■CFOのための最新情報■

公認会計士武田雄治のブログです。

企業買収

日本企業が絡んだM&A 過去最多の3050件に 2017年/レコフ調べ

2017年のM&Aの件数が過去最多となったようです。

2017年に日本企業が絡んだ企業の合併・買収(M&A)は、前年比15.0%増の3050件と06年(2775件)を上回り、11年ぶりに過去最多を更新した。

M&A助言会社レコフ(東京)が4日発表した。

人工知能(AI)をはじめ新技術の取得を狙ったベンチャー投資などが活発化した。中小型の案件が多かったことから、投資総額は13兆3437億円と21.0%減少した。

国内企業に対する大型M&Aでは「日米韓連合」による東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の買収、日立国際電気の買収など米投資ファンド主導の取引が目立った。

日本勢による海外企業のM&Aも5.7%増の672件と4年連続で過去最多を更新。海外M&A総額(7兆4802億円)のうち、中国の配車サービス大手「滴滴出行」などへ出資したソフトバンクグループだけで2兆円を超えた。
([出処]時事通信社(2017/1/4)より抜粋)

事業承継によるM&Aの増加だけでなく、海外企業へのM&Aや、ベンチャー企業へのM&Aも増加したようです。小型の案件が多く、投資総額は減少したようです。

なんとなく、件数は今後も増えるような気がします。

ソフトバンク 英ARMを3.3兆円で買収 完全子会社化へ

ソフトバンクグループは18日、英半導体設計大手アーム・ホールディングス(ARM Holdings plc)を約3.3兆円(約240億ポンド、約310億米ドル)で買収すると発表しました。

[ソフトバンク]当社によるARM買収の提案に関するお知らせ

数週間で180億ドルもの資金化をしましたので、大型買収があるとは思っていましたが、これは驚き。

買収資金は、みずほ銀行の借入限度額1兆円のブリッジローンと、2.3兆円の手元資金で賄う予定。

約2週間前にソフトバンクグループ側からARMに提案し、そこから一気に決定した」(IT Mediaより)とのこと。


▼ソフトバンクグループ 情報革命の歴史

ソフトバンク 情報革命の歴史
([出処]ソフトバンクグループ説明会資料より)

本業消失の富士フィルム 『買収先は赤字でも構わない。種で買って大樹に育てる』

昨日の日経新聞朝刊に、『本業消失』を経験した富士フィルムHDの古森重隆会長のインタビュー記事が掲載されておりました。非常に有益な記事だと思いますので、シェアしておきます。

[日経]事業の入れ替えどう進める ―富士フイルムHD会長兼CEO 古森重隆氏(有料会員限定)

「我々は利益の3分の2を稼いでいた写真フィルム事業がどんどん減り、本業を失った。2003年ごろから構造改革を進めてリストラにも取り組まざるを得なかったが、一方で生き延びることを考えなくてはいけない。新規事業や経営の多角化に取り組んできた」

新しい分野で、かつ相乗効果が見込める企業や事業の買収を狙っている買収先は赤字でも構わない。まだ市場が開いていない分野で種の段階でも手に入れて育てるいずれ大樹になればいい。将来性があるなら、当社の財務力を生かしてヒットが出るまで支える。写真で培った技術力を注ぎ込み、生産技術や生産管理も適用していく」

「投資会社の場合は3年後に企業価値が何倍になるとか、何%の利益が出るとかを考えるだろう。しかし、我々はメーカーだ。自社の技術を合わせるともっといい製品が生まれ、いい方向に向かう企業を選ぶ




▼写真フィルムにこだわったコダックは破綻し、『本業消失』の前にイノベーションを行った富士フィルムは伸びた。

週刊東洋経済 2014年4/19号 [雑誌]
週刊東洋経済編集部
東洋経済新報社
2014-04-14



▼どのようにV字回復させたのかについては、こちらの本にも書かれています。

魂の経営
古森 重隆
東洋経済新報社
2013-11-01

日本企業の海外企業買収(IN-OUT型)が初めて10兆円を超える/2015年

日本企業の海外企業買収(IN-OUT型)が初めて10兆円を超えたようです(レコフ調査、NHK Web News 2015/11/10より)。

損害保険大手の「東京海上ホールディングス」がおよそ9400億円、生命保険大手の「明治安田生命」はおよそ6200億円に上る巨額の資金を投じて、いずれもアメリカの保険会社を買収することを決めていることが大きいようです。

