・犯人特定
思ったのですが、推理っていうのはまず基本的な部分から始めるべきな気がしました。何かマニアックな部分の推理をずっとしてしまっていましたけど。まず、ベアトリーチェさんのゲーム盤から順番に考えていきましょうか。犯人は誰なのかという部分をまず最初にやっておかないと、非常に推理がしにくいので、まずは犯人特定をいきなりやります。ベアトリーチェさんのゲーム盤の犯人は誰なのか。それはもちろんトリック的な部分から特定可能ですが、推理として非常にぼやけてしまうのも事実です。なぜなら、ヤスさんの内部に3つの人物が生存してる状態で殺人が起こってしまってるケースで、どの人格が殺人をやっているのかが分かりにくいためです。もちろん犯人は南條殺しで特定されたのかもしれませんが、南條殺し以外の部分で、実は南條殺しの実行犯以外の人物が殺人をやってる可能性を論理的に否定可能なのか。これは難しいでしょう。何しろ肉体内部のOSの話になって来る訳ですから、見た目で判別不能です。

第7のゲームでウィルが「使用人が犯人である事を禁ず」と言っていましたね。紗音嘉音ベアトの3名の中で使用人ではない人物。ベアトリーチェさんですね。実はこの赤字は、ウィルさんがこの赤字を使った場面のシーン解釈が非常に重要です。どこかのお屋敷で使用人の女の子が犯人にされそうになっていましたね。そこでウィルさんはこの赤字を使う訳ですが、これは出題者の提示した手掛かりでしょう。「使用人の女の子が犯人にされそうになってる」という構図は「紗音が犯人にされそうになってる」という構図の暗喩でしょう。犯人はベアトリーチェさんな訳ですから、紗音さんは関係ないわけです。実は犯人特定は動機から考えると非常に明快に確定できます。ベアトリーチェさんのゲーム盤は恋のルーレットです。彼らの恋を叶えるための手段として使用されています。事件の犯人が誰なのかというのは、事件を実行し、事件の真相に至ってほしい人物は誰なのか、という事です。事件の真相とはトリックの核である嘘、そして犯人の正体から連想される戦人さんの罪、約束にあります。つまりは、犯人とは戦人さんに約束を思い出してもらって、恋を成立させたい人物です。紗音さんは作中で譲治を選ぶと明確に宣言しておられます。なので犯人ではありません。嘉音さんは朱志香が好きなのでこれも違います。ではベアトリーチェさんですが、第6のゲームの結婚式でこのような発言をされてます。「あなたと一緒になりたくて生みだした物語。だからこの世界の目的は達成されました」と。これはもう明快ですね。あらゆる要素が犯人=ベアトリーチェを指し示しています。つまりヤスさんの内部にいるベアトリーチェという魔女OSが犯人なのですね。これを踏まえて、第一のゲームから考えていきましょう。

・皆さん事件の流れをそもそも覚えてらっしゃいますか?
まずは大まかな事件の流れを思い出しましょう。第一の晩に留弗夫、霧江、蔵臼、郷田、楼座、紗音の6人が園芸倉庫で死亡していました。倉庫の扉に魔法陣が描かれていましたね。第二の晩に絵羽と秀吉がチェーンロックの密室内で死亡しました。ここは源次さんと嘉音さんが彼らの部屋の異変に気付いて発覚したという流れですね。続いて第5の晩にボイラー室での異臭騒ぎがありました。嘉音さんが何者かに殺害されましたね。南條が使用人室に連れていき手当をしたようですが、どうやら手遅れで死んでしまったようです。一同はそれから金蔵さんの書斎に立てこもります。そしてそこで魔女の手紙が突然出現します。夏妃さんに疑われた源次、熊沢、南條、真里亞さんの4名が部屋を追いだされます。この後1階の客間で南條、源次、熊沢の3名が殺害されました。真里亞さんは部屋でお歌を歌っていましたね。ベアトリーチェさんにそう言われたからと言っていました。この後、玄関ホールに夏妃さんが手紙で呼び出され、殺害されますね。銃声が一発だけ鳴ったのを戦人さんが確認されてます。最後生き残った戦人さん達がベアトリーチェさんを目撃し、第一のゲームが終了です。さて、第一のゲームは実にミステリー的でいいですよね。私大好きですよ。

