こないだ、「2022年までに新聞は無意味になる~ある未来学者の予測」という記事を紹介したのをご記憶でしょうか。あの予測をなさったロス・ドーソン氏がブログをやっておられるのを発見しました。いくつか記事をお書きですが、最近流行のFlipboardとPaper.liについて論じておられる分を紹介してみます(2010年8月30日午前3時31分投稿)。

こういうのを、ソーシャル・キュレーションと言いますが、過去6週間で新たなレベルに達しているのだそうです。

Flipboardは今年6月21日にサービスが始まり、1050万ドルの融資を得ているのだそうです。ここ数週間、iPadの無料ニュースカテゴリーのアップスでトップになっており(米英豪)、「ソーシャルマガジン」(“social magazine”)として魅了しているのだそうです。

様々なトピックのフィルターを提示してくれるのが、アップスとして最も面白い特徴で、フェースブックの友人やTwitterのフォロワーと共有するニュースアイテムを選べます(例えばこれなどが典型です)。

ドーソン氏は先週のiPad戦略作業部会の席でも、こうしたソーシャルフィルタリングのアイディアを説明したのだそうです。

一方のPaper.liは、Flipboardよりも少し早く始まっていますが、ここ数週間の伸び率は本当に驚嘆します(元のHPのグラフを参照して下さ い)。スイスのベンチャー企業が始めたサービスですが、ここもキマ・ベンチャーズという会社に財務支援を得ています(ちなみに、キマを創設したのが、ゼイビア・ニール氏。ル・モンドの次期共同オーナーです)。

今のところ、SNSとしてキュレート出来るのはTwitterだけですが、フォロワー(誰でもOK)やリストなどから作れるという点ではFlipboardよりパワフルだとドーソン氏。ご自身もやっておられまして、これがそうです。

伸びゆくそれぞれの版で牽引の手立ての一つとなっているのが、個別のニュースページのリンクです。Twitter上で影響力のある人をpaper.liに移植している訳です。

こうしたコンセプトは、新しいとは言えそうにないとドーソン氏。同氏は2002年から「コラボレーティブ・フィルタリング」(“collaborative filtering”)について書いてきており、2006年にはブログでこんな事も書いています。

ブログというのは、我々にとって、社会で(またはその一部として)面白くて有益だと思った事を集団で見つけるメカニズムだ。例えブログに有益なコンテンツが無かったとしても(どのみちナンセンスなのだが)、こうした集団でのフィルタリング機能は、メディアの世界が正しく向かおうとしている行き先なのだ。

ブログよりもTwitterや
Facebookが遙かに広く取り込まれ、リンクや記事のシェアが一般化しているという事実は(毎月数百万人のリンクシェアがある)、これらをソーシャルフィルタリングの源として使う事が、かつて無い程パワフルであるとの意味を有しているのだとドーソン氏。

TweetmemeやTopsyなどのようなツールが、傑出したニュース記事をTwitterで見つけ出す上でどのぐらい使われているかも書いた事があるドーソン氏は(こちらを参照して下さい)、使い方が限定されているとしています。というのも、Twitterの利用者全員をアグリゲートし、 個人の興味のどれにも近くない中間点になってしまうからなのだとか。次の明らかなステップは個人のソーシャルネットワークに基づく、社会的に濾過されたニュースを作り出す事だとドーソン氏は書いています。
 
結論として、多くの増えゆく洗練されたサービスが、こうした我々の興味に基づくものではなく、我々のソーシャルネットワークや我々の認めた人によるニュースを選んでいくだろうとの事です。

我々が吸収するネットで自分の興味ある記事しか集めない「デイリー・ミー」(Daily Me)のような危機は~ドーソン氏は余りに誇張されすぎとしています~克服され、あろう事なら多様性のある面白い集団の中の豊かな興味に向かい合うだろうとしています。これこそがニュースの行き先だろうというのが、ドーソン氏の結論です。

この中には多くの豊かな課題があるそうです。その中には知的財産権やニュースを作り出す人の売り上げ支援などがありますが、このトピックについては疑いもなく今後も取り上げていきたいとしています。

う~む。Paper.liの話だけで済まなかったな。昨日のガーディアンの記事じゃないけど、長文が流行みたいです。まぁそれはさておき、私なりに補足したいのは、書き手の財務的支援も去る事ながら、養成をどうするかも課題でしょう。というか、それが一番の優先事項だと思うなあ。