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公認会計士武田雄治のブログです。

経営管理

人への投資 企業価値を左右 /従業員のエンゲージメントが高い会社の株価・売上高が高いという結果に

昨日(2022/8/7)の日経新聞朝刊1面に『人への投資、企業価値を左右』という興味深い記事が載っていました。

[日経]人への投資、企業価値を左右 スコア上位の株価7割高 [有料会員限定]

TOPIX100構成企業の中で、従業員の評価が高い企業「上位20社」と評価が低い「下位20社」の2016年からの株価の推移を調べると、「上位20社」の株価は72%上昇し、「下位20社」の18%を大幅に上回ったようです(下図参照)。
売上高伸び率は、「上位20社」が42.8%増加であったのに対して、「下位20社」は12.5%増加でした。

人材投資


1人当たり売上高の伸びは「人材の長期育成」、「20代の成長環境」、「待遇面の満足度」との関連が高かったようです(下図参照)。株価面では「人事評価の適正感」の影響が最も大きいという結果でした。

人材投資2


生命保険協会による投資家向けアンケート結果によると、投資家が、日本企業の「中長期の投資・財務戦略」において重視すべきだと考える項目として「人材投資」が上位にあり、企業側よりも高い回答でした。

人材投資3


企業価値の向上のみならず、サステナビリティ(持続可能性)のためにも、「組織中心主義」の会社の在り方を見直し、従業員のエンゲージメントを高めなければならない時代になりました。

拙著『「社長」の本分』の第1章「経営環境の変化」において、そのあたりの経営環境変化について詳述してますので、是非ご参照下さい。また、第3章「マネジメント」においては、従業員のエンゲージメントを高めるための動機づけ人材育成人事評価の大切さについても述べています。


「社長」の本分
武田 雄治
中央経済社
2022-07-22

10年間に女性管理職比率が増加した企業 1位イオン、2位明治安田生命、3位リクルート

東洋経済オンラインは、10年間に女性管理職比率が増加した企業の上位100社のランキングを公表しました。

[東洋経済]10年で「女性管理職比率」が増加した会社TOP100

小売業、金融業が多いですね。

▼女性管理職増加率ランキング(1〜25位を抜粋)
女性管理職比率_増加率ランキング


女性管理職比率も公表しています。

▼女性管理職比率ランキング(1〜33位を抜粋)
女性管理職比率_ランキング


【関連記事】
2022/7/14 世界経済フォーラム(WEF)「ジェンダー ギャップ レポート 2022」 日本はG7の中で圧倒的に最下位
2022/4/3 「女性の働きやすさランキング」 日本はワースト2位

人権方針の策定を行っている企業 4割超 /KPMG、トムソン・ロイター「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022」を発表

KPMGコンサルティングは、トムソン・ロイター社と共同で、日本企業における法務・コンプライアンス機能に関する調査を行い、結果をまとめたレポートを発行しました。

[KPMG]KPMGコンサルティングとトムソン・ロイター、「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2022」を発表

国内の上場企業、及び、売上高400億円以上の未上場企業を対象に調査を行ったようです(有効回答数:422件)。

個人的に関心のある項目をピックアップしておきます。


▼法務・コンプライアンス部門として特に重視しているESG/SDGsに関するテーマ
労働問題、環境問題を重視している企業が多いようです。
法務_SDGsテーマ


▼ESG/SDGsに関する外部環境の変化を受け、新たに加わった法務・コンプライアンス部門の担当業務
サステナビリティレポートへの関与が加わった法務・コンプラ部門は約2割でした。
法務_SDGs_増えた業務


▼人権に関する取組み状況
経営トップによる人権尊重に関するメッセージの発信、人権方針の策定を行っている企業が40%を超えています。
法務_人権リスク


昨年、経済産業省が東証上場企業を対象にした調査では、人権方針を策定している企業は69%という回答でした。詳細はこちら

経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」を公表

経済産業省は13日、「人材版伊藤レポート2.0」を公表しました。

[METI]「人材版伊藤レポート2.0」を取りまとめました

本報告書は、「人的資本」の重要性を認識するとともに、人的資本経営という変革を、どう具体化し、実践に移していくかを主眼とし、それに有用となるアイディアを提示するものです。

