・第2のゲームは偽書なのかメッセージボトルなのか
さて、第2のゲームの推理に行きましょうか。第2のゲームは観劇の階層で2種類の意見が存在しますね。これは警察の回収したメッセージボトルである。十八の偽書である。主流の推理はメッセージボトル説のようです。メッセージボトルと偽書の区別は作中で手掛かりが提示されています。その手掛かりを具体的に検証してみましょう。まず第一にメッセージボトルの内容は大月教授により「事故前日から始まり、18人全員死亡するという共通点があり、事件内容自体は異なる」とあります。第一のゲームはまさに大月教授のおっしゃる通りでしたね。第2のゲームは譲治と紗音さんのデート旅行の話から始まっていますね。事故前日から始まっておりません。まずここと矛盾が発生します。では十八さんの偽書ですが、これは作中で「Banquetが伊藤幾九郎の初作」と地の文で説明されました。第3のゲームですね。この一文は「十八の初作は」ではなく、「伊藤幾九郎の初作は」と書かれているのが判断に困る点です。なぜなら、第6のゲーム冒頭で「八城十八は異なるペンネームで複数の出版社で同時に大賞を受賞している」という情報が出ているため、伊藤幾九郎だけが十八さんの偽書作家としての名前ではない可能性があるのです。

結局ですね、これは手掛かりから確定できません。別の視点から推理すると、メタ世界の存在の有無があるでしょうか。まず第2のゲームで魔法の描写がされますが、煉獄の7姉妹やベアトリーチェ本人(ドレスの方)が出てきますね。いわゆる幻想描写です。この幻想描写というのは第一のゲームで推理した通り「作中作」を前提にした叙述トリックです。作中執筆者の主観で書かれているため、「神の視点の保障」が存在しません。読者にとって作中執筆者の書いた小説を読む場合は、その人物の私見を疑わないといけません。つまりは、執筆者Aが仮に魔法を描いたとしても「実際は設定としてミステリーで解釈可能な可能性もある」という事です。通常小説の世界で3人称の文章は客観的事実であり、ここに魔法を描写した場合は魔法の存在が確定します。実は嘘でした、なんて論理は通用しません。この作品は「その3人称の部分すら私見だった」という叙述トリックなのですね。つまり原文に魔法が書かれている訳です。原文に書かれていない場合はミステリーで思考不可能になるロジックエラーが発生しますので、これはもう議論の余地がありません。

では第2のゲームを描く執筆者Aはベアトリーチェさんを登場させましたね。紗音さん殺害時などに出てきます。ドレスのベアトリーチェさんが魔法で殺している描写があります。このベアトリーチェさんは戦人さんに約束を思い出して欲しくてゲームを出題してるメタ世界の方の人物と同じでしょう。つまりメタ世界も物語的な繋がりを考えると原文に書かれているのでしょう。つまり、第一のゲームの時に推理した「十八さんのヤスへの謝罪」という部分ですね。戦人さんとベアトリーチェさんの推理合戦のメタ世界の物語を通じて十八さんは天国のヤスさんに謝罪をしている訳です。そのような部分と連鎖させると、恐らく第2のゲームはメッセージボトルではなく、十八さんの偽書である確率がどうも高そうな気がします。伊藤幾九郎自体の偽書は第3のゲームが初作ですので、別のペンネームで書いた、もしくは世間に発表していない原稿なのかもしれませんね。結局この辺はこの時点で確定できません。とりあえずは保留いたしましょう。

