DON

これまで海外の新聞業界の動向などを紹介してきましたが、今後は海外のコンテンツ配信ビジネスや「ほぅ」と思わせる新規ビジネスについて紹介していきます。

Paper Cuts

アメリカ最高裁、グーグルやTwitter、フェースブックに通信品位法第230条を適用せず #裁判 #通信品位法第230条

 
アドウィークはんの「まとめ」を見ていきましょう(2023年5月19日午前8時投稿)。

※最高裁は18日、テロ犠牲者の遺族はグーグル、Twitter、フェースブックが彼らの愛する人への攻撃を助長したことを証明していないとの判決を下しました。ソーシャルメディア規制に関する議論の中心であるインターネット保護法への関与を拒否した格好で、テクノロジー業界にとって大きな勝利となりました(WaPo)。

※グーグルに関する訴訟で、裁判所は通信品位法230条の適用を制限しようとする動きをひとまず却下した形となります。これとは別に、Twitterを巡る裁判では、テロ支援訴訟を認める別の法律は、ソーシャルメディア企業の通常の活動には適用されないという判決が全会一致で下されていました(NYT)。

※1996年に制定された通信品位法第230条は、大半のサードパーティーのコンテンツを自社のウェブサイトに掲載したり、違反コンテンツの削除を決定した事などから、IT企業を広く保護している状況です(Politico)。

※この数カ月間、多くの法律専門家は、Twitterとグーグルに対する訴訟は、IT企業のコンテンツモデレーションに関する判断に関連して超党派の批判に直面している通信品位法230条の全面的な変更を裁判所が求める可能性を示すものと見ていました(CNN)。

※ただし、今回の判決はインターネットサービスの法的地位に関する最終決定ではない可能性が高いと見られています。裁判所は以前、テキサス州とフロリダ州でインターネットのモデレーションを禁止する2つの法律を対象とする訴訟に関心を示していたからです (The Verge)。

本日のPaperCuts(7月9日)

久しぶりに、PaperCutsを紹介してみるか。

1171人。

一頃に比べれば減ってますが、それでも1000人台なんですね。続きを読む

復活のPaper Cuts、6月のリストラ分 #papercuts #新聞 #リストラ

さて、溜まっていたPaperCutsの残りを紹介していきましょう。

まずは6月分。多いなぁ。全部で7pもあるわ。

続きを読む

復活のPaper Cuts、5月のリストラ分 #papercuts #新聞 #リストラ

そういや、最近またまたPaperCutsの更新がご無沙汰になっていますね。

という訳で、5月分から更新します。続きを読む

復活のPaper Cuts、4月のリストラ分 #papercuts

そういや、こちらの更新がご無沙汰でした。4月のアメリカの新聞のリストラ分を紹介します。PaperCuts情報です。続きを読む

復活のPaper Cuts、3月のリストラ分 #papercuts

3月のアメリカの新聞のリストラ分を紹介します。PaperCuts情報です。

続きを読む

復活のPaper Cuts、2月のリストラ分 #papercuts

前回に引き続き、PaperCutsの2月のリストラ分を紹介します。続きを読む

復活のPaper Cuts、1月のリストラ分 #papercuts

先だってお伝えしましたが、アメリカの新聞社のリストラ状況を伝えるPaper Cutsが、個別の社の解雇情報を復活させています。

今更ながらですが、1月分を紹介します。続きを読む

Paper Cutsがリストラ情報配信復活 #newspaper

アメリカの新聞業界のリストラ情報照会先として知られるPaper Cutsが、休止していた各社の情報を再配信するようになっていますね。

今年になってのリストラは1533人。またこちらでも紹介していきたく思います。



PaperCutsの運営人さんが2010年を回顧、そして中断宣言

UNAーDONの第1回連載で取り上げました、PaperCutsの管理人、エリカ・スミス氏が、昨年の新聞社のレイオフ状況を回顧・総括なさっています(2011年1月10日付け)。

そして、どうやら休止したいのだそうです。続きを読む

本日のPaperCuts(1月8日)

2828人。

正しくは、昨年の合計人数ですが…。暮れも押し詰まった頃に解雇した社が幾つかありました。

ガルベストン・カウンティ・デイリー・ニュース(テキサス)で12人。サザン・ニュースペーパーの傘下にあります。12月28日の発令。従業員向けの内部メモによると、「我々が決定した削減は12人になる」(“the cuts we have made involved about a dozen people.”)との事です。解雇対象者は運動部の編集担当1人と広告部員だそうです。

タイムズ・ユニオン紙(ニューヨーク州)で3人。ハーストの傘下にあります。12月30日付けの発令です。広告とマーケティング担当の3人が対象だそうです。早期退職者の対象を拡大したそうですが、誰も応じなかったからだとか。

ご愁傷様です。今年は解雇が1人でも少ないように祈ります。

 

本日のPaperCuts(11月24日)

2813人。

レッジャー(フロリダ)で28人。ニューヨーク・タイムズの傘下にあります。11月18日付けの発令。少なくとも8人の従業員が解雇されるそうです。2人が写真部員、1人がグラフィック・デザイナー、アーティスト(アートディレクション担当か)、編集者が3人、社説担当記者が1人だそうです。その後、追加情報があり、全部で28人が解雇対象(編集局員が10人)である事が分かったそうです。

ニュー・メキシコ・インディペンデント(ニュー・メキシコ)で4人。アメリカン・インディペンデント・ニュース・ネットワークの傘下にあります。11月17日付けの発令。創刊2年半で、廃刊となりました。編集長とサイトのフルタイムの従業員と2人のパートタイム従業員が解雇されます。「ニュー・メキシコ・インディペンデントは、ご承知の通り、本日廃刊となる」(“The New Mexico Independent as you know it is now closed,”)と編集長のグウィニス・ドーランド氏はTwitter上で呟きました。 「サイトはハーフタイムのブロガーと共に存続する可能性がある。深くお詫びしたい」(“The site will remain live possibly with a half-time blogger. Deepest apologies.”)。

そして、先日紹介したワシントン・インディペンデント(ワシントンD.C)。こちらも、アメリカン・インディペンデント・ニュース・ネットワークの傘下にあり、12月1日付けの発令。

気がつかなかったけど、同じ系列のオンラインオンリーサイトだったんですね。お気の毒です。

本日のPaperCuts(11月19日)

2809人。

ガネットの大虐殺、まだまだ続いてます。

スプリングフィールド・ニュース・リーダー(ミズーリ)で6人。11月15日付けの発令。詳細不明。

ニュース・プレス(フロリダ)で4人。11月11日付けの発令。詳細不明。

何だか、来月まで続きそうな予感が。酷い会社やでホンマ。


ミズーリの新聞も、日刊発行を止める

ミズーリのデイリー・リッチモンド紙が日刊発行だったのを、週2回発行に変えました。PaperCutsが報じています。10月18日付けだったそうです。恐らく、解雇も行っている模様です(人数は不明ですが)。

