多重債務・貧困対策NEWSNo.12   2012.7.8
発行 全国クレジット・サラ金問題対策協議会(代表幹事 弁護士 木村達也)

☆貸金業法・利息制限法の改悪に反対する決議=改悪を許さず
 全国クレジット・サラ金問題対策協議会、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の主催により7日仙台市で開かれた緊急集会「貸金業法の改悪を許さない!」の参加者一同は、表記決議を採択した。全文は以下のとおり。
 「現在、一部の国会議員が『利息制限法の制限金利を年30%に引き上げ』『貸金業法の総量規制の撤廃』を骨子とする貸金業法・利息制限法の改悪を図ろうとしている。すでに自民党『小口金融に関する小委員会』では、その趣旨の改悪案をとりまとめた。民主党内でも、同様の改悪案を党内で取りまとめようとする一部国会議員の動きが急である。それらは連携して今次国会での議員立法を目論んでいるものと思われ、情勢は極めて危険である。
 しかし、利息制限法は、明治以来わが国法制度における暴利禁止の重心をなしてきた。出資法の罰則金利は年109.5%から利息制限法の水準に向けて段階的に引き下げられ、約50年をかけて、改正貸金業法の完全施行により利息制限法の年20%の水準に一致するに至った。今ここで逆行して、制限金利を年30%に引き上げることに何らの歴史的正当性はない。貸金業者に特別の利潤を保障するための改悪にほかならない。
 そもそも現行貸金業法では、個人事業主に対しては総量規制の『例外貸付け』が認められている。A4版1枚で『事業・収支・資金計画』を提出し、返済能力ありと認められれば、簡易迅速に、年収3分の1を超える借入れも可能である。その実際の利用状況を見れば、『小口・高利』の資金需要は頭打ちである。総量規制を撤廃することに、何らの社会的根拠はない。貸金業者のビジネス・チャンスを創出するための改悪にほからならない。
 2006年の第165会国会において全会一致で成立した貸金業法は、多重債務問題の原因である高金利・過剰与信・過酷な取立てを根本から規制するために、上限金利引下げ・総量規制などを定めた。のみならず、2007年に多重債務問題改善プログラムを決定し、既存の多重債務者の救済・サラ金に頼らない安全な資金供給を実現するため、公的制度や社会的連携を構築してきた。その官民挙げての取り組みの結果、多重債務者は減少し、自己破産、借金苦による自殺、ヤミ金融被害も確実に減少しつつある。しかし、多重債務問題の解決は、いまだ道半ばである。今ここで問題の根元にある金利規制や総量規制を緩めれば、多重債務問題が再燃することは明らかと言わねばならない。
 一部国会議員が強行しようとする貸金業法・利息制限法の改悪は、貸金業者や貸金業に投資している一部の人たちの目先の利益のために大きな害悪を国民に及ぼしかねない、危険な『制度いじり』である。このような改悪案が、国政に責任のある政党の政策として認められてはならない。各党の機関、責任者の良識ある判断を求めるとともに、私たちは、これ以上このような改悪の動きを繰り返させないため、断固たたかっていくことを宣言する」。