【BBQ=焼肉】ではありませんよっ!

とまずは叫ばせていただきましたが、本当にその通りです。

BBQグリルで焼肉用の薄切り肉だけを焼いているのはもったいない!ブ厚いステーキ肉を上手に焼くには炭火が一番です。BBQをでステーキを焼いたことがないという方は、ぜひステーキ肉・塊肉のBBQに挑戦していただきたいですね。

僕の意見では肉を最も美味しく焼くことができるのは厚さ2cmからです。

ローストビーフのように中がピンク色、というのが最も肉が柔らかくて美味だと思っています。薄切り肉では完全に火が入りすぎてしまって、肉の醍醐味が感じられません。ステーキ肉でも厚さが1cmくらいのペラペラなカットでは、やはり火が入りすぎてしまいますね。

BBQでは炭火の遠赤外線効果で中心部まで熱が入りやすいので、特段のテクニックがなくてもブ厚い肉を非常に美味しく焼くことができます。

ステーキ肉・塊肉を焼くときに不安なのは「中まで火が通せるのか」ということだと思います。「焼き加減がわからない」というのも尻込みしてしまうポイントかもしれません。

というわけで本稿は「失敗のないステーキの焼き方」をレクチャーいたします。まずは厚さ2cm程度のステーキ肉で試していただき、何回か焼いてみてコツが分かってきたら、さらにブ厚い5cmくらいの塊肉に挑戦するといいと思います。「肉は厚ければ厚いほど美味く焼ける」ということを実感していただけると思います。


①肉を拭く
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肉の表面についたドリップをキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。ドリップにはどうしても肉の生臭みが出ています。このひと手間で焼き上がりの味が変わってきますヨ!

②塩・胡椒する
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できれば塩・胡椒ともにミルで挽いて使いたいですね。ま、別にこれは雰囲気の問題なので、普通に塩・胡椒で問題はないです。
けっこうキツめに塩・胡椒をして下さい。肉が厚さに比例して塩・胡椒を強めにする必要があります。こういう時「どのくらい」というのが文章では伝えにくいのですが、厚さ2cmのサーロインで片面につきミル10ひねりくらいでしょうか。これはお使いのミルにもよって違うので、何回かやってみるしかないですが、自信がない場合は控えめにしておけば、後からリカバリできます。しょっぱいのはもうどうにもできないですが、味が足りないのは後から足せます。

また焼きあがってからBBQソースなどをつけていただく場合にも、最低限の塩・胡椒をした方が美味しいです。

なお、この後でまな板はいったん洗うか除菌タイプのウェットティッシュでよく拭いて下さい。まな板に付着した雑菌を取り除くためです。そもそも塩・胡椒する時はキッチンペーパーの上でやるか、お肉を買った時のトレーの上で行い、生肉をまな板に乗せないほうがベターです。


③強火で片面を焼く
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焼きます。火は強火です。といっても炭では火力の調整はできませんので、最も炭が集まっているところ、で大丈夫です。時々焼き目を見てあげて、こんがりと焼き目がついていたら裏返します。

④強火でもう片面を焼く
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裏面も時々焼き目を見てあげてください。火は相変わらず強火でいいです。

今回は少ない炭でかつ十分に熾きていない炭で焼いたので焼きムラが出来てしまいました。。。しかしこのくらいでも全然OKです。

⑤側面を焼く
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トングでつまんで側面を各面10~30秒程度焼いてください。お肉の表面に雑菌が繁殖している場合があるので、表面はまんべんなく火を当てることが大事です。

ちなみに「お肉はレアで食べられるの?」という疑問にも関わるので解説をしておきますが、(きわめて乱暴に言えば)本来的にはお肉の中は無菌です。

ではなぜ食中毒を起こすかといえば、多くの場合はお肉を常温で放置している間に、お肉表面に付着した雑菌が爆発的に繁殖するからです。

お肉を手で触ったり外気に触れさせればどうしても雑菌が付着します。大事なのは「常温で長時間放置しない(=雑菌の繁殖を防ぐ)」ことと「表面に確実に火を通す(=十分に殺菌する)」ことです。

なので、たとえ塊肉の中心部が生でも、表面に十分に火が入っていれば、食中毒を起こすリスクはきわめて少ないのです。

ただし、肉の種類・部位によって(特に内臓)は人体に有害な菌を持っている場合があるので、牛肉の正肉(サーロイン・肩ロース・ヒレ・リブロース・もも・etc...といった内蔵ではないお肉)に限っての話です。

途中の解説が長くなりました。

⑥弱火で中まで火を通す
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裏面にもほどよい焼き目がついたら、グリルの端っこに肉を置きます。真下に炭がない場所がいいです。それ以上は表面に焼き目はつかないけれど、手をずっとかざしておけない程度の熱さというのが目安です。

