武富士一万人訴訟ニュース 第67号  平成26年5月26日
武富士の責任を追及する全国会議 代表 弁護士新里宏二 事務局長 弁護士及川智志
 〒271-0091 千葉県松戸市本町5-9 浅野ビル3階 市民の法律事務所内
 電話047(360)2123 FAX047(362)7038 http://blog.livedoor.jp/takehuji/
 
報告;司法書士 芦田 笑美子

全国訴訟第2・6陣の判決言渡がありました。  
 5月26日午後1時15分、東京地方裁判所606号法廷で、武富士一万人訴訟の全国訴訟第2陣と第6陣の併合訴訟の判決言渡がありました。全国訴訟(東京地裁)の4番目の判決です。
 原告代理人2名が出廷し、遠方から2名の原告ご本人も結果を見届けに駆けつけてくださいました。また、被告代理人の姿も被告側席ではなく傍聴席にありました。
大変遺憾ながら、今回も原告の請求をいずれも棄却する、という判決主文でした。
以下に、期日後、受領した判決文より、判決理由の概要をお伝えします。
(かなり分かりやすくダイジェストしていますので正確ではありません。)

【判決理由の概要】
① 直接損害について(原告らが法律の義務のない支払いをしたことによる損害に対する被告らの責任)
法定利率を超えた部分を取るための要件(みなし弁済規定)の解釈については、下級審裁判例・学説はかなり分かれており、その状況下での調査、検討内容、意思決定の過程・内容に不合理な点はないこと、不当利得として返還すべき部分が存在していた可能性はあるが、引きなおし計算には、各顧客について個別的な取引の複数の論点の検討が不可欠であるが、多数の顧客の事実関係を正確に把握・計算をすることは困難であること、引きなおし計算をするかどうかは一義的には借り手の判断であるとの金融庁のコメントがあること等から、武富士には全顧客について引きなおし計算をする義務も、引きなおし計算をしたうえで書面を交付する体制を構築する義務もなかった。
②間接損害について(被告らが任務を怠ったことで武富士が倒産してしまったために、原告らが過払い金を返してもらえなくなったことに対する被告らの責任)
  ・過払引当金の計上については、会計基準通りなので、任務懈怠はない。
・亡保雄らによる数々の不祥事やそれらの報道により、社会的信用が下がり、収益に一定の影響はあったが、武富士が倒産したのは、過払い金請求の増加や法改正、リーマンショックなどの社会情勢のためであって、これらの不祥事によって倒産にいたったとは認められない。
・配当・自己株取得については、増配は株主の圧力や株価維持政策のためで、監査法人監査積みの財務諸表に基づくものであった上、資金調達にも問題はなかった。平成22年3月期の期末配当は、更生手続で指摘されているとおり、その後の資金繰り等を検討が不十分だが、会社更生に至ったのは、法改正などの社会情勢によるもので、この配当が原因と認めることはできない。
・ユーロ債発行については、手法として一定の経済的合理性があること、発行当時他の資金調達が困難であったこと、株価がここまで下がることを予見することはできなかったことから、不合理とは言えず、任務懈怠は認められない。
・営業貸付金を帳簿価格よりも低額で譲渡したことは、資金調達の必要性からして、不合理な判断ではない。
・実質的ディフィーザンスについては、その手法自体は一定の経済的合理性があり、発行日には高い格付けがつけられていたものが下がったのも、償還が早まったのもサブプライムローン問題が主原因で、その予見は容易ではなく、著しく不合理な判断であったとは認められない。
・真正館の賃料増額はわずかで、その事実がなかったとしても倒産回避にはならなかった。
・引きなおし計算をしないで利益を算出し、これに応じた税金の支払いをした件については、引きなおし計算義務がない以上、任務懈怠はない。

【判決の振り返り】
判決言渡の後、場所を変えて判決文を確認し、振り返りを行いました。
第1陣判決と第3陣判決ほどには表現が似ているという印象はありませんでしたが、任務懈怠の検討結果はそれほどかわり映えのしないもので、原告主張の要因を複合的にとらえて検討していないという点は同じでした。
この判決も十分に精査して、まだまだ闘っていきますので、皆様、今後ますますのご支援をお願いいたします。

以上