「我々はここ数年、こうした変化に抗ってきたが、小さな市場で新聞をほぼ毎日出している我々のような新聞社は、数年前のように日刊で出さなくするのを余儀なくされた」(“We have been resisting this change for years, although virtually every newspaper in smaller markets like ours made the jump to a less-than-daily print cycle years ago,”)と発行人のジョーレン・ブラック氏。ウェブサイトでは速報と運動記事、訃報は毎日オンラインで出し続けるそうです。

解雇人数やオーナーが誰だかについて、PaperCutsでは書いていません。珍しいですね。

本日のPaperCuts(11月14日)

2799人。

バーリングトン・フリー・プレス(バーモント)で7人。ガネットの傘下にあります。11月11日付けの発令。詳細は不明。

バタビア、ボリングブルック、ドーナーズ・グローブ、ジュネーブ、グレン・エリン、リズル、ホイートン、フォックス・バレー&リンカーン・ウェイ(イリノイ)で人数不明。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下の傘下にあります。12月31日付けの発令。全部無料の週刊紙でしたが、今年末に廃刊になるのだそうです。「こうした市場と、これらの新聞の利益性などを評価した結果だ」(“It’s the byproduct of our evaluating the market coverage,and the positioning and profitability of those products,”)と、サン・タイムズ・メディアのジェレミー・ハーブレイクCEOはシカゴ・トリビューン紙で表明しています。今回の廃刊で、どのぐらいの人数が解雇されるのか、またどのぐらいの人数が事前に解雇されたのかについては、公開を拒否しています。

本日のPaperCuts(11月12日)

2792人。

ガネットの大虐殺が続いてます。

ポスト・クレセント、グリーン・ベイ・プレス・ガゼット、オシュコーシュ・ノーズウェスタン、ヘラルド・タイムズ・レポーター、レポルテ(いずれもウィスコンシン)で21人。詳細は不明です。

フェースブックのアカウントの方で、「これらの新聞のグループ(ガネットを指す)とレイオフに嫌悪感。もし誰か詳細について教えてくれたら嬉しい」(I hate to group all of these papers and layoffs together. If anyone can help with details for each paper, I'd really appreciate it.=意訳)と、珍しく論評付きで怒ってます。

アズビューリー・パーク・プレス(ニュージャージー)で2人。11月5日付けの発令。詳細不明。

デス・モニス・レジスター(アイオワ)で4人。11月9日付けの発令。詳細不明。

プーキープジー・ジャーナル(ニューヨーク州)で3人。11月9日付けの発令。詳細不明。

パラディウム・アイテム(インディアナ)で2人。11月9日付けの発令。詳細不明。

ステーツマン・ジャーナル(オレゴン)で2人。11月9日付けの発令。詳細不明。

セント・クラウド・タイムズ(ミネソタ)で6人。11月9日付けの発令。詳細不明。

タラハシー・デモクラット(フロリダ)で2人。11月9日付けの発令。詳細不明。

デイリー・ジャーナル(ニュー・ジャージー)で7人。11月9日付けの発令。詳細不明。

ジャーナル・ニュース(ニューヨーク州)で30人。11月9日付けの発令。詳細不明。

デザート・サン(カリフォルニア)で1人。11月10日付けの発令。詳細不明。

しかし、酷いねぇ。

本日のPaperCuts(11月10日)

2710人。

クーリエ・ポスト(ニュージャージー)で12人。ガネットの傘下にあります。11月8日付けの発令。詳細は不明です。横の連絡がないらしく、ガネット・ブログでもまだ集計中のようです。

本日のPaperCuts(11月9日)

2698人。

日毎に増えていくのは、流石に怖い。

ニュース・ジャーナル(デラウェア)で1人。ガネットの傘下にあります。11月5日付けの発令。詳細は不明です。多分これ、余りに数が多かったんでPapercutsの側で見落としていたんでしょうね。

ヘイズ・デイリー・ニュース(カンザス)でも解雇がありましたが、人数や発令日は不明。ハリス・エンタープライゼズの傘下にあります。

ヘイズ・デイリー・ニュースの方は印刷を外部委託する事にしたそうで、それに伴う解雇と見られます。印刷工場は今年サリーナ・ジャーナルに買い取られました。

この分では、年内に3000人は行くかもしれないな。

本日のPaperCuts(11月8日)

2651人。

いきなり、100人規模で増えました。

ヘイワース、ファーマー・シティ、レロイ・ジャーナル(イリノイ)で4人。リー・エンタープライゼズの傘下にあります。2010年10月27日付け。

既報ですが、その後新たに判明した事をお知らせします。3紙とも週刊発行の新聞ですが、休刊となりました。最早利益を生み出さないというのが会社側の理由です。「発行する財務的な持続性が悪くなり、こうした3地域の我々の読者に、パンタグラフ紙でより効率的に奉仕出来るかもしれないと感じた」(“It came down to the financial sustainability of the products and we felt we could more effectively serve our readers in those three communities with The Pantagraph,”)とパンタグラフ紙の発行人のバリー・ウィンターランド氏。同紙もリーの傘下にあります。イリノイ州のブルーミントンという所で発行しています。今回の休刊で、何人が失職するかは不明でしたが、分かっている限りでは少なくとも4人。ヘイワース・スターとリロイ・ジャーナルの編集長とファーマー・シティ・ジャーナルの従業員2人だそうです。

レッジャー・インクワイアラー(ジョージア)で56人。マクラーチの傘下にあります。来年の1月24日付けの発令。アラバマ州のモントゴメリー・アドバタイザーに印刷を外部委託するに当たり、56人の制作部門の従業員が解雇される事になりました。「業務コストの節約を生み、更なる機動性を与えてくれた」(“It creates operating cost savings and it gives us more flexibility,”)と発行人のヴァルリ・ キャナブ氏はウェブサイト上で表明しています。電気料金節約のため、レッジャー・インクワイアラーの建物も閉鎖するのだそうです。

パイオニア・プレス(イリノイ)で5人。サン・タイムズ・メディアの傘下にあります。2010年11月5日付けの発令。いずれも運動部の記者だそうです。サン・タイムズ・メディア・グループの部門統合に伴う措置なのだとか。

シカゴ・サン・タイムズ(シカゴ)で55人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあります。11月5日付けの発令。販売局の50人の運転手と3人の地区マネージャーが解雇されました。これとは別に40人が異動しました。サン・タイムズでは10月18日からシカゴ・トリビューンに街頭ボックスへの配達などを外部委託しております。既にトリビューンは同紙の宅配も請け負っているそうです。これとは別に運動部員2人も解雇となりました。