・物語前半の圧倒的文章量の恋愛描写
第2のゲームは紗音さんと嘉音さんの恋愛が前半に描かれますね。物凄い文章量です。あそこまでの文章量を出題者が割くという行為自体が、探偵にとっては重要なヒントになります。ミステリーの世界では出題者は意味のないシーンなんか書きません。すべてミステリーの伏線、関連情報、推理要素として描きます。この冒頭から事件開始前までの恋愛描写は作品の本質的な真相の部分の暗喩と言っていいでしょう。紗音さんと嘉音さんとベアトリーチェさんは同一人物です。その同一人物が別の人間に恋をしている事を示唆してるのですね。注目はベアトリーチェさんですが、この事件前までの物語では紗音さんの恋を叶える手助けをしていましたが、事件の中で紗音さんが殺される夏妃の部屋の密室で妙な態度でしたね。紗音さんの語る恋にベアトリーチェさんはマジ切れしていました。あのベアトリーチェさんの態度の根本的理由は、「自分は戦人と結ばれたくて事件起こしているのに、既に恋が成立してるからって調子に乗りやがってこの野郎」です。端的に言えば。ベアトリーチェさんムカついちゃったんですね。思って見れば、ベアトリーチェさんは戦人さんへの恋心を移され戦人を待ちなさいと言われたのに、紗音さんは譲治と新しい恋を初めてルンルン気分な訳です。そりゃイラッと来るでしょう。何だお前?と言いたい感じでしょうか。

・魔女の目撃証言
初日の夕食で霧江と楼座がベアトリーチェに会ったと証言しましたね。本格的な議論になりそうなので戦人達子供はゲストハウスに行くように言われ退出しました。この霧江さんと楼座さんが目撃したベアトリーチェさんは、ドレスではなくスーツでしたね。これは出題者の手掛かりの提示でしょう。幻想として出てくるベアトリーチェさんと、犯人として登場しているベアトリーチェさんを区別するためのものでしょうね。つまり、この目撃証言は真実な訳です。注目ポイントはこのベアトリーチェさんを、霧江さんと楼座さんは紗音さんだとは思っていない点です。ベアトリーチェという個人として認識しています。これは紗音さんと嘉音さんの認識とも同じですが、創作世界上では彼らは別人として認識される上層執筆者の強制力が働いているため別人と認識されます。つまり十八さんですね。もしくはヤスさん。ゲーム盤世界は彼らの現実世界階層を含めてトリック推理をしなければなりません。ゲーム盤世界単体ではこの同一人物トリックは解けませんので注意が必要です。

【第一の晩 礼拝堂での密室殺人】
さて事件開始です。ワクワクしますね!ふっふ~ん♪第一の晩に礼拝堂で留弗夫、霧江、蔵臼、夏妃、絵羽、秀吉が腹を縦に引き裂かれ殺害されました。お腹の中にお菓子が詰め込まれ、魔女の手紙が残されていましたね。悪趣味な現場は私好きですよ。結局ミステリーはエンターテイメントですからビックリしたいです。サプライズです!もうグロい現場が大好きで大好きで。うひょーってなっちゃいますけども、戦人さんはマジ切れしてましたね。何でしょうあの方。ちょっと感性が合いませんね私。ここはベアトリーチェさんが色々と赤字を語っていますけども、トリック自体が馬鹿みたいなトリックなため赤字はもう放置しましょう。ウィルさんの推理だけで結構です。

「続けましょう。第2のゲーム、第一の晩。腹を割かれし6人は密室礼拝堂に。」
「幻は幻に。……黄金の真実が、幻の錠を閉ざす。」

密室だったというのは共犯者の口裏合わせ、嘘だったのですね。つまり礼拝堂に鍵はかかって無かった訳です。あの時に現場には楼座、紗音、嘉音、郷田、源次がおり、探偵がいませんでした。客観性が全くございません。ええ、ございません。嘘の言い放題です。そもそも探偵さんは何をしていたのでしょう。殺人が起こっているのに。なんと普通に寝てましたね。私なら徹夜で屋敷全体を監視しますよ。何しろ事件が起こる雰囲気プンプンでしたからね。

