A仲介を通じて買収された中小企業をめぐって、契約で約束された経営者保証の解除がされないトラブルが相次いでいるようです。

[朝日新聞]M&A仲介で相次ぐ「経営者保証トラブル」 政府がルール見直しへ

M&A仲介業者側から(成約を優先するために)「成約まで金融機関には言わないで」などと指示や助言をしたケースもあるようです。そんなひどい指示をする会社があるんですね。

中小企業庁は仲介業者などに向けたガイドラインを今秋にも見直す方針だ。金融機関や専門家への事前相談を促す案などを検討している。金融庁も金融機関向けの監督指針を見直し、主要株主の変更を把握した場合には、経営者保証の解除方法などを説明するよう求める方向だ。
([出所]朝日新聞(2024/7/12)より)

経済産業省「企業買収における行動指針(案)」を公表

経済産業省は8日、「企業買収における行動指針(案)」を公表しました。

[METI]「企業買収における行動指針(案)」に係るパブリックコメントの受付を開始しました

公正なM&A市場を整備することを目的に、買収提案に関する当事者の行動の在り方や、買収防衛策の在り方等について検討するために、2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」が立ち上げられましたが、同研究会における議論等を踏まえてM&Aに関する公正なルールとして、「企業買収における行動指針(案)」が取りまとめられました。

【オススメ本】大原達朗『サラリーマンが小さな会社の買収に挑んだ8カ月間』(中央経済社)




とても面白そうなタイトルなので読んでみましたが、内容も面白かったし、タメになりました。

著者の大原達朗会計士は、日本M&Aアドバイザー協会会長でもあり、『M&A実務のプロセスとポイント』という本も上梓されています(この本は先月時点で24刷を発行するロングセラー&ベストセラーとなっています)。

M&Aを熟知している大原会計士が今回出版した本のテーマは、個人M&AマイクロM&A)。サラリーマンが個人で企業を買収するというストーリーを追体験しながら、個人M&Aの実態、知識、留意点等を学ぶことができる内容となっています。

大型のM&Aと異なり、小規模M&Aは、売り主・買い主双方でM&Aの理解が不足していたり、経営そのものの理解が不足しているために、失敗するケースが増えているようです。決算書がテキトーに作成されていたり、粉飾決算をしていたり、月次決算をしていなかったり、というケースも少なくないようです。また、完全成功報酬型のM&Aアドバイザーと契約している人の中には途中で投げ出す人もいるようです。そういう状況の中で、交渉、DD(デューデリ)、クロージングを早期に実施していくことが重要となります。特に、個人M&Aの場合は、相手が個人事業であることから、大型M&Aでは考えられえないような様々な問題点・留意点があることが分かります。小規模M&Aだから簡易的な手続きで済むとは決して言えず、ビジネスをきちんと見ること(さらにビジネスDDをきちんと行うこと)が極めて重要だということも分かります。

本書は、数あるM&A本の中でも珍しく、個人M&Aや小規模M&Aに絞って解説した類書なき一冊です。小規模M&Aをご検討の方や、M&Aの基礎知識を身に付けたい方は、是非ご一読下さい。

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 本書の著者大原達朗会計士によるオンライン出版記念セミナーが開催されるようです。8/26(水) 20時〜。詳細は、以下のサイトをご覧下さい。

[BBT大学]大原 達朗 准教授 出版記念講演 〜サラリーマンが小さな会社の買収に挑んだ8カ月間:個人M&A成功のポイント〜

2019年のM&A件数 6%増の4088件 過去最高を更新

レコフによると、2019年の日本企業が関わったM&Aの件数が過去最高だったようです。

M&A(合併・買収)助言のレコフ(東京・千代田)によると、日本企業が関わった2019年の件数は前年比6%増4088件と、過去最高を更新した。金額は約18兆円と前年の大型案件の反動で減少したものの、17年比では3割多い水準だ。
(略)
ただM&A競争の過熱で買収価格が割高になり、将来見込んでいた収益を得られず損失を被るリスクも増している。IT企業を対象にしたM&A1件あたりの平均金額は日本で25億円と、この5年で2倍強に膨張。世界では8000万ドル(約90億円)と前年から1.25倍に上昇している。
([出処]日経新聞(2020/1/3)より一部抜粋)


M&A2019
([出処]日経電子版より)

日本企業が絡んだM&A 過去最多の3050件に 2017年/レコフ調べ

2017年のM&Aの件数が過去最多となったようです。

2017年に日本企業が絡んだ企業の合併・買収(M&A)は、前年比15.0%増の3050件と06年(2775件)を上回り、11年ぶりに過去最多を更新した。

M&A助言会社レコフ(東京)が4日発表した。

人工知能(AI)をはじめ新技術の取得を狙ったベンチャー投資などが活発化した。中小型の案件が多かったことから、投資総額は13兆3437億円と21.0%減少した。

国内企業に対する大型M&Aでは「日米韓連合」による東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の買収、日立国際電気の買収など米投資ファンド主導の取引が目立った。

日本勢による海外企業のM&Aも5.7%増の672件と4年連続で過去最多を更新。海外M&A総額(7兆4802億円)のうち、中国の配車サービス大手「滴滴出行」などへ出資したソフトバンクグループだけで2兆円を超えた。
([出処]時事通信社(2017/1/4)より抜粋)

事業承継によるM&Aの増加だけでなく、海外企業へのM&Aや、ベンチャー企業へのM&Aも増加したようです。小型の案件が多く、投資総額は減少したようです。

なんとなく、件数は今後も増えるような気がします。
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公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
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