・魔女の手紙から読み取れるもの
さて、トリックを解いて行く前に、非常に気になる部分がいくつかございます。そこをまずは手掛かりの提示として確認していきましょう。事件中魔女の手紙というのが出てきますよね。碑文を解くように促す内容のアレです。特別条項に非常に不可解な一文があります。

<特別条項>
契約終了時に、ベアトリーチェは黄金と利子を回収する権利を持つ。ただし、隠された契約の黄金を暴いた者が現れた時、ベアトリーチェはこの権利を全て永遠に放棄しなければならない。利子の回収はこれより行いますが、もし皆様の内の誰か一人でも特別条項を満たせたなら、すでに回収した分も含めて全てお返しいたします。

第一のゲームで利子というのは右代宮家の人命まで含まれている可能性が示唆されました。この「すでに回収した分も含めて全てお返しいたします」が非常に不可解ですね。例えば、第一のゲームの第一の晩に殺された人がいますね。彼らはこの後仮に碑文が解かれたら生き返るのでしょうか?そんなわけがないじゃないですか。つまり、この魔女の手紙というのは狂言殺人で事件を実行しない限り達成不可能なのです。この第一のゲームがメッセージボトルで書かれた作中作なのを考慮しますと、この創作世界上で死んだ人達はさほど意味がないように思えます。これは恐らく、現実世界でヤスさんが事件実行する場合の事なのでしょう。

・真里亞さんの証言のベアトリーチェとは何でしょう?
さて、続いて殺人事件の最中に部屋でお歌を歌っていた真里亞さんですが、彼女は犯人を目撃していましたね。実に明確に犯人の名前をおっしゃいました。ベアトリーチェ、と。何で私が最初に犯人特定からやったのか分かったでしょうか。これ、真里亞さんは普通に真実を話しているだけなんです。勝手に「そんな訳ないだろう!」と推理する側が思ってしまってるだけなのですね。

・第一のゲームはメッセージボトルの物語です
この第一のゲームはメッセージボトルの物語な訳ですが、第4のゲームで大月教授によりメッセージボトルの内容が語られました。「事件前日から始まり、18人全員死亡している部分は共通している」という事です。漁師が拾ったものと、警察が回収したものですね。第一のゲームは確かに事件前日に六軒島に向かう部分から始まり、18人全員死亡で終わりました。第一のゲームで作中作である事が明かされましたので、推理する側は「作中作」を前提に推理しなければなりません。通常ミステリーで地の文は神の視点で客観的に描かれる訳ですが、ベアトリーチェさんのゲーム盤は「地の文の客観性が最初から存在しない」訳ですね。例えば、絵羽夫婦が殺される部分の一連の描写ですが、魔法陣が突然出現したとか、部屋の様子がおかしいだとか、色々と書かれていますけど、あの辺全て嘘な可能性がございます。何しろ地の文に客観性が無いわけですから、全部嘘な可能性があります。実際は彼らが殺したのではないですか。

【第一の晩 園芸倉庫での6人殺し】
第一の晩の園芸倉庫での6人殺しですが、ここはウィルさんの推理も参考にしましょう。

「第1のゲーム、第一の晩。園芸倉庫に、6人の死体。」
「幻は幻に。……土には帰れぬ骸が、幻に帰る。」

なんですかこれ。カッコいいじゃないですか!私もこういうの言いたいです。ウィルさんは、何故か数か所推理をしない場所がありますよね。そこで私が考えてみますか!さて、まず最初の殺人ですが、全ての推理のスタート地点は「探偵が主観で確認してる客観的事実が存在するのか」です。この最初の部分おひとりだけ探偵が死体を確認していませんね。紗音さんです。犯人ベアトリーチェ説を考える場合には、紗音というOS自体はこの時点で普通に殺されている可能性がございますけども、肉体的には嘉音、ベアトリーチェとして生存してる訳ですね。秀吉さんは犯人に買収された共犯者であり、死体を見たと嘘を語っているわけです。口裏合わせというやつですね。