私、これはどうなんだろうと思う部分がありまして、この礼拝堂の密室はそもそもですね、楼座さんが礼拝堂の扉を開けようとして開かなかったという部分に根本的な原因があるのです。あそこを見て普通に、あぁ鍵がかかってるなぁと思う訳です。しかし、この物語は地の文の客観性がないために、あの描写自体が嘘でした、となる訳ですね。つまりトリック的に矛盾はありません。しかしですね、地の文でこういう事をやられると、手掛かりとして提示された伏線さえも嘘である可能性が出てくるでしょう。これが問題なのです。提示された手掛かりでミステリーは真相特定が可能ですが、その手掛かりが「本当に手掛かりなのか」「嘘の手掛かりなのか」という手掛かり自体の判別が発生すると、これはもう真相特定が極めて困難になります。探偵の主観で判断するしかありません。

この礼拝堂の密室ですが、犠牲者の方々の死に方に非常に興味があります。腹を引き裂かれておりますけども、これは何でしょう。直接の死亡原因は何なのでしょうね。いきなり腹をかっさばく、というのは殺人をやるベアトリーチェさん自体も嫌でしょう。いくら睡眠薬を食事に混ぜたと考えたとしても、腹を裂かれたら「ぎゃー!!」って起きるでしょう。ぎゃーって!!という事は、まずは腹に銃で一発入れて殺し、その後に銃創を隠す目的で腹をかっさばいたのかなぁと色々とこの辺を考える訳ですが、当の出題者であるベアトリーチェさん、密室の施錠に関するヒントしかくれません!!ベアトリーチェさんの気持は分かるんですよ。彼女は戦人さんに事件のトリックの嘘に気付いてほしい訳ですから、施錠のトリックである嘘を論点にする訳ですが、だからってその他の部分を放置しなくてもいいじゃないですか!気になって気になって、もおおおおぉぉぉぉぉ!!戦人さんと第6のゲームで結婚しようとしたのは謝りますから、ヒントくださいよぅ。今後黄金郷にお邪魔しましょうかね。入れてくれるでしょうか。扉閉まっちゃいましたからね。

【第二の晩 朱志香と嘉音の密室殺人+嘉音の死体行方不明】
両親の死を目撃して怒り狂った朱志香さんが貴賓室にいるとされるベアトリーチェの元に行きます。郷田と嘉音が追いますね。ベアトを見つけられなかった朱志香さんはは自室に戻ります。嘉音さんも同行してくれました。戦人さんや楼座さん達が、朱志香の戻りが遅いので部屋に行くと朱志香さんは背中を杭で刺され死亡。嘉音の死体はありませんでした。室内から朱志香さんの部屋の鍵、朱志香さんのポケットから嘉音さんのマスターキーが見つかりました。あのですね、こういう一連の流れですけども、紗音さんと源次さんは同時刻に金蔵に呼ばれて筆耕をしていたと言っていましたけど、金蔵さんはゲーム開始前に死亡されてます。これは嘘な訳で、紗音さんと嘉音さんは同一人物な訳ですから、嘉音さんが同行したという一連の流れに関係します。朱志香さんは背中を杭で刺されていました。これは銃で殺害した後に、その銃創に杭をねじ込んでいるのでしょう。背中。つまり朱志香さんが背中を向ける親しい人物が殺しています。おそらくは紗音さんなのではないでしょうか。犯人自体はベアトリーチェさんですが、見た目は紗音、中身はベアトリーチェという形態で行ったのかもしれませんね。嘉音さん自体はこの時点で人格が殺されます。紗音さんのマスターキーで施錠し密室構築終了です。当然ですけど、紗音さんが生きてる訳ですから、嘉音さんの死体は残りません。

第二の晩からは楼座さんによって一同の動きはコントロールされます。使用人を疑った楼座は源次と熊沢と紗音と郷田と南條を別の部屋に追い出しますね。グッド!それが正解でした!楼座と戦人と譲治と真里亞で立てこもる事に。

・楼座さんは可愛いです
ところで楼座さん可愛いですよね。彼女と結婚するともれなく可愛い真里亞さんもついてきます。凄くいいじゃないですか。何で苦労してるのでしょう。私好きですよ楼座さん。我が主の次くらいに。

