新型ウィルスの大流行によって、中国人観光客が激減するのではないかとの観測が関係者の間などで生まれていますが、海外では一歩先を行く展開となっています。

アメリカのラスベガスや中国のマカオなどでカジノや豪華ホテルを経営しているMGMリゾーツの会長が、一連の流行による経営不振を受けて退任する事となったのです。
cnbc.comが報じています(2020年2月12日午後4時25分投稿)。

退任したのは、MGMリゾーツのジム・ミューレン(Jim Murren)CEO兼会長。11日、役員陣に対して、任期の終了前に退任したいとの意向を示していました。

後任が決まり次第、役職を降りるのだそうです。CEO職は2008年から、また、カジノの運営の最高責任職は1998年から務めていたそうです。

退任報道を受け、MGMの株価は一時7%上昇。その後、引け値では4%と、やや下がる展開でした。ちなみに、MGMの時価総額は約173億ドルで、この1年間で株価は約17%上がっていました。

社としては慰留せず、役員会が独立ディレクターによる特別な委員会を作り、後任を探すそうです。

今回の退任とは別に、社では2020年の業績予測を撤回しています。新型ウィルスの流行を受け、経営への影響を再検討する事になったからです。

MGMリゾーツでは、マカオとラスベガスで運営している為、今回の流行が旅行事業に影響を与え、中国全土での業務を停止しています。

実際、流行を防ぐ為とする中国政府の命令により、2月5日からマカオでの2つの事業を停止しているほどです。

このような事業停止が今後増えるかについてや、更に利用者の減少が起きるのかなどの可能性が取り沙汰される中、MGMでは新型ウィルスの流行が何時終息するかを見定めるのは困難だと語っています。

「流行は中国に集中しているものの、アメリカにお越しになりたいお客様のお気持ちにウィルスが影響を与えており、それがアメリカでの業績にネガティブなインパクトを与えるだろう」(“Although the outbreak has been largely concentrated in China, to the extent that the virus impacts the willingness or ability of customers to travel to the company’s properties in the U.S., the company’s domestic results of operations could also be negatively impacted,”)と、会社側では考えているそうです。

なお、マカオでの2つの事業所に於ける毎日の経営費用は約150万ドル。ホテルの宿泊客をサポートし続けるという非ゲーム経営費が、それだけかかるからだとしています。

今回の流行により、中国本土では1100人以上が死亡していますが、カジノ経営者にも打撃を与えています。旅行が制限されていますし、アジア地域への旅行を止める動きにも繋がっているからです。

「新型ウィルスは、MGM中国に短期的な影響を与えるのは間違い無いが、長期的な我々の事業に影響は無いとの自信がある」(“While the coronavirus will clearly have a near-term impact to MGM China, we remain confident that it will not have a long-term impact on our business,”)。そうミューレン氏は、業績発表の席上で語っていたそうです。

なお、プレス・レリースは、こちらから読めます。

急遽、分析をし直し、結果として退任に繋がったとなりましょうか。これってインバウンド事業だけでなく、日本政府が進めようとしているカジノ事業に於けるリスクでもありますね。ともあれ、長年のお勤めご苦労様でした。