シャープとホンハイ精密工業 来週にも最終的な契約へ goo.gl/fb/5YlLzj

というのがヤフーのリアルタイム検索でトレンドになっていますね。

バタバタしたけど、ようやくって感じですが、では台湾側から見て、今後どう業界地図が変わっていくのか。

台湾の業界情報サイトから紹介していきましょう。
台湾にはDigitimesという半導体やデジタル機器の情報を扱うサイトがあります。有料の記事もあるのですが、これは無料で読めましたので紹介しましょう。

Digitimesリサーチ:CECパンダ社のLCDは、もしフォックスコンがシャープを買収したら中国のスマートフォンのパネル市場での競争力が低下するかもしれない(Digitimes Research: CEC Panda LCD may become less competitive in China smartphone panel market if Foxconn bails out Sharp

という記事が2016年3月2日付けで報じられています。Jen-Chieh YangとAdam Hwangという方々が執筆なさっています。

記事に出てくるフォックスコンとはホンハイ精密工業(鴻海精密工業が正式名称ですが)の親会社の事とご理解下さい。以下、翻訳。

もしフォックスコン・エレクトロニクスがシャープを買収したら、中国をベースとする中電熊猫液晶顕示科技有限公司(Nanjing CEC Panda LCD Technology)は、同国のベンダーはスマートフォンのパネル注文競争で不利に立たされそうだという事が、Digitimesのリサーチによって分かった。

中電熊猫液晶顕示科技有限公司はシャープから6G a-Si TFT-LCDの工場を買い取り、シャープとのジョイントベンチャーによる8.5G工場に投資してきた。またIGZO TFT-LCDのテクノロジーをシャープから取り入れた。

中電熊猫液晶顕示科技有限公司は、2015年12月にスマートフォン向けのIGZO TFT-LCDの製造を開始している。しかし、 スマートフォンのベンダーで、このようなパネルを受け入れている社は少ない。生産量が少ないからだ。

もしフォックスコンがシャープを買収したら、シャープは参入社が多いスマートフォンのパネル市場から撤退し、国際市場向けのハイエンドのパネルに力を注ぐかもしれない。もしシャープが撤退したら、その市場シェアは台湾を拠点とする群創光電(Innolux)や華星光電(China Star Optoelectronics Technology)や、新たに作られた中国国内の低温ポリシリコンTFT工場が独占するものと予測される。群創光電の大株主はフォックスコンである。それにより、中電熊猫液晶顕示科技有限公司は中規模のスマートフォンのIGZOのパネルのサプライヤーとしては2番手になるだろう。

この記事はDigitimes Researchの中国語版で報道されていたが、今まで英語には訳されていませんでした。もし記事の英語版にご興味がおありでしたなら、ここをクリックして連絡して下さい。可能な限り素早くお返事いたします。 Digitimes Researchでは世界のタブレットや中国のスマートフォンや中国のスマートフォンAPや台湾のICTや台湾のFPDについて四半期毎に追跡調査しております。Digitimes Research Trackingのサービスについて詳細に知りたい方はここをクリックして下さい。


拙訳終わり。IGZO TFT-LCDについてはシャープ自身がオンラインで解説しています。「技術が流出してしまう」という意見も散見されますが、もう流出していたのですね。

鴻海精密工業にすれば、中国でのスマートフォンの液晶市場で、一段と有利に立てるメリットがあるという訳だったのか。

Digitimesでは、もう1つの勢力図解説もやっていますので、そっちも紹介してみましょう。