第二の人生を謳歌しよう！ : 2020年07月

2020年07月

2020年07月31日12:31

カテゴリ: エッセイ

やっと、梅雨明け

　大阪も、やっと今日、梅雨明けが宣言された。例年より10日も遅い。いつもは学校は夏休みに入っているが、今年は新型コロナウイルスで3・4月と休校ｊだったので、今年はの夏休みは8月8日からだとか。

　曇り空で、真夏の太陽がギラギラという梅雨明けではないが、元気な蝉の声が反響している。

　住宅を散策する。

　夏の花、ひまわりだ。

　朝顔がきれい。

　空色が鮮やかですがすがしい。

　久しぶりの、傑作の写真となった。
　パソコンの背景に設定した。

　いまや、オールシーズン見かけるコスモス。

　白さがまぶしい、芙蓉。

　そして、暑い夏空に向かって咲く、百日紅。

　明日から早くも８月だ。今年は3月から５か月間、「ステイ　ホーム」であった。今年の夏は短い。外で羽根を伸ばしたたいが、新型こコロナウイスルの新規感染者数は過去最高を更新し続けている。

2020年07月30日20:54

カテゴリ: エッセイ

プレバト　91

　テレビ番組『プレバト　俳句』　91。

　前回から特待生・名人の21人による「夏の炎帝戦」の予選が始まっている。今日は、Ｃブロック、Ｄブロックの予選。お題は「アイスクリ－ムの売場」。

🔴Ｃブロック予選1位　キスマイ千賀

　（原句）　　　　　「　かき氷密かに崩す銀河の夜　」

　（感想）　　　　出演者の評価も高かったが、私にはよくわからない

🔴Ｄブロック予選1位　三遊亭円楽

　（原句）　　　　　「　氷壁崩落白玉を掘り出す　」

　（感想）　　　　これもよくわからない

🔴Ｃブロック予選2位　春風亭昇吉

　（原句）　　　　　「　スイカバー隣に君のいない海　」

　（感想）　　　　村上健史偑の俳句。私は好きな作風

🔴Ｄブロック予選2位　立川志らく

　（原句）　　　　　「　八月十五日アイスクリーム溶け続け　」

　（感想）　　　　うまい

　1位は決勝に進出し2位は４人の中から立川志らく氏が選ばれ、決勝に進出する。

　次回は、10人による決勝戦となる。楽しみだ。

2020年07月30日18:35

カテゴリ: 政治・経済

慰安婦像の前に土下座像

　韓国にある私立植物園に中にある慰安婦を象徴する少女像の前に、土下座して謝罪する安倍首相をモチーフにした像を設置した。国際上、非常に無礼な行為である。

　菅官房長官は、即、「国際儀礼上許されない。仮に報道が事実ならば、日韓関係に決定的な影響を与える」と警告した。当然のことである。

　
　これに対し、志位共産党委員長は、「韓国政府に関係なく、民間の個人がしたことなので、コメントを控える」と答えた。日本国家がこれだけ侮辱されているのである。この発言は日本の国会議員とは言えない。議員辞職に値する発言であり、意識の低さである。

　慰安婦問題は、朴クネ前大統領との間での「日韓合意」で、最終的不可逆的に解決している。これを守らせる責任を日韓両政府は負っている。韓国内で韓国民に守らせていないのは文在寅政権の責任であることは明確である。志位委員長は韓国政府に警告すべきなのに、逃げた。議員辞職要求を自民党はなぜ出さないのだろうか。

　欧米諸国では、行き過ぎた金融資本主義に批判が出てきている。それに代わるものして公益資本主義が日本人から発せられている。利己主義から利他主義へのパラダイムシフトであり、近江商人の「三方よし」の資本主義思想である。利己主義の欧米でも支持され始めている。利他心が欧米でも受け入れられようとしている。

　ケインズは、80年前の1940年に、「100年後の人間は一日3時間働けば十分な社会になる。人間は、手段よりも目的を高く評価し、効用よりも善を選ぶようになる。人間は、善のある人を尊敬するようになる」と著書に記している。週休４日制は、ＡＩの発展で実現される方向に進んでいる。善を選ぶとは、公益資本主義が実現することを予測しているように思われる。そこでは人間個々人の善、利他心が尊ばれる社会になることを予言しているのではないだろうか。

　今、利他心は、人間の持って生まれた本能か、利他心は人類共通か、世界に利他心を普及させるにはどうすればよいかをレポートにまとめている。ただ、「反日」を国策とする韓国や中国に利他心を普及させられるのか、大きな課題である。

　幸い、今回の土下座像には、韓国内でも賛否両論だと聞く。反対している韓国民の出てきている。ところが、ソウルでは高騰し、文在寅政権の支持率が急落しているという。文政権は支持率を上げるために、「反日」の武器をさらに強める可能性が強い。文大統領の間では、日韓関係の回復はありえないだろう。

　

2020年07月28日18:31

カテゴリ: エッセイ

管理官、刑事官、審議官

　刑事ドラマのテレビを見ることが多い。巡査、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正・・・といった階級とは別に、管理官、刑事官、審議官といった職位も出て来る。

　管理官はよくドラマに出てくる。ドラマでは若きキャリアか、頭のよさそうなキャリアが充てられれケースが多い。警視庁本部では管理官は、課長、理事官に次ぐ職位で、刑事部捜査第一課の場合、課長、二人の理事官の下に管理官は13名置かれている。管理官一人で3～4の係を統括する。道府県警察本部の管理官は、課長に次ぐＮｏ.2のポスト。管理官は警視が充てられる。

　たまにドラマで刑事官が出て来る。刑事官とは、大規模な警察署に置かれているポストで、捜査部門の統括責任者。署長、副署長に次ぐ幹部職。今日のドラマでは、刑事官と管理官のどちらが上かがよくわからなかった。

　今日見たドラマには、さらに審議官が出てきた。行政官庁に置かれているポストで、次官級、次長級、副次長級とある。ラインから外れたスタッフで調整を行う職位。

　警察庁、警視庁・道府県警察本部にも警視が沢山生まれてきてポストが足りなくなり、このような職位が生まれてきたのだろう。テレビドラマでは解説が必要であろう。

2020年07月27日11:11

カテゴリ: 政治・経済

ポンペイオ長官「中国打倒宣言」

　7月24日、　ポンペイオ国務長官は、歴史的演説を行った。

　「中国との闇雲な関与の古い方法論は失敗した。自由世界はこの新たな圧政に勝利しなくてはならない」。

　中国への明らかな宣戦布告だ。

　ポンペイオ長官はさらに続ける。

　「習近平は共産主義という全体主義のイデオロギーの下に、世界制覇を狙っている。いま行動しなければ、中国共産党は、いずれ我々の自由を侵食し、自由な社会が築いてきた規制に基づく秩序を転覆させる。一国ではこの難題に取り組むことができない。国連、ＮＡＴＯ、Ｇ７、Ｇ２０の私たちの経済、外交、軍事の力を適切に組み合わせれば、この脅威に十分対処できる」。

　この演説に先立つ７月21日、ポンペイオ国務長官はイギリスのジョンソン首相と会談している。中国の圧政に対抗するための「有志連合構築」を呼びかけている。戦略的ではなかったトランプが「反中バランシング同盟の結束」戦略に舵を切った。

　国際関係アナリストの北野幸伯氏は、この同盟に、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加するだろうという。さらに欧州、インドそして日本が参加すれば中国に勝ち目はないだろうという。

　日本は躊躇することなく、反中同盟に参加を表明すべきだろう。中国は「尖閣は中国の領土」と堂々と世界に訴え、毎日、中国公船が尖閣周辺の領海に侵入している。自民党の稲田朋美幹事長代行ら有志議員が尖閣実効支配強化のための法を議員立法として検討を始めだした。やっとのことである。

　安倍首相は、「反中同盟」の推進を置きみやげにしてもらいたい。尤も、バイデンが大統領に選ばれれば、「反中同盟」は無効になるかもしれないがトランプはそれを防ぐ政策を急いでいる。

2020年07月26日17:47

カテゴリ: 映画・ＴＶドラマ

スピードについていけない半沢直樹

　半沢直樹が帰ってきた。前回、「倍かえし」の流行語まで生まれたのは2013年（平成25年）の７年前であった。

　楽しみにしていた復活第一話が新型コロナ禍で先週の日曜日となった。

　ストーリーおよび出演者は７年前からの続きなので、スーと入っていけるのに、テンポが速すぎてついていけない。画面の切り替わりが速い。文字放送の文字を追っている間に画面が変わる。主役半沢直樹役の堺雅人が異常なほどの早口。その上、多発される金融用語の意味がわからない。さらに補聴器の片耳が故障して修理中。片耳だけでは、両耳の６掛け程度の聴力に落ちる。あまりもの聴力の劣化に愕然とした。イライラして30分ほどでチャネルを変えた。

