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How The New York Times is helping local journalists with ‘tons of ideas and no time’ – by Kristen Hare https://t.co/8AZvJxkPAR via Poynter
2023/02/22 22:33:02
久しぶりに、このジャンルで取りあげるネタだ。退任なさったNYTのバケット元編集長、こんな事してはってんな。ポインターというメディア分析サイトの記事です(2023年2月22日付け)。
How The New York Times is helping local journalists with ‘tons of ideas and no time’(ニューヨーク・タイムズ紙は、「アイデアが山ほどあるが時間がない」地方記者をどのように支援しているのか)
Former executive editor Dean Baquet talks about the paper’s new investigative fellowship for local reporters(ディーン・バケット元編集長が語る、ローカル記者向けの新しい調査フェローシップとは?)February 22, 2023ニューヨーク・タイムズの元編集長がミシシッピ州ジャクソンに行った時、休暇ではなかった。しかし彼はツアー中だった。
2014年から2022年までニューヨーク・タイムズ紙を率いたディーン・バケットは、1938年に創刊された市のアフリカ系所有の新聞 「ジャクソン・アドボケート」 の発行人と昨秋を過ごした。ミシシッピ調査報道センターの創設者ジェリー・ミッチェルと公民権運動の指導者メドガーとマーリー・エヴァーズの娘リーナ・エヴァーズ=エヴァレットは、バケットを連れてミシシッピ公民権博物館を見学した。また、非営利の編集局であるMississippi Todayと、ガネット傘下のクラリオン・レッダー紙を訪れた。
現地のジャーナリズムに危機がある事は、知的に理解しやすいとバケは言う。
自分で見るのとは別の話だ。
バケットは先週ポインターとの電話で 「退任後も、主に編集局で時間を過ごそうとしてきた事をやっているよ」 と語った。
この呼びかけの目的は、地元のジャーナリスト、地元の編集局、そしてさらに重要な事に、地元コミュニティにとって重要な意味を持つ可能性のあるNYTからのフェローシップをより良く理解する事であった。
バケットは現在、ニューヨーク・タイムズのA.G.サルツバーガー発行人のアイデアで始まった1年間のレポートプロジェクトである地域調査報道フェローシップの編集長を務めている。このアイデアが進化したのは、バケットが地元の編集局を訪れ、編集者に圧倒されながら、自身の本当の課題を見始めた時だった。
「最大のマイナス面はすでに分かっていた事だ。危機は確実にある。誰もニュース砂漠とは呼ばないような場所でさえ、報道されなければならない全ての記事をカバーする人員が本当に十分配置されていない」とバケットは述べた。「心強いのは、それでも地元の編集局で本当に一生懸命働いている記者がいる事なのだ」 。
ほぼ全ての州を代表する200人以上の応募があったタイムズのフェローシップは、一年間フェローの給料を支払い (7万6168.04ドルから8万2000.00ドル) 、仕事をサポートしている。申し込みはまだ受け付けており、フェローシップ自体はローリング方式で行われる。報道の具体化の仕方は、仕事による。
ピューリッツァー狙いではない。
「年末に賞にノミネートされる3部構成のシリーズを制作する必要は無い」 とバケットは述べた。「目標は、皆さんのコミュニティに影響を与える、強力で調査的な報告を行う事なのだ」。
このフェローシップのためのNYTの編集チームには、プログラムおよび編集責任者のソナ・パテル、副編集長のクリス・デイビス、データおよび調査担当編集者のアダム・プレイフォードが含まれている。
ジャーナリストは応募の一環として記事を売り込む。 「殆どが素晴らしいアイデアだ」 とバケットは述べた。「最高のアイデアが現場の記者から生まれる事を正に証明している」 。
バケットは、アフリカ系とラテン系の編集局からジャーナリストが応募してくる事を望んでおり、さらにフリーランサーや伝統的な地元の編集局からの応募も望んでいる。フェローシップは、記者とアイデアを中心に成り立っているという。
これは必須条件ではないが、 「明らかに自宅にとどまる予定の応募者がいたら気になるね」 と彼は言った。
これまでのピッチのテーマには、刑事司法と地域の説明責任報告が含まれている。バケット氏によると、小さな編集室にいるジャーナリストにとって、この仕事をする時間を確保するのが難しい事も明らかだという。
「我々のところに来た応募者の多くは、じっと何かを観察し、アイデアが山のようにあり、時間が無いような担当記者なんだ」 。
このフェローシップは、すでに編集局にいる記者のためのサバティカル (長期休暇) であり、その時間を提供するだけでなく、ニューヨーク・タイムズの編集局の全リソースを提供する。タイムズが調査記事を掲載したくても、地元メディアの編集局のウェブサイトがタイムズほど洗練されていないが故に共同では無理な場合、どうなるのか?
「仮に皆さんがこのフェローシップに参加しているのであれば、編集局、 (編集長の) ジョー (カーン) 、そして他の誰もがこのフェローシップを完全に支持している。あなたはニューヨーク・タイムズファミリーの一員なので、ニューヨーク・タイムズのものを使える」とバケットは述べた。「しかし、データ、技術、プレゼンテーション、グラフィックなどの面で、地方の編集局は大規模なメディアの編集局ほどには追いついていないと思う。タイムズ自体がその多くを提供せねばならないのではないかと考えている」。
その1年間のフェローシップ後はどうなるのか? それも進化している。
「ニューヨークタイムズが急に話を持ってきて、良い話をしたとしよう。そして12月に大きなハグをして出て行くのは気分が良くない」とバケットは述べた。
同紙は記事を存続させる方法を見つける必要があるとし、外部からの資金提供を含む可能性のあるプログラムを終えた後、フェローを支援する方法を見つける必要があると述べた。
地方の調査報道を支援するNYTのアプローチは、同社が口火を切ったのではない。プロパブリカの地域報道ネットワークは、恐らく最も実質的な全国メディアと地域のパートナーシップである。もう一つの例として、ラスベガス・レビュー・ジャーナルの記者が殺害された後、ワシントン・ポストが最近調査を継続した事が挙げられる。
私はバケットに、将来のローカルニュースにおいて、全国メディアのニュース編集室はどのような役割を果たすべきかを尋ねた。彼は、プレゼンテーションから編集、ビジュアル・ジャーナリズムに至るまで、タイムズが学んだ教訓は、同じリソースがなくても編集室に教える事ができる教訓だと考えた。また、『ポスト』や『レビュー・ジャーナル』のように、全国版の編集局が役立つ場合は、編集局だけでなく、それ以上の意味がある。
「これは政府や大企業に対する言い方であり、自分たちの未来と格闘しながらも、あなたに責任を取らせる方法を考えてみる」 と言った。「そして、それは送るべき重要なシグナルだと思う」 。
ニューヨーク・タイムズの地域調査報道フェローシップの詳細はこちら。(文中敬称略)
拙訳終わり。失礼しました。完全に退任した訳では無いのですね。興味深い支援フェローです。もうちょっとカネ出したれやとは思うけどw
ともあれ、アメリカだけでなく、日本にも招いて宜しかろう。問題はアイディアを地元メディアの記者が持っているかどうかですけど。
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