ヘラルド・ニュース(イリノイ)で2人。ここもサン・タイムズ・メディア・グループの傘下の傘下にあります。11月5日付けの発令。ここも上記同様、運動部員が対象です。


続きを読む

本日のPaperCuts(11月7日)

2461人。

一挙に増えました。しかも2桁単位での解雇をする社が幾つか。

ヘラルド・ニュース(イリノイ)で1人。サン・タイムズ・メディアの傘下にあります。11月1日付けの発令。記者が一人解雇されました。しかも、正式な辞令も無く、生命保険会社からの通知で知ったそうです。酷い話だ。

ポスト・トリビューン(インディアナ)で1人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあります。11月1日付けの発令。こないだ一人解雇されたばかりですが、追加で写真部記者が解雇されています。一度にやれよ、どうせなら。

インディアナポリス・スター(インディアナ)で5人。ガネットの傘下にあります。11月3日付けの発令。IT担当社が1人。制作部から1人。残りは不明です。正式な発表をしていません。

クラリオン・レッジャー(ミシシッピ)で15人。ガネットの傘下にあります。11月4日付けの発令です。管理職や写真部員、運動部記者らが解雇されるか、パートタイムへの格下げとなりました。この他にも記者が2人辞めたとの情報もあり、正確な人数は分かっていないそうです。

グランド・ラピッズ・プレス(ミシガン)で18人。ブース・ニュースペーパーズの傘下にあります。11月5日付けの発令です。詳細は不明で、PaperCutsで情報を呼びかけています。

セダリア・デモクラット(ミズーリ)で6人。フリーダム・コミュニケーションズの傘下にあります。11月4日付けの発令。編集局と制作局員が対象です。「我々は不況を切り抜けようと試みた」(“We tried to ride out the economy,”)と発行人のデーブ・フィリップス氏。「しかし2011年の事を考えると、我々が必要とする迅速な売り上げの回復が見えないだけなんだ」( “but when we looked ahead to 2011 numbers, we simply didn’t see revenues returning as quickly as we would need them to.”)。

マスキーガン・クロニクル(ミシガン)で10人。こちらもブース・ニュースペーパーズの傘下にあります。11月5日付けの発令。サイト情報担当者らが対象ですが、詳細は明らかになっていません。

カラマズー・ガゼット(ミシガン)で少なくとも7人。こちらもブース・ニュースペーパーズの傘下にあります。11月5日付けの発令。編集管理長らが対象ですが、上記と同じく詳細は明らかになっていません。

ヘラルド(ワシントン)で10人。ワシントン・ポストの傘下にあります。11月5日付けの発令です。空席の5つは廃止となり、フルタイムの社員の労働時間もカットされます。発行人のアレン・ファンク氏は景気のせいにしています。ウェブサイト上で、解雇は「取材に与える影響は可能な限り少なくしたつもりだ」(“intended to have as little effect as possible on newsgathering efforts.” )と釈明しています。



本日のPaperCuts(11月3日)

2416人。

ネイパービル・サン(イリノイ)で1人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあります。10月28日付けの発令。写真編集者が解雇されています。系列のサウスタウン・スター同様、グループの写真部門の統合に基づく措置だそうです。それ以上の詳細は不明。

なお、これに先立つ27日にも、記者を1人解雇しています。

ポスト・トリビューン(インディアナ)で1人。こちらもサン・タイムズ・メディア・グループの傘下にありまして、10月28日付けの発令で、同じく写真部員が解雇されています。同じく詳細は不明です。

フェニシャ・タイムズ(ニューヨーク州)。ブライアン・パワーズ(個人所有?)の傘下にあります。隔週の新聞社でしたが、廃刊となりました。10月7日付け。「新聞社が死ぬ時、墓石は無い」(“When newspapers die, there’s no headstone to mark their passing,”)と ウォーターシェッド・ポスト紙のリサ・ハリス編集長は追悼しています。 「だが中腹を崩壊しかけている石壁に囲まれているキャットスキル・マウンテンズのどこかで、敬意を払える亡き読者の埋葬にささやかな葬式が行われているのを私は想像してしまう」(“But I’d like to imagine that somewhere in the Catskill Mountains, in a clearing on a hillside ringed with a crumbling stone wall, there’s a little plot where mourning readers can pay their respects.”)。

シカゴ・サン・タイムズ(シカゴ)で1人。こちらもサン・タイムズ・メディア・グループの傘下にありますが、発令の日付けは10月29日です。対象となったのは、広報担当者の女性。タミー・チェースという人です。10月始めに同紙では少なくとも4人が解雇されています。会社の上層部は、人数を発表するのを拒んでいました。「この件は、まだ公表の段階に無い」(“That’s a number I’m not prepared to share,”)とCEOのジェレミー・ハルブレイス氏はシカゴ・トリビューンに話しています。「民間企業と言う主な理由によって、我々はこれらの事を公にする必要性を感じていない。この種の事を行う時は常に、可能な限り消費者の目に付かないようするものだ」(  “A lot of that is, by virtue of being a private company, we don’t feel the need to be publicizing those things. … Any time you do this kind of stuff, you always do it as invisible to the consumer as possible.”)

酷い言いぐさだな。詭弁にもほどがある。

アルスター・カウンティ・タウンズマン(ニューヨーク州)。ジョンソン・ニューズペーパーの傘下にあります。廃刊となりました。2009年5月29日付けの発令。原文のままです。どうやら、今頃判明したらしい。発行人のロジャー・コールマン氏は部数低下を理由に挙げました。「広告量は何とか一定していたのだが、購読部数が難しくなっていた」(“The ad volume had remained pretty consistent, but the readership continued to be a challenge.”)のだそうです。

本日のPaperCuts(10月30日)

2411人。

ベーカーズフィールド・カリフォルニアン(カリフォルニア)で1人。独立系の新聞社です。9月17日付けの発令。情報システムアナリストが解雇されましたが、詳細は不明です。

サウスタウン・スター(シカゴ)で2人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあります。2010年10月28日付けの発令。写真部員と写真担当副編集長が解雇されました。グループの写真部門の統合に基づく措置だそうです。

それにしても、各社とも情報漏れを警戒してるのか、最近はここのサイトも情報が取りづらくなっているみたいで、記事が短くなってしまってますね。その分、あれこれ憶測を生んでるし、結果として新聞社側にマイナスな気がするのですが。

 

本日のPaperCuts(10月21日)

2408人。

ポスト・トリビューン(インディアナ州)で2人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあります。10月19日付けの発令。年末にかけて更なる解雇があると、広報担当者が匂わせています。「全社的に様々な部署から人員を削減するだろう」(Two employees were laid off. A company spokeswoman said there will be more layoffs by the end of the year. “There will be workforce reductions in various departments throughout the company,”)と話しているそうです。なお、同じくサン・タイムズ・メディア・グループの傘下にあるなお、同じくサウスタウン・スター(シカゴ)と、レイク・カウンティ・ニュース・サンでも、それぞれ10月19日付けの発令で2人ずつ解雇されており、しかも、広報担当者が全く同じコメントをしています。

