英国の広告業協会のIPAのレポート(The commercial media landscape’)によりますと、デジタル商業メディアの使用時間が50%にまで増えているのですって。牽引しているのは若年層なんだとか。
whatsnewinpublishing.comが報じています(2020年2月6日付け)。

過去5年で、成人年齢に達している人達のデジタル商業メディアの使用時間は19%増えていました。ちなみに、2015年は42%、2019年が50%だったのですって。

牽引しているのが、16歳から34歳までの年齢層でして、過去5年で24%増えています。2015年には1日の時間をデジタルに費やしている割合は59%だったと答えているのですが、これが2019年には73%だと答えています。

サイトよりチャートを引用させて頂きます。

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世代間のギャップが、ここ5年で大きく開きつつある事も判明しています。広告業者にしたら、クライアントのキャンペーンで実績を上げる為には異なるメディアでの展開を計画する必要があると、サイトでは指摘しています。

さて、今回の報告によると、16歳から34歳までの年齢層と、55歳以上の年齢層とのメディアの使用時間に関する相関関係は、2015年には58%あったのが、2019年には25%にまで減っています。一方、複数のチャンネルに於ける訴求性の相関関係を見ると、2015年には44%だったのが、2019年には35%になっています。つまり、こうした年齢層の集団の間で、メディアの使用に差が生まれつつある事が分かるとしています。

また、今回の報告では、こうした変化の原動力となっているのはスマートフォンの急速な伸びであるとしながらも、商業メディアの世界に於ける課金ベースのサービスがもたらしている影響全般については懐疑的だとの見解を示しています。

なお、この報告はフェースブックとの提携によって刊行されました。広告主や広告代理店が商業メディアの状況を正しく理解してもらうために作成したそうです。コミュニケーション・エージェンシーのadam&eveDDB社で広告効果を見定める専門家として知られているレス・ビネット(Les Binet)氏が、タッチポインツのデータを活用しながら、現代の商業メディアの全般的な状況や、消費者がどのようにしてメディアを使っているのか、或いはメディアの行動が異なる世代の集団で多様化しているのかなどの問題を分析したそうです。

そうした分析から、以下のような事が分かったそうです。
  • 全ての世代層に於いて、商業テレビと屋外広告が、最も高い訴求力を示していた他、利用時間として最も長い事が分かった。その次がインターネットで、更にソーシャル・メディアという順番だった。
  • 16歳から34歳までの年齢層にとって、屋外広告とソーシャル・メディアが最も影響力のあるチャンネルだった。また、両者には位置情報という特性に基づくというのが共通点だとしています。後者は「?」ですけど、ソーシャル・メディアはモバイル機器から見られているからだとしています。
  • 全ての成人層のデジタル・メディアの利用時間総計は、過去5年で19%増えていました。2015年は42%だったのが、2019年には50%となっていました。これを支えているのが16歳から34歳までの年齢層で、デジタル・チャンネルの利用時間は、2015年は59%だったのが、2019年には73%になっていました。この5年で24%の伸びとなっています。
  • 全ての成人層でネットフリックスが急激に伸びが見られていました。週単位での訴求力が37%にまでなっていたそうです。ただし、商業ならびに非商業キュレーション・メディアのシェアの差は、2015年から1%ポイントしか変わっていないそうです。また、全てのキュレーション・メディアの1日当たりの平均利用時間には全く変化が無く、8時間27分だったとの事です。
こうした傾向について、ビネット氏は「異なる世代層集団では、今や異なるメディアの利用をするようになっている。これは、今後とも続きそうだ。実際、凄まじいデジタル・トランスフォーメーションは、インターネットが出現する前の世代層が世を去るまで終わらないだろうと考えられるからだ。そうなると、マーケッターには事が複雑化してしまうが、面白くもある。コミュニケーション業界としては、幅広い範囲のチャンネルに対応する必要が今求められている。広い範囲で効果を喚起させる事だって出来るのだから」(“Different age groups now have very different patterns of media consumption, and this is likely to persist. Indeed, the great Digital Transformation probably won’t be complete until the pre-internet generation is dead and buried. This makes life more complex for marketers, but it also makes it more interesting. We need to master a wider range of channels now, but we can use them to evoke a wider range of effects.”)と解説しています。

一方、IPAのシニア・リサーチ・マーケティング・マネジャーのサイモン・フレイザー(Simon Frazier)氏は、「今回の報告から明らかになったのは『それ1つで全てに適用』というメディアのアプローチが、これまで以上に効果が薄れつつあるという事だろう。収益を上げるブランドの成長にとって、広範囲な訴求というのは今も重要だが、広告主にしたら広範囲な訴求とは、様々な年齢層の集団で更なる多様性が求められる事となっているのだ」(“It is clear from the results of this report that a ‘one size fits all’ media approach is likely to be less effective than it was previously. Whilst broad reach is still essential for profitable brand growth, how advertisers achieve that broad reach is becoming more varied across age groups.”)と総括しています。

提携したフェースブックの北欧コネクション・プランナーのピート・バックレー(Pete Buckley)氏は、「デジタルのチャンネルで商業メディアの使用時間が初めて50%となった。16歳から34歳の年齢層では、今や73%だ。こういう変化は、つまるところ、ブランドとして見逃していたかもしれない短期間の反応という要因が、我々の世代にとって最大の機会であり、そうしたチャンネルに力を注ぐ中、デジタル・ブランドの構築が業界には重要ななのだ」(“The report shows that for the first time 50% of commercial media time is now spent with digital channels*, whilst for 16-34s, digital now commands 73% of time. These shifts mean it’s becoming increasingly important for the industry to grow its digital brand-building muscle, since focusing on these channels as short-term response drivers alone may result in brands missing out on the biggest opportunity of our generation.”)としています。



デジタル利用がもたらす結果としては、予測の範囲内ですね。広告主や広告業界にしたら、より細かい戦略の策定が求められるとなりましょうか。それって手間がかかるんだろうな。