③~⑤のステップではお肉の中にはほとんど火が入っていません。中心部はまだ冷たいままだと思います。塊肉というのは驚くほど火が入りにくいのです。

ちなみによくお肉の焼き加減で「レア」というのがありますが、これは「生」のことではありません。見た目は鮮やかな赤い色のままで、生に見えますが、ちゃんと熱が入っている状態がレアという焼き加減です。

タンパク質は70度くらいから変質を始めます。肉が茶色になる温度ですね。日常の料理でいわゆる「火が通った」という状態です。

しかしステーキで中までこの状態になってしまったら台無しです。「固くてとても食えない」ステーキになります。ステーキが固い場合は、肉に問題があるのではなく、多くの場合は焼き方に問題があるのです。適切な火の通し方ができていれば、どんな肉のどんな部位でもある程度柔らかく仕上げることが可能なのです。

中心部まで温まっているけれど、70度を超えていない、というのが美味しいステーキの条件と言えます。そして、焼き加減について温度で単純に言ってしまえば、中心部が55度程度が「レア」、65度程度が「ミディアム」です。料理用の温度計があれば肉の中に刺して測れば間違いはないですが、慣れれば表面に浮き出た肉汁の感じや、トングで押した時の弾力などで、中の状態を推測することができます。

これもまた文章で表現するのがきわめて難しいのですが、一番わかりやすいのは、トングでステーキ肉の端をつまんで、グイッとステーキ肉をエビ反らせた時の抵抗で判断するやり方でしょうか。
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全くの生であれば、頼りなくぐにゃりと曲がります。完全に火が入ってしまうと、ゴムか!というくらいの堅い抵抗が感じられるはずです。

⑥のステップに入ったら、時々ステーキ肉を曲げてみてください。頼りない感じがなくなってきたらそろそろいい感じに中心まで温まっていると思います。
ただし曲げる度に貴重な肉汁が出てしまうのでほどほどに。⑥のステップは時間にして5~10分くらいを目安にしてください。

⑦カットする

包丁でカットしてからサーブしましょう。焼き加減に自信がない場合はまず半分に切ってみて、まだもうちょっと、という場合には再度焼き直しましょう。⑥のステップであまりに温度が低い場所に置いてしまうと、いつまで経っても中まで温まりません。置く場所を調整してください。

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こんな感じに中心部がピンク色というのがいいと思います。いわゆるミディアムという焼き加減ですね。このくらいが誰でも食べやすい火の入り方だと思います。

なお、塩・胡椒のところでも書きましたが、生肉が触れたまな板をそのまま放置・再使用することがないようにお願いします。必ず洗浄・除菌をしてから使ってください。衛生には万全の心配りをしてこその楽しいBBQです。

カットはお肉に対して直角に包丁を入れるよりも、やや斜めに切ったほうが歯切れがよくなります。また、リブアイのように幅広のお肉の場合には縦も半分にしてあげると、食べやすくなりますね。
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一口味を見てみて、味が足りないようだったら塩・胡椒を再度振りましょう。

また、せっかくいつもの薄切り肉ではなくステーキ肉を焼くので、味付けもいつもの焼肉たれでは片手落ちです。本格的な味を手軽に出すなら、小分けになっているフォンドボーがオススメ。


これだけかけてもそれなりの味になりますが、小鍋で飲む用の赤ワインを少し失敬していっしょに煮詰めたりすればいっそう風味が増します。これらの製品はけっこう塩気があるので、予め小鍋に移して水気を少し足してから温めて使うと間違いがないです。
水気と書きましたが、本当に水しかなければそれで構いませんし、赤ワイン・白ワイン・ビールなどのお酒があればなんでも入れちゃって大丈夫です。

このような製品に頼らずにコクのあるソースを作りたいときには、バターと醤油でもなかなかいける味になりますし、バルサミコ酢を煮詰めて隠し味に醤油をひとたらししたソースなんかはかなり本格的な味わいになります。
出来上がったソースにも黒コショウをガリガリと挽けば完璧ですね。

僕はUSビーフやオージービーフなら上記のようなソースを作りますが、和牛の場合には甘い脂の風味・味を楽しむために塩・胡椒のみの味付けということが多いです。

今日はUSビーフのサーロインですがシンプルに塩・胡椒のみの味付けで、付け合わせには地元の特産であるクレソンをたっぷり添えました。このようになにかしら地元の特産品をメニューに取り入れるとグッと料理が活き活きとしてきますヨ。
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以上、いかがでしたでしょうか。

なにぶん肉の厚さや炭火の状態など不確定な要素が多いので、本稿を読んだだけで一発で美味しいステーキを焼いていただける保証はありませんが、とにかく一度試してみてください。
「ステーキ肉・塊肉を焼くって、意外と簡単だ」ということに気づいていただけたら、本稿の使命は十分に果たせたと言えるのではないでしょうか。

エンジョイ BBQ!

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