「マーケィング・サロン りゅうぼんの日記」というブログに衝撃的な数字が載っています。遂にネット広告が、新聞広告を上回った(電通総研から毎年恒例の「情報メディア白書2010年」を、お先に入手なさったそうです)遂にこの日が来たか。


この人のブログ、並びに「大西 宏のマーケティング・エッセンス」のブログの記事は、流石専門家だけあって、鋭い分析でした。

私自身は、新聞社在職時は編集畑であり、営業については素人でしたが、そんな私にも納得出来るのが、この記事(Inman.comのHP)でした。昨年8月の記事です。題して「新聞広告よサヨウナラ」(Say goodbye to newspaper advertising)。

脇見出しに「路線変更の前に新戦略が必要だ」(New strategy needed before changing course)とあります。今、新聞社で働く人には耳に痛い(あ、ウェブサイトで耳は痛い訳は無いか。目に痛いって所かな)でしょう。

要するに、広告主だった企業が、自前か、或いは業界団体でHPを作り、新聞などの紙媒体を介さず直接ネット配信するようになって来ていると言うんですね。しかも、オンラインマーケティングを踏まえて。その例として、不動産業界を取り上げています。

記事の中ではインテロ不動産サービスという業者が出てきます。創業者で、最高執行責任者のトム・トグノリ氏は2004年には年間320万ドル使っていた広告をカットし、今年(2008年)は50万ドルにする予定なのだとか。

自社のウェブサイトの取引やサード・パーティーの不動産ポータルサイトでの企業連合による市場の占有率が伸びているのが理由です。ブログやソーシャルメディアなどを通じたマーケティング手段を創り出してる事も動機のようです。

同氏や他の不動産業界トップは、印刷広告から手を引く前に、替わりうるマーケティング手段を持っておく事が重要だとしています。

トグノリ氏は不動産向け検索エンジンのトゥルーリア(Trulia)に率先して企業連合広告を出しました。他のサイトにも企業広告を出しました。最初はオンラインバナー広告や目玉広告リストに金を出していたが、替えました。今では成果に満足なさってるそうです。

もし市場で仲介業が第一位を占めたら、企業連合広告を通じて巨大な足跡帳がオンラインで可能だろうと話し、「(印刷)広告はもはや価値のないものになるだろう」とも付け加えています。

うへー。

記事にはルースト社のCEO、アレックス・チャン氏の意見も紹介しています。 IDX (Internet Data Exchange=匿名によるサーチ対象の評論サイト) やVOW (Virtual Office Web sites=捜す人が個人情報を登録しておき、条件に合う物件を探すサイト)などを薦めています。同社はリスト化のプラットフォーム(クリック毎にコストが派生する広告で、仲介業者が消費者に最終取引に支払うような形)を作っています。

上記のトゥルーリアセールス次席担当であるジーン・ブラック氏は、代理店や仲介業者は、オンラインマーケティングで自分達がやろうとしている技術について、4つ自問するべきだと話しています。
★自分はどこで取引し、どこから誘導されたか。そして比べられるか?
★どこで自分は最も新しい家の業者に到達出来たか?
★どこで最良の客層に出会えたか?
★どこで代理店とリスト化によって軌道に乗れそうか?

つまり、この4問をクリアすれば、成功する確率が高い訳ですね。最初の設問は、今まで紙媒体で独占的な地位を占めてきたメディアには、まさに鼎の軽重を問われる内容でしょう。

面白いのは、併設されているコメント欄。実名入りで賛成する意見が大半なんです。しかも辛辣。

「賛成だね。私は1年前にリスト化に当たって印刷広告を止めたんだ。そして客数の多寡で違いが無い事が分ったんだよ。全米不動産協会員は今すぐにでも買う人ではなく、売る人を得る為に広告を打つという事を学ぶべきだよ。事態は本当に変化しているんだ。ひとたび売る側がオンラインチャンネルの価値に気付いたなら、印刷広告なんてもう期待されないよ」
David Curry
Geneva Lakefront Realty
49 West Geneva Street
Williams Bay, WI 53191
262-245-9000
www.genevalakefrontrealty.com/blog

「50万ドルにはブログやソーシャルメディアをしている人のサラリーが含まれてるんでしょうか? もしそうでないのなら、コストを外に出しているだけかもしれない。いずれにせよ、新聞はもう何年もの間、昨日のニュースしか載せなくなっていますよね」

Steve Trang
Tempe Homes
Gilbert Homes

「そうだね。新聞の世界はタイプライターと同じ道を歩むんだろうね。賃貸広告をするに当たって、4年前から新聞広告を止めたんだ。不動産を捜す人とは大抵オンライン上で話しているよ。iPhone使ってブログで新鮮なニュースを読んだり、誰かと話したり不動産情報を探したりしているものね。新聞広告は時代遅れだよ」

Robert A. Hulme on August 5, 2009 - 5:54pm.

「印刷とは歴史上の話であり、オンライン上での存在こそが未来で成功するには必須だろう」

www.UtahHomesForSale.ws
www.UtahHomes4Sale.ws

「新聞? まだあったんだ? さっさと無くなれば良いのに。悪夢は終わりだ」
Chis Eliopoulos on August 5, 2009 - 6:03pm.

「インターネットこそ、今の所新しいビジネスで成功する最良の車とみておいて間違いない。しかし、新聞にだって、全面広告ならば役に立つかもしれないと思うし、雑誌で高級不動産広告打つのも悪くない」

Tim Ryan on August 5, 2009 - 7:54pm.

「アメリカでは新聞を使わないけど、英国では上手く使ってるけどね」
Sal Antsipenka
VIP Realty, Inc
Naples, Florida
http://www.naplesrealestateseller.com
International RealEstate Buyer Leads
http://www.realestatefair.net

「良い記事が読めたよ。自分と取引のある売り手には、まだ新聞広告が何故だか使えると思ってる人もいるけどね。印刷広告に唯一使える所があるとしたら、自分の所のウェブサイトに売買を誘導出来るって事かな」

Todd Armstrong
Armstrong & Associates
http://www.DwellSanDiego.com
http://www.FreeHomeSearches.com
858.229.8752

「私の所に来るのは、殆ど全部ネットからだね。数年前に印刷広告は止めた。今や地元紙なんてニュースレターに毛が生えた程度だし」
Tampa Offices for Rent
Florida Commercial Real Estate

と、ここまでお読み頂ければお分かりのように、新聞社側の肩を持つ意見がひとつしかありません。「メリットが無い」という指摘は、果たして不動産業界だけのものでしょうか? 紙媒体は、これに反論出来るのでしょうか? そして、この事に日本の広告主が気づくのは何時なのでしょうか。或いは、もう気づいているのかもしれませんが。
★追記(1月25日午後3時)
リンク先が有料になっていました。ここも収入面で苦しいのかな。著作権で何か言ってこられるとややこしいので、今回は発言元の英文は記載しません。ご了承下さい。

なお、記事に出てくる不動産検索サイトトゥルーリア(Trulia)ですが、グーグルが断続的な買収交渉をしているそうです。ここでもグーグルかいっ、って感じですね。

★追記(1月25日午後5時55分)
岩上安身さんのTweetに衝撃を受けました。絶句ものです。ちょ、ちょっとばかし怖くてコピペ出来ないような内容です。

★追記(2010年2月22日午後5時13分)
電通さんも正式に発表しましたね。 りゅうぽんさんもお認めですが、数字が違っていました。
とはいえ、衝撃的である事には変わりないのですが。