本日、ブログ開設10周年となりました。まぁ、良く続いたもんです。自分でも驚いてるほど。

日本の新聞業界の再生を願っての開設でしたが、その思いもかなわず。かの業界は軽減税率適用を受けるという禁じ手をやらかしてしまい、毒にのたうち回っているというのが現状でしょう。ホンマ、愚かなこってす。

という訳で、特別編をば。アメリカのヤフーが、衝撃の配信を行っていますので・・・。
https://finance.yahoo.com/news/2020s-print-media-end-113005514.html

Are the 2020s When Print Media Will End?(2020年に紙媒体メディア終焉か?)

Some major publishing executives are already counting down the number of years print as a medium has left.(幾つかの大手メディア役員は、紙媒体が終わるとカウントダウンをしている)

By Kali Hays on January 10, 2020

ここ数年、幾つかのメディア企業の役員の発言に目を通していた人なら、紙媒体メディアが終わる時期についての話が殆どだったと気づいているはずだ。

会員講読も、ニュース・スタンドでの売れ行でさえも、目を覆うほどの落ち込みを見せている紙媒体だが、それでもデジタル版より今なお売れ行きでは上である。ただし、コストはデジタル版よりも多くかかっている。

デジタル版より紙媒体の方を好む読者数が減る中で、各社の発行人は、雑誌や新聞の価格を定期的に値上げする事により、可能な限り金を稼ごうとしている。そんな中、より多くの業界の役員が、紙媒体は事業の永遠の一部ではないかもしれないと自分達から認めるようになりだしているのである。

「少なくとも10年、アメリカで弊社の紙媒体を見る事が出来るだろう」(“At least 10 years is what we can see in the U.S. for our print products,”)と、ニューヨーク・タイムズのマーク・トンプソン(Mark Thompson)CEOは語っている。しかし、「紙媒体を出す事のビジネス上の意義が無くなる時期が来るかもしれない」(“There may come a point when the economics of [the print paper] no longer make sense for us.”)と、CEOは続けている。

CNBCにトンプソン氏が出演し、そう発言したのは18ヶ月前だ。デジタル講読が350万人を超え、この方面の有料購読者を1000万人にしたいと野望を抱く同紙ではあるが、自社の望みとして紙媒体を出し続ける可能性はある。

ワシントン・ポストのマーティー・バロン(Marty Baron)編集主幹もまた、紙媒体ニュースには賞味期限があると考えている。今年初め、ポストの媒体上で「紙媒体が今後も我々の大きな一部であり続けるだろうとの考えが延々と続いているが、それを捨て去る事も有り得る。続かないだろう」(“discard the lingering notion that paper will remain for long a big part of what we do. It will not.”)と主張していた。

バロンは、何時そうなるかについては記していなかった。ただ、紙媒体については「暫く続くかと言えば、そうだ」(“for a while, yes”)と答えた。

ただ、その後に突き刺さる発言をした。

「永続しないだろう」(“It will not last.”)

つまり、アメリカの2つの、そして最も成功している新聞が、21世紀の初めに紙媒体は「危険!」(“Jeopardy!”)なカテゴリーに入ったのではないかとの疑問を、たった今持った事は間違い無いように思える。では、グーグルのようなテクノロジー系はどうなのだろう? グーグルは、新聞や雑誌のコンテンツを、自社の検索エンジンを大いに使って来たが、最近になって報道関係のプロジェクトに投資するようになった。

ベテランのニュース・メディア役員だったリチャード・ギンラス(Richard Gingras)は、現在グーグルのニュース担当副社長に就任している。そんなギンラスも、それほど長くは続かないだろうと考えている。

「衰退しつつあるのは明らかだ」(“Clearly, it’s going to peter out,”)と、ギンラスは1年前に語っている。

「5年先か、10年先かは分からない。ただ、若い世代を見れば分かる。紙媒体は彼らに全く無縁の代物なのだ。それに、我々の関心は、1日中スマートフォンに向けられているではないか。だったら、紙媒体事業の価値って何なのだろう?」(“Five years, 10 years, I don’t know. If you simply look at younger generations, it’s completely irrelevant — our heads are in [our smartphones] all day. So what’s the value of a print vehicle?”)

