2019年05月

2019年05月26日

Realism is back!!

あのトキメキがふたたび・・・!!

realism昨年、発表から31年の時を経てリリースされた1stアルバム「Difference」リマスター盤が話題を呼んだ崎谷健次郎が、今度は1988年発表の2nd「Realism」をリマスタリング!
多数のボーナス・トラックを加え、「Realism〜Anthology」として5/22に発売されました〜!

今回は「Difference」とともに、少年時代のゴールドに"都会の夢"を見せてくれた名盤「Realism」、そして今回のアンソロジーを徹底解説だ〜!!

洗練された楽曲でファンの熱い支持を受けたデビュー作「Difference」でしたが、2nd作となった「Realism」はそちらに輪をかけて、当時の最先端テクノロジーを駆使した衝撃の問題作!

アップテンポでゴキゲンな「GO INTO THE TV」で幕開け。
冒頭から早くもハッピーでノリノリになった気分をガラッと変えるのが2曲目の「THIS TIME」!!

当時1億円したという電子楽器、シンクラヴィアを用いて制作されたという先鋭的なサウンド。
ウネりまくるシンセベースと切れ味鋭いカッティング・ギター、美麗なハイトーンながら、ハスキーさを滲ませた崎谷氏の歌声が最高にスリリング!
この声で「闇が運んだ危険な匂い 逃げられない〜」・・・な〜んて歌われた日には、まるで聴いている自分自身が「デンジャラスな都会の恋」に身を委ねている様な昂揚感に包まれてしまう。

例えていえば、任侠映画を観て自分がワルになった様な、ジャッキー・チェンのカンフー映画や「ロッキー」を観て自分が強くなったと錯覚してしまう様な「音楽的疑似体験」を味わえるコト間違いナシなJAPANESE CITY FUNK不滅の大名曲!

つづく「7th Avenue」もシンセ・ファンク炸裂の1曲でして、「THIS TIME」同様、ウネるベース音に加え、サビ部分のウワモノの鳴りもヒリヒリする様な都会のクールネスを感じさせてくれます。

ゆるやかに去りゆく恋を見送るセンチメンタルなバラード「WITH」を経て、強力なファンク・ロック「THE FRESH」
もぉ〜コレが理性をどっかんブッ飛ばされるへヴィな曲でして、崎谷氏も曲中、マイケル・ジャクソンの如く「AOH!」と熱いシャウトをカマしております!

本作が発表された当時はちょうどアナログからCDへの移行期であり、アルバムはLPでは「THE FRESH」でA面終了、開放的なメロディがサイッコーに心地よい次曲「ラベンダーの中で」からB面へ。

ストーリー仕立ての歌詞も秀逸な「夏の午后」、この時代にして大胆なラヴァーズ・アレンジを施した「6月・絵と君と」、しっとりとした「水に眠る」、そして詞・メロディともに壮大なバラード「不安定な月」から「request」という形で氏の代表曲である「もう一度夜をとめて」で終幕・・・。


昨年の「DIFFERENCE」再発の際にも書きましたが、崎谷氏は本来、「もう一度夜をとめて」を「DIFFERENCE」に収録したかったそうですが、セールスプロモーションの関係で叶わなかったとの事。

その後、「もう一度〜」がシングルヒットを果たし、当初「Realism」には収録予定が無かったというこの曲がボーナス・トラック的に収録されたのは、またしてもセールスプロモーション上の都合だったのだろうか?
・・・というのは当時、LPでは「不安定な月」が最後の曲となっており、「もう一度〜」は収録されていなかったんだよな。

これは邪推かもしれないが、さきほど述べたとおり、この時期はちょうどアナログからCDへの移行期だったコトもあり、もしかしたらレコード会社はLPよりもこれから市場を拡げていくであろうCDの方に販売の比率を持っていきたかったんじゃないだろうか?

「CDには"もう一度〜”が入っててお得だから、LPじゃなくてCDで買おう」な〜んていう購買者を見込んだレコード会社の意向による「もう一度〜」収録劇・・・な〜んていうのはちょっと深読みし過ぎかね?

