日本を取り巻く、中国、北朝鮮さらに韓国の脅威が高まるばかりだ。その上、アメリカ次期大統領のトランプは、「日本がもっと金を出さなければ在日米軍を撤退させる」、「日本が核兵器をもっても問題ない」と言った。「これで日本も自立できる」と思った日本人もいるだろう。民進党蓮舫代表はトランプの発言どう思ったのだろうか。



  日本が自立するには内的バランシング(軍備増強)と外的バランシング(同盟関係増強)がある、と北野幸伯氏はよく言う。日本の体質は元々「軍備増強」にあり、中国は意外と「同盟関係増強」にある。


  400年の漢帝国を築いた劉邦は戦ベタだった。軍神と呼ばれていた項羽に立ち向かうために地道に同盟関係を結んでゆき味方を増やしていった。「項羽は兵の将たる人物、劉邦は「将の将たる人物」だった」と司馬遼太郎は描いている。



  先の大戦で、中国大陸における
日本軍は連戦連勝であった。しかし勝てば勝つほど苦しくなってきた。中国は、アメリカ、イギリス、ソ連から支援を受けていた。日本は4大国を敵に回して勝てるはずはなかった。日本人はこのことを忘れがちである。



  2012年9月、日本政府は尖閣を国有化した。
  2012年11月、中国はロシア、韓国に「反日統一共同戦線構築」を提案した。プーチンは断ったが、韓国の李大統領は喜んで参加した。共同戦線で「日本を袋叩きにしてやろう」と中国は同盟関係増強を仕掛けてきた。中国は実に巧みな外交戦略をもつ民族である。


  日本も安倍政権になって、アメリカ、オーストラリア、フィリピン、ベトナム、タイ、シンガポール、インド、ミャンマーなどとの同盟を強化し、中国包囲網を築いている。


  さらにロシアとの同盟関係を強化し、脅威の三カ国に備えておかねばならない。軍事増強だけでは日本は自立できない。これらのこともどう思うのか、民進党にジャーナリストは聞いてほしいものだ。