ガーディアンの記事を拙訳していきます(2024年10月28日午前5時投稿)

Keir Starmer says media firms should have control of output used in AI(キーア・スターマー首相、メディア企業はAIで使用結果を管理すべきと発言)

PM says content creators must be paid and vows to ensure technology ‘does not begin to chip away’ at press freedoms(首相、コンテンツ制作者に報酬を支払うべきと述べ、テクノロジーが報道の自由を「スクレイピングが無い」よう保証すると誓う)

Alexandra Topping
Mon 28 Oct 2024 05.00 GMT


キア・スターマー首相は、人工知能技術が経済と英国を変革する中で、メディアは自分たちのコンテンツを管理し、その報酬を受け取るべきであると述べた。

ジャーナリズムを「民主主義の生命線」と称する首相は「報道の自由を擁護」しながら、デジタル技術の成長する力がジャーナリストやパブリッシャーが民主的な価値を守る能力を蝕まないようにすると誓った。

ニュースメディア協会のジャーナリズム・マターズキャンペーンを開始する記事の中で、スターマー首相はAI、クリエイティブ産業、メディアが政府の経済成長の使命の中心であり、産業政策の「バランスをとる」ために両方のセクターと協力していると述べた。

「我々は、出版者が自分たちの作品を管理し、報酬を求めるべき基本原則を認識しており、AIの役割を考えるときにもそれは同様である」とスターマー首相は述べた。信頼出来る情報の提供がかつてないほど重要なメディア環境に不可欠だからだという。

メディアが、パブリッシャーやアーティストのコンテンツをスクレイピングするAI企業を許可する計画に対して反発があると首相が明らかにした事で表向き安堵の念が広がっている。オンラインコンテンツをデフォルトで使用してAIモデルを訓練するのをテクノロジー企業に許可する計画に反対する組織にはBBCが含まれており、パブリッシャーや他のコンテンツクリエイターが選択肢を持たない限りそうなる。

政府はテクノロジー企業からの投資を誘致したいと考え、英国のデータセンターへの250億ポンド以上の投資を発表した。一方グーグルは、英国がデータセンターをもっと建設し、テクノロジー企業がAIモデルに著作権で保護された作品を使用出来るようにしないと置き去りにされる危険があると先月になって警告した。パブリッシャーはこれを「空き巣が入らないように家の外に掲示をしろと言っているようなものだ」と述べている。

スターマー首相は、デジタル市場、競争、消費者法が、消費者と事業者に対する少数のテクノロジー企業の「過度の支配力」に取り組む為に英国の競争監視機関を強化すれば「関係のバランスを再調整」するのに役立つと主張した。

6月にジャーナリズム研究のロイター研究所からの報告書は、ニュースを選択的に避ける人の割合が7年前より10パーセントポイント増加し、20の主要市場で39%の過去最高に達した事が分かった。これは2012年にデジタルニュース報告が始まって以来、記録されたニュース回避の最高レベルであった。

スターマー首相は、英国には900以上の地方および国内の新聞があり、英国のニュース産業は依然として80%以上の人口に届いていると書いた。「ニュースの未来についての悲観的な予言にもかかわらず、それは驚くべき強さを示している」と述べた。

「選挙キャンペーン中に私や前首相のリシ・スナック氏をしっかりと責任を負わせた決心強く、鋭い第4の権力のメンバー」を称賛した。「私も現在の野党指導者もこれに不満は言わなかった。我々の偏った支持者をメディアに向ける事もなかった。我々はこれが民主主義の行動である事を受け入れ、我々の仕事を他の前例に沿って行った」とも述べた。

「だが、それは当たり前の話ではない。世界中でジャーナリストがこれらの価値を守るリスクを冒している」と付け加え、ロシア占領下の東ウクライナで報道中に捕えられた後、ロシアの拘束で命を落としたウクライナのビクトリア・ロシュチナ氏や「ガザでの言葉にならない苦難を報じて亡くなった何百ものジャーナリスト」に哀悼の意を表した。

夏には、労働党がスラップス(ジャーナリスト、学者、運動家を威嚇する目的でオリガルヒなどが起こす偽りの訴訟)に取り組む提案を遅らせたことに懸念があった。上院のフレデリック・ポンソンビー労働党法務大臣は、政府が見直しを行うと約束したものの、市民参加に対する戦略的訴訟に関する単独法案の提出や、この問題への取り組みのタイムテーブルを示すことはできないと述べた。

一方、スターマー氏は報道の自由を守るために、政府は「司法へのアクセスと並んで、調査報道を保護するためにスラップスの使用に対策を講ずる」と述べた。

※興味深そうな記事を拙訳しておりますので、よろしければ読者登録お願いします。後、拡散も出来れば。