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公認会計士武田雄治のブログです。

企業買収

【オススメ本】大原達朗『サラリーマンが小さな会社の買収に挑んだ8カ月間』(中央経済社)




とても面白そうなタイトルなので読んでみましたが、内容も面白かったし、タメになりました。

著者の大原達朗会計士は、日本M&Aアドバイザー協会会長でもあり、『M&A実務のプロセスとポイント』という本も上梓されています(この本は先月時点で24刷を発行するロングセラー&ベストセラーとなっています)。

M&Aを熟知している大原会計士が今回出版した本のテーマは、個人M&AマイクロM&A)。サラリーマンが個人で企業を買収するというストーリーを追体験しながら、個人M&Aの実態、知識、留意点等を学ぶことができる内容となっています。

大型のM&Aと異なり、小規模M&Aは、売り主・買い主双方でM&Aの理解が不足していたり、経営そのものの理解が不足しているために、失敗するケースが増えているようです。決算書がテキトーに作成されていたり、粉飾決算をしていたり、月次決算をしていなかったり、というケースも少なくないようです。また、完全成功報酬型のM&Aアドバイザーと契約している人の中には途中で投げ出す人もいるようです。そういう状況の中で、交渉、DD(デューデリ)、クロージングを早期に実施していくことが重要となります。特に、個人M&Aの場合は、相手が個人事業であることから、大型M&Aでは考えられえないような様々な問題点・留意点があることが分かります。小規模M&Aだから簡易的な手続きで済むとは決して言えず、ビジネスをきちんと見ること(さらにビジネスDDをきちんと行うこと)が極めて重要だということも分かります。

本書は、数あるM&A本の中でも珍しく、個人M&Aや小規模M&Aに絞って解説した類書なき一冊です。小規模M&Aをご検討の方や、M&Aの基礎知識を身に付けたい方は、是非ご一読下さい。

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 本書の著者大原達朗会計士によるオンライン出版記念セミナーが開催されるようです。8/26(水) 20時〜。詳細は、以下のサイトをご覧下さい。

[BBT大学]大原 達朗 准教授 出版記念講演 〜サラリーマンが小さな会社の買収に挑んだ8カ月間:個人M&A成功のポイント〜

2019年のM&A件数 6%増の4088件 過去最高を更新

レコフによると、2019年の日本企業が関わったM&Aの件数が過去最高だったようです。

M&A(合併・買収)助言のレコフ(東京・千代田)によると、日本企業が関わった2019年の件数は前年比6%増4088件と、過去最高を更新した。金額は約18兆円と前年の大型案件の反動で減少したものの、17年比では3割多い水準だ。
(略)
ただM&A競争の過熱で買収価格が割高になり、将来見込んでいた収益を得られず損失を被るリスクも増している。IT企業を対象にしたM&A1件あたりの平均金額は日本で25億円と、この5年で2倍強に膨張。世界では8000万ドル(約90億円)と前年から1.25倍に上昇している。
([出処]日経新聞(2020/1/3)より一部抜粋)


M&A2019
([出処]日経電子版より)

日本企業が絡んだM&A 過去最多の3050件に 2017年/レコフ調べ

2017年のM&Aの件数が過去最多となったようです。

2017年に日本企業が絡んだ企業の合併・買収(M&A)は、前年比15.0%増の3050件と06年(2775件)を上回り、11年ぶりに過去最多を更新した。

M&A助言会社レコフ(東京)が4日発表した。

人工知能(AI)をはじめ新技術の取得を狙ったベンチャー投資などが活発化した。中小型の案件が多かったことから、投資総額は13兆3437億円と21.0%減少した。

国内企業に対する大型M&Aでは「日米韓連合」による東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の買収、日立国際電気の買収など米投資ファンド主導の取引が目立った。

日本勢による海外企業のM&Aも5.7%増の672件と4年連続で過去最多を更新。海外M&A総額(7兆4802億円)のうち、中国の配車サービス大手「滴滴出行」などへ出資したソフトバンクグループだけで2兆円を超えた。
([出処]時事通信社(2017/1/4)より抜粋)

事業承継によるM&Aの増加だけでなく、海外企業へのM&Aや、ベンチャー企業へのM&Aも増加したようです。小型の案件が多く、投資総額は減少したようです。

なんとなく、件数は今後も増えるような気がします。

ソフトバンク 英ARMを3.3兆円で買収 完全子会社化へ

ソフトバンクグループは18日、英半導体設計大手アーム・ホールディングス(ARM Holdings plc)を約3.3兆円(約240億ポンド、約310億米ドル)で買収すると発表しました。

[ソフトバンク]当社によるARM買収の提案に関するお知らせ

数週間で180億ドルもの資金化をしましたので、大型買収があるとは思っていましたが、これは驚き。

買収資金は、みずほ銀行の借入限度額1兆円のブリッジローンと、2.3兆円の手元資金で賄う予定。

約2週間前にソフトバンクグループ側からARMに提案し、そこから一気に決定した」(IT Mediaより)とのこと。


▼ソフトバンクグループ 情報革命の歴史

ソフトバンク 情報革命の歴史
([出処]ソフトバンクグループ説明会資料より)