手を抜くなよ、人を辞めさせるってのに。ひどい会社だね。

なお、サン・タイムズ・メディア・グループでは、同じ日付でパイオニア・プレス(イリノイ州)で4人、シカゴ・サン・タイムズ(シカゴ)で編集局員を4人以上(ここだけ部署が判明している)を解雇しており、これまたコメントも同じでした。

酷い会社だこと。

本日のPaperCuts(10月14日)

2393人。

人数は変わってませんが、一社の解雇状況が明らかになりました。

ザ・ステート(サウスカロライナ)で5人。マクラーチの傘下にあります。2010年10月12日付けの発令。

編集局員が11日と12日の2日間に分けて解雇されたという情報しか無く、Papercuts側で情報を呼びかけています。


本日のPaperCuts(10月9日)

2393人。

サクラメント・ビー(カリフォルニア)で29人。マクラーチの傘下にあります。10月15日の発令。運動部記者1人、写真部員2人、図案と編集補助員らを含む29人が早期退職や解雇に応じました。「こうした景気の中、挑戦は続く」(“The challenges continue to be in the economy,”)とシェリル・デル会長兼発行人はメモにそう書いています。「我々は前進し、自らが必要とする立場を築こうと思う。景気が回復した際、我々が反応を見せる立場にあるようにする為にも」(“We are going to move forward and in order to do that we need to position ourselves so that when this recovery does happen we’re in a position to respond.”)。

ご愁傷様です。不満を残さないような退職金を払って上げてね、せめて。

本日のPaperCuts(10月8日)

2364人。

サウスタウン・スター(シカゴ)で2人。サンタイムズ・メディアの傘下にあります。10月5日付けの発令。2人共編集局員だそうです。PaperCutsでは、「少なくとも」(At least)と書いています。サンタイムズ・メディアの広報担当者が、オーランド・パーク・パッチ紙の取材に答えた事から明らかになりました。広報担当者は何人が解雇されるかを言わなかったそうです。「我々は状況の保証をする為、効果的な方法を模索するだろうが、現在および将来に於いて更に削減があるかどうかは言えない」(“We will continue to look for efficiencies as the situation warrants, but we won’t speculate now on whether there will be any more reductions,”)のだそうです。

そういう姿勢を取ると、従業員が浮き足立つと思うけど…。

サリナス・カリフォルニアン(カリフォルニア)で15人。ガネットの傘下にあります。9月19日付けの発令。印刷をサンホセのガネットの工場に外部委託する事になり、9人の正社員と6人のパートが解雇される事となりました。

本日のPaperCuts(10月2日)

2347人。

前回に比べて、増えてるのですが、新たな解雇情報は1件のみ。これまで不明だった分とかが判明したって事なのか…。よう分からん展開です。

ちなみに、今回掲載されているのはリー・エンタープライゼズの傘下にある記者さんが1人。マイク・リオペルというお名前の人なのですが、所属先の新聞社名が書かれてません。「詳細な情報を求む」と、記事にはありますが、何だか生煮えな感じです。

リンクしている元の情報源であるペオリア・パンディット(オンラインの市民ジャーナリズムサイトだそうです)を読むと、選挙を36日後に控えた解雇だったそうです。ちなみに、イリノイでリー・エンタープライゼズはポスト・ディスパッチ、ブルーミングトン・パンタグラフ、ディケーター・ヘラルド&レビュー、クァッド・シティ・タイムズ、サザン・イリノイジアン、マトゥーン・ジャーナル・ガゼット、チャールストン・タイムズ・クーリエなどを傘下に収めているそうです。

こうした社全部に、記事を書いていた可能性はありますね。通信社の記者的な役割だったのかな?

州議会担当として大変激務だったそうで、マイク記者を解雇するとプレスルームにもう一つの大穴が開くだろうと書いています。

イリノイの議会取材の状況については、こちらをご参考にして下さい。「もう一つの大穴」と書いている所を見ると、最近誰か辞めたのかもしれませんね。ちなみに、こちらでも解雇された理由は書いていません。チョンボしてもたんかな~。

本日のPaperCuts(9月25日)

2321人。

マリン・インディペンデント・ジャーナル(カリフォルニア)で30人。メディアニュース・グループの傘下にあります。11月18日付けの発令。印刷部門をコンコルドという所にあるベイエリア・ニュースペーパー・グループに外部委託する事になり「約30人」( “approximately” 30 employees)が解雇されるのだそうです。同社ではUSAトゥデーの印刷を8万部請け負っていましたが、これももうじき止めるのだとか。発行人のマシュー・F・ウィルソン氏は、これで大金を節約し、40頁フルカラーで印刷の印刷を可能にしたと話しています。

スター&ストライプス(ワシントンD.C)で6人。国防総省の傘下にあります。2010年9月17日付け。世界規模で6人の編集担当者を解雇するそうです。テリー・レオナルド編集長が回覧を回していますが、他の部署でも解雇が追加的にありそうな雲行きなのだとか。以下、余りに長いんで、今回は追記の形で分割しますね。

続きを読む

本日のPaperCuts(9月23日)

2285人。

マイアミ・ヘラルド(フロリダ)と、ザ・タイムズ・オブ・ノースウェスト(インディアナ)が解雇したので増えました。ヘラルドについては先日紹介しましたので割愛。

ノースウェスト紙は7人。リー・エンタープライゼスの傘下にあります。9月21日付けの発令です。編集局員3人。その他は不明だそうで、PaperCutsでは情報を呼びかけています。

ちなみに、先ほど紹介したフロリダ・タイムズ・ユニオンとシャルロッテ・オブザーバーについては、何故かまだ集計数に入れてません。この分では、年内に2500人ぐらいが解雇されそうですね。それでも去年よりはマシですけど。

本日のPaperCuts(9月9日)

2229人。

サウス・ベンド・トリビューン(インディアナ)。人数不明。独立系。2010年9月3日付けの発令です。解雇対象者に、全米の日刊紙で唯一フルタイムで働く黒人の漫画家、ロン・ロジャース氏が含まれているそうです。アメリカの新聞では漫画家を自社で雇用するようですね。

ザ・レッダー&エンクワイアラー(ジョージア)で20人。マクラーチの傘下にあります。2010年11月25日の発令。同紙はコロンバスという街にあるそうですが、昨年初めから印刷していたマコーン・テレグラフ紙がアトランタで刷られる事になった為の措置だそうです。郵便室係の従業員と印刷部門の計20人が解雇されるのだとか。

カンザスシティー・スター紙(ミズーリー)で12人。ここもマクラーチの傘下です。2010年9月7日付けの発令。約12人という、ざっくりとした言い回しで解雇を表現しています。この他にも無給での1週間休暇を第4四半期中に取らされるとの事です。この措置は今年既にやっており、2度目なのだとか。発行人のマーク・ジーマン氏は、同紙が「オンラインアクセスと売り上げで記録を作り、我々は地域での支配的なメディア企業であり続けている。我々の新聞や読者数の統計は、全米でも最良の部類だし、全国的にも高いジャーナリズムの評価を受けている。不況は終息するだろうがスター紙は死なない」(“posting record online traffic and revenue, we remain the dominant media company in our region, our presses and readership metrics are among the best in the country and our news products are recognized nationally for their journalistic excellence. The Star won’t die, but this recession will.”)