【第七・八の晩 南條・熊沢の殺害と密室での死体消失事件】
横道にそれましたね。使用人室にて傷だらけの嘉音さんがやってきて、熊沢と南條を殺害します。生き残った源次と紗音と郷田は楼座に報告し、全員で確認にいきますが、熊沢と南條の死体はなく、部屋は施錠されたままの密室でした。さて。源次さんたちは色々言いますけども、これ探偵が確認しておりません。別の部屋で別行動をしてる訳ですからね。じゃあ信用できませんね。探偵以外は嘘を証言する可能性を否定できません。嘉音さんも死亡していますから目撃不可能。嘘ばっかりですねこの方達。正直者の私からするとどうかと思いますよ!

さて、ここの殺人ですが、嘉音さんが現れ熊沢さんと南條さんを殺害した、という部分自体は嘘でしょうが、では実際はどのような犯行が行われたのでしょうか。ここ、郷田さんがいらっしゃいますね。彼の前で殺人をやると今後共犯者として協力してくれなくなる可能性があるのではないでしょうか。だから、とりあえずは死体消失のトリックとして、彼らには別の部屋に移動してもらったのでしょう。金蔵さんの書斎とかでしょうか。その後、使用人室に争った形跡を作って、楼座さんに報告ですが、問題は熊沢さんと南條さんはいったいいつ殺されたのでしょう。楼座さんに報告後は使用人以外の人物、譲治という駒が使用人グループに合流するため、犯人ベアトリーチェさんは自由に行動できなくなります。という事は、彼らがこの後夏妃の部屋に霊鏡を取りに行ってる際に、源次さんが殺したのか、もしくは別の部屋に移動させた際にベアトリーチェさんが移動先で殺し、何事も無かったかのように戻ってきたのか、色々と推理はできますけども、正解は一つです。どれなのでしょう。

手掛かりを探しましょう。南條と熊沢は刺さった杭から、第七・八の晩と判別されています。流れとしては、この後の夏妃の部屋の密室の方が後なのに、こちらが、第四・五・六の晩となってる訳です。つまりは殺害順序としては、夏妃の部屋の密室のあと、という事になるのでしょう。という事は源次さんが非常に怪しいですね。死体発見も彼です。実は、唐突に源次さんが蝶をナイフで刺し殺す描写が出て来るのですが、なんでしょうあの無理やりねじ込んだかのような手掛かりはw 私、さすがにどうかと思いますよ。そういうのは。エレガントにお願いします。エレガントに。まぁ提示された手掛かりから導ける推理は源次さんが実行犯という事なのでしょうね。彼は赤字上の定義として「犯人」ではなく「共犯者」の区分けになるのでしょうから、ウィルの語ったあの例の使用人うんぬんの赤字にも関係がありませんし。

・真里亞の語る魔法のリスク
さて、楼座さんと立てこもる事にした戦人さんですが、真里亞さんと非常に重要なお話をされています。第一のゲームの時に語った、リスクのお話です。これはまずは真里亞さんの発言を直接引用いたしましょう。

「魔法には、リスクが必要なの。どんな大きな魔法にも、絶対に弱点やリスクがあるの。うぅん、ないといけないの」
「人間は死を賭すから奇跡が起こせる。不死の人間がいたとして、その人物に何の奇跡も起こせる道理は無い。……私達も、人生も、魔女も儀式も。私達はリスクを負わなければ、何も成し遂げられないの」