　今日の昼間、再放送があった。補聴器も修理が終わっていたので、リベンジした。とりわけ前半の画面展開、堺雅人のシャベリは速いがなんとか集中してついていく。途中からスピードに慣れてきた。わからないところが数か所あったが、なんとか、ストーリーは追えた。

　池井戸潤の作品は、いやらしいいじめが繰り返され、耐えに耐えて最後に一発逆転する展開。

　
　今回は香川照之と市川猿之助がダブルでいじめ役を演じている。歌舞伎役者独特のオーバーな顔芸がいやらしさを倍加させる。

　今夜の第二話にも集中力をもって挑戦しよう。気楽に観るべきテレビドラマにこれだけ集中力をもたなければならないとは悲しいかな老化の著しい症状であろう。

　第二話を観た。スピードに慣れてきた。リベンジに成功した。

2020年07月26日13:43

カテゴリ: エッセイ

明治日本の躍進を生んだ教育

　日本が植民地にされることを恐れた幕末の志士たちが、徳川幕府を倒し、明治新政府を樹立した。明治新政府の国家目標は「富国強兵」であり、列強大国に仲間入りし、対等に交渉できる国づくりであった。最優先戦略は教育であった。

　「全人モデル」を目標に掲げ、　知（＝知識）、情（＝共感）、意（＝利他）のバランスのとれた全人教育が行われた。これは、「太い根っこがないと立派な幹も育たず、立派な幹がないと立派な花が咲かないという考えから来ている。情は根っこであり、利他は幹にあたり、知識は花にあたる」。

　共感、利他が教育の根っこ、幹に置かれれいる。具体的には、人生の守る道として『教育勅語』が、民主主義の根元を示したものとして『五箇条の御誓文』が定められ、子どもは毎日読んでよく吟味せよと教えられた。この教育方針は、自分自身の心で他者への共感を持ち、そこから利他心を発揮し、自分が生きていく道の知識を得るという方針で、「主体的に考え、判断し、行動する」人間を育てることにあった。明治初期国民の10人のうち一人が読むベストセラーであった、福沢諭吉の『学問のすヽめ』も、国家の独立の前に国民一人一人の独立を説いた本であった。

　メルマガ『国際日本人養成講座』の主宰者伊勢雅臣氏も、「「一流大学を出て、一流企業に入るために、しっかり勉強しなさい」と利己心に訴える教育ではこどもたちの心の奥底からエネルギーはでません。「世のため人のためになるようしっかり勉強しなさい」と子供の共感と利他心に訴えるべきです」という。

　なぜ戦後の日本の教育は間違ったのだろうか。

　太平洋戦争中、アメリカは日本軍を心底から怖がった。「天皇陛下万歳」と突っ込んでくる特攻隊に理解できず、恐怖を抱いた。なぜ日本人がそうできるか、アメリカは日本の教育勅語に基づく教育にあると分析した。ＧＨＱは、即座に、日本の教科書を黒塗りにした。共感や利他の教えが黒塗りで隠された。

　戦争から70年後の日本の若者に「社会貢献・地域貢献ができないと自分が生きている気がしない」とか「最低限食べていける状況であれば後はなにもいらない」という人が出てきている。

　日本が利他の社会を目指すならば、教育の見直しが必須になる。

　

2020年07月25日18:04

カテゴリ: 本

利他的な遺伝子

　柳澤嘉一郎著、『利他的な遺伝子　ヒトにはモラルがあるか』。

　著者は、生物学者、筑波大学名誉教授。著書に『ヒトという生きもの』などがある。

　帯に、「ヒトを利他行動に駆り立てるのは、本能なのか、学習か」とある。私の知りたいところである。

🔴利他心はもともと人に備わっていたものか。

　生物学者である著者は、ずばり、結論を言う。

　　人の性格・行動＝遺伝（本能）✖環境（教育・学習）

　
・遺伝子による影響が強いものには、外交性・内向性という性格や情緒安定性がある。他方、生まれた後の環境による影響が多いものには、倫理性、道徳性、利己性・利他性などがる。利他心は遺伝もあるが、生まれた後のしつけや教育や人間関係などの環境によってさらに育てられ、強化されていく。

・人間は遺伝で決められた神経ネットワークである本能だけでは生きていけない。生後の環境から学習し神経ネットワークを形成する。特に３歳までの環境で８割がたの神経ネットワークが形成される。３歳までの環境が人の一生に大きく影響する。日本の格言、「三つ子の魂百まで」、「雀百まで踊り忘れず」、「氏より育ち」、「朱に交われば赤くなる」の謂れである。

・人類は長い間集団で暮らし、社会生活を形成してきた。集団では、他人と協調して利他的な行動を取った方が生きやすい。利他心は集団で生活するようになってきたことと、脳が発達してきてより高度な社会構造を作ってきたことから生まれた本能である。利他でいた方が有利であることを学び、それが遺伝子に組み込まれてきた。先日ＢＳＮＨＫで放送された『人類誕生』でも解説されていた。

人類誕生

人間に限らず、群れで生活する動物（ライオン、象、サルなど）は、たいてい利他的な行動を示すという。その方が自分の生存に有利だからである。

・面白い事例が紹介されている。ウグイスは啼く本能を持っている。しかし、啼き方は他のウグイスからまねる。啼き方を他のウグイスから学習しないと、仲間から認められる啼き方にならないという。

　私の住まい近くには毎年、桜の季節にウグイスがやって来る。最初は、「ホー」とか「ケキョ」とか、啼き方はなっていない。それが新緑の頃になると「ホーホケキョ」と見事に啼きだす。同じように、人の模倣によって言葉を覚え、知識を学び、技術を取得する。利他心も生まれた後の躾け、学習による影響が大きい。

🔴痛いとき念仏を唱えると痛みは和らぐか

　　アメリカ人はガムをかむ習慣がある。なぜガムをかむのか。ガムをかむと体内にセロトニンというホルモンが分泌され、緊張している気持ち落ち着かせる効果がある。

　日本では痛みが激しい時念仏を唱えると痛みが和らぐと言われている。生物学的には「口をリズムカルに動かすことによってセロトニンが分泌され、神経が落ちつく」からである。「ギャーテーギャーテーハラギャーテー・・・・・」。般若心経を唱えれば痛みは和らぐは、科学的に正しいことが証明される。

🔴なぜ人はキレるのか

　　このところ、キレる若者が増えている。一方、加齢によるキレる人も増えている。

　　著者は言う。「キレル、いじめ、登校拒否、ひきこもり、児童虐待などの原因は、人との交流や結びつきが少なくなってきていること」による。脳を鍛えるにはコミュニケーションを増やすこと、という。

　認知症を防ぐにも、キレルことを防ぐにも、人との対話を増やすことにつきる。

🔴利他社会をつくるには

　　著者は言う。

　　利他社会＝社会のあり方　✖　教育

・よい生き方とは、利己と利他の適切なバランスをもっと生きること。
　よい社会とは、利己と利他が適切なバランスで保たれている社会である。
　世界全体を利他の社会とするのは、人間一人ひとりの、利己と利他のバランス精神にかかっている。

　「利他心は人間の本能か、学習か」の私の疑問に応えてくれる本であった。幼児や動物の事例のふんだんに使われ、面白いほんであった。次の私の課題は利他社会をつくるための、「社会のあり方」である。

2020年07月23日23:07

カテゴリ: エッセイ

プレバト　90

　テレビ番組『プレバト　俳句』　90。

　名人・特待生21人による夏の俳句タイトル戦、『夏の炎帝戦』。

　お題は「封筒」。

　今日は、予選Ａ組とＢ組の予選。予選１位は、決勝戦進出決定。２位は敗者復活戦で決勝戦進出を決める。

🔴千原ジュニア

　（原句）　　　　　　「　亡き猫に病院からの夏見舞　」

　（評価）　　　　　予選Ａ組１位

　（感想）　　　　　うまい。マネしよう。

🔴村上健史　　

　（原句）　　　　　　「　二枚目はベランダで読む手紙かな　」

　（注釈）　　　　　　ベランダ＝季語、夏

　（評価）　　　　　予選Ｂ組１位

　（感想）　　　　　村上ワールドの句。「テーブルに君の丸味のマスクかな」と同じ、得意の作風。意味が深い。

🔴キスマイ横尾
　
　（原句）　　　　　　「　夕虹やデビュー知らせし茶封筒　」

　（評価）　　　　　予選Ａ組２位

　（感想）　　　　　意味がよく分からない

🔴皆藤愛子

　（原句）　　　　　　「　健診結果封切る刃先日の盛り　」

　（評価）　　　　　予選Ｂ組２位

　（感想）　　　　　みんなの評価が高かったが、私によくわからない

　さすが特待生以上なのでレベルが高い。

　体験を詠んだ句が感動を呼ぶ。体験をヒントにしよう。

　　
　

