リサイクルしたら返って膨大な量のマイクロプラスチックが出てしまうとの研究が英国で #環境汚染

The Guardian@guardian

Recycling can release huge quantities of microplastics, study finds https://t.co/vtZHqT5Zw4

2023/05/24 05:59:33

英国のガーディアンの報道によりますと、ある研究により、リサイクルそのものが大量のマイクロプラスチックを放出している可能性がある事が判明したそうです。科学者たちは、英国の無名工場の廃水から、高レベルのマイクロプラスチックを発見したからです（2023年5月23日午後6時25分投稿）。

国際的な科学者チームが、英国の非公開の場所にある最新鋭のリサイクル工場から排水をサンプリングした結果だそうです。その結果、水中に放出されたマイクロプラスチックの量は、処理されたプラスチックの13%に相当する事が判明しました。

この施設では、廃水1立方メートルあたり最大750億個のプラスチック粒子が放出されている可能性があると、科学者チームは推定しました。

グラスゴーにあるストラスクライド大学で行われたこの研究の主席研究員であるエリナ・ブラウン氏は、「信じられないほどショックを受けた」と述べています。「リサイクルは、問題を減らし、環境を保護するために設計されたものを考えると、恐ろしい事だ。これは、我々が作り出している大きな問題なのだ」

研究者たちは、工場が水濾過システムを設置する前と後の水をテストし、フィルターによってマイクロプラスチックの量が、処理されたプラスチックの13％から6％に減少した事を発見しました。

1立方メートルあたり75bnの粒子という試算は、フィルターを設置した工場での話です。粒子の大半は人間の赤血球の直径程度の10ミクロン以下であり、80％以上は5ミクロン以下であったとブラウン氏は述べています。

マイクロプラスチックは通常、5mm以下のプラスチックの粒子とみなされ、南極の降ったばかりの雪から深海まであらゆる場所で発見されており、動物や植物にとって有毒な場合があります。

また、リサイクル施設周辺の大気中には、10ミクロン以下の微粒子が61％と、高レベルのマイクロプラスチックが含まれている事が判明しました。10ミクロン未満の粒子状物質は、人間の病気と関係があるとされています。

ブラウン氏は、他の多くのリサイクル工場がそうでない可能性がある一方で、この施設は水の濾過装置を設置する努力をした事は「最良の対応シナリオ」であると評価はしています。

一方で「重要なのは、世界の他の工場がどのような排出をしているかという事だ」とブラウン氏は言います。「これは、私たちが本当に調べなければならない事なのだ」

なお、論文は「危険物進歩ジャーナル」（Journal of Hazardous Material Advances）に掲載されました。研究は、このリサイクル工場が、濾過システムを導入する前は、年間最大2933トンのマイクロプラスチックを排出していたのが、導入後は最大排出漁が1366トンまで減りました。

「見つかった粒子の90％以上は10ミクロン以下、80％は5ミクロン以下だった」とブラウン氏は述べています。「これらは、非常に多くの異なる生物によって消化可能だ。また、人間が摂取する事が判明している」

「私にとっては、プラスチックの消費と生産をいかに劇的に減らす必要があるかが浮き彫りになった」

なお、世界的に見ると、生産された3億7000万トンのプラスチックのうち、リサイクルされるのはわずか9％程度だそうです。

また、アメリカ環境保護庁の元高官で、現在はロビー団体「ビヨンド・プラスティックス」を率いるジュディス・エンク氏は 「この調査結果は不穏なものではあるが、驚くべきものでは無い。最新鋭の施設であるこの1つのリサイクル施設は、プラスチックを使用する事の深刻な問題を実証している。プラスチックをリサイクルするためのインフラという点でも、深刻な問題を引き起こしているのだ。より少ない使用量にするための警鐘である」と述べています。

結局、プラスチックそのものを減らさないと駄目なのか。