戦人さんは疑いを持っていましたね。碑文を解かれたら事件中断っていうけど、それ本当か?嘘なんじゃないのか?と。これを受けて真里亞さんは言う訳です。魔法にはリスクが必要なのですよ、と。賭けごとで例えましょう。競馬で100円をかけた場合と100万円をかけた場合ではリスクとリターンが違うでしょう。小さいリスクでは奇跡はきませんが、大きなリスクを背負う事で、奇跡が起きる可能性がでてきます。これは金蔵さんの思想でもありますが、真犯人ベアトリーチェさんの根本的思想です。目線を現実世界のヤスさんに限定して見てみましょう。彼女は現実の86年の事件を通じて戦人さんか譲治さんと結ばれたい訳です。女として幸せになりたい。だから、碑文が解かれる、あるいは戦人さんが事件の真相に至って、約束を思いだしてくれる、このような奇跡を願っているのですね。しかし、このような奇跡というのは、彼女の思想ではリスクを背負わないと叶わない事になっています。真里亞さんが語るように、自分の死を賭けるほどのリスクを背負う事で、やっと奇跡が叶うかもしれない。そういう魔法大系の思想がある訳です。第9の晩以降の爆弾による皆殺しというのがそのリスクなのでしょう。時間制限を設定する事で非常に大きなリスクを背負います。自分と愛する人が死ぬかもしれません。それでも奇跡が叶うのならば、きっと私の恋も成就する、そういう事なのですね。作中の手掛かりから、そのような思想が推理可能です。

これは犯人の心の解釈に通じる要素で非常に重要です。爆弾設定は何の意味もなく皆殺しにしたいから設置されてるのではないのです。あくまでも、ヤスさんが恋を叶えたいから、設定されているのです。まぁ私はそれでもどうかと思いますけども。横っ面にビンタ一発かましたいです。ただ、犯人が殺人事件を起こすに至る心の変遷を理解するには大事なのでしょうね。

【第四・五・六の晩 夏妃の部屋での譲治・紗音・郷田殺害+客間の密室、手紙事件】
さて、事件に戻りましょう。譲治たちはオカルトの手段で対抗するため、礼拝堂の夏妃の死体から夏妃の部屋の鍵を取り、夏妃の部屋の霊鏡を取りに行きました。源次は殺された南條と熊沢の死体を発見、楼座に報告ですね。いやぁしらじらしい方ですね源次さん。殺したのあなたでしょう。譲治達が戻ってこないので楼座達のいた客間に鍵をかけ、夏妃の部屋に行きます。ここ、楼座さん一回廊下に出て、もう一度戸締りするとか言って中に入りますね。この時魔女の手紙を置きました!せこい!!夏妃の部屋は密室で中で郷田、譲治、紗音は殺されていたましたね。この密室は楼座さんが鍵を管理しているため、鍵の使用を犯人はできません。完全密室ですから、内部で紗音さんが自殺をしたと言う事ですね。だから、彼女だけ額に杭がささっていない訳です。最後に自殺した方に杭をさす人がいませんから。ここの密室は密室トリックが内部での自殺という古典トリックな訳ですが、凶器である銃はどこに行ったのでしょう。これもおそらくは古典トリックでしょう。タンスの裏とか化粧台の裏とかにひもで繋げたおもりを配置してそれに銃を繋げます。自殺後、ひもで引っ張られ、銃が消える、という事ですね。ここは幻想描写で描かれる魔法世界の部分が非常に重要です。ベアトリーチェさんは紗音さんにガチギレしてましたね。それはベアトリーチェさんの目的が戦人さんとの恋の成立だからです。先に紗音さんが恋を成立させると、ベアトリーチェは死亡しないといけません。まぁ碑文が解かれるという紗音さんの勝利条件が第2のゲームでは達成されてませんから、そこはいいのですけど、そもそも紗音さんの態度は配慮が足りないです。もっとベアトリーチェさんに配慮しましょう。自分は譲治とキャッキャうふふしてるからって、見せつけなくてもいいじゃないですか!そりゃ、怒られますよ。

