うみねこのなく頃にの考察を終え、とても満足して作品を終える事が出来てとても嬉しいです。
思い起こせば、作品と出会ったのはPS3版を知ったからでした。そう、僕は実は原作をずっと追っていた古参ユーザーではなく、PS3版から入った新規ユーザーだったりします。原作でいうと、EP8直前から遊び始めたユーザーです。

当初ミステリーとは「探偵役が勝手に謎を解いていくジャンル」と思っていた事もあり、全く考えずに物語を読んでいました。EP8を読み終え、世間では批判が増大していましたが、僕はというと、そもそもうみねこをPS3版から遊び始めたため、特に作品に思い入れも無く、そういう感情は全くなかったですね。そもそもEP8を読む頃にはEP1~4の事件の詳しい状況を覚えてすらいないっていう(笑)覚えてないもんの答えを明かされた所で何の感慨も沸きませんし、縁寿が兄と再会できてよかったなーくらいの印象で一周目を終わりました。

僕のような作品完結時に作品を遊び始めたユーザーにとって、とても嬉しい事はたくさんの考察を読める事でした。有名考察者のKEIYAさんの考察はもちろん、ネットのwikiの考察、2ちゃんねるのスレの考察、個人のブログの考察、色々と読みましたね。今の時代ネットを漁れば答えは転がっているだろうという気楽な感じで見てたんですが、確かに答えらしきものはあるものの、どうも核心に迫っていないような、そんな印象を受けました。

僕が考察を自分でやりはじめたのは、KEIYAさんの最終考察がキッカケです。色々な考察を見ても、どうしても納得できない部分が結構ある。ネットをこれだけ漁っても納得できないという事は、もう自分で考えるしかないと思いました。あの時僕が納得できなかったのは、動機、紗音嘉音同一人物説の具体的トリックの詳細、世界構造、猫箱の中身、だいたいこの辺です。特に動機は意味がさっぱり分かりませんでした。

僕にとって一つの転機になったのはロジックエラー密室の考察をやっていた時でした。クローゼットに紗音が隠れている。これがまぁ王道の解釈なんですが、ある時ふと思ったんですね。僕はうみねこを考察をしてるけども、そもそもミステリーとして今まで考えていたか?と根本的な考察姿勢の間違いに気付いたんです。ファンタジーを許容した考察をいつの間にか自分がやっている事に気付き、愕然としました。仮にクローゼットではなく、ベッドルームだと気付いていたとしても、そもそも紗音嘉音同一人物説という前提が成立してるかどうかも分からないのに、それを前提にしてトリックを解いていい訳がありません。

紗音嘉音同一人物説が少なくとも仮説として構築できてから、そのロジックを使うのがミステリー的な考え方だろうと。これ以降考え方をあえて偏った方向で考える事にしました。完全ミステリー解釈とでもいいましょうか、ファンタジーを絶対に認めない、という根本的な方向性です。辻褄を合せるために根拠を探す訳ですが、うみねこは確かに根拠は作中にあるものの、完璧な根拠ではなく、ぼやっとした根拠しかありません。答えが明かされずに終わったうみねこは、どんなに考察してもそれは所詮OSS(お前がそう思うんならそうなんだろう)でしかないという根本的問題に結局向き合わざるを得ませんでした。

答えが明かされないという悪魔の証明に対して、考察サイドは全くなす術がないのか?この根本的問題点に対する答えを教えてくれたのは、必死に考察した動機考察でした。僕の構築した動機考察は何故か色々な部分に連鎖的な説明付けが可能でした。何故か分からないが論理的説明付けが可能になる。具体的にいうと動機を前提にすると、ゲーム盤の犯人、メタ世界のベアトの目的、入水の理由、偽書の執筆動機、この辺に説明がついていく訳です。

これは一体何なんだろう。それが僕の疑問でした。偶然説明がついてしまったのか、それとも必然として説明がついたのか僕には判別がつきませんでした。この時に逆転裁判1のサユリさん(インコ)の尋問の時の裁判長のあるセリフがふっと思い浮かびました。「偶然が2度続くことはありません。それは必然です」確かこんな感じのセリフだったと思います。

もしかしてこれこそが、答えが明かされない物語に対する唯一の考察側の武器なんじゃないのか。後に僕は「連鎖考察法」と名付けますけど、本編中のあらゆる部分と横の連鎖的繋がりを作っていく。連鎖的説明付けを構築する。もしそれが可能だったのならば、それは作者の用意した公式解答だから必然的にそういう説明付けが可能になってるんじゃないのか?そう思いました。結局ここまでやってもOSSな事は変わらないのだと思います。しかし、納得の度合いが明らかに違う。少なくとも作品の謎に確信を持つ事はできる。

こうして僕はうみねこを考察し続け、ついにその考察を全て終えました。

個人的に魔法EDがとても素晴らしく思えた事が何よりも嬉しかったです。賛否両論なんてのは論外と言いきれるレベルの、最高の終わり方だと思えました。絶賛するレベルのEDだと思えました。

考察って不思議ですね。作品を1周目よりも何倍も楽しめた。そして考察を通じて僕は読書が大好きになりました。久々に考察、創作も含め膨大な文章量を書きました。考察を書くのも楽しかった。自分で読み返すのも楽しかった。僕の考察は僕の中で真実のカケラとして存在してます。少なくとも僕自身は自分の考察を信じ大切にします。おそらくうみねこ以上の物語にはもう出会えないだろうなと思います。

こんな素敵な作品を遊べて本当に良かった。必死に考え、悩み、壁にぶち当たり、ファンタジーに屈服しそうになり、そのたびにミステリーだと再度信じ直すという繰り返しでした。考察は楽しくもあり、苦しくもあり、時には考察者同士で激論になりました。

それも含めてやっぱり、心から楽しかったと言えます。
うみねこの楽しさが多くの人に伝わる事を信じて、ガートルードさんの名ゼリフをあなたに贈ります。

謹啓。謹んで申し上げる。物語を、……遡り給え。……今の汝には、真実のか弱き光を見逃さぬ眼が、与えられていると知れ。

ここまで読んでくれてありがとう!うみねこをプレイしたユーザーが、良い思い出として作品を終えられますように。

※PDFファイル
考察本編
http://blog.livedoor.jp/takeumineko/%E3%81%86%E3%81%BF%E3%81%AD%E3%81%93%E6%9C%80%E7%B5%82%E8%80%83%E5%AF%9F%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%89%88.pdf
本編考察は元々「本編再読用のガイド」的な意味で当初自分用に書いてたので、本編再読する方は役立つかもしれません。

とある推理研究部とうみねこのなく頃に
http://blog.livedoor.jp/takeumineko/%E6%8E%A8%E7%90%86%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%83%A8.pdf 
これは言ってしまえば、竜騎士先生に向けた僕の読書感想文です。作家さんは考察の結論よりも、その過程の思考錯誤の部分こそ知りたいと思うんじゃないかと思って書きました。彼ら5人は僕の脳内議論のキャラ化です。

Magic of the golden witch
http://blog.livedoor.jp/takeumineko/Magic%20of%20the%20golden%20witch.pdf
僕のうみねこ関係の総まとめ創作です。

古戸ヱリカのガチ推理
http://blog.livedoor.jp/takeumineko/%E5%8F%A4%E6%88%B8%E3%83%B1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%83%81%E6%8E%A8%E7%90%86.pdf
探偵古戸ヱリカの本気の推理の物語。ヱリカVS竜騎士07は、どちらが勝利したのか。