そう言いながら、リストラするんですか…。

デイリー・フリーマン(ニューヨーク州)。人数不明。ジャーナル・レジスターの傘下にあります。2010年12月7日の発令。全従業員100人中61人が解雇されるかもしれないのだそうです。編集局と郵便室を閉鎖すると言う計画を裁判所に提出しているのだとか。また、配達も外部委託をするかもしれないとの事です。「業務は止めないし、街を去る事もしない」と、発行人のアイラ・フスフィールド氏。「この逆説は、全ての場で起きようとしているのだ」(“The irony is this is going on all over the place.”)。

タイムズ・ユニオン(ニューヨーク州)で6人。ハーストの傘下にあります。2010年9月9日の発令です。広告とマーケティングで4人、編集局とウェブ部門で2人を解雇します。労組は9日に早期退職計画について会社と話し合うのだそうです。

 

 

本日のPaperCuts(9月3日)

2191人。一気に増えました。

デザート・ニュース(85人)と、USAトゥデー(130人)は既報済みですので省略。それ以外に2社が解雇や廃刊に踏み切っています。

アメリック・リスティー(ニューヨーク州)。人数は不明。ペーター&ベラ・ビエスク氏の所有。2010年6月に発令していたのが、今頃判明しました。チェコ語で印刷発行していた新聞でしたが、48年間の歴史に幕を下ろしました。ラジオ・プラハの取材に対し、オーナーのペーター・ビエスク氏は「より新しいモダンでインターネットに関係する」( “give a new generation space to start something new, more modern and Internet-related.”)形にしたかったそうですが、購読世代が年長でインターネットのアクセスをしなかったのだとか。ありそうな話ですね。

続きを読む

本日のPaperCuts(8月8日)

1939人。

ドアー・リマインダー、リゾーター・レポーター、バケーション・ガイド、ケワウニー・カウンティ・ニュース、ケワウニー・カウンティ・スター、ケワウニー・カウンティ・スナップショット(いずれもウィスコンシン)で10人。全部ガネットの傘下にあります。9月の発令です。

ドアー・リマインダーは9月7日に廃刊。リゾーター・レポーターは季刊紙のバケーション・ガイドと9月15日付けで合併してドアー・カウンティ・ナウに生まれ変わります。そして週刊発行となり、ドアー・カウンティ・アドボケート紙ともども、芸術・娯楽系の内容で勝負する事になります(両紙とも別個で配達されるのだそうです)。

週刊発行のケワウニー・カウンティ・ニュースとケワウニー・カウンティ・スターとケワウニー・カウンティ・スナップショットは9月18日付けで合併し、ケワウニー・カウンティ・スター・ニュースになります。ドアー・カウンティにあった同社のシスター・ベイ事務所の業務は休止し、ドアー・リマインダー・オフィス・サプライの業務はウィスコンシンのストルゲオン・ベイの事務所に統合されます。

こうした結果、10人が解雇されるのだそうです。「解雇の決定を出すには辛いものがあった」(“It was difficult to make the tough decision about the eliminated jobs,”)と発行人のケビン・コラッド氏はグリーン・ベイ・プレス・ガゼッテ紙の記事で書いています(コラッド氏はガゼット紙の発行人も兼務)。「これらの発行物が現在の経済状況下で生き残り、読者や広告主に引き続き奉仕する研究や評価を数ヶ月に渡って行った」(“We’ve devoted months of study and review to make sure these publications remain viable in today’s economy and continue to serve our readers and advertisers,”)結果だったそうです。

ガネットも地域紙を急速に統廃合していますね。

フォート・ワース・スター・テレグラム紙(テキサス)で15人。マクラーチの傘下にあります。8月5日付けの発令。編集局員15人(取材記者、写真部員両方)が対象ですが、それ以上の情報は今の所無いそうです。

本日のPaperCuts(8月7日)

1910人。

セントルイス・ポスト・ディスパッチ(ミズーリ)で3人。ダン・ロシターノ氏の個人所有。5月発令。今頃判明しました。オンライン新聞で、5月に3人の記者が解雇されました。同時に、発行人のロシターノ氏が政治とスポーツ取材に焦点を絞る事にしました。7月21日に、運動部員全員が辞職しました。同時に、何人もの運動部記者に給料が支払われていないとの噂があるそうです。

USAトゥデー(ミシシッピ)で15人。ガネットの傘下にあります。9月3日付けの発令です。アラバマ州のモービルで地域印刷と制作を行う事に伴う措置だそうです。同紙の業務担当副社長であるケン・カークハート氏がハッティースバーグ・アメリカン紙に語った所では、経費が節約され、結果として15人を解雇する事にしたそうです。

クリントン(ミシシッピ)で人数不明。ガネットの傘下にあります。8月5日付け発令。

先日も紹介しましたが、週刊発行を止めてオンラインオンリーとなります。読者向けの告知で、同じガネット傘下のクラリオン・レッドジャー紙(本社がミシシッピのジャクソンにあります)が週1回のペースで「都心版のセクションでクリントンのニュースをフルにページを使って印刷する」(“a full page of Clinton news in the Metro-State section”)と話しています。「加えて追加記事は週を通じて掲載する」(“with additional stories throughout the week.”)のだそうです。

ガネットも相変わらず大変ですね。

ウィスコンシンの別の新聞社でもリストラ

PaperCuts経由情報です。

ウィスコンシンで、先ほどの週刊新聞とは別の新聞社がレイオフをやろうとしています。ウィスコンシン・ステート・ジャーナルと、キャピタル・タイムズで、 両紙ともリー・エンタープライゼズとキャピタルタイムズ社の共有による経営です。この両紙で、近く早期退職が提示されます。運動部と映像部門のフルタイム の従業員を少なくとも10人辞めさせたいのだとか。

