戦後70年を記念して、安倍談話が発表される。その検討委員会として有識者16名からなる、「21世紀構想懇談会」が発進した。


  戦後50年には、村山談話が出された。「・・・植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。この歴史の真実を謙虚に受け止め、あらためて痛切な反省の意を表し、心からおわび気持ちを表明する」。


  戦後60年には、小泉談話が出された。「・・・わが国は、かって植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。歴史の事実を謙虚に受け止め、改めて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明する」。


  両者ともに、ほぼ同じ文言を使っている。日本人同士からみれば、謙虚に反省し、お詫びする美徳が相手の日本人にも伝わる。ところが、これが、中国や韓国からみれば、「反省するならば、もっと損害倍賞を払え」となる。第二次世界大戦の損害倍賞は日本と両国間の国際条約締結で完了しているのだが、中韓には法治精神がない。いつまでも「歴史認識を持ちだし、金を払え」が繰り返される。



  安倍首相は村山談話、小泉談話を継承すると言ってきているが、本心では、この表現を柔らかくし、それよりも戦後平和外交を進めてきたこと、今後も積極的ば平和主義で国際貢献を果たしたい、と未来志向にウェィトを置きたいのだろう。


  オバマ大統領は「中韓の反応を恐れている。過去の談話の文言を踏襲するよう」日本に圧力を加えてきている。


  戦後70年、世界における日本の影響力は大きくなったとはいえ、残念ながら日本はアメリカの力を背景にしなければ、中国とは戦えない。ここは、アメリカと充分に根回し、最悪の場合はアメリカの言い分を聞く度量をもって望まなければならない。


  残念ながら、まだまだ、日本は独立国ではない。