・戦人さんが観測した金蔵と魔女のシーン
さて、第2のゲームで非常に不可解なのは、この後戦人さんが金蔵さんの書斎でベアトリーチェさんと金蔵さんを目撃しますね。金蔵さんはゲーム開始前に死亡しています。目撃不可能。という事はあの時の戦人さんは幻想を見ている訳ですが、探偵は客観的視点を義務付けられており、嘘を語る事が許されません。という事は、論点となるのは、彼が探偵なのかどうかという部分です。物語を見ていると、戦人さんはゲーム盤上で魔女に負けを宣言してる部分がありますね。もう魔女の仕業でいいよ、と。楼座さんとの言い争いに心が折れてしまい、身内を犯人だと思いたくない戦人さんは心が折れてしまい、魔女の仕業としてしまいました。魔女のゲームで魔女に負けを認める。つまりこれは推理の放棄です。人間犯人説を諦める。これはもはや探偵ではありません。推理をしない馬鹿に探偵を名乗る資格などございません。だから、彼は最後に幻想を見ているのでしょう。ここで大事なのは、第一のゲームの最後に戦人さんが見た物は客観性が確保されてますけど、ここでは客観性がありません。つまり戦人さんが魔女を目撃してる部分で真実と嘘を混ぜているのですね。第2のゲームでここまでやるというのは、出題者はマジだという事です。本気で解かせる気がないのでしょう。あっはっは!解かせる気がないのに解かれちゃいましたねぇ!!

・事件の嘘という要素
さて今回のゲーム冒頭から終わりまで嘘のオンパレードですね。しつこいくらいに嘘ばっかりです。2連続で嘘ばっかり、これはもう意図が存在すると言っていいでしょう。ベアトリーチェさんは戦人さんに事件のトリックの真相である嘘をつきつけているのですね。戦人さんが破った約束の事でしょう。ヒントは出すけど直接は言わない。これが女心なのです。そもそも紗音さんとのルーレットの公平性の問題がありますから、紗音さんが勝利する可能性もないといけません。だから直接伝える事はできないのですね。ベアトリーチェさんは。第2のゲームはこれで終わりです。難易度は極上だそうですが、確かに第2のゲームでこれは極上でしょう。型破りなミステリーはいいですねぇ。難しくて大いに結構です。グッド!!

・私の思ううみねこの謎のイメージ
私はこの物語の謎を4階層に分けて考えているのですが、ピラミッドのようなものをイメージしてください。このピラミッドが4つの層に分かれていて、一番下の層からスタートして、一番上の4層に真相があります。そういうイメージで考えているのですが、ゲーム盤の謎、というのは私にとって第1層、つまり最下層の謎なのです。第6のゲームまでの謎を全て解いてやっと1層をクリア。そういうイメージなのですね。2層はこのゲーム盤の謎を踏まえて考える動機の謎です。滅茶苦茶難解ですから、ゲーム盤の意図を正確に把握しないと2層の謎は解けません。3層の謎はさらに動機を踏まえた状態で現実世界の86年の六軒島で何が起こったのか、という部分の推理です。ここも難解でしょうが、ここまでくるとある程度方向が絞られるので推理は進みやすいです。最上層にある謎、これは第3層までの全ての謎を踏まえて考えるべき部分で、最後の魔法EDの意味の特定です。つまり、物語のエンディングの意味を解明する事。ここが最終到達点なのですね。そういう訳なので、1層にいつまでも居ても駄目ですよ。そこ最下層ですからね。ダンジョンの。

1層はある程度で見切りをつけるのも大事なのだと思います。推理不能な部分はもう推理しなくて結構。手掛かりの配置されていない謎は論理的に解けません。出題者が最低限解いて欲しい部分だけ解けば良いのですよ。1層はそうそうに見切りをつけて2層に行きましょう。どんな推理をするのもこの物語は自由ですが、自由を保障されるからこそ、逆に制限を付けていきたいと思うのもまた不思議な心理ですね。自由ですよ、というのが私のような探偵だともう疑い始めるのですね。自由といいつつ、本当は目指して欲しい方向があるんでしょう?っていう。