2020年07月23日16:01

カテゴリ: エッセイ

大阪、過去最多121人

　国民の70％が反対している「Go　To　トラベル」キャンペーンが7月22日にスタートした。

　皮肉にもこの日、大阪の新型コロナウイルス新規感染者が121人と、過去最多となった。今までの最高は、緊急事態宣言が発令されて間がない4月9日の92人だった。

　大阪モデルでは、第二波の判断基準を1日の新規感染者数が130人前後とみているが、上のグラフに見るごとく、第二波に入ったと言える。

　吉村大阪府知事の分かりやすい解説が、夕方、テレビであった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜4月9日＞　　　　　　　＜7月22日＞　　　
　　　　1日の感染者数　　　　　　　　　　　92人　　　　　　　　　　　121人
　　　　ＰＣＲなどの検査件数　　　　　　341件　　　　　　　　　　1508件
　　　　陽性率　　　　　　　　　　　　　　　　27％　　　　　　　　　　　　　8％
　　　　感染経路不明者の割合　　　　　76％　　　　　　　　　　　　　70％
　　　　入院中の重症者　　　　　　　　　　36人　　　　　　　　　　　　　10人
　　　　重症病床（使用率）　　　　　　　　32床（113％）　　　　　　　188床（5％）

　4月9日の時点とくらべ最も大きな違いは、感染者の年齢が、4月9日は中高齢者が多数であったのに対し、7月22日は20歳代・30歳代の若い層が70％を占めていること、若い層はほとんどが軽症者であることである。重症者が少ないこと、重症病床にまだまだ余裕があるので、緊急事態の再宣言にはいたらないとの解説であった。　　　

　その上、吉村知事はから、これからの府民の対応策についてわかりやすい説明があった。

　①三密で唾液が飛び交う場所には行かないこと。

　②高齢者、基礎疾患のある人は、重症になりやすく、死亡率が高いので、マスク着用、消毒液での手洗い、うがいを徹底すること。

　４連休の初日である7月23日、東京は366人、これまた過去最高の最多記録を更新した。

　にもかかわらず、小池都知事は報告だけで、都民への具体的な理由付けした行動指針が示されない。これでは東京都民はますます不安になろう。

　「Go　To　トラベル」キャンペーンの初日、各地の観光地は観光客はまだらだったと、テレビ報道は伝えている。国民の判断は的確である。

　なぜ、政府は「Go　To　トラベル」キャンペーンを強行したのだろう。

　モリカケ、桜、河合カップルの選挙違反、賭けマージャンの黒川、新型コロナの水際対策の失敗、無用の長物アべノマスク、電通とパソナへの便宜など安倍政権は疑惑と失策続きで内閣支持率は下降の一途。10月に予定している総選挙で少しでも経済結果を出しておこうと、「Ｇｏ　Ｔｏ　トラベル」キャンペーンを強引に前倒しした、と政治評論家は言う。

　しかし、悪い時には悪いことが重なる。落ち目になると何をしてもうまくいかない。次の総選挙で自民党は大敗するだろう。かと言って、立憲、国民、共産の野党が支持を得るとも思えない。

　投票する党のない受け皿として、日本維新の躍進に期待したい。

　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　

2020年07月22日10:50

カテゴリ: 本

利他主義と宗教

　稲場圭信著、『利他主義と宗教』。

　著者は大阪大学大学院人間科学研究所准教授。著書に、『思いやり格差が日本をダメにする』などがある。

　宗教に、利他の教えがあるのかが、私の知りたいところであったが、本書は宗教による利他主義の活動報告が中心になっている。

🔴利他主義とは

　利他主義（アルトルイズム：altruism）という言葉は、19世紀のフランスの社会学者コントが作った造語。利己主義（エゴイズム：egoism）の対語である。

　日本語では仏教用語の「利他」が当てられた。日常語の「思いやり」と同意語である。

　「利他とは、困っている他者を援助する行動で、自分の利益を目的としない行動」と定義されている。なので、自己満足や自尊心から行う行為は利他とはいえない。

　利他の心は、人間生まれつき持っているものだろうか。性善説、性悪説、どちらでもない説がある。

・性善説

　　人間は生まれつき善であるとみる説。

　　儒教主流派の中心概念で、孔子の孫の高弟であった孟子（BC372－BC-289年）が唱えた。その後朱子（1130-1200年、朱子学創始者）が性善説を完成させた。人間は生まれるつき善ではあるが、後天的に環境により悪に陥る。善を維持するためには、読書・静座という修行が必要だ。人間が生まれつきもつている徳は「仁・義・礼・智・信」であると説いた。

・性悪説

　人間は生まれながら自己中心的でルールがなければ自己の利益のために悪を働く。

　マキャベリ（1469-1527、イタリア、政治思想家、著書「君主論」）、ホッブス（1588-1679年、イングランド、哲学者）が唱えた。

　中国では荀子（BC313-BC238年）。人間は生まれつき悪ではあるが、後天的努力（学問）により善を知り、礼儀を正すことができる。教育の重要性を説いた。

・そのどちらでもない説

　人間は環境によって善人にも悪人にもなれる。

　利他主義は社会生活で学ぶことができる。20世紀はこの説が多数派になっている。

　よく読めば、３つの説は、同じことを言っている。

🔴近年欧米では利他主義の研究が盛んになってきている。

　本書が出版されたのは2011年である。今から10年前の時点で、利益追求主義の欧米で、利他主義の研究が盛んになってきていることに私は違和感を覚える。

　　なぜ、欧米で利他主義が研究対象になったか。

・1970年代、アメリカは不況を乗り切るために、経済は市場に任せた方がよいという「新自由主義」が台頭した。金融資本主義と結びつき、1990年代、グローバリゼーションとして世界を席巻した。

　かかる中で、利益と効率のみ追及する社会になった。　「評価主義、能力主義」が浸透し、人はモノとみなされ、切りｌ捨てられる社会となった。人と人とのつながりを軽視する社会になった。他者をかえりみない社会になった。

・多民族の都市ロンドンでは、2001年アメリカ同時多発テロ以降、テロが多発している。キリスト教的な世界観、自己犠牲の生き方では、支え合う社会はできない。もっとポジティブな思いやり、利他のあり方が必要だという考えに識者はなってきている。

　著者は、キリスト教にも、イスラム教にも、仏教にも、ユダヤ教にも「利他」は説かれている言う。しかし、著者はキリスト教に利他の精神はあるものの、それはなにか規範的な、義務的な教えであると言う。

🔴利他の社会を構築するには

　これからは、「共感、思いやり、利他性をもとにした社会を構築しなければならない」と著者は説く。そのとおりだ。

　どうするか。

　著者は言う。

　「支え合う社会にするには道徳教育だけでは十分でない。人と人との協働作業で思いやりが体感される。協働作業のネットワーク、イベントが必要である。その場づくりに宗教のミッションがある」と。

　利他の社会をつくるための仏教の役割を述べた本であった。

　「利他心は人間に生まれつき備わっているものか」、「宗教に利他の教えはあるか」、「利他の社会にするにはどうすればよいか」という私の疑問に間接的に応えてくれる本であった。

　

2020年07月21日16:51

カテゴリ: 箕面如意谷住宅の活動

鬼百合

　昨日、今日と、大阪は33度の真夏日。蒸し暑い暑さだ。

　家の近所を歩く。Ｋさん宅の周辺には鬼百合が群生している。　夏の到来だ。

　　我が家の北には、百日紅が、咲き出している。

　このところ、家に閉じこもっているので、ほんの少し歩くだけで、脚が重くなった。ノルディック・ウォ－キングを再開しなければ本当に歩けなくなる。

　いよいよ、夏がやってきた。

　ところが、週間天気予報は、大阪では来週の火曜日まで曇りと雨になっている。梅雨明け宣言はまだ出せないようだ。

　今年は学校の夏休みも８月に入ってからだとか。梅雨明けもその頃になるのだろう。

　夕方にはヒグラシを聴いた。私的には、ヒグラシは夏の終わりの「寂しさ」を覚える。今年の夏は短いのだろうか。

2020年07月21日16:03

カテゴリ: 政治・経済

失策続きの「ＧＯ　ＴＯ」

　政府のコロナ対策は失策続きである。

　
　コロナ対策には、経済活動を重視するか、コロナ感染防止を重視するかに分かれる。多くの外国は経済活動重視を優先する。欧米、中国それに国民重視の国いわれる北欧でも経済活動を重視した対策をとっている。

