京都新聞【 2011年08月07日 10時20分 】
 会社更生手続きを進めている消費者金融大手の武富士が、京都市中心部で駐車場用地などとして活用していた土地3カ所約1万6千平方メートルを売却していたことが、6日までに分かった。京都市下京区の京都高島屋南側や京都駅近くの土地で、会社更生に向けた資産処理とみられる。
 土地はこれまで武富士の完全子会社が所有していた。3月に設立された中京区の不動産管理会社に7月末、売却した。
 売却したのは、河原町通四条下ルの京都高島屋南側の土地約6千平方メートルと、京都駅北側の七条通に面した2カ所の計約1万平方メートル。
 武富士の子会社の代表者は「資産は管財人が管理している」、武富士本社も「子会社のことなので答えられない」(広報)としており、売却額は不明。管財人の小畑英一弁護士は取材に応じていない。
 武富士は昨年9月、借り手が払い過ぎた利息(過払い金)の返還を求める「過払い金請求」で経営難に陥り、会社更生法の適用を申請。過払い金請求の総額は約1兆3800億円に膨らんだ。今年7月、過払い返還金など債権者への弁済率を3・3%とする会社更生計画案を東京地裁に提出している。
 3カ所の土地は、いずれも好立地にある上、売却益が弁済原資に充てられるため注目されていた。武富士が2001年に子会社への所有権移転を決めた際の簿価は合わせて約1200億円、移転見込み価額は約350億円だった。