5月20日、英国高等法院は、漏洩した機密情報を公表した罪により、裁判と終身刑の可能性があるアメリカへの身柄引き渡しを不服とするジュリアン・アサンジ氏の訴えを認めた。国境なき記者団(RSF)は、アサンジ氏が英国の法廷で身柄引き渡しを阻止し、公正な裁判を受けるという米国の保証に異議を唱える最後のチャンスを得たこの判決を歓迎する。
この決定は、ジュリアン・アサンジの訴訟における重要な一里塚であり、身柄引き渡しを阻止するための重要な新しい道を開くものとなった。今回認められた2つの控訴理由によって、英国の裁判所は、表現の自由と憲法修正第1条に関連する、この裁判の核心に関わる問題を検討する事になる。
アメリカに引き渡された場合、アサンジ氏は最高175年の懲役刑に直面する。スパイ防止法に基づいて引き渡された最初の出版者となり、世界中のジャーナリストやメディア組織に適用されうる危険な前例を作る事になる。
RSFは、アサンジ氏の身柄引き渡し手続きを4年間監視してきた唯一のNGOである。RSFの代表はまた、当初は禁じられていたベルマーシュ刑務所にいるアサンジ氏との面会も、めったにない機会に実現した。RSFはアメリカ政府にも直接働きかけ、アサンジ氏の引き渡しを阻止し、これ以上遅滞なく釈放できるよう、バイデン政権に政治的解決を求め続けている。
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国境なき記者団(RSF)キャンペーン・ディレクター レベッカ・ヴィンセント