　日本政府は、従来と異なり、コロナ対策では経済活動重視政策をとったものの、慣れないことをしたことが裏目となっている。

　①まずは、中国からの入国拒否宣言が遅れた。

　②緊急事態宣言の発令が遅れた。

　③補助金、給付金の支給に時間がかかりすぎた。

　④中央政府と地方自治体の役割分担が明確でなかった。
　　　　中央政府は責任を取らないのに、地方自治体に権限を委譲できないでいる。

　⑤意味のなかったアベノマスク

　⑥ＧＯ　ＴＯトラベルキャンペーンを急遽、7/22からの前倒しにした結果、混乱を招いている。
　　　　運悪く、変更を発表した日から東京の新規感染者数が200人以上に急増しだした。
　　　　地方自治体の首長から反対の声があがった。
　　　　政府は、急遽、東京をキャンペーンの対象外とした。
　　　　東京都の観光業者、旅行業者、都民は混乱した。
　　　　旅行のキャンセル料を政府が補填しないとしていたが、反対の声が多く、政府が一部を補填するとこれまた、中途半端なことを発表した。

　どうも、コロナ対策に関しては政府は後手後手に回っている。政府や官僚の不得意な分野に首を突っ込みすぎ、泥沼に入ってしまった。

　本来、長い自粛生活を強いられ、この夏には旅行に出たいと思っていた国民が多かった。それに、ＧＯ　ＴＯキャンペーンが背中を押すことになった。しかし、新規感染者数が急増し、旅行はもっと先に延ばそうと思い直した国民がほとんどであろう。

　政府は東京都の新規感染者数が急増したときに、ＧＯ　ＴＯキャンペーンは先に延期すると決断すべきだった。

　囲碁や将棋でも、ひとつの悪手にこだわりすぎるとますます局面を悪くするという。政府は悪手にこだわりすぎた。ここは、「見えない手にまかせる」べきであった。このようなことは国民ひとりひとりの方が的確な判断をする。

　悪い時には悪いことが重なる。今度は農林水産省が「ＧＯ　ＴＯ　イート　キャンペーン」を始めるという。官僚たち、政治家は「ＧＯ　ＴＯ　トラベルキャンペーン」への国民の反応のをどう見ていたのだろうか。政治家、官僚の感度の鈍さも暴露された。

　
　今回のコロナ対策から、中央政府と地方自治体のあり方が時代に合っていないことが判明した。これを契機に地方政治の在り方、道州制の議論を国会で始めてもらいたい。今の野党からは提案されないだろう。日本維新の会が提案し、自民党の一部を巻き込み、政界再編になればコロナの災禍も日本の将来に生きて来る。

　　　　

　

2020年07月21日15:32

カテゴリ: 政治・経済

トランプが文在寅を嫌う理由

　トランプは文在寅が大嫌いだという。共和党の州知事たちとの夕食会の席上、トランプは公言している。大嫌いな理由を国際関係アナリストの北野幸伯氏は解説している。

　①ウマが合わないこと。

　②文在寅が反日を主軸とし韓国民の支持を得て、日米韓同盟を弱体化させていることに、トランプは憤りをもっていること。

　③トランプはイエスマンしか相手にしない。反論する文在寅は嫌い。

　私も文在寅が嫌いだ。このブログでも何度も文在寅を散り上げた。

　理由は、

　①反日を基盤とし、韓国民を幼少時代から反日教育で洗脳し、反日で国民の支持を得て大統領に選らばれたこと。

　②共産主義者であり、南北を統一し、朝鮮半島を共産主義国家にすることが目標であること。

　その文才寅寅政権の任期もあと２年強もある。

　反日政権と日本はあと２年も付き合わなければならない。

2020年07月21日11:47

カテゴリ: 政治・経済

牙を剥きだした中国

　中国政府は、尖閣諸島は中国の領土だから日本漁船の操業は「領海侵入」だと、日本政府に抗議してきた。沖縄県石垣島市議会が議決した尖閣の住所名も中止するよう求めてきている。

　トランプが「アメリカ　ファースト」を掲げ、大統領選挙に心が奪われている最中、習近平は南シナ海、東シナ海に牙を剥き出している。

　折りしもトランプは、ドイツ中流米軍を３分の１削減する方針を発表した。ドイツが在米軍費用の負担増に応えない不満から来た方針である。トランプは、削減した米軍をインド太平洋地域に配置転換し中国に備えるというが、本心は定かではない。トランプは４年前から、在日米軍の費用負担増を日本に求めてきている。同様に韓国にも在韓米軍の扶養負担増を求めてきているが、日韓政府ともに拒んできている。

　米中覇権戦争中である。にも拘わらず、トランプは同盟国のドイツ、日本、韓国に同盟を打ち破る行動に出ている。

　ほくそえんでいるのは習近平ひとりであろう。

　日本のマスコミは、日本の野党にこの状況をどう見るのか、日本はどうすべきかを聞いてほしい。

2020年07月21日08:49

カテゴリ: 本

ここまで来た「あの世」の科学

　天外伺朗著、『ここまで来た「あの世」の科学』。

　著者は、ソニーでワークステーションやＡＩＢＯの開発を主導。現ホロトロピック・ネットワーク主宰。医療改革や教育改革に携わる。経営者向けセミナー「天外塾」の塾長。著書に『般若心経の科学』、『運力』などがある。

　帯に「最先端科学は「あの世」と「この世」を厳密に区別している」と記述され、量子力学のボーンの説と、深層心理学のユングの説を紹介し、仏教のいう「空」の類似性を明らかにしている。

　ただし、ここでいう「あの世」とは、人間が死後に行く世界のことではない。量子力学のボーンは、宇宙を「見える世界（＝明在系）」と見えない世界（＝暗在系）」とにわけているが、著者はこの「見えない世界」のことを「あの世」と言っている。深層心理学のユングは宇宙を「意識層」と「無意識層」とに分けているが、著者はこの「無意識層」のことを「あの世」と言っている。

　二人の説を紹介する。

🔴ボームの説

　　量子力学の先駆者ボーア、ハイゼルブルク、シュレディンガーの後を引き継いだボーム（1917-1992年、アメリカ人、理論物理学者）は、先輩の三人と同様に東洋哲学に行き着き、以下の説を唱えている。

　
　　「「暗在系（あの世）」には、「明在系（この世）」のすべての物質・精神・時間・空間が全体としてたたみこまれており、分離不可能でである。」

　・あの世の真理はこの世のロジックを超越しており、この世の言葉では記述不可能であり、瞑想などで体得する以外にない。

　・もし人間があの世のことばを理解できるようになれば、あらゆる宗教は同じ教えを説いていることに気付くだろう。

　　科学でも、150億光年以上の遠くの世界はまだ解明されていない未知の世界である、一方極細の素粒子の世界もまだ解明されていない。

　ボームはこの素粒子の未知の世界の解明に東洋哲学からヒントを得ようとした。結果、上記の結論に達したのであるが、素人のゲスの勘繰りといわれるだろうが、どうしても解明できないので、仏教の論理「空」を利用したという解釈もできないことはない。

🔴ユングの説

　深層心理学のユング（1875-1961年、スイス人、精神科医、心理学者）は一時、フロイトと意気投合して共同研究をしていたが、以下の説に到達した。

　　「人間の心の世界は二重構造になっており、知覚できる「意識層」の奥底には認識困難な「無意識層」が存在する」。

　　「人間の無意識は個人に所属するものではなく、全人類に共通であり、つながっている」とし、これを「集合的無意識」と名付けている。

　ユングも東洋哲学に魅せられ、瞑想に長けていた。ユングが無意識との対話に手段として、夢、曼荼羅、瞑想を用いた。

🔴ふたつの説のまとめ

　著者はふたつの説以下のように図示し、まとめている。

　

　左がボームの「明在系」「暗在系」である。右がユングの「意識層」「無意識層」である。二人は片や量子力学、片や深層心理学と異なるアプローチなので、結果の表現方法は異なるが、内容は同じことを言っている。著者は、「暗在系」、「無意識層」は仏教のいう「空」と類似していると指摘する。

　
　　著者の考えをまとめたのが下の図である。ただし一部を私が修正している。

　上図は、現時点で私が理解した「この世」と「あの世」の世界である。

　「空」とは「すべてのものが宇宙に畳み込まれた、溶け込んだ世界」をいう。「悟り」とはこの「空」の世界を理解すること、体感することである。「平穏な心となり至福感満ちた世界」に入ることであろう。

　私には、量子力学も深層心理学も理解できない。そのうえ、著者は「あの世」とは死語に行く世界のことではないと再三指摘しながら、「あの世」なる言葉を多用するので、頭が混乱する。ボームもユングも精神分裂症に陥ったという。この手の本は、考えれば考えるほど、頭がおかしくなる。私もこの手の本は卒業しよう。

　私の知りたいことは、利他心は人類に元々備わっていたのか、仏教は利他心をどうとらえていたのかである。利他心の探求に戻ろう。

　　