しかし、原曲をベースとしながら、アルバム全体の流れを汲み、音数を減らした別アレンジになっているというのが、いかにも崎谷氏らしいこだわりであり、流れは自然でありながら、CDバージョンの方も「不安定な月」で終わるLPバージョンとはまた違った、味わい深いエンディングとなっております。


そして今回は「アンソロジー」という名目のもと、「Difference」リマスター盤の時以上にボーナストラックが大・大サービスのテンコ盛り!!

まずは書下ろしの新曲「愛がくれるもの」
作詞を大家・松井五郎氏が務め、崎谷氏もシンセの音使いなど「Realism」を制作した頃を振り返りながら作・編曲したとのコト。

さらに、今回の目玉のひとつとして収録されているのが、崎谷氏がデビュー前に組んでいたバンド・VIZIONの楽曲をリメイクした「Somebody's watching you〜誰かが君を見つめてる〜」

R-7556529-1543808697-3662_jpegVIZIONは1983年にデビューし、アルバム一枚を残して解散した幻のグループなのですが、80年代前半の作品とは思えぬ斬新かつPOPな作風が近年になって海外のDJ等からも高い評価を得ており、その作品は現在国内外を問わず、激レア盤として非常に高値で取引きされておるんだな。
今回はベースに亀田誠治、シンセサイザーにオリジナルメンバーでもある松本晃彦を迎え、オリジナルをベースにしたアレンジで新レコーディングされているそうでヒッジョーに仕上がりが楽しみです!

また、リリース当時、リスナーの度肝を抜いた12inch「THIS TIME」(extended scratch mix)、そして、そのカップリング「THE RIGHT BEAT」も収録!!

伝説のマスターミックス集団M.I.Dによるド迫力のリミックスは現在の耳で聴いてもブッたまげの衝撃波!
「THIS TIME」に関しては、ゴールドBlogでも以前、大々的にフィーチャーしたコトがあるので、ご興味ある方はコチラをどうぞ!
http://blog.livedoor.jp/takehirogold/archives/52751390.html

さらにさ〜らに、1988年に公開された映画「孔雀王」のサントラに収録された「もう一度夜をとめて」の英語バージョン「If ever you fall」も収録という至れりつくせりなボーナストラック群となっております!



このアルバムがリリースされた当時、まだインターネットは存在しておらず、何かにつけ現在の様にサラッとノウハウを手に入れられる時代ではなかった。
そんな時代に、世界的にも最新水準である音楽を作り出すのに崎谷氏がどれだけの労苦を必要としたコトであろうか・・・?

しかし、外部からの様々な知識・技術の吸収に加え、分からない部分を何とか補完しようという創造精神があったからこそ、「Realism」は単なる海外の模倣ではない、独自のポップミュージック、そして時間的耐久性のある音楽になったと思うんだよな。

最近の若手ミュージシャンが最新のテクノロジーやマニュアルでサラリと音楽を作り出すコトが出来ても、どこか薄っぺらに感じられる作品が多いのは、先人たちの「無から有を作り出そうとする精神」・・・泥臭い言葉で言うと「ガッツ」の差ではないだろうか?

崎谷氏のBlogに今回のリマスター・アンソロジーのリリースに際した興味深い記事がありましたので、ご興味のある方は是非そちらもご覧になってみて下さい!
http://aa1414j3iy.smartrelease.jp/blog1/?p=2179


6月から今回のリリースと連動した「Realism」再現ライブが東名阪〜そして京都で開催されます!
ゴールドは6/8(土)の東京を予約済み。1988年と2019年がコンフューズする奇跡のひとときをたっぷりフィーバーしてきます!

すでにリリースされている「Realism〜Antology」ですが、ライブ会場で購入すると崎谷氏のサイン入りポートレイトが特典でもらえるそうなので、ゴールドはライブ当日まで購入お預け!
ライブ同様、今回のCDを聴くコトが出来る日が待ち遠しいッ!!


昨年の「Difference」リマスター盤も崎谷氏の監修により、ゴールドんちのショボいコンポで聴いてもオリジナルと比べ音域は広がり、音像も段違いに鮮明になってて驚いたモンだった。

今回の「Realism」リマスターもと〜っても楽しみなんであります!




takehirogold at 23:54|PermalinkComments(0)名盤紹介