地域別で見ると、北米の企業を対象にした投資が4兆527億円と、全体の40%を占めていて、次いでヨーロッパが2兆7617億円、アジアが1兆9872億円とのこと。


下のグラフのとおり、日本におけるM&Aは、IN-IN型、IN-OUT型は多いのですが、OUT-IN型は少ない(増えない)のですよね。


▼1985年以降のマーケット別M&A件数の推移
1985年以降のマーケット別M&A件数の推移
IN-IN:日本企業同士のM&A 、IN-OUT:日本企業による外国企業へのM&A 、OUT-IN:外国企業による日本企業へのM&A
([出処]MARR Online)


▼1985年以降のマーケット別M&A金額の推移
1985年以降のマーケット別M&A金額の推移
([出処]MARR Online)

ジー・コミュニケーション 親会社を阪神酒販に

「阪神酒販株式会社」が、英会話学校「NOVA」「ジオス」や飲食チェーン「焼肉屋さかい」などを展開する「ジー・コミュニケーション」の株式50・98%を8月末までに譲り受け、子会社化するようです。

阪神酒販株式会社は、大証ヘラクレス上場で「牛角」「とり鉄」などを展開するアスラポート・ダイニング(3069)(連結売上高101億円、平成22年3月期)をTOBにより子会社化するとともに、日本アジアグループ(3751)の子会社であった大酒販株式会社(売上高310億円、平成21年3月期)の全株を譲り受けてます。ジー・コミュニケーションの連結売上高は515億円(平成22年3月期)。

2年前は売上27億円だった阪神酒販は、2年で連結売上高約1,000億円の企業グループを作り上げたことになります

ジー・コミュニケーション傘下のさかい (7622)、ジー・テイスト (2694)、ジー・ネットワークス (7474)の上場外食事業会社3社は、阪神酒販の孫会社となります。

阪神酒販は買収後も英会話事業を続ける方針とのこと。


▼阪神酒販概要
(アスラポート・ダイニング 平成21年3月12日IR資料より)
阪神酒販

◆企業価値研究会 日本企業の買収防衛策に修正迫る


企業価値研究会報告書(ドラフト)のリンクをはっておきます。コメントは後ほど。


経済産業省 企業価値研究会 「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方(案)」



【参考】

(読売)経産省の研究会 買収防衛策 乱用戒め

(ロイター)日本企業の買収防衛策に修正迫る、企業価値研究会が報告書案


いまさら聞けない「敵対的買収防衛策」 (3) 東証編


(昨日の続き)
先日は、経済産業省の買収防衛策について書いたが、
本日は東京証券取引所の買収防衛策について。



東京証券取引所は、4月21日、上場企業代表者に対して、『敵対的買収防衛策の導入に際して投資者保護上の留意事項について』という指針を配布した。

この指針では、留意事項として、次の4つを挙げている。

(1) 株主・投資者に対して十分な適時開示が行われていること
(2) 防衛策の発動、解除及び維持の条件が不透明でないこと
(3) 買収者以外の株主・投資者に不測の損害を与える要因を含むものではないこと
(4) 株主の意思表示が機能しない防衛策でないこと


(1)については、防衛策導入の目的防衛策発動時に株主・投資者に与える影響等の開示を徹底するように求めている。
(2)については、経営者が自己保身のために防衛策を使う恐れがあるため、発動の手続と判断基準をあらかじめ公開し、「不透明」な状態がないように求めている。
(3)については、例えば、買収者が現れたことを行使の条件とする新株予約権を利用した防衛策(いわゆる「ライツプラン」、「ポイズンピル(毒薬条項)」)のうち、新株予約権を防衛策導入時点の株主等に割り当てておくといったスキームは、買収者以外の株主とも不平等になる可能性があるため、投資者保護上適当ではないとしている。
(4)については、例えば、一部の株主に合併拒否権など特別な権利を与える「黄金株」や、一株に議決権を100個付けるような複数議決権付き株式について、原則として発行の自粛を求めている。

なお、ニューヨーク証券取引所も上場後の黄金株の発行を禁止している。


いずれも、「上場企業」に対して、投資家の平等な権利を侵害したり、投資家に予期しない損害を与える恐れのある防衛策は行き過ぎとして、見直しを求めている。

今回の指針に強制力はないが、指針に反する防衛策を導入した企業には、年内に定める予定の「規制」化後に見直しを求める。是正しない企業には上場廃止も検討する。また、防衛策の情報開示が不十分な企業も、適時開示違反として指導対象とする。



今日紹介した東証の指針や、昨日紹介した経済産業省の報告書は、6月の株主総会シーズンに向けて買収防衛策の導入を検討する企業が増えているため、行き過ぎた防衛策を戒めたものだ。