2020年07月19日16:19

カテゴリ: エッセイ

人類誕生

　ＢＳＮＨＫで面白い番組があった。『人類誕生』である。

　人類の歴史は以下のように言われている。

　　　人類は、700万年ー200万年前に「猿人」が誕生した。
　　　　　　　　　　　ラミダス原人である。

　　　「原人」が、200万年ー5万年前に誕生した。
　　　　　　　　　　　北京原人、ジャワ原人などである。

　　　「旧人類」が生まれた。50万年ー4万年前。
　　　　　　　　　　　ネアンデタール人である。

　　　「新人類」（ホモ・サピエンス）が誕生した。25万年前。
　　　　　　　　　　アフリカのケニア周辺である。6万年前世界に移動した（グレート・ジャーニー）。

　現在地球に存在する人類73億人は全てホモ・サピエンスの子孫である。原人、旧人類は全て滅亡している。現在の人類のＤＮＡの中にはわずか2％であるが、ネアンデールタール人のＤＮＡが入っている、と解説があった。

　私の疑問は、「利他の心は元々、人間に先天的に備わっていたものか、どうか」である。

　本テレビが答えをくれた。

　人類が採集生活から狩猟生活を始めた時、独りでは狩猟には危険が大きすぎる、体力の劣るホモ・サピエンスは狩猟は集団で力をあわせないとできないと悟った。集団生活の中で「協力」、「思いやり」の必要性を体感した。また集団生活の中で狩の道具の改善が進んだ。大きな集団では150人規模となった。これに比べ体力の優れていたネアンデルタール人は10人レベルの集団しか組まなかった。集団規模の差が、それ以降の地球の環境変化への適応の差となってあらわれ、方やは生き残り、方やは滅亡する結果となった。

　ホモ・サピエンスは肉食になり、脳が大きくなり発達した。原始宗教が芽生え、原始宗教が集団をより大きなものにさせた。宗教が集団の結束力を高めさせた。「協力」、「思いやり」が人類のＤＮＡに組み込まれた。６カ月の乳幼児でも「協力」を選び、「邪魔する」を選ばないことが実証されている。

　このテレビで、人類には生まれつき、「利他の心」がＤＮＡに組み込まれていることが分かった。後天的に宗教からの影響も大きいことを知った。

　しかし、疑問は尽きない。協力して生き残ったホモ・サピエンスがなぜ、戦争を繰り返すかである。集団が大きくなると派閥が生まれる。リーダーを巡って争いが生じる。

　本番組はシリーズものだろう。タイトルは「人類誕生　未来編」とあった。人類の未来はどうなるのだろうか。楽しみな番組である。

　　　　　　　　　　　
　　　　　　
　　　　　　　　　　　

2020年07月18日17:33

カテゴリ: エッセイ

ＧＯ　ＴＯ　トラベルキャンペーン

　ＧＯ　ＴＯ　トラベルキャンペーンが政界でも、国民の間でも議論を呼んでいる。

　「ｗｉｔｈ　コロナ」でコロナ感染の防止と経済活動の両面をバランスをとって解決していくことが政府と地方自治体の方針となった。ところがこの1週間、東京での新型コロナウイルスの感染者数が過去最高を占めるようになり、自治体首長の中からキヤンペーン反対の意見が出てきている。

　経済活動を重視するか、コロナ感染防を重視するかの違いである。見方をかえればコロナへの楽観派と悲観派の違いである。

　経済活動を重視してきた政府も、東京の感染者数の異常な発生と地方の首長からの反対意見を無視できず、キャンペーンの対象から東京を除外した苦肉の策をとった。世論は、経済活動の重視が15％、感染防止の重視が67％、わからないが17％である。世論が感染防止を重視するのが多いには当然といえる。結果、「ＧＯ　ＴＯ　キャンペーン」は見送るべきは69％、妥当は19％の世論である。

　右往左往する政治家の中で、吉村大阪府知事はまたも、リーダーシップを発揮し、大阪府民に安心感をもたらした。

　吉村知事もどちらかというと経済重視の方針をとってきた。コロナ対策では、クラスターのピンポイント対策を取っている。今、東京でも大阪でも新規感染者の出どころの多くは夜の飲食店で、しかも防止対策を取っていない店である。かかる店に自治体が強制力をもって対策が取れないところに問題の本質がある。

　吉村知事は安倍首相に、「自治体が店に対し強制力をもって対策をとらすことのできる法律を至急作ること」、「再三の勧告にもかかわらず対策をとらない店には自治体が休業を命令できる法律を至急作ること」を要請した。具体的で即効性のある政策である。

　吉村知事は、明確な方針を決めることができ、その方針内で具体的で即効性のある政策を出せるところが優れている。国民が頼りにできる政治家である。吉村知事のパフォーマンスに面白くないと思っている官僚たちや政治家からの反発は強いだろう。安倍首相がどう応えるか楽しみである。

　日本も首相を国民が直接選挙する制度にすれば、政治家や官僚に緊張感が起こり、よくなるだろう。

因みに我が家では、私が経済活動重視派で家内がコロナ感染防止派である。この秋のグルメ旅行を楽しみにしているが、家内からＧＯが出ないでいる。

　

2020年07月18日11:41

カテゴリ: 本

般若心経の科学

　天外伺朗著、『般若心経の科学　276文字に秘められた宇宙と人間の本質』。

　著者は、ソニーでワークステーションやＡＩＢＯの開発を主導。現ホロトロピック・ネットワーク主宰。医療改革や教育改革に携わる。経営者向けセミナー「天外塾」の塾長。著書に『ここまで来た「あの世」の科学』、『運力』などがある。

　13年前四国八十八か所をバスツアーで廻った。八十八か所の各寺でそれぞれ２回、お先達に従い、みんなで般若心経を唱え、往き帰りのバスの中でも般若心経を唱えたので、般若心経をその年、200回以上唱えた。その時に、般若心経の意味を知るために解説書を読んだ。それから５年後くらいに、もう一度般若心経の解説書を読んだ。今回は３回目の別の解説書の読書になる。前２回が一字一句の理解であったのに対し、今回は般若心経全体に書かれた本質の理解に努めた。

　要点を紹介する。

🔴般若心経とは

　全文276文字の最も短い仏教の経典。原典は2～3世紀にインドで成立、作者はわかっていない。
　大乗仏教の「空」と「般若」を説いている。
　般若心経は呪文を唱えることにより瞑想し、悟りを得ることができる教え。

　「ガーテー・ガーテー・パーラガーテー・パーラサムガーテー・ボーディ・スヴァーハー」のサンクスリット語の呪文を繰り返すことにより、瞑想に入れる。漢訳語の「ギャーテイ・ギャーテイ・ハラギャーテイ・・・・」よりも原語のサンクスリット語でリズムをつけて唱えると瞑想に入りやすく、悟りの境地に入りやすいと著者は言う。

🔴悟りとは

　悟りとは、観察している対象物と一体化、同化すること。自他の区別がなくなり融合している世界に入ること。この時、平穏で至福感に満たされる。この状態を般若という。人間誰もが、またあらゆるものが宇宙全体に溶け込む、畳み込まれている世界観に達すること。

🔴悟りを得る６つのトレーニング方法

　悟り（般若の世界に入ること）を得るには６つの方法（六波羅蜜）が示されている。

　①布施　　　　　喜んで他人に尽くす。キリスト教では奉仕（ボランティア）、寄付、チャリティなどを勧めている。

　②持戒　　　　　理性で戒めを守る。

　③忍辱　　　　　耐え忍ぶ、怒りの心を起こさせない。

　④精進　　　　　精魂込めて修行する。

　⑤禅定　　　　　心静かに瞑想して、真理を観察すること。

　⑥智慧　　　　　般若のこと。

　般若心経は、「禅定」の方法で瞑想に入る、悟りを得ることを説いている。瞑想に入りやすくするために呪文（真言、マントラ）を唱える。

🔴空とは

　般若心経の最大の教えである「空」とは、４つの説がある。

　空とは、

　①無常である。

　②全宇宙の相互依存ネットワークである。

　③なにものにもとらわれな心、無我の境地

　④人間誰もが宇宙全体の中に溶け込んでいる（梵我一如：ぼんがいちにょ）。

　著者は④の説をとっている。

　アメリカの物理学者ボーム（1917-1992年）は、「ホモグラフィー宇宙のモデル」で、「すべてのものは、相互依存的な関係の中で全体から生じ、また全体に回帰する」と述べている。

　スイスの精神科医で分析心理学の創始者ユング（1875-1961年）は、無意識を研究し、
　　・無意識は宗教が神や仏と呼ぶ存在に近い概念
　　・人間の魂は、無意識と対話することにより、聖なる方向へ変容する
　　・人間の表面な意識とその奥に存在する無意識が完全に統合すると、仏教でいう「悟り」という状態になる
と説を打ち出している。

