ガーディアンの記事を拙訳していきます(2024年7月1日午前11時10分投稿)。

Jimmy Lai: son of detained media tycoon urges Hong Kong’s foreign judges to reconsider staying(ジ三―・ライ氏の息子、香港の外国人裁判官に職に留まる事の見直しを求める)

Sebastien Lai tells Australian audience the idea that rule of law remains in Hong Kong amid imprisonment of pro-democracy protesters ‘is not true at all’(セバスチャン・ライ、オーストラリアの聴衆に民主化デモ参加者が投獄されている中、香港に法の支配が残っているという考えは「全く事実に反する」と語る)

Daniel Hurst in Canberra
Mon 1 Jul 2024 11.10 BST

拘束された香港メディア界の大物、ジミー・ライ氏の息子が、外国人の裁判官に対し、「民主化を求める抗議者たちを投獄しているこの場所で」裁判官としての職務を続けるべきかどうか、慎重に検討するよう求めた。

オーストラリアを訪問中のセバスチャン・ライ氏は、香港には「1800人以上の政治犯がおり、民主化を求める抗議活動を行っている」と述べた。

そのような現状について外国の裁判官を直接非難しなかったものの、英国の裁判官2人とカナダの裁判官1人が最近、香港での職務を停止する事を決めていると指摘した。

4人のオーストラリア人判事は、香港で引き続き司法の職務に就いている。その一人であるパトリック・キーン氏は昨年、上告裁判所には法の支配を守る事に成功した実績があり、「立ち退く」よりも役割を果たす方が良いと考えていると述べた。

セバスチャン・ライ氏は、香港を離れることを選んだ裁判官は「自分の足で投票した」と述べた。

「留まるということは、本質的には、民主化を求める抗議者を投獄しているこの場所には、まだ法の支配のようなものがある事を意味する」と同氏はキャンベラのナショナル・プレス・クラブで1日に語った。

「だが、それは真実ではない。現実に反するのだ」。

人権派弁護士のカイルフィオン・ギャラガー氏は同じパネルで、多くの外国人裁判官が「過去数年間、良心の呵責に苦しんできた」と述べた。

「彼らの多くが、そこにいる事で物事を改善できると考えていると私は完全に理解している」とギャラガー氏は言った。

「私はもう一つの見方も意識している。それは、出席することによって、非常に不公平になってしまったシステムに正当な手続きのイチジクの葉を与えるというものだ」

「私は、たとえそれが見当違いの理由であると私が考えるとしても、残っている [裁判官] が正当な理由で残っているかもしれない事を完全に尊重し、理解している」と同氏は述べた。

1日は、香港の返還27周年だ。

セバスチャン・ライ氏は、外国勢力との共謀と扇動的内容の出版の共謀の罪で無罪を主張している父親のジミー・ライ氏(76) の弁護のためオーストラリアにいる。

ジミー・ライ氏の国際弁護団を率いるギャラガー氏は、オーストラリア政府に対し、米国や英国とともに、この民主化運動家の即時無条件釈放を明確に要求するよう求めた。

先週、ウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏の釈放に尽力したオーストラリアの弁護士ジェニファー・ロビンソン氏は、オーストラリアはこの地域で重要な発言権を持っており、この問題について声を上げることで「大きな変化」をもたらすことができると述べた。

ロビンソン氏は、オーストラリアと中国政府の関係は「大幅に改善」され、昨年、ジャーナリストのチェン・レイ氏の釈放交渉に成功したと述べた。

ガーディアン紙とのインタビューで、セバスチャン・ライ氏は「人生では何のために生き、何のために戦うかを選ぶ」ので、父親の自由のためのキャンペーンを続けると誓った。

父親の例から力を得たかと尋ねられると、セバスチャン氏は「父と香港の人々を解放することが正しいことだと知っている。そして、私は途方もない強さと途方もない希望を引き寄せる」と述べた。

最近可決された国家安全保障法第23条を「人々を取り締まるために使うことができる別の武器にすぎない」と表現した。

セバスチャン・ライ氏と彼の弁護士は、1日遅くキャンベラでオーストラリアのペニー・ウォン外務大臣と面会した。

「オーストラリアは、香港が国家安全法を広く適用して市民社会を抑圧し、ジミー・ライ氏のようなジャーナリストを起訴していることを深く懸念している」とウォン氏はXへの投稿で述べた。

「今日、私はライ氏の家族と弁護士に会い、香港の民主化支持者に対するオーストラリアのアドボカシーについて話し合った」。

12月、オーストラリアは他の23カ国とともに、「香港における報道の自由への継続的な攻撃と独立した地元メディアの抑圧」を非難する声明を発表した。

ガーディアンではキャンベラの中国大使館にコメントを求めている。中国当局はこれまで、香港での取り締まりによって「秩序が回復した」と述べていた。