両紙で発行人を務めるクレイトン・フリンク氏が従業員宛に送ったメモには、こうあります。

来たる財政年度の運営予算を完遂させる時期に我々は近づいている。そして今や両紙の雇用数を減らさねばならない事が分かっている。我々は業務全ての分野で効率化と予算カットを模索して来たが、人件費以外での達成は出来そうに無い。我々は編集局の複数の部署で人員削減する必要がある。そして運動部と映像部が削減の優先対象だ。内々の計算では、フルタイムの社員をざっくり数えて4人削減する必要がある。

運動部と映像部のフルタイムの従業員には自発的退職プログラミングの機会が与えられます。1年間に付き2週間の再就職斡旋やその他の便宜が供与され、それが上限52週間まで認められるのだそうです。ちなみに、昨年8月にも15人が解雇されています。

ウィスコンシンは州自体の景気が悪いのでしょうね。気の毒な事です。

ガネット系の週刊新聞が統合の動き、10人解雇

PaperCuts経由情報です。ウィスコンシンのグリーン・ベイ地域で発行されている3つの週刊紙(ガネット系)が1つに統合され、10人が解雇されるとの事です。ガネット・ブログが報じています(2010年8月4日付け)。

また、ドアー郡やケワウニー郡で発行されていたアートや娯楽ガイドも1紙に統合されます。無料配達していた「ショッパー」("shopper'')も止めるのだとか(いずれもグリーン・ベイ・プレス・ガゼッテ報道による)。

「両方の郡での地域取材を引き続き確保し、経営を合理化し、効果的に改善する為にこうしたステップが取られた」(“These steps are being taken to improve efficiency, streamline operations and ensure that local news coverage in both counties remains in place,” )とプレス・ガゼッテの発行人、ケビン・コラッド氏。「現在の経済状況下で、こうした新聞を出し続け、我々の読者や広告主に引き続き奉仕するにはどうしたら良いか数ヶ月間研究と評価を重ねてきた」( “We’ve devoted months of study and review to make sure these publications remain viable in today’s economy and continue to serve our readers and advertisers.")のだとか。

その結果として10人が解雇となりました。いわゆる過渡的給付は受け取れるそうです。将来的に創刊の際は呼び戻される事もあると、プレス・ガゼッテの記事にはあります。

ガネットでは2009年から始まった解雇で、それまでの退職金支給から一時金支給に変えました。一時金支給は従業員の1週間分の給与に相当する失業手当とくっついているのだそうです。

御愁傷様です。呼び戻しは、まず無いと見て良いでしょう。

本日のPaperCuts(7月12日)

1892人。

ミシガン・カソリック(デトロイト)で5人。アーチディオシース・オブ・デトロイトの傘下にあります。7月7日付けの発令です。

社員が全部で12人だそうですから、半数近くが解雇になった計算です。週刊で出していましたが、今後は月2回発行になるのだそうです。昨年9月にアーチディオシース・オブ・デトロイトが年間の助成金をカットすると告知していたのだそうです。

  「部数を見据えるなら、本当に選択肢が無い」(“When we looked at the numbers, we really didn’t have a choice,” )と大司教区のコミュニケーションディレクターであるネッド・マクグラフ氏は地元のデトロイト・フリー・プレスに語っています。

「彼らはここ数年の我が方の達成に果たしたキー・プレイヤーだ。 大変良くやってくれた」(“They were key players in our accomplishments over the years. They did a heck of a job.”)。

…本当に、お気の毒な事です。

ここらで総括的な集計データを~2008年からのアメリカの新聞の惨状について3

 お台場での電子出版のセミナーを前に、妙に早くに目が覚めてしまいました。ブログ更新のネタ選びをしていた所、なんとも象徴的なデータに出くわしました。2008年からのアメリカの新聞業界の惨状を集計しているHPがあったのです。

SFNはShaping the Future of the Newspaperの略。「新聞の未来を形成」ぐらいの意味でしょうか。エディターズウェブログを見ていて、ここに行き着きました。

そのSFNによると、2008年からアメリカで廃刊ないし印刷を止めた新聞社は166以上になるのだそうです。 投稿時間が2010年7月5日午後1時25分ですので、ここ数日の集計でしょう。

Paper Cutsのデーターの累計数字だそうです。2008年が39紙、2009年が109紙、2010年が18紙以上、それぞれ休刊するか、紙での印刷を止めています。

数が半端なところで以上(More than)という表現を多用していますが、原文に即して訳します。これまでPaper Cutsのデータ集計を行っていて気づいたのですが、詳細について不明な事例が少なくありません。社によっては、契約社員の数も入れてる場合があったり、廃刊の際は、そもそも何人の従業員だったかわからない場合もありました。だから、ぼかした表現を取っているのだと思われます。これは「分かっている範囲の数字である」というご理解でお願いします。

Paper Cutsによると、2007年3月から失職ないし早期退職に応じた業界関係者は3万5000人。うち、2007年3月から同年12月までの数字は2256人以上でした。

この数字は2008年に増加し、15992人以上となります。そして2009年には14783人以上でした。今年5月時点では、1797人以上が失職か早期退職をしています。

ちなみに、最後の集計は、SFNと世界新聞ニュース発行元協会(World Association of Newspapers and News Publishers)の共同集計だそうです。後者は、5月に東京に視察団を送って来た団体ですね。このような集計もやっていた訳か。

それにしても、改めてリーマンショックの影響が大きかった事が良くわかります。今年の数字が減っているのが、果たして峠を越えたからか、或いは切るだけ切ってしまった結果なのかについては、おいおい分かってくるでしょう。

本日のPapercuts(7月5日)

1887人。

3人増えました。

ラ・パルマ(フロリダ)が廃刊。コックス・エンタープライゼズの傘下にありました。7月16日付けの発令です。

スペイン語の週刊新聞で、今年創刊6年目。紙媒体とオンラインの両方を止めるそうです。景気の悪化で「大変難しくなった」(“very difficult,”)からだと、発行元のティム・バルク氏は話しています。


ベルビル・ニュース・デモクラット(イリノイ)で3人。マクラーチの傘下にあります。6月25日付けの発令。運動部記者と、広告部員、情報システム担当が1人ずつ解雇されました。

2週間前にマクラーチのゲイリー・プルーイットCEOが同社を訪問し、解雇はすぐにしないと言ってたのだそうですが…。


本日のPapercuts(6月26日)

1884人。

サン・ディエゴ・ユニオン・トリビューン(カリフォルニア)で35人。6月17日付けで発令。プラチナム・エクィティの傘下です。名前からすると、ハゲタカ系でしょうか。

組織再編の一環として「約35人」(“About 35″)の編集局員が解雇されました。「利益はすぐに明らかとならない」(“The benefits will not be immediately apparent,”)と、編集長のジェフ・ライト氏は読者向けへの再編計画の告知の中で書いています。「しかし、夏の終わりには、皆様は違ったU-Tトリビューンを紙媒体でもオンラインでも見るでしょう」(“But by summer’s end you will see a different U-T both in print and online.”)と言ってます。

 

ザ・トリビューン(アイオワ)で18人。8月1日付けの発令です。オマハ・ワールド・ヘラルドの傘下になります。シカゴのトリビューンとは資本的な関係は無いようです。

印刷部門を同州のアイオワ・フォールズにあるタイムス・シチズンに委託するそうです。解雇されるのは18人の編集局員と郵便仕分け室の社員。「タイムス・シチズンの設備状態に鑑み、我々の読者と広告主は、ザ・トリビューンの高品質な新聞を読む事となろう。そして我々は、もっと効果的にそうしたい」(“Because of the Times-Citizen’s state-of-the-art equipment, our readers and advertisers will see better quality printing in The Tribune, and we will be able to do it more efficiently,”)と発行人のジョン・ゲッセン氏はトリビューンの記事の中で書いています。

印刷部門を外部委託するのと、編集局員の解雇がどう繋がるんでしょう?