なお、2005年3月末時点の株主に等しく新株予約権を割り当てる敵対的買収防衛策を公表していたニレコは、4月以降に取得した株主との間で不平等が生じかねないことから、この防衛策を変更し、敵対的買収者以外に等しく新株を配分する信託型ポイズンピルを新たに導入すると発表した。



いまさら聞けない「敵対的買収防衛策」 (2) 経済産業省編


(昨日の続き)
昨日、敵対的買収防衛策の検討主体がいくつもある、という話を書きました。
今日は、その中の1つ、経済産業省が検討している買収防衛策について。


■経済産業省は、4月22日に「論点公開〜公正な企業社会のルール形成に向けた提案」を公表した。

原文はコチラ↓↓(PDF)
http://www.meti.go.jp/press/20050422005/050422ronten.pdf

ポイントは、
(1)経営者の保身目的の乱用を避けるため、防衛策の適用条件を明示したこと、
(2)買収防衛策の情報開示を拡充したこと、
である。


(1)の経営者の保身目的の乱用を防ぐための条件は、次の3つを示しており、いずれか1つを満たす必要があるとしている。

 1.第3者チェック型(独立社外チェック型)
 2.客観的解除条件設定型
3.株主総会授権型

1.の「第3者チェック型」とは、敵対的買収防衛策が、経営者の保身目的の乱用とならないよう、社外取締役や社外監査役のチェックを事前に受けろ、ということ。
2.の「客観的解除条件設定型」とは、買収者の提案の方が企業価値が高まる場合には防衛策を解除することをあらかじめ決めておけ、ということ。つまり、敵対的買収者に経営を任せた方が現経営陣よりも企業価値を高められる場合もあるわけで、そういう場合にまで買収防衛をすれば経営陣の保身目的の防衛と判断されることになる。よって、防衛策解除条件を事前に設定しておくことが必要となるのである。
3.の「株主総会授権型」とは、防衛策の導入時点で株主総会の承認を受けろ、ということ。つまり、平時に株主総会で防衛策を含む定款変更の承認を得て、有事には定款に定めた方法に従って取締役会が判断し、恣意的判断を排除するという方法である。

経済産業省の報告書では、「株主総会授権型」が、「株主の理解を得る上で最も合理性が高い方法」としている。
このブログでも4月18日に書いたが、わが国には独立した社外取締役が少ないことを考えれば、「株主総会授権型」は妥当な考え方かもしれない。
ただ、磯崎さんのブログにも、「今年今から6月の総会に具体的なスキーム案までかけて了承を求めるとすると、スケジュール的にかなりキツイですよね。」と書いてありましたが、確かに相当キツイと思います。


(2)の買収防衛策の情報開示を拡充については、報告書は次の2点を示している。

 1. 営業報告書での開示義務付け
 2. 証券取引所の開示ルール見直し

1.の営業報告書での開示とは、会社の重要な経営に関する事項は営業報告書で開示していることから、敵対的買収への対応策として導入する新株予約権などに関する情報も営業報告書に記載して開示しろ、ということだ。
2.については、各取引所が株式市場の公正性と信頼性を確保するために会社情報に関する適時開示規則を設け、投資判断に重要な影響を及ぼす事項を決定した又はそうした事項が発生した場合には、当該内容を直ちに開示することを義務付けているが、敵対的買収防衛策についても適時開示するように取引所ルールの見直しを期待するものである。



以上を、まとめると、「防衛策を導入するには、情報の開示をして株主の理解を求めなさい」、というシンプルなものです。



今回の、経済産業省からの提言には、上記で示した
(1)経営者の保身目的の乱用を避けるため、防衛策の適用条件の明示
(2)買収防衛策の情報開示の拡充
以外に、下記についても提言している。


まず、企業が導入する防衛策のうち、特定株主に株主総会での拒否権を与える、いわるゆ「黄金株」に関しては、買収者以外の株主も差別的に扱うとの問題点を指摘。黄金株発行に一定の制限をかける必要があるとの考えを示唆した。


また、経済産業省は、TOB(株式公開買付)制度を見直し、買付期間中に会社側が対抗策をとった場合に、TOBを撤回しやすくする必要があるとも提言した。現行法上、敵対的なTOBの期間中に買収者の持ち株比率を下げるために、事前に登録した新株の発行や株式分割などもできるが、TOBの撤回は難しい。



なお、経済産業省は、5月に法務省と共同で「企業価値防衛指針」を発表する。


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プロフィール
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●武田公認会計士事務所 代表

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