【第二の晩 絵羽秀吉夫婦の殺害とチェーン密室】
続いて第二の晩の絵羽秀吉夫婦の殺害とチェーン密室。ここで戦人さんが確認したのは、切断された後のチェーンでした。探偵がチェーンが掛かっていた事を確認していません。という事は、そもそもチェーンなんかかかっていなかった可能性がある訳です。犯人サイドの必殺技の口裏合わせですね。嘘です。絵羽さん達を黄金にで買収してる訳ですから、何かと理由をつけて中に入れてもらう事は簡単でしょう。その後普通に客室内で殺人を実行します。チェーンを切断し、後は源次達と密室だったと嘘を言うだけです。実にシンプル。このような、密室だと思っていたものが実は密室ではなかった、というのは錯覚密室と言います。仮にこのチェーンが嘘ではなく、本当にかかっていたのだとする場合はこれは完全密室ですから、解法としては密室が成立する前か、密室が破られた後にしか殺人を実行する事はできません。金蔵さんの死は普通に作中で明かされましたね。事件開始前に既に死亡しています。つまり、死体を犯人がボイラー室で燃やしただけですね。

【第五の晩 ボイラー室での嘉音死亡】
第五の晩のボイラー室での嘉音さんの死ですが、検視を南條がしていて、探偵が確認をしておりません。という事は生きている可能性があります。検視の南條が嘘を言っている訳ですね。しつこいくらいに嘘が連発されますね。ベアトリーチェさんのゲームは。探偵はもうこの時点で「これはおかしい」と感じ始めます。ここまでトリックに嘘を連発されると、なにかしらの意図があると考えるのが妥当でしょう。この嘉音さんの死亡時の描写ですが、嘉音さんは妙な事を口走っていましたね。「僕は紗音が先に死ぬような場合は、ベアトのルーレットを台無しにしてやろうと思ってた。僕はベアトのルーレットの0なんだ!」と。ルーレットの0とは親の総取り、没収試合のようなものです。嘉音さんはこの時ベアトリーチェさんの目的そのものをぶち壊しにしようとしていたのですね。つまり、肉体的な自殺でしょう。ベアトリーチェさんは戦人さんに事件の真相に至ってもらって、約束を思い出して欲しい。嘉音さんが肉体的自殺をしてしまうと、そもそもこれが叶わなくなります。結果としてはベアトリーチェさんに返り打ちにされてしまいました。恐らくはこの時に嘉音というOSは死亡したのだと思われます。肉体的には生存しておりますが、その肉体を操ってるOSは紗音でも嘉音でもなく、ベアトリーチェさんですね。

【第六・七・八の晩 客間での南條・源次・熊沢殺害】
さて、我が物顔のベアトリーチェさんは、第六・七・八の晩に客間で南條・源次・熊沢の3名を殺害します。紗音さんのマスターキーがありますから密室自体はどうでもいいです。真里亞さんに普通に目撃されてしまい、さらに犯人名をばらされてしまいましたが、誰も信じませんでしたね。この根本的なミスリードの本質は、延々ベアトリーチェさんをファンタジー世界の魔女であると思考誘導している部分にあります。人間である犯人ベアトリーチェ、という思考に行かないようにミスリードされている訳ですね。だから、真里亞さんに真実を語らせても何の問題もない訳です。

【第九の晩 玄関ホールでの夏妃殺害】
さて、夏妃さんの殺害ですが、ウィルさん推理してませんね。きましたね!!私の出番が!!

「第一のゲーム第9の晩。玄関ホールにて殺されし夏妃。」
「土は土に。幻想の魔女の刃は現実さえも貫く。」

基本的にウィルはベアトリーチェという真犯人が殺人やってる明快な部分は放置するのですね。出し惜しみ、というやつでしょう。普通多くの人が紗音さんを犯人だと錯覚しますから、なるべくヒントを出したくないのでしょうね。しかしですね、これむしろ逆効果じゃないですか?あえて推理をしないか所は私「あ、何かあるんだな!!」と思いますよ。推理しないという行為自体がもうヒントじゃないですか。お馬鹿さんですねぇ!!