本業消失の富士フィルム 『買収先は赤字でも構わない。種で買って大樹に育てる』

昨日の日経新聞朝刊に、『本業消失』を経験した富士フィルムHDの古森重隆会長のインタビュー記事が掲載されておりました。非常に有益な記事だと思いますので、シェアしておきます。

[日経]事業の入れ替えどう進める ―富士フイルムHD会長兼CEO 古森重隆氏(有料会員限定)

「我々は利益の3分の2を稼いでいた写真フィルム事業がどんどん減り、本業を失った。2003年ごろから構造改革を進めてリストラにも取り組まざるを得なかったが、一方で生き延びることを考えなくてはいけない。新規事業や経営の多角化に取り組んできた」

新しい分野で、かつ相乗効果が見込める企業や事業の買収を狙っている買収先は赤字でも構わない。まだ市場が開いていない分野で種の段階でも手に入れて育てるいずれ大樹になればいい。将来性があるなら、当社の財務力を生かしてヒットが出るまで支える。写真で培った技術力を注ぎ込み、生産技術や生産管理も適用していく」

「投資会社の場合は3年後に企業価値が何倍になるとか、何%の利益が出るとかを考えるだろう。しかし、我々はメーカーだ。自社の技術を合わせるともっといい製品が生まれ、いい方向に向かう企業を選ぶ




▼写真フィルムにこだわったコダックは破綻し、『本業消失』の前にイノベーションを行った富士フィルムは伸びた。

週刊東洋経済 2014年4/19号 [雑誌]
週刊東洋経済編集部
東洋経済新報社
2014-04-14



▼どのようにV字回復させたのかについては、こちらの本にも書かれています。

魂の経営
古森 重隆
東洋経済新報社
2013-11-01

日本企業の海外企業買収(IN-OUT型)が初めて10兆円を超える/2015年

日本企業の海外企業買収(IN-OUT型)が初めて10兆円を超えたようです(レコフ調査、NHK Web News 2015/11/10より)。

損害保険大手の「東京海上ホールディングス」がおよそ9400億円、生命保険大手の「明治安田生命」はおよそ6200億円に上る巨額の資金を投じて、いずれもアメリカの保険会社を買収することを決めていることが大きいようです。

地域別で見ると、北米の企業を対象にした投資が4兆527億円と、全体の40%を占めていて、次いでヨーロッパが2兆7617億円、アジアが1兆9872億円とのこと。


下のグラフのとおり、日本におけるM&Aは、IN-IN型、IN-OUT型は多いのですが、OUT-IN型は少ない(増えない)のですよね。


▼1985年以降のマーケット別M&A件数の推移
1985年以降のマーケット別M&A件数の推移
IN-IN:日本企業同士のM&A 、IN-OUT:日本企業による外国企業へのM&A 、OUT-IN:外国企業による日本企業へのM&A
([出処]MARR Online)


▼1985年以降のマーケット別M&A金額の推移
1985年以降のマーケット別M&A金額の推移
([出処]MARR Online)

ジー・コミュニケーション 親会社を阪神酒販に

「阪神酒販株式会社」が、英会話学校「NOVA」「ジオス」や飲食チェーン「焼肉屋さかい」などを展開する「ジー・コミュニケーション」の株式50・98%を8月末までに譲り受け、子会社化するようです。

阪神酒販株式会社は、大証ヘラクレス上場で「牛角」「とり鉄」などを展開するアスラポート・ダイニング(3069)(連結売上高101億円、平成22年3月期)をTOBにより子会社化するとともに、日本アジアグループ(3751)の子会社であった大酒販株式会社(売上高310億円、平成21年3月期)の全株を譲り受けてます。ジー・コミュニケーションの連結売上高は515億円(平成22年3月期)。

2年前は売上27億円だった阪神酒販は、2年で連結売上高約1,000億円の企業グループを作り上げたことになります

ジー・コミュニケーション傘下のさかい (7622)、ジー・テイスト (2694)、ジー・ネットワークス (7474)の上場外食事業会社3社は、阪神酒販の孫会社となります。

阪神酒販は買収後も英会話事業を続ける方針とのこと。


▼阪神酒販概要
(アスラポート・ダイニング 平成21年3月12日IR資料より)
阪神酒販

◆企業価値研究会 日本企業の買収防衛策に修正迫る


企業価値研究会報告書(ドラフト)のリンクをはっておきます。コメントは後ほど。


経済産業省 企業価値研究会 「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方(案)」



【参考】

(読売)経産省の研究会 買収防衛策 乱用戒め

(ロイター)日本企業の買収防衛策に修正迫る、企業価値研究会が報告書案


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