ニューサウスウェールズ大学の発表を拙訳していきます(2024年12月12日付け)。
New mobile app launched to help people track their methamphetamine use and reduce drug-related harms(覚醒剤の使用状況を把握し、薬物関連の害を減らす新しいモバイルアプリが登場)
Researchers at the National Centre for Clinical Research on Emerging Drugs (NCCRED) have today launched the S-Check app, opens in a new window to encourage people who use methamphetamine to seek help and treatment earlier. (豪国立新興薬物臨床研究センター(NCCRED)の研究者らは、覚醒剤を使用する人々がより早く援助や治療を受けるよう促すためのアプリ「S-Check」を本日発表)覚醒剤使用を追跡し、健康や幸福に与える影響を監視し、健康上の問題に対するヒントやサポートを得るための自己管理型のスマートフォンアプリ「S-Check」が導入された。
このアプリは、シドニーのセント・ビンセント病院(SVHS)での覚醒剤チェックアップ(S-Check)サービスモデルに基づいており、従来の治療手段にアクセスした事の無い人々を巻き込み、有害事象を減少させ、問題のある覚醒剤使用が始まる前や深刻化する前に治療を受けるよう促すのを目的としている。
SVHSおよびUNSWシドニーの国立薬物・アルコール研究センター(NDARC)に基づくNCCREDチームは、問題のある覚醒剤使用者に典型的な治療の遅延解消を目指していると述べた。
「覚醒剤使用による問題が発生してから治療を求めるまでの時間は最大で10年に及ぶ場合があり、覚醒剤使用者に対する既存の治療オプションは限られている」と、NCCREDの臨床研究責任者であるクリスタ・シーフリード博士は述べた。
「S-Checkのようなアプリは、自分の使用について興味を持っている人や、治療を待っている間にリソースを探している人にとっての選択肢を提供していく」
S-Checkでは、個人が自己評価を行い、覚醒剤使用が心理的な健康や性の健康など、より広範な健康に与える影響を理解できる。
アプリ内で収集された情報は、個人の医師や他の医療提供者と共有可能で、より適切な健康評価を受けるために活用できる。
S-Checkの導入は、覚醒剤使用を月に少なくとも1回報告した560人のオーストラリア成人を対象とした28日間の臨床試験の有望な結果を受けたもので、そのうち半数はアプリへの即時アクセスがあった。
「無作為化試験では、このアプリが人々が覚醒剤の使用やその心理的、性的、身体的健康への影響を探るのを支援した」とシーフリード博士は語った。
「即時アクセスがあった人々は、待機のグループに振り分けられた人々よりも、その後の28日間で専門的な助けを求める可能性が高かった」という。
2023年の研究では、対照群と比較して、S-Checkに即時アクセスがあった参加者の約2倍が28日目までに専門的な助けを求めた事が示された。
また、基準時点で助けを求めていなかった人々の中で、アプリを使用するたびに、その使用時間が1分増えるごとに専門的な助けを求める可能性が8%増加する事が分かった。
S-Checkは、iOSおよびAndroidのアプリストアから無料でダウンロードできる。
メディア連絡先: 0401 713 850 | ndarc.media@unsw.edu.au
参考として、薬物やアルコールに関する報道を行う際には、マインフレームガイドラインの「アルコールおよびその他の薬物についてのコミュニケーション」や「自殺に関するコミュニケーション」、およびNSWユーザーおよびエイズ協会が発行した「言語は重要」を参照する事をお勧めする。
すべての報道には、以下のヘルプライン情報の掲載を推奨する:
人々は、全国アルコールおよびその他の薬物ホットラインに1800 250 015に電話する事で、アルコールやその他の薬物についての無料かつ機密のアドバイスを受けられる。