ヒューストン・クロニクル(ヒューストン)で8人。6月25日付けで発令。ハーストの傘下にあります。特集担当とオンライン担当の8人が解雇。それ以上の詳細が分からず、Papercutsでは情報を募ってます。


本日のPapercuts(6月23日)

1823人。

オーロラ・ビーコン(イリノイ)で1人。6月16日付けで発令。シカゴ・タイムズ・メディアグループの傘下にあります。レイアウト担当者が1人解雇。

スケート・バレー・ヘラルド(ワシントン)で3人。6月18日付けで発令。スケート・パブリッシングの傘下にあります。独立系ですね。記者1人。写真記者1人。ニュース書記(どういう職責なのか不明)が1人。今回の人員整理は2回目。早期退職と解雇の2本建てだったそうです。

シカゴ・サン・タイムズ(シカゴ)で3人。6月16日付けで発令。サン・タイムズ・メディアグループの傘下にあります。編集局員3人が解雇。詳細は不明で、Paper Cutsでは情報提供を呼びかけています。

 

 

ヘラルド・ニュース(イリノイ)で2人。6月16日付けで発令。サン・タイムズ・メディアグループの傘下にあります。こちらも編集局員2人が解雇されていますが、詳細は不明。上記同様、情報提供を呼びかけてます。

どうもサン・タイムズ・メディアグループの業績が思わしく無いようですね。

本日のPapercuts(6月10日)4

1814人。

…昨日減ったのを喜んだばかりなのに。

ノルウィッチ・ブレティン(コネチカット)で7人。ゲートハウス・メディアの傘下にあります。6月3日付け発令。発行人のポール・プロボスト氏によると、1人はゲートハウス・メディアのマサチューセッツの施設に移籍するそうです。発行していた月刊誌と季刊誌も廃刊します。

パイオニア・プレス(イリノイ)で3人。サン・タイムズ・メディア・グループの傘下です。6月7日付け発令。編集部門が対象となりましたが、解雇に当たって2週間前に告知がなく、シカゴの新聞労組が契約違反に当たると話しています。9月14日に意見聴取が行われるそうです。

綺麗に止めさせれば良いものを…。

レイク・カウンティ・ニュース(イリノイ)で1人。ここもサン・タイムズ・メディア・グループの傘下です。実は3月に辞めさせたのが、今頃になって判明したのだとか。PaperCuts側も、それ以上の情報が無いらしく、事情に詳しい方の通報を待っているそうです。

 

 

 


本日のPapercuts(6月9日)4

1803人。珍しい、減ったぞ!

まぁ、悪い事ではないですね。廃刊するホノルル・アドバタイザーの従業員のかなりの数が再雇用されたせいでしょう。休刊する新聞の状況については、こないだから変わりません。

もし、このペースが下半期も続くようなら、全体で3600人前後の解雇者となる計算です。ちなみに、2007年が2256人。リーマンショックのあった2008年が15922人。昨年の解雇者数は14783人。今更ながら、リーマンショックはでかかったんですね。

業界としてリストラが一巡したと見るか、或いは流石にこれ以上もう削減出来ない所まで行き着いたのか。新聞労組のHPも身ながらウォッチングして行きたいと思います。

本日のPapercuts(6月3日)

1923人。

ほぼ1ヶ月ぶりに動きがありました。

カンザスシティー・スターモンタナミズーリー)で12人。マクラーチの傘下です。2010年5月5日付の発令。これとは別に契約社員も切られ、この夏には1週間の無給休暇も与えられるのだとか。発行人のマーク・ザイマン氏は、解雇が「特に経済状況が緩和されたかに見える時機には難しく士気を落とす」( “difficult and discouraging, especially as economic conditions appear to be easing.”)とウェブサイトで表明しています。

ザ・リパブリカン(マサチューセッツ)でも12人。アドバンス・パブリケーションズの傘下にあります。2010年5月28日付の発令。記者が4人切られたそうですが、それ以上の詳細は現時点で不明です。

ボストン・フェニックス(マサチューセッツ)で、10人。フェニックス・メディア・コミュニケーションズ・グループの傘下です。5月7日付。系列のラジオ局のWFNX-FMの経理担当者らも解雇されるそうです。

セーラ・インディペンデント(ワシントン。州の方です)。家族経営の模様です。人数は不明。5月26日付。創刊3年目でしたが、この1年で広告収入が50%落ちたそうです。もっとも、従業員は系列の3紙( Toppenish Review Independent、 Yakima Valley Business Journal、 Viva and Penny Press)への移籍を打診されているそうですから、まずは良しと言う所でしょうか。

ザ・センチネル(カリフォルニア)。リー・エンタープライゼズの傘下で、5月28日付。人数は不明。リー社がイリノイ州に経理部門を作る関係で、経理担当者が解雇されました。

アウトソーシング化、系列の会社の後方支援部門は一元化という流れがあるみたいですね。解雇される人に次の就職先が見つかりますように。






本日のPapercuts(5月8日)

1911人。

増えましたね。

オレンジ・カウンティ・レジスター(カリフォルニア)が23人。フリーダム・コミュニケーションズの傘下にあります。4月の発令だそうです。編集局から10人。契約の7人も更新せず。

ポスト・クレセント・イースト(ウィスコンシン)。人数不明。ガネットの傘下にあります。4月28日付けの発令でした。週刊発行でしたが、廃刊するそうです。コンテンツはポスト・クレセント(どうも、この新聞の別刷りのようですね)とオンライン版に移行予定。「ポスト・クレセント・イーストが生み出して来たハート・
オブ・ザ・バレーの(一般)ニュースやスポーツ(ニュース)、地域に焦点を合わせたニュースは日刊紙に新たな場を得るでしょう」(“In addition to the daily coverage of Heart of the Valley news and sports, the community-focused news that P-C East produces will have its place in the daily newspaper,” )と同紙の最高経営責任者は、ウェブサイトでそう話しています。