2020年9月に公表した「人材版伊藤レポート」をアップデートし、人的資本経営を実践している19社の事例を「実践事例集」を追加しています。

以下の、SOMPOホールディングスの「MYパーパス」の説明と、3つの輪の図表、なんか好きです。

MYパーパス_SOMPO

従業員のワークエンゲージメントが高い企業は利益率も高い

昨日(5/10)の日経「経済教室」において、経営者の方には読んでおいて欲しい寄稿文が掲載されていました。

[日経]その資本主義、新しい? 鶴光太郎・慶大教授 [有料会員限定]

従業員のワークエンゲージメント(熱意、活力、没頭)が高い企業は利益率も高いという傾向があり(下図参照)、さらに、健康経営の取り組みは企業業績を高めるという結果も出ているというもの。

「従来型の能力開発などの人への投資に比べ、ウェルビーイング向上のメリットの回収期間はより短くなっているという印象を受ける」とのこと。


ワークエンゲージメント


株価や企業価値を上げればいいという従来の「株主資本主義」的な考えの経営者は、もはや少ないと思いますが、従業員のワークエンゲージメントウェルビーイングの向上を経営に取り入れている企業も少ないのではないかと思います。

昭和時代の「サラリーマン共同体」のような組織に優秀な若者が定着することはなく、(本稿の末尾にもあるように)従業員の共感を得て、優秀かつ多様な人材に企業の中で一体感を感じながら仕事をしてもらうことが重要になっていると思います。本稿では、最近注目されている「パーパス経営」が従業員との一体感を高めるとも書かれています。

コロナショックにより多くの企業で「働き方」が変わったかと思いますが、その際に従業員のワークエンゲージメントを高め、従業員からの共感を得るような変革を行うことにより、チームの一体感が醸成され、(上図のように)業績を高め、長期的な企業価値向上につながるのではないかと思います。


ちなみに、このようなことを書いた本を7月頃に出版する予定です。発売日が決まったら、またお知らせします。

従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組む上場企業「健康経営銘柄2022」を50社選定/東証・経済産業省

東証と経済産業省は4日、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を「健康経営銘柄2022」として選定、公表いたしました。

[東証]「健康経営銘柄2022」の公表について

[METI]「健康経営銘柄2022」に50社を選定しました!

▼健康経営銘柄2022 選定企業
健康経営銘柄2022


「健康経営」の施策を実施すると2年後には利益率(ROA)が上がるというデータがあります。詳しくはこちら参照。


【関連記事】
2020/6/16 経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン」を公表

DXの言葉の意味を理解し、DXに取り組んでいる企業は15% /帝国データバンク調査

帝国データバンクは19日、DX推進に関する企業の意識調査結果を公表しました。

[TDB]DX推進に関する企業の意識調査

調査対象は23,826 社(有効回答企業 10,769 社、回答率 45.2%)で、回答企業のうち大企業は1,855社(17.2%)、上場企業は246社(2.3%)。


DXについて、「言葉の意味を理解し、取り組んでいる」企業は 15.7%と、7 社に1社程度でした。DXの言葉の意味は理解しているという企業は7割以上あるようですが、DXに取り組んでいる企業は少ないようです。

DX_理解_取り組み


DX に取り組む企業が現在取り組んでいる内容は、以下のとおり(複数回答)。

DXに取り組んでいる企業


「オンライン会議設備の導入」、「ペーパーレス化」、「テレワークなどリモート設備の導入」といったものが上位に並んでいます。本レポートには「DXの初期段階に関する取り組み」と書かれていますが、DXってこういうものではないような…。

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IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、「DX先進企業へのヒアリング調査 概要報告書」という報告書公表しています。DXに先進的に取り組んでいる企業に対し、取り組み事例についてヒアリング調査を行い、その結果をまとめたものです。

DXが道半ばで失敗してしまった企業が多いのは「技術」だけ着目しているからであり、「経営、技術、事業、体制・人材の全体を考慮して組織的な活動をすることが重要である」と述べています。冨山和彦さんが、「DXよりもCX(コーポレート・トランスフォーメーション)が大切だ」と言っていることに通じると思います。企業に変革(Transformation)を起こすのにデジタルの変革が不可欠であり、それがDXの本質ではないかと思います。




特許庁「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」を公表

特許庁は17日、「中小企業のためのデザイン経営ハンドブック」を公表しました。

[特許庁]中小企業のためのデザイン経営ハンドブック

デザイン経営を自社に活かすためにはどうすればいいかをまとめたもの。
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