すんません、こちらのオーストラリアの新聞(シドニー・モーニング・ヘラルド)がニューヨーク・タイムズの課金について解説していますので、グーグルのCEOの寄稿についてはちょっと後回しにします。

「尊敬するアメリカの新聞、厳しい時代に課金へ」(Hard times drive a venerable US newspaper to the paywall)という見出しです。

それによると、今回ニューヨーク・タイムズが目指す課金モデルは従量制。導入は来年初頭だそうです。月刊のオンライン記事の設定数を超えれば、読者に支払いが求められる仕組みです。

背景にあったのは、広告と部数の低迷。他紙と同様、同紙も財務上の危機に立っています。親会社のニューヨークタイムズ社は15紙を傘下に収めていますが(インターナショナル・ヘラルド・トリビューンやボストン・グローブなど)、昨年9月までの9ヶ月間で7000万ドルの損失を計上し、バランス・シートを支える為メキシコの富豪、カルロス・スリム氏から2億5000万ドルの借り入れを受け入れるのに同意しています。

ジャーナリストは昨年5%の給与カットを受け入れ、1300人いた記者の内100人が解雇されました。

今回の導入に当たっても1年間、社内で分析を重ねたそうです。
発行人のアーサー・サルツバーガー氏は、課金措置がギャンブルだと認めています。「ウェブが向かうと我々が思っている方向の中では、ある意味これは博打だ」''This is a bet, to a certain degree, in where we think the web is going.'')と話しています。

課金は今いる多くの読者を劇的なまでに減らす事を意味し、当該のウェブサイトが広告主に魅力の無いものにしそうだからだ。ヘラルド紙はそう書きます。また、ニューヨークタイムズでは、2005年から2007年までタイムズセレクトという課金サービスを行っていましたが、上手く行きませんでした。この時も、複数の社内の著名コラムニストは、途上国からアクセスする読者は払わないだろうとの見地から反対していたそうです。

意見は様々です。ウォールストリートの証券仲買業であるベンチマークの出版業界担当アナリストであるエド・アトリノ氏は、ニューヨークタイムズが長期的な読者減を想定し、広告の低迷なども相まって「代わりとなる収入源を模索する中で避けられない事だと思う」(''I think it's inevitable that newspapers are going to have to look for alternative sources of revenue.'')と同情的です。

一方、
ハフィントン・ポストの創設者、アリアナ・ヒューフィングトンらを含む反対派は、オンラインへの課金は上手くいかないだろうとしています。サイバースペース上には無料の競争相手が多いからです。「ポルノでも売らない限り、特に非常に変わったポルノでもない限り、購読は丸損でしょう」(''Unless you're selling porn, and especially very weird porn online, subscriptions are a dead loss.''

東スポならともかく、ニューヨークタイムズがポルノを売る訳にはいかないでしょうね~。

しかし、アメリカのベテラン新聞アナリストであるジョン・モートン氏は、新聞社はリスクを取る必要があるとしています。「新聞産業は10年前大きな間違いをしでかした。ネットは無料であるという虚偽の前提を受け入れてしまったのだ」(''The newspaper industry made a big mistake a decade ago when it accepted the false premise that information on the internet needs to be free.''

そう、その虚偽の前提のせいで、全てのマスコミが苦労してるんですね。

★追記(というより補足、2010年1月22日午前9時48分)

昨日紹介した、マードック氏の課金とリンク切断を批判したガーディアン紙は、社として課金をしない方針だそうです。

そりゃ「愚かにも」とまで書いたんですからね。これとは別に、英国ではロンドン・イブニング・スタンダード紙がフリーペーパー化を目指しているそうです。