　般若心経でいう「空」と、物理学者ボームの説と、心理学者ユングの無意識の説も同じ結論に達していることの発見に著者は驚いている。
　

　般若心経は、「色即是空、五蘊皆空（ごうんかいくう）、度一切苦厄（どいっさいくやく）」と謳う。

　自分が空てあったと分かった時、一切の苦はしみは消える、と説いている。

🔴利他心は、人間にもとから備わっていたものか。

　利他の心は、人間にもともと備わっていたものか、あるいは後天的に教えられたものか、私の一番知りたかったことである。

　般若心経は、人間は誰しも仏になりたい心（仏心、仏性、般若心という）を生まれなら持っていると説いている。「観自在菩薩」＝人間の心に観音様が眠っている。「衆生悉有仏性（しゅじょうしつうぶっせい）」とも説いているｌ。

　ヒンドゥー教ではこの仏性を「真我＝アートマン」という。人間の最も純粋で聖なる自分自身のことを言う。京セラ創始者稲盛和夫氏は著『心。』で、「人の心の最も深いところにある「真我」まで到達すると、万物の根源ともいえる宇宙の心とおなじところに行き着く。そこから発する利他の心は････」とある。

　天外氏は、宗教の違いは表現の違いだけであって真髄は全て同じだという。キリスト教も、イスラム教も、仏教にも、利他心は人間に生まれつきに備わっているものと説いていると解釈してよいだろう。

　心理学者ユングも「無意識は個人レベルにとどまらず、個人を超えて人類に共通している集合体無意識がある」と、集合的無意識論を展開している。

🔴「この世」と「あの世」

　本書には、「あの世」と「この世」がふんだんに出てくる。しかし、あの世とは人間が死後に往く世界のことではない。

　　この世＝見える世界、物質的な世界、意識

　　あの世＝見えない世界、精神的な世界、宇宙、無意識

　　このような意味で使われている。多くの人が知りたい「見えない世界」とは、般若心経が説いてきた「空」の世界であり、「すべてのものが宇宙全体に溶け込んでいる、畳み込まれている」世界のことである。その世界を知ることが「悟る」ことである。

　誤解しやすい、この世、あの世という言葉は使わない方がいいと思うのだが、著者はつかっている。

　本書で「悟り」、「空」、「般若」という意味の理解が進んだ。

　「あの世」が理解できない。次は、同じ著者の『ここまで来た「あの世」の科学』を読もう。

　

2020年07月17日09:46

カテゴリ: エッセイ

藤井棋聖誕生、史上最年少

　明るいニュースが駆け巡った。史上最年少で藤井聡汰七段が渡辺明三冠をやぶり、棋聖を獲得した。17歳11か月。高校三年生である。一世を風靡した羽生善治永世七冠が初タイトルをとったのは19歳3か月。渡辺明三冠は現役最強の棋士と言われているが彼が初タイトルをとったのは20歳8か月であった。

　藤井七段は、中２の時、史上最年少のプロ棋士になり、史上最多の29連勝の記録を塗り替え、スーパー天才の誕生で日本中で脚光をあびた。子供たちの間で将棋ブームが巻き起った。中３の時だった。あれから３年、成長し続けている。相手の渡辺明二冠も「すごい人がでてきた」と藤井新棋聖の能力に驚愕している。藤井新棋聖は王位戦にも挑戦し、２勝先行している。８月には二冠になる可能性が高い。

　スーパーヒーローの誕生は、世の中をパットと明るくする。

　それにしても、今の日本で一番必要なスーパーヒーローは政治家だ。このままいくと日本は後進国に落ちぶれる。

　
　ヒーローらしき政治家は、河野太郎防衛大臣と吉村洋文大阪府知事しかいない。彼らが首相になれない政治制度の改革が求められる。

2020年07月16日16:42

カテゴリ: 政治・経済

日本の労働生産性は世界34位！

　日本はＧＤＰでは世界３位だが、労働生産性はなんと世界34位。この事実を知っている日本人は意外と少ない。日本政府も日本のマスコミも語らなかったからである。

　イギリス人で日本在住30年、オックフォード大学、ゴールドマンサックスを経て、2009年国宝・重要文化財の修理を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年会長兼社長に就任したデビッド・アトキンソンは著書『日本企業の勝算』で、日本企業の問題点は低生産性にあり、その理由を以下のように指摘している。

①マクロ面
　
　　・高齢化による消費減

　　・中流層の所得減少による消費減

　　・最低賃金が先進国で最下位
　　　　　小規模企業経営者への政府の
　　　　　非正規雇用
　　　　　外国人労働者の雇用

　　・経営規模が小さすぎる
　　　　　日本政府の過剰過ぎる保護・救済政策

　　・サービス業の生産性の低さ

　　・日本企業の輸出が少ない

②ミクロ面

　　・経営者の無能・保身

　　・薄利多売経営

　　・新規事業参入が少ない

　　・協働による生産性向上のしくみを創造できなかった
　　　　　特にＩＣＴ活用、能力主義の活用

　アトキンソンは、日本の生産性が低い理由は、一言で言うと、日本政府の失策と日本の経営者の無能、と手厳しい。

　拙小論文『2050年日本のビジョン　豊かな国！日本』でまとめたとおりである。日本が低生産性から脱皮するには、日本政府は国家目標として「世界最高レベルの生産性達成」を掲げ、「豊かな国づくり」に国民が一丸なるよう、日本政府はリーダーシツプを発揮しなければならない。

　

2020年07月16日16:14

カテゴリ: 政治・経済

トランプ再選に黄信号

　アメリカ大統領選挙でトランプに黄信号が出ている。

　・新型コロナウイルスの感染者数がダントツの世界一である。

　・黒人差別反対デモに便乗した略奪を鎮圧するために「合衆国軍を投入する」と宣言し、前国防長官、現国防長官に批判されている。

　与論調査では、民主党のバイデンの支持率がトランプを上回っている。国際関係アナリストの北野幸伯氏は、バイデンが勝利すれば「日中覇権戦争はアメリカの敗戦に終わり、中国は次は台湾、そしてその次は尖閣・沖縄に向かってくる」と懸念している。

　現に、トランプが大統領選挙に時間を取られている今日、習近平は香港の民主化を抑え、次に南シナ海での戦力をひろげ、堂々と好き放題を行っている。バイデン候補はこの件に関し、アメリカ国民に何も言っていないのではないだろうか。アメリカのマスコミ界も左翼に牛耳られているという。中国の長期的で緻密な情報戦の勝利だろう。中国はしたたかですごい。

　アメリカ大統領選のも終盤になる。トランプはこれから始まるディベートで巻き返しが図れるかどうか。アメリカにも優秀な政治家はいない。

2020年07月15日10:59

カテゴリ: 箕面如意谷住宅の活動

初蝉

　今年も熊本、大分、島根に大洪水被害をもたらした。例年梅雨の終わりごろには局地的に集中豪雨に襲われ大被害がおこっている。大阪もこのとろろづっと雨だった。今日は久しぶりに雨が上がり、曇り空。蒸し暑い。

　久しぶりに住宅内を散歩する。

　初蝉が聞こえた。元気な声だ。

　いよいよ、梅雨明けも近い。因みに昨年は7月25日と遅かった。

　目の前にすがすがしい花が咲いている。

　アガパンサスだ。

　花言葉は、「恋の訪れ」、「ラブレター」とか。

　不快感を吹っ飛ばせてくれる気持ちのよい花だ。

　真夏の太陽が待ち遠しい。

2020年07月14日16:05

カテゴリ: エッセイ

悟り

　仏教とは、この世の苦しみから解放されるため、「悟り」を得る教え、と言われている。

　では、「悟り」とは何か。

　悟りとは、日常の用語では、「理解すること、気づくこと、感ずくこと」とされるが、この言葉ではピンとこない。仏教用語としての悟りは、「宇宙の真理を体得し、苦しみや迷いから解放される」ことと言われている。「涅槃」、「菩提」、「解脱」も「悟り」と同意語とされている。宇宙の真理がわからない。

　悟りに至るための６つの方法（六波羅蜜）が仏教で示されている。

①布施　　　　　　　　　喜んで他人に尽くす。利他。奉仕。

②持戒　　　　　　　　　理性で戒めを守る。

③忍辱（にんにく）　　耐え忍ぶ、怒りの心を起こさせない。

④精進　　　　　　　　　精魂込めて修行する。

⑤禅定（ぜんじょう）　心静かに瞑想して、真理を観察すること。

⑥智慧　　　　　　　　　般若（あの世の知恵）のこと・・・この意味が分からない

　「般若心経」は、「禅定」の方法で、悟りを得ること。真言（マントラ）を唱えて瞑想すれば、対象物と一体感が得られるようになる、との教え。この一体感、同化（自他の区別がなく融合している世界観＝般若）が悟りの一歩とされている。　　

