ニューヨーク・タイムズが、広告収入は落ちたものの、有料購読者数は500万人を突破したそうです。

The New York Times Tops 5 Million Subscriptions as Ads Decline(ニューヨーク・タイムズ、広告収入が落ちた中、有料購読者が500万人突破)

The company hit a milestone in the fourth quarter, passing $800 million in annual digital revenue, an amount that came more from readers than advertisers.(第4四半期でデジタル収入の売上が8億ドル突破。広告収入より購読収入が上回る)

Feb. 6, 2020

2019年10月〜12月のニューヨーク・タイムズ・カンパニー(訳注:同紙の親会社)は、1つの大きな事業目標を達成した一方、別の目標の半分も達成した。いずれも、消費者からコンピュータやタブレットや携帯電話などで、クロスワードやレシピのチェックアウトを金を直接払って貰うという事業に関係している。

先月にニューヨーク・タイムズ・カンパニーが開示したように、2019年の年間デジタル収入が初めて8億ドルを上回った。2020年末までに達成するとしていた目標だった。8億80万ドルの大半(4億2000万ドル超)は、新聞の売り上げから成る。

6日に行われた第4四半期の業績発表で、社は購読者数が合計で500万人を超した事を明らかにした。2025年までに1000万人を超えるとの目標も宣言した。

正確な数字は525万1000である。これは宅配の紙媒体が込みの数字である。デジタル・オンリーの利用者は350万人近くにまで増えた。ニュース・プロダクトの中核となっていると、社は話している。目下進行中の大統領弾劾手続きや2020年のアメリカ大統領選が、この四半期中のホットな話題となっていたが、それらによってデジタル・オンリーのニュース購読者は2019年の同期比で30%増えた。一方、料理やクロスワードアプリの有料会員数は100万人近くになっている。

また、社として2019年にデジタル購読者を新たに100万人以上増やした。年間の新規購読者数としては、過去最高だ。

社の株価(訳注:アメリカでは多くのメディア企業がグループ化して、上場しています。ニューヨーク・タイムズや系列の新聞社を束ねるニューヨーク・タイムズ・カンパニーも、その1つです)は、取引時間中に13%値上がりし、38ドル55セントとなっていた。

発表の席上で、社の会長兼執行役員を務めるマーク・トンプソンは、2019年を振り返って「ニューヨーク・タイムズのデジタル講読事業にとって新記録の1年となった。約9年前にデジタル講読制度を始めて、最高の記録となった」(“a record-setting year for The New York Times’s digital subscription business, the best since the company launched digital subscriptions almost nine years ago.”)と語っていた。

一方、広告収入は弱点となっていた。紙媒体とデジタルの両方の広告収入は、前年同期比で10%を少し超す落ち込みとなっていた。2018年までのデジタル広告収入が良すぎたと、社では総括している。

社では、かつては新聞事業に直結していた広告収入よりも購読収入が今後とも上回り続けるだろうと予測している。

なお、講読価格の値上げも関係している。今週からデジタル・オンリー会員の価格が、月額15ドルから17ドルに値上がりする事を明らかにしている。2011年にオンライン・コンテンツの課金を始めて以来、デジタル価格の値上げは初めてである。

トンプソン氏は、「我等がニューヨーク・タイムズを贔屓として下さっている有料会員は、質の高い、深く掘り下げた報道を維持していく為には、金銭的な貢献が一番の役割を果たす事をお分かりだと、我々は考えている」(“We believe that our loyal subscribers know that their financial contribution plays an essential role in maintaining the quality, breadth and depth of the report they value so much,”)と語った。

2020年の第1四半期予測について、社としては最近の傾向が続くだろうと予測している、つまり、デジタル・オンリーの購読者数が堅調に伸びる一方で、広告収入は10%落ちるだろうと考えている。

また、経営コストが上がるだろうと予測している。これは「デジタル講読の増加を牽引する分野に投資を続けている」(“continued investment in the drivers of digital subscription growth.”)からだとしている。第4四半期のコストは、「編集局員の数を増やした事」(“growth in the number of newsroom employees”)や、「デジタル製品開発担当の従業員」(“digital product development employees,”)を増やした結果だと、社では説明している。

ただし、第4四半期の営業利益は、前年比で4.4%増加し、7800万ドルとなっていた。売上は1.1増の5億840万ドルとなっていた。

この他、社では6日になって、1株当たりの配当を増やす投票を役員会で行った事を明らかにした。その結果、四半期の配当は6セント増えた。

現在の1株当たりの配当は、社として年間3億3000万ドルのコストとなっている。

クロスワードと料理のアプリは、報道のために何か貢献したいと考えている読者による貢献となり続けている。料理のアプリは、2019年の第4四半期に6万8000もの新規会員を獲得した。

先月、この2つのアプリとNYTペアレンティング・サイトは、ワイアーカッターとグループ化する事を明らかにした。ワイアーカッターは、ニューヨーク・タイムズ・カンパニーが2016年に買収した製品推奨サイトで、現在のトップはデビッド・パーピッチ氏である。

拙訳終わり。日本の新聞業界外の人は、「何でこれが真似出来ないのだろう?」とお考えでしょう。それに対するワタクシメの答えは1つ。「自分以外の業種には無限の経営努力を要求するのが日本の新聞業界だからです」となります。お後が宜しいようで。