・戦人さんが魔女を観測しました
さて、戦人さんは最後ベアトリーチェさんを目撃しましたね。探偵が目撃したという事実は強烈なヒントになります。ベアトリーチェという人物の存在が客観的な事実として提示された事になる訳ですから。夏妃さんはベアトリーチェさんに殺された訳ですが、ベアトリーチェさんのゲーム盤で最大のポイントは第8の晩と第9の晩の境目です。ここが非常に重要です。最初に私は魔女の手紙の内容の不思議な部分の話をしましたね。利子の返却は狂言じゃないと無理だと。第8の晩まではあくまでもミステリー的な意味で「解いて欲しい出題として提示されている部分」です。戦人さんに向けたいわゆる約束ですね。しかし、第9の晩以降というのは「皆殺し」を目的にしているのであって、ミステリー的にどうこうという話ではありません。今度第2のゲームで語られる「リスク」という概念のお話をしますけども、この第9の晩以降の皆殺しの目的は「奇跡を叶えるためのリスク」なのですね。右代宮家の奇跡の魔法、というのが作中で語られるでしょう。天文学的確率から1を拾う魔法というやつです。ベアトリーチェさんは戦人さんと結ばれたい訳です。だから、事件のトリックの嘘に気付いてほしい。これがベアトリーチェさんの願う奇跡なのなら、その奇跡は彼女の論理では「リスクに打ち勝ってこそ叶う物」なのですね。これは博打に例えると分かりやすいのではないですか。大きなお金をかけるのはリスクが伴いますが、しかし当たった時のリターンも大きい訳です。逆に,小額のお金だとリスクがない代わりに、リターンも小さい。そういうことなのですね。第9の晩以降の皆殺しというのは。非常に高いリスクを設定する事で、奇跡を叶えようとしているのですね。そういう思想が彼女にはあるのでしょう。

・メッセージボトルの不思議な一文
さて、事件が終わるとメッセージボトルに関する記述が出てきますが、注目するべきはここです。

「これをあなたが読んだなら、その時私は死んでいるでしょう。死体があるか無いかの違いはあるでしょうが」

死体があるかないかの違いはあるが、私は死んでいるでしょう。非常におかしな一文ですこれは。一つ仮定の話をしましょう。六軒島の惨劇の物語が第7のゲームで描かれましたね。仮にあの地下貴賓室で惨劇が発生しなかった場合を考えましょう。事件前日に碑文が解かれ事件を中断し、なおかつ一族が平和的に黄金を分配し、何事もなく親族会議が終わるケースです。誰も死ぬ要素が無いはずなのに、事件前に投棄したメッセージボトルではヤスさんは自分の死を確信しています。つまり、今語ったようなケースでも死が発生しなければならない訳です。おそらくこのケースでの死というのが「死体の無い死」つまり、人格の死なのではないでしょうか。思えば、地下貴賓室でベアトリーチェさんは死んだような顔をしていましたね。無気力ここに極まれり、という感じで。碑文が解かれる=ベアトリーチェ人格の死、なのではないでしょうか。86年の事件はヤスの恋の決着のために起こされた事件です。戦人か譲治を選ばないといけません。碑文が解かれるというのは、要は事件を中断する=戦人との恋を諦める=ベアトリチェの死=元々恋が成立してる紗音譲治の恋の成立なのではないでしょうか。「これをあなたが読んだなら、その時私は死んでいるでしょう。死体があるか無いかの違いはあるでしょうが」というのは恐らくは、そういう意味なのでしょう。

・プルガトリオ
第一のゲームはこれで終了です。第一のゲームの大枠としてはこれで終わりなのですが、物語全体の真相という意味での強烈な手掛かりの提示がさらっとされています。プルガトリオ。お茶会でそういう表記が出ますね。プルガトリオとはダンテの神曲の煉獄編のタイトル名です。煉獄。ダンテという人物が自分の罪を浄化しながら煉獄山を登り、山頂でベアトリーチェという女性と天国に昇っていきます。大雑把にいうとそれがプルガトリオなんですが、これは魔法EDの終わり方の暗喩なのです。十八さんは罪をあそこで償い終わり、やっとベアトリーチェさんと天国へ行く。そういう真相の暗喩として、プルガトリオという情報提示をしているのですね。サービスがいいじゃないですか!!十八さんというか、彼の中の戦人さん、ですね。メッセージボトルで彼女の恋の気持を知った罪が十八さんの罪です。そして、その償いが彼の紡いだ偽書なのですね。天国のヤスさんへの謝罪のために執筆されました。その謝罪がやっと最後に届いた。この物語の真相は正に、プルガトリオでしょう。ただプルガトリオと表記されるだけで、古戸ヱリカにはこの程度の推理が可能です。

