武富士一万人訴訟ニュース 第66号  平成26年5月19日
武富士の責任を追及する全国会議 代表 弁護士新里宏二 事務局長 弁護士及川智志
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報告;司法書士 芦田 笑美子

全国訴訟第3陣の判決言渡がありました。  
 5月19日午後1時10分、東京地方裁判所712号法廷で、武富士一万人訴訟の全国訴訟第3陣の判決言渡がありました。全国訴訟(東京地裁)の3番目の判決です。
大変遺憾ながら、今回も原告の請求をいずれも棄却する、という判決主文でした。
以下に、期日後、受領した判決文より、判決理由の概要をお伝えします。
(かなり分かりやすくダイジェストしていますので正確ではありません。)

【判決理由の概要】
① 直接損害について(原告らが法律の義務のない支払いをしたことによる損害に対する被告らの責任)
法定利率を超えた部分を取るための要件(みなし弁済規定)を厳格に解釈することが確立したのは、平成18年頃のことで、それまでは下級審裁判例・学説はかなり分かれていたこと、過払い金の有無の確定には、膨大な顧客の個別的な取引の検討が不可欠であること、平成18年頃までには取引履歴開示が可能となり、利用者が権利主張を行うのに格別の支障がなくなっていたことなどから、最高裁平成18年1月13日判決までは、取締役にみなし弁済規定の適用がないとの認識も、重過失も認められず、それ以降も新たな取引についてそれなりの改善策を取ってきたから、悪意又は重過失による任意懈怠があったとは認められない。
②間接損害について(被告らが任務を怠ったことで武富士が倒産してしまったために、原告らが過払い金を返してもらえなくなったことに対する被告らの責任)
・武富士が倒産したのは、ほぼ会社更生事件の調査報告書のとおり(過払い金請求の増加や法改正、リーマンショックなどの社会情勢のため)。
・他の大手貸金業者が倒産に至っていないとはいえ、同業他社も自社の経営努力のみで破綻を回避できたとは認めがたく、第三者との関係性や財務状態などの事情が異なることから、武富士の取締役だけに倒産を招く任務懈怠があったとは言えない。
  ・過払い引当金の計上については、会計基準通りなので、任務懈怠はない。
・亡保雄らによる数々の不祥事やそれらの報道により、減収減益・格付け低下等の影響はあったが、その後も多額の資金調達に成功していることから、これらの不祥事を原因とする信用力の低下が倒産につながったとは認められない。
・引き直し計算の上で配当可能利益を算出することが、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行と認めることはできないし、武富士の配当が、配当可能額を超えて行われたということはできない。増配についても、株価の維持、海外投資家の要請などを考えれば、相応の合理性のある判断と言える。平成22年の配当を決めた時点においても、平成23年4月に必要な資金調達ができない状態であったと認める証拠はなく、故意又は重大な過失といえるほどの判断の誤りがあったとは言えない。
・真正館の賃料増額も、その事実がなかったとしても倒産回避にはならなかった。
・実質的ディフィーザンスによって生じた損害は、サブプライムローン問題が主原因。
・社債発行については、社債発行当時、株価が上昇することが考えられない状況であったとは言えないし、資金調達できたことは事実で、任務懈怠は認められない。

【判決の振り返り】
判決言渡の後、場所を変えて判決文を確認し、振り返りを行いました。
この第3陣は、文書送付嘱託を採用するなど、好感のもてる訴訟指揮があっただけに、残念としか言いようがありません。第5陣判決に比べれば、不祥事による信用低下の事実を認めるなど、一部については丁寧な部分があったと言えるかもしれませんが、任務懈怠についての考察はこれまでの2つの判決と同様に表面的なレベルにとどまり、原告主張の倒産原因についても実質的に検討していません。また、判決文の一部に誤字等の訂正部分を除いて第1陣判決と一言一句同じ部分があり、まるで第1陣判決のコピーのようだという疑問の声が上がりました。
この判決も十分に精査して、次の結果につないでいく所存ですので、皆様、今後もますますのご支援をお願いいたします。

以上