シカゴ・フリー・プレス(シカゴ)。デビッド・コスタンゾ氏の所有です。4月22日付けの発令。ここも週刊で出していましたが、廃刊するそうです。「デビッド・コスタンゾ発行人の健康に問題があり、シカゴ・フリー・プレスは財務の面倒が見られなくなってしまった」(
“Due to health problems, Publisher David Costanzo is no longer funding the operation of Chicago Free Press,” )とケリー・ケネディ編集長。「従って、4月29日付けの新聞は発行されなかった。今後発行出来そうにも無い」( “Consequently, the paper’s April 29 issue was not published, and it is not expected that any additional issues will be published.)のだそうです。

オーナーの健康問題が理由で廃刊するとは珍しいですね。

オクラホマンについても触れていますが、これは先日報じましたので省略します。

カンザスシティー・スター(モンタナ)で12人。マクラーチの傘下にあります。5月5日付けの発令。契約の12人も更新せず。今年夏に1週間の無給休暇を課すとの事です。今回の解雇について、発行人のマーク・ジーマン氏は「特に経済状態が緩和されたかに思える中で、困難で落胆させた」(“difficult and discouraging, especially as economic conditions appear to be easing.)とウェブ上で声明を出しています。


本日のPapercuts(5月6日)

1803人。

先ほど投稿した、オクラホマン紙の解雇で増えました。エディター&パブリッシャーとは別に、同紙の最近の動きを紹介したHP(NEWSOK。同紙自身のサイトです)をリンクしていますので、この投稿で補足しておきます。

NEWSOKによると、オクラホマン紙は全く何もして来なかった訳ではなく、デジタル化などを模索していました。

例えば、同紙の
NewsOK.comへのアクセス数や、親会社のジ・オクラホマ・パブリッシングなどが主導しているデジタル部門は成長しています。

また、同紙のブランドで、ニュースや情報をiPadなどの新しいプラットフォームで配信するデジタルチームも組織しています。

ここも、iPadで展開するんですね。

紙媒体の方も、宅配読者は前年同期比で増えています。

つまり、答えが出てない訳ではないが、資金的に苦しくなっているという事のようです。

本日のPapercuts(4月23日)

人数は不明なのですが、新たな解雇情報が入って来ています。

ハートフォード・コーラント(コネチカット)で「数人」(“About a dozen”)。トリビューンの傘下にあり、4月23日付発令だそうです。現時点での情報はこれだけ。今までのパターンから考えて、ここの系列会社でも解雇通知が飛び交っているかと思われます。

本日のPapercuts(4月22日)

1797人。

インディペンデント・レコード紙(モンタナ)で5人。4月20日発令。リー・エンタープライゼスの傘下にあります。

コピー・エディター(整理部員)を正社員1人、パートを3人。運動部の契約記者を1人。空席は埋めないそうです。

リー・エンタープライゼスでは先だって傘下の新聞社のリストラをまとめて行っています。今回は遅ればせながら判明したという事でしょう。

本日のPapercuts(4月15日)

1792人。

ノース・カウンティ・タイムズ(カリフォルニア)で13人。リー・エンタープライゼズの傘下にあります。4月9日付で発令。

発行人のメモによると、アイオワ州のリー紙に広告アーティストとビジネス・オフィスを外注化するとの事です。

4つの支社の従業員と広告アーティスト7人、包装部門から1人、写真製版部門から1人が解雇対象となりました。

それにしても、カリフォルニアからアイオワって、凄く距離が離れている気がするのですが…。


本日のPapercuts(4月9日)

1779人。

10人増えましたね。

さて、今回の更新で、新たに判明したのは以下の新聞です。人数はいずれも不明ですが、各紙ともオーナーがメディア・ジェネラルという会社で、2010年6月発令だそうです。グループを束ねる側として指令を出しているのでしょう。

ウィンストン・サレム・ジャーナル (ノースカロライナ)。タンパ・トリビューン、リッチモンド・タイムス・ディスパッチなどとデザインとコピー編集部門を統合する事に伴っての措置だそうです。メディア・ジェネラルのメモによると「編集とデザインの作業の統合で、編集局に強い地元ニュースへの集中を可能とするだろう」(“Our consolidated editing and design operations allow our newsrooms to focus on strong local news reporting,”)と、ドナ・リード副社長(コンテンツ担当)。「記事はこれまで以上に編集されるし、優れた才能を集中させる事で規模の経済で優位に立てる」( “Stories will be edited once rather than multiple times, and we can take advantage of economies of scale and centralization of top talent.” )との事。

ニュース&メッセンジャー(サウスカロライナ)。こちらも同様の理由。リンチバーグのメディア・ジェネラルに外部委託するのだそうです。今年末までに、全ての編集・デザイン機能を集約する予定なのだとか。

ザ・ニュース・バージニアン (バージニア)。こちらも上記同様、リンチバーグのメディア・ジェネラルに外部委託します。

ザ・モーニング・ニュース(サウスカロライナ)。こちらはノースカロライナのヒッコリーのメディア・ジェネラルに外部委託です。

インディペンデント・トリビューン(ノースカロライナ)。こちらも上記同様、ヒッコリーに外部委託。

さて、全体で何人が解雇されるのやら…。

本日のPapercuts(4月8日)

1769人。

HPが模様替えしたので、ちょっと戸惑ってます。最新解雇情報と銘打ってますが、その中のピオリア・タイムズ・オブザーバー紙については以前書きましたので省略します。

ポスト・トリビューン紙(インディアナ)で2人。サンタイムズ・メディアグループの傘下にあります。3月31日付の発令。

記者1人とコピー・エディター(整理部員らしい)1人が解雇。「業界全体で厳しい広告環境の下、コストのバランスを取っている。弊社もその一つだ」( “Our company is one of many in our industry balancing our costs with a tough advertising environment,” )そうです。

バミジー・パイオニア紙(ミネソタ)で18人。印刷部門だそうです。フォーラム・コミュニケーションズの傘下にあり、こちらは3月3日付けの発令。今になって判明したのでしょう。デトロイトレイクスにあるグループの別会社の印刷工場に委託するに当たっての解雇だそうです。

バッファロー・ニュース紙(ニューヨーク州)で23人。バークシャー・ハサウェイの傘下で、4月30日付け。9人が地区マネージャー。8人が編集局員。3人が広告局員、2人が経理局員、1人が販売局員だそうです。26日の締め切りで早期退職を募集しているそうです。

ご訪問有り難うございます
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
ブログの殿堂
ブログランキング
ブログランキング
人気ブログランキングへ
//-->
QRコード
QRコード
プロフィールと連絡先

takosaburou

ブログエントリー
ブログ登録・検索 Blog Entry
楽天市場
電子出版関係
  • ライブドアブログ
ブログパーツ