物語の真相という意味ではこのプルガトリオのように、連鎖情報がかなり提示されています。そういう意味では、この物語の真相に至るための手掛かりはキッチリあり、真相特定が可能なのですね。思えば、プルガトリオと表記されたお茶会で急にベアトリーチェさんが普通に出てきますね。十八さんにとってベアトリーチェさんは謝罪の対象であるヤスさんの象徴でしょう。真相に気付く事無く、彼女を入水自殺させてしまった強烈な罪があります。彼女の恋心に事件後に完全に手遅れになって気付いてしまった悲しみは十八さんの精神を蝕んでいきました。ベアトリーチェさんは戦人さんに対して非常に攻撃的ですね。「そなたは無能だ」と言って人間椅子にしていました。つまり、それほどまでに十八さんは自分の罪が許せなかった。自分を許せなかったのでしょう。罵倒されたい。ののしられたい。自分の罪を断罪してほしい。そのような心理がベアトリーチェを通じて見えて来る気がします。

さて、本来は推理を積み重ねた先に真相があるものなのですが、いきなり第一のゲームで真相のお話をしてしまって、微妙な気持ちになってきました。だって伏線があるんですもん。推理したいじゃないですか。対魔法抵抗力エンドレスナインって、ちょっとだけ屈服する可能性あるじゃないですか。100%って無理なんでしょうか。私を計測してみてくれませんかねぇ。

・みなさん漫画版読まれてますか?
うみねこのコミックEP8の6巻は、ヤスという少女の動機関連が明かされるネタばれ巻なんですが、一つ大きな問題がありまして。それは「どっちの真相を明かしているのかを明示しない」のです。どっちのというのは、偽書世界上の犯人ベアトリーチェがゲーム盤EP1~4で人を殺して行く動機なのか、現実世界のヤスの動機なのか。同一人物説が完全に明かされるんですが、紗音さんと嘉音さん、これは変装をしてる訳ですけど、変装が見破られない理由の説明に一切ふれません。つまりですね、ネタバレ巻というのは実はそうでもなくて、実は「考えなければならない要素が増えた」んです。考える要素が増えるというのは実に結構!グッドです!!個人的には色々とぼやっとしていた部分に色々と説明がつくようになりまして、大変助かりました。みなさん、コミック買いましょう!私は作中でただの悪役みたいになってますけど、推理力をもっとアピールしてくださらないと。

・犯人ベアトリーチェ説
犯人ベアトリーチェ説を考えるにあたって、一つ面白い点があるんですよね。ここでいう犯人ベアトリーチェというのは中身の人格の事を指してるので、見た目としては紗音さんに見えるかもしれない訳です。紗音さんが人を殺してるように客観的にそう見えるケースでも、中身がベアトリーチェさんなケースがあるわけで、結局これ、見た目で犯人が特定不能なんです。紗音さんのような人物が人を殺してたって、犯人が紗音さんだとは限りません。中身が別人かもしれないのですから。この人格という考え方は恐らく執筆者の十八さんの影響が大きいのでしょう。彼は自分を十八という人間だと思ってますが、彼は自分の中に戦人という別人がいると思っているわけです。つまり、執筆者自体が紗音嘉音みたいな境遇にいるのですね。人格を別人だと認識してる執筆者が物語を描いてるのです。もしかすると十八さんはご自身の思いを込めているのかもしれませんね。ベアトリーチェさんってアイスクリームが好きだそうですが、まさか「I scream」じゃないですよね。氷菓じゃないんですから。ベアトリーチェさんの動機を考えると整合性が出るためにもやっとしますけども。

ミステリーで思考する探偵の最大の心の支えは、出題者の提示された手掛かりです。ミステリーを出題するのなら、作家の誇りとして絶対に手掛かりを提示しなければなりません。それが作者と読者の戦いの大原則だからです。探偵にとって手掛かりの存在は最大の心の支えなのです。それが存在する限り、推理が可能だと心から思える。絶対に解ける。間違いなく解ける。解けないはずがない。それこそが、探偵の支えであり、戦う意思の力、ファンタジーに抗う力なのですよ。