改めて愕然

今更ながらですけど、いやー、凄いグラフですね。スウェーデンのメディア大手、Bonnier(ボニエ)に関するFolioという雑誌情報サイトの特別レポートWINNING REVENUE-GENERATING STRATEGIES FOR A NEW ERAの冒頭に引用されているのが、このグラフ。

紙媒体広告の一人負けなのが歴然。まぁそれ自体は、今更な話なんですけど、「新たな時代への収益収集戦略で勝利を」てなタイトルが面白いし、中身をサラッと紹介してみましょう。3連休の中日で、こういうのをついつい読んでしまうであろう、新聞系メディアの連中の顔を思い浮かべながら(人が悪いなぁ、我ながら)。
新たな時代への収益収集戦略で勝利を

大混迷と経営財務難の時代において、最高経営責任者がFolio(訳注:雑誌業界情報サイト)に語る:2018年及びそれ以降の投資先とは

2018年のメディアの状況

2018年初頭でのメディアの状況については、マクロ的な見方と、事業を構築し、売上を増やしている現場の第一線の関係者によるミクロ的な見方とでは乖離がある。

 一方、メディア全般の状況に関する報告は、少なくともここ2年間は、ほぼ全てが陰鬱かつ破滅的な内容であった。

フェースブックとグーグルが、システマティックにドルベースの広告成長の殆どを吸い取ってゆき、広告収入に於けるシェアを伸ばす一方だからだ(eMarketerは、2017年のデジタル広告収入の63%を両社が占めるだろうと予測している)。

これが暗に示すのは、メディア企業は、両方のプラットフォームの上で、コンテンツを配信しては、フェースブックとグーグルの独占的支配に寄与し、自らの衰亡を確たるものにしているカモでしかないという事である。


それは、ノイズと詐欺が横行するデジタル広告での惨憺たる結果の検証であり、少なくとも幾つかの社に於いては忘れされようとしている、陳腐な常套句と分かってしまった「ビデオへの軸足」(
“pivot to video,”)の模索の結果である。

一方、かつてはパワフルだった企業が清算したり、社によっては利益を見出す曙光を見出していたりするが、恐らくは手遅れな事例もある。Time Inc.のMeredith Corp.への身売りという衝撃ニュースと、これらを組み合わせれば、皆様は苛立ちを覚えるはずだ。

同社の身売りの重要性を仰々しく誇張するのは難しい。70年以上に渡り、アメリカの雑誌メディアに君臨して来た会社だったが、20年前から輝きを徐々に失っていき、この5年といえば、組織がよろめき、人材と収益を失い続けていった。幾つかのトップ・ブランドは、もはやデジタル時代にそぐわないように見えた。

Time Inc.の身売りは、レガシー・メディア企業の今そこにある戦いを象徴している。独立した雑誌によるメディア・ブランドの時代が、正に永久に消え失せようとしているのである。

(続く)