かくして、メディアの2つの部門が「紙媒体の終わり」(“end of print”)と考えるようになったのである。もう1つについては、驚きはしないだろう。そう、雑誌である。

コンデ・ナストとハースト・マガジンでは、自社が発行する雑誌の少なくともいくつかについては紙媒体で出し続けてはいる。だが、ハーストは、新しい役員の下で雑誌の販売事業を再編しながら、デジタル路線を強烈に進めている。ケイト・ルイス(Kate Lewis)チーフ・コンテンツ・オフィサーは、自社の雑誌を今後20年間は存続させる計画であると発言している。購読収入が、今なお「強い」(“strong.”)からだとしている。

「雑誌というのは、自分自身へのご褒美という役割を果たしている」(“Magazines can fill that [role] of a gift that you’re giving yourself,”)と、ルイスは言う。「道楽と有益を兼ねている場合もある…これらが合体しているのが雑誌であり、だからこそ今なお喜ばれるのだと、私は考えている。また、そうしていく」(“In some cases, they’re both an indulgence and a utility…it’s a combination of those things and I think there’s an appetite still. I really do.”)

数ヶ月前までコンデのCEOだったロジャー・リンチ(Roger Lynch)は、今なお紙媒体には未来があると考えている。だが、今よりか規模が小さくなっての未来だろうという。

リコード(訳注:アメリカの新興ニュースメディア)が毎年秋に開催するメディア会議の席上で、リンチはコンデが今なお発行している10の雑誌が「ある時点でデジタル・オンリーに移行するかもしれない」(“may make that transition [to digital-only] at some point.”)事を認めていた。同社が出し続けてきたセルフという雑誌が、創刊40年を経た2017年に紙媒体を休刊し、デジタルに移行して軌道に乗っている事を、この方面での成功例として強調していた。一方、2018年に紙媒体を休刊したグラムールについては、そうしなかった。

リンチが、紙媒体でなくなる事を「想像出来ない」(“can’t imagine”)コンデの中核雑誌として引き合いに出したのは、ヴォーグやバニティ・フェア、ニューヨーカー・ワイアード、GQ、アーキテクチュアル・ダイジェストなどだった。

紙媒体で手堅く儲けを出せなくなった雑誌は少数に留まっているものの、21世紀に於ける今からの10年は、紙媒体の雑誌や新聞が確固たる存在だったというのが昔話となりそうである。

(文中敬称略)
拙訳終わり。グーグルに移籍した既存メディア界のベテランの発言が明け透けですね。日本だと電車の中でお馴染みの光景ですけど、アメリカでも、そうなんだ。

そして、既存メディア側も、少なくとも新聞系の中に公言する人が出始めている。トンプソンCEOの発言は存じておりましたが、ワシントン・ポストも同調しだしたかと言う思いです。

これら2紙は、血みどろになりながらリストラと模索を重ね、成功した新聞でもある。目処や自信があるから、こういう発言になっているのでしょうね。

翻って、日本の同業者はどうでしょう?

未だにモバイルアプリ出してない社はどうでしょう?

HP対応しかしていない社はどうでしょう?

NPS、カスタマー・ジャーニーという単語をググらずにパッと答えられる新聞社の役員、何人いるのでしょう?

Slackを知っていて使いこなしている新聞社の役員、何人いるのでしょう?

てな事を思う、10年目でございまする。友人や、業界脱北者からは「そんだけ研究して来たんやし、他に応用したらどうやの?」と良く言われます。

それに関しては、こう答えたい。

「経済紙の日経はともかく、一般紙や地方紙が存続出来る可能性は無いに等しいので、廃刊後どうやって日本のジャーナリズム、特に地域でのジャーナリズムが存続出来るか、そのビジネスモデルについて考えたいのです」、と。

なお、11年目を迎える今年、会社を立ち上げます。宜しくお願いします。