ザ・カンバーセーションの記事を拙訳していきます(2025年2月16日午後11時55分投稿)。グラフなどっはサイトから胃の引用です。

Generative AI is already being used in journalism – here’s how people feel about it(生成AIはすでにジャーナリズムに活用されている - 現場の感想はこうだ)

Indonesia’s TVOne launched an AI news presenter in 2023. T.J. Thomson(インドネシアのTVOneが2023年にAIニュースプレゼンターを起用。T.J. トムソン)

Published: February 16, 2025 11.55pm GMT

生成的人工知能(AI)は、過去数年で急速に普及し、多くの業界において混乱を引き起こしているが、報道の現場も例外ではない。本日発表された新しい報告によれば、ニュースオーディエンスとジャーナリストの両方が、ニュース組織が生成的AI(チャットボット、画像、音声、動画生成ツールなど)をどのように利用しているのか、または今後どのように利用する可能性があるのかについて懸念を抱いている。
報告書は、オーストラリアとアメリカ、英国、ノルウェー、スイス、ドイツ、フランスの6か国に於ける生成的AIとジャーナリズムに関する3年間のインタビューとフォーカスグループ研究を基にしている。ニュースオーディエンスの参加者のうち、ジャーナリズムにおいて生成的AIに出会ったと自信を持っている人は僅か25%で、約50%は不確かまたは出会った可能性があると考えている。
ニュース組織が生成的AIを使用する際に透明性が欠けている可能性を示唆しており、ニュース媒体とオーディエンス間の信頼の欠如を反映しているかもしれない。ニュースを誰が、どのように作るのかという事は、さまざまな理由で重要である。たとえば、一部のメディアは、情報源の数が多かったり少なかったりし、また特定の種類の情報源—例えば政治家や専門家—を他の情報源よりも多く利用する傾向がある。
一部のメディアは、コミュニティの一部を過小評価したり誤って表現したりしている。これは、ニュース媒体のスタッフ自身がオーディエンスを代表していない事が原因である事もある。ジャーナリズムを生産または編集する際にAIを無造作に使用する事は、これらの不平等を再生産する可能性がある。
我々の報告書は、ジャーナリストやニュース組織が生成的AIを利用出来る方法を数十挙げている。また、各々の利用方法に対するニュースオーディエンスの快適さについてもまとめている。全体として、もっと我々が話をしたニュースオーディエンスは、ジャーナリストが編集や作成の為ではなく、裏方の作業にAIを使用する事に最も快適さを感じていたと答えた。そこには、インタビューを文字起こしする為のAIの使用や、トピックをカバーする方法に関するアイデアを提供する為のAIの使用が含まれる。
しかし、快適さは文脈に大きく依存する。オーディエンスは、リスクが低いと認識される場合には、幾つかの編集や作成のタスクに対してかなり快適さを感じていた。
■課題 – そして機会
生成的AIは、ジャーナリズムのほぼ全ての部分で利用する事が出来る。
例えば、写真家がイベントを取材したとする。その後、生成的AIツールが「最も優れた画像」と思われるものを選択し、画像を最適化する為に編集し、各画像にキーワードを追加する事が出来る。
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こうした利用法は、一見無害に思えるかもしれない。だが、仮にAIが何かや誰かを誤って特定し、そのキーワードが写真のキャプションにおいて誤認識に繋がるとしたらどうなるだろうか。また、人間が「良い」画像を決定する基準がコンピュータが考える基準と異なっている場合はどうなるのか。これらの基準は、時間の経過や異なる文脈によっても変わる可能性がある。
また、画像の明るさを調整するだけでも、政治が絡むと大きな騒動を引き起こす事がある。AIは、全くの架空の事象を生成する事も出来る。画像はリアルに見えるが、実際には起こっていない事を示している場合がある。動画も、AIによって完全に生成されたり、文脈を変更する為にAIで編集されたりする事がある。
生成的AIは、見出しを書く事や記事を要約する為にも頻繁に使用されている。これらは、忙しい人々にとって役立つアプリケーションのように思えるが、一部のニュース媒体はAIを使用して他者のコンテンツを盗用している。AI生成のニュース速報も事実を誤る事がある。例えば、アップルは最近、自動生成されたニュース通知機能を停止した。この機能は、アメリカの殺人容疑者ルイジ・マンジョーネが自殺したと誤って主張し、その情報源をBBCとされていた為である。
■人々はジャーナリストがAIを使用する事についてどう考えているのか?
我々の研究では、ニュースオーディエンスは、彼ら自身が同様の目的でAIを使用している場合、ジャーナリストが特定のタスクにAIを使用する事に対してより快適さを感じる事が分かった。
例えば、インタビューを受けた人々は、ジャーナリストが画像の一部をぼかす為にAIを使用する事に対して概ね快適さを感じていた。参加者は、ビデオ会議アプリやスマートフォンの「ポートレート」モードで似たようなツールを使用していると述べた。
同様に、人気のあるワープロソフトやプレゼンソフトに画像を挿入すると、視覚障害者の為に自動的に画像の説明文を生成する事がある。このようなAIによる画像の説明に以前に遭遇した事がある人々は、ジャーナリストがメディアにキーワードを追加する為にAIを使用する事に対してより快適さを感じていた。
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参加者がジャーナリズムにおいて生成的AIに最も頻繁に遭遇したのは、ジャーナリストがバイラルになったAIコンテンツについて報道したときであった。例えば、AI生成の画像がウィリアム王子とハリー王子がチャールズ国王の戴冠式で抱き合っている様子を示しているとされているが、その偽の画像についてニュース媒体が報じた事があった。
また、ニュースオーディエンスの参加者は、AIがニュース記事の執筆、編集、翻訳に使用された旨の通知も見かけた。彼らは、これに付随するAI生成の画像も目にしていた。このアプローチは、デイリー・テレグラフにおいて人気があり、同媒体は多くの意見コラムをAI生成の画像で表現している。

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全体として、参加者はジャーナリストがアイデア出しや既に作成されたメディアを豊かにする為にAIを使用する事に最も快適さを感じていた。これに次いで、AIを編集や作成の為に使用する事が続いた。だが、快適さは特定の使用方法に大きく依存する。
参加者の大多数は、インフォグラフィック用のアイコンを作成する為にAIを利用する事には快適に感じていた。だが、AIアバターがニュースを報道するというアイデアにはかなり不快感を持っていた。
編集の面では、参加者の大多数は、歴史的な画像をアニメーション化する為にAIを使用する事に快適さを感じていた。AIは、静的な画像を「活気づける」為に使用され、視聴者の関心やエンゲージメントを引き付ける事が期待されている。

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■皆さんの役割としてのオーディエンスメンバー
ジャーナリストがAIを使用しているかどうか、またその方法について不明な場合は、ニュース媒体からのポリシーや説明文を探してみる事が重要である。それが見つからない場合は、その媒体に対してポリシーを策定し、公表するよう求める事を検討してみてほしい。
人間の労働を置き換えるのではなく、補完し支援する為にAIを使用している報道機関を支援する事も考慮してほしい。
意思決定を行う前に、対象となるジャーナリストや報道機関の過去の信頼性、そして証拠が何を示しているのかを考慮する事が大切である。

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