　悟れば苦から解放されるという。悟りにいたる最短の方法は般若心経を唱えること。全文276文字を唱えなくてもよい。以下の18文字を唱えればよいと『眠れないほどおもしろい「密教」の謎』で並木伸一郎氏は言う。

　　羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶
　　ギャーテイギャーテイ、ハラギャーテイ、ハラソウギャーテイ、ボジソワカ

　悟りに至る最短の道である。信じないとは悟れない。

　

2020年07月12日12:14

カテゴリ: 政治・経済

香港の共産化

　香港で国家安全維持法が制定され、初日の7月1日だけで香港で抗議活動中の370人もが逮捕された。活動リーダーのアグネス・チョウさんは、「本日をもって政治団体デモシストから脱退します。生きてさえいえば、希望があります」とツィターで発信した。

　共産主義の虐殺は当たり前。天安門事件では１万人もの若者が殺害されている。中国政府は隠しているが。共産主義の犠牲者は１億人を超えると言われれいる。

　　　中国　　　　　　　　6500万人
　　　ソ連　　　　　　　　　2000万人
　　　北朝鮮　　　　　　　　200万人
　　　アフリカ　　　　　　　 170万人
　　　アフガニスタン　　　150万人
　　　ベトナム　　　　　　　100万人
　　　カンボジア　　　　　 100万人

　　第一次世界大戦の犠牲者が1800万人、第二次世界大戦の犠牲者が3600万人の計5400万人にくらべ、共産主義社会の犠牲者はその倍になっている。

　共産主義社会では、政府に反対する者の大虐殺と、共産党員の特権階級の存在が二大特徴である。

　1990年半ば以降、汚職で海外の逃亡した公務員、国有企業の幹部は16,000人、持ちだした金は12兆円を上回る。ひとり平均7.5億円にものぼる。

　香港も中国本土に同化される。多くの香港人が欧米や日本に移住するだろう。

　香港の次は台湾、その次は沖縄、と中国政府は長期計画を持っている。

　香港では政治に無関心な層を「豚」というらしいが、日本は「豚」が多すぎる。

　日本の政治家、マスコミはいつ、覚醒するのだろう。

2020年07月12日09:08

カテゴリ: 本

空海は、すごい

　苫米地英人著、『超訳　弘法大師のことば　　空海は、すごい』。

　著者は、脳機能学者、認知心理学者、計算言語学者、哲学書とマルチ才能で宗教（天台宗）にも造詣が深い。徳島大学助教授時、ジャストシステム基礎研究所所長としてワープロソフト「一太郎」の開発指導にあたる。現、㈱ドクター苫米地ワークス代表。政府によるオウム真理教信者の脱洗脳、テロリスト洗脳防止訓練プログラムの開発・指導に参加。著書に、『脳の回転が50倍速くなる脳の作り方』、『お釈迦さまの脳科学』などがある。

　本書は近所の人から借りていて早く読みたいと思っていた本。やっと手にした。昨日紹介した本『眠れないほどおもしろい密「密教」の謎』にくらべ、各段に論理的、体系的で分かりやすい。密教の理解が少し進んだ。

🔴密教とは

・仏教の流れ

　　　　初期仏教　　　　　釈迦
　　　　　　↓
　　　　小乗仏教　　　　　釈迦の没後、直弟子たちが伝えた教え
　　　　　　↓　　　　　　　　　時間がたつと堕落していった。
　　　　大乗仏教　　　　　その対抗策として、在家側から起こった。
　　　　　　↓　　　　　　　　　　時間が経過すると思想化し難解になりすぎた。
　　　　密教　　　　　　　　大衆に分かりやすくした。
　　　　　　　　　　　　　　　　そのため絢爛豪華な祭儀、曼荼羅、加持祈祷のイベントを用いた。

・釈迦の教えと密教の違い

　　　　　　　　＜釈迦の教え＞　　　　　　　　　　　＜密教＞
　　　　　　　・呪術の否定　　　　　　　　　　　　・呪術の復活
　　　　　　　・祭儀の否定　　　　　　　　　　　　・絢爛豪華な祭儀
　　　　　　　・釈迦仏　　　　　　　　　　　　　　　・大日如来

　　　　密教は釈迦の教えから最も遠くにあると言われているが、苫米地氏は、大日如来を「縁起」「空」と見るならば、密教はむしろ釈迦の教えに近づいていると解釈している。

🔴仏教の本質

　　釈迦は仏教の本質を「縁起」と説いている。

　　「縁起」とは、この世に完全なものはない。未来永劫続くものはない。無常だ。それを心から理解することが悟るということである。

🔴空海はすごい

　苫米地氏は、キリスト教、イスラム教は神のことば、神の教えを「聖書」や「コーラン」で伝えている。一方、仏教の経典は釈迦のことばではなく、例え話を分かりやすくしたもので戒めはあるが教義ではない。だから西洋の宗教の定義では、仏教も神道も宗教に入らないという。

　尤も、空海は、この世の一番上に大日如来という神を置いた。この思想はキリスト教の原理「その世は神が創造した」に似ている。なので「空海はすごい」、「密教をキリスト教と同じポジンションにあげた」と苫米地氏は称賛する。この意味が私にはわからない。

　因みに空海は「この世は「六大」によってできている」と説いている。

　　　　　　識　　　　　　　　　意識、大日如来
　　　　　　空　　　　　　　　　空間
　　　　　　風
　　　　　　火
　　　　　　水
　　　　　　地

　ユダヤ教も、キリスト教も、イスラム教も、仏教も、ヒンドゥ―教も、根っこの教えは共通項多い。その理由を苫米地氏は、5000年前のメソポアタミア文明のシュメール人の宗教にその源泉があると説いている。この宗教の中に「利他の心」があるのだろうか。

🔴空海の言葉

　苫米地氏は空海の言葉を50句、取り上げているが、私の心に触ったのは以下の６句。

　善人の用心は、他を先とし己を後とす。

　　　他人の利益を先にして、自分の利益を後にすることが、正しい心の働きです。
　　　利他の心を奨めている。

　
　薬は病に随（したが）って無数なり。乗（しょう）は器（き）に遂（お）うて無量なり。

　　　薬は病気の種類によって処方が違います。同様に、私たちの能力の違いによって、悟りの道は多数に存在するのです。

　一切の仏法はこの一句を出でず。

　　　釈迦のすべてのおしえは、「即身成仏」という一句に表現することができます。

　己有（きゆう）を識（し）らず、貧これに過ぎたるはなし。

　　　自分の心の中に秘めたる無限の可能性をしらないとはなんと貧しいことか。

　無量の福徳は求めざるに自ら備わり、無辺の通力はいと営（いと）まざるに本（もと）より得たり。

　　　かぎりない幸せと徳は、求めなくても自身に備わっているもので、当方もない不思議な力は、わざわざそうしようと思わなくても、すでに得ているものです。
　　　
　　　密教の最終目的は神通力を得ることと矛盾しないか。

　古人は道を学んで利を謀（はか）らず。今人は書を読むも、但（ただ）名と財のためなり。

　　　昔の人は道を学ぶときに利害を計算しませんでしたが、今の人は書物を湯む時でさえ、地位とお金にことばかり考えています。
　

　
　今私が知りたい、「利他の心」は、空海の言葉にもみることができた。

　

2020年07月10日11:44

カテゴリ: 本

眠れないほどおもしろい「密教」の謎

　並木伸一郎著、『眠れないほど面白い「密教」の謎』。

　著者は、ＮＴＴを経て古代史研究家。著書に『眠れないほどおもしろい「日本の仏さま」』、『眠れないほどおもしろい「日本の聖地」』、『眠れないほどおもしろい「古代史」の謎』などがある。　「おもしろい」シリ－ズで累計70万部突破。

　ポイントを紹介しよう。

🔴密教とは

・仏教には顕教と密教がある。
　
　　顕教　　　すべてオープンにされている教え、オモテの教え

　　密教　　　秘密の教え、ウラの教え
　　　　　　　　密教には危険な部分（超能力、呪術）があるので、秘密の教えとした。
　　　　　　　　密教を教えているのは真言宗と天台宗の一部のみ。

・インドでの仏教は以下の順で発展した。

　　　法華（日本では日蓮宗）　→　禅（曹洞宗、臨済宗）　→　念仏（浄土宗、浄土真宗）　→　密教
　　　
　　　密教は仏教の最新の教えであり、最終到達系の教えである。
　　　密教は、教義や行法にヒンドゥー教のヨーガを取り入れている。

・密教が日本に伝わったのは飛鳥時代の頃。聖徳太子も密教を知っていた。645年蘇我氏と物部氏の戦で、聖徳太子は四天王の像を彫って呪的な祈祷をし、物部氏に勝利した。その後、空海が本格的な密教を伝えた。

　密教は空海の時代に時の権力者嵯峨天皇に支持され、以降権力者と結びついて発展していく。

　蝦夷を征服した坂上田村麻呂は密教の祈祷を用いた。
　平の将門の乱は真言宗最大の秘法（祈祷）で鎮圧された。
　白河天皇の院政40年を支えたには密教の力だった。

　皇室の菩提寺、泉涌寺は真言宗の大寺
　源頼朝は密教僧文覚に帰依した。
　蒙古襲来に神風を吹かせたのは密教僧の祈祷だった。　
　後醍醐天皇以下４代にわたる南朝の王権と三種の神器を守ったのは密教の力だった。真言宗の絶頂期だった。

　足利将軍家を真言宗の僧が陰から操っていた。
　戦国時代の武将はみんな密教の力をあてにし、おかかえの密教僧がいた。大呪術合戦の時代。織田信長の周囲にも密教僧がいた。

・仏教は、この世の苦しみ（四苦八苦）から解放されるされるための悟りを得る教え。密教は手っ取り早く「悟りの方法」を教えたもの。

🔴密教の祖

　　第一祖　　大日如来
　　第二祖　　金剛薩垂（土編に垂）　　　愛欲を肯定した
　　第三祖　　竜虎　　　　　一切は空である
　　第四祖　　龍智　　　　　不老不死の仙人
　　第五祖　　金剛智　　　玄宗皇帝の愛娘を蘇らせた
　　第六祖　　不空　　　　　安禄山の戦いを呪術によって皇帝軍を勝利させた
　　第七祖　　恵果　　　　　密教の方法論を完成させた
　　第八祖　　空海　　　　　空海は不空の生まれ代わりと言われている

　　空海の後はいまだ決まっていない。

🔴密教の本質（三句の法門）

　　密教の開祖、大日如来は語る。密教の本質は以下の三つ。

　　①密教の知恵は、悟りを開こうとする心から生まれる。

　　②密教の知恵は、慈悲の心を根本原理としている。

　　③密教の知恵は、法力を得ることを最終目標とする。
　　　　　【注記】法力とは神通力

🔴密教に欠かせない３つのＭ

　　マントラ＝真言　　　　　呪文のこと、唱えることによって効力が出る
　
　　曼荼羅　　　　　　　　　　悟りの境地をいう。浄土世界へのガイドマップ
　　　　　「金剛界曼荼羅」と「胎蔵界曼荼羅」が有名だが、本書でもこの意味が説明されていない。
　　　　　今もって、私の不可解な曼荼羅である。

　　ムドラー＝印（印相、印契）　　　　　手の形、

🔴真言（マントラ）

　羯諦羯諦、　　　　　　波羅羯諦、　　　波羅僧羯諦、　　　　　菩提薩婆訶
　ギャテイギャテイ　　ハラギャテイ　　　ハラソウギャテイ　　　ボジソワカ

　（現代訳）　往ける者よ、往ける者よ、悟りの彼岸に往ける者よ、悟りの彼岸に往ける全ての者よ、幸せあれ

　般若心経の最後の言葉でる。一切の苦を除く最高の呪文であり、この呪文を唱えるだけでよいと、著者は言う。

　オン・　アボギャ・　ベイロシャノウ・　マカボダラ・　マニハンドラ・　　　　　　　ジンバラ・　ハラバリタヤン・　ウン
　　　　　不空如来　　大日如来　　　　　阿閦如来　　宝生如来、阿弥陀如来　　光明を　　放したまえ

　光明真言と呼ばれ、オールマイティなご利益が得られる真言。13年前四国八十八箇所を廻った時、各寺で唱えた。
真言宗の法事では必ずこの言葉を７回唱える。

　オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ
　（現代訳）病魔を除きたまえ払えたまえ、センダリやマトウギの神を動かしたまえ、薬師仏さま

　病気平癒と精神の安穏を導く薬師如来の真言。「痛いの痛いの飛んで行け」と同じようなものだろう。

　本書は総花的すぎて、肝心の曼荼羅の意味が伝わらない。説明不足の本であった。

2020年07月09日23:11

カテゴリ: エッセイ

プレバト　89

　テレビ番組、『プレバト　俳句』　89。

　今日のお題は、「サンダル」。

🔴田中史朗（ラグビー全日本代表選手）

　（原句）　　　　「　朝虹の全紙一面OneTeam　」

　（評価）　　　　覚悟がよい
　　　　　　　　　　分かりやすい
　　　　　　　　　　虹＝季語、夏
　　　　　　　　　　なおしなし
　　　　　　　　　　１位、才能あり

　（感想）　　　　わかりやすい、歯切れがよい

🔴ＡＢＣ－Ｚ河合

　（原句）　　　　「　補助輪を外し三周麦茶の香　」

　（評価）　　　　麦茶の香で大人が見守っていることがわかる
　　　　　　　　　　特待生５級　→　４級に昇格

　（感想）　　　　　「ソーダ水」の方が子供らしいと思ったが

🔴梅沢富美男

　（原句）　　　　「　水玉の模様クオックスの日焼　」

　（評価）　　　　語順の勝利
　　　　　　　　　　クロックス＝サンダルのブランド
　　　　　　　　　　俳句50句集に掲載決定

　（感想）　　　　娘の体験談とか、分かりやすい

　いい俳句か、そうでないかはわかるようになってきた。だから言って、いい俳句を詠めるかどうかとは別問題。少し詠むように試みるか。

　　　　　　　　　　

2020年07月09日15:10

カテゴリ: 政治・経済

2020年度の「骨太方針」

　このたびの新型コロナウイルスは、日本の防疫体制、オンライン授業・給付金配布の遅れなどのデジタル体制の遅れを露見させることになった。

　これを受けて経済財政諮問会議は、今年度の「経済財政運営と改革の基本方針（骨太の方針）」の原案を提示した。

　背景として、安倍首相は、「世界的な時代の転換点にあって、この数年間で思い切った社会改革を実行していくか否かがわが国の未来を左右する」と強調し、「日本が世界から取り残され埋没してしまいかねない切迫した危機感」を共有した、と報道されている。

　主たる中身は、以下のとおりである。

①感染症対策
　　　・検査能力の拡充
　　　・効果的治療薬、ワクチンの研究開発を加速し、国内での生産体制の準備

②デジタル化
　　　・内閣官房に司令塔機能
　　　・すべての行政手続き・機能のデジタル化

③働き方
　　　・テレワークの定着
　　　・兼業・副業の促進、多様な働き方の整備

④東京一極集中の是正
　　　・中核都市にスマートシティ推進
　　　・魅力的な地方大学の実現

⑤経済財政運営
　　　・優先課題を設定し、メリハリの強化

　中でもデジタル化を最優先課題とした。

　拙著『2030年ＡＩ社会』で記載したことが、「骨太方針」に網羅されている。

　嬉しいことは、「日本が世界から取り残され、埋没しかねない切迫した危機感を共有する」と述べていることである。この「骨太の方針」は官僚が作成したもので、政治家はわかってないと思うが、それは問題でない。

　問題は、官僚が本気でこの方針の実現に取り組むかどうかにある。そのためには、政治家はロードマップを作らせ、毎週進捗管理する体制をつくり、進捗管理することだろう。作り放なし、いい放なしでは日本は本当に後進国に落ちてしまう。

2020年07月08日11:41

カテゴリ: 政治・経済

トヨタの危機感のなさを憂う！

　かってマイクロソフト社でビル・ゲイツと一緒に仕事をし、現在ソフトウェアベンチャーをーシアトルで起業している中島聡氏が、日本の大企業を憂いている。

　
　日本のトップ企業、トヨタですら役員の中に「本当の危機感」をもった人がいないという。社内では会議が多く、多くのエンジニアも会議に時間がとられ、自分の研究時間がないと嘆いている。

　これに対し、今世界を席巻しているＧＡＡＦのトップは、いまだハングリー精神が旺盛で、本当の危機感を持ち、偏執狂であるという。

　
　中島氏はいう。「もしビル・ゲイツがトヨタの社長だったらいまだ電気自動車を出せていない連中を怒鳴り散らせているだろう。Ｔｅｓｌａより魅力的な電気自動車を発売することに会社の全リソースを突っ込むぐらいの勢いで積極的な投資をしてきただろう」と。

　今第四次産業革命が進行中で、ＡＩ等の開発に世界のトップ企業は企業の命をかけ、しのぎを削っている。日本のトップ企業トヨタがこの体たらくなら日本企業の10年後は懸念される。

　要は、企業トップの本当の危機感、ハングリー精神、偏執狂につきるのか。それは、強いミッション（使命感）によるのだろうか。

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