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これまで海外の新聞業界の動向などを紹介してきましたが、今後は海外のコンテンツ配信ビジネスや「ほぅ」と思わせる新規ビジネスについて紹介していきます。

メディア

素晴らしい意見表明! これを機にメディアは大変革せんとアカン!

FBのフレンドさんから教えていただきました。Change.orgより。



今しかない!メディアは ”オールドボーイズクラブ ” からの脱却を!はじめの一歩として女性役員を3割にすることを求めます。


 

お問い合わせ(取材等)

「今変わらなければ、この先変わるチャンスは二度と訪れないかもしれない」
民放労連は、2018年から放送局の女性役員の割合を調査し、3割に引き上げることをすべての放送局に求めてきました。 意思決定層の多様化の遅れは、コンプライアンス意識の低下を招くだけでなく、 日本のメディア業界全体の国際競争力にも影響を及ぼす深刻な問題です。 私たちは、ジェンダー平等を推進し、多様な視点を経営に取り入れることが、健全な労働環境と持続可能な業界の発展につながると考え、この課題に取り組んできました。

今回のフジテレビの問題には、経営陣におけるガバナンスの欠如、コンプライアンス意識の不足、人権への理解の欠如が深く関わっていますが、これはフジテレビのみならずメディア業界全体の構造的な問題です。この背景には、意思決定層の多くが高齢男性で占められている現実があります。意思決定層に社会の多様な現実を理解できる人間が足りない集団では、同質性が強く、閉鎖的で、新しい視点や意見を取り入れることが難しい傾向があり、柔軟に働きにくいことや、ハラスメント、反対意見が言いにくい空気につながります。意思決定の場に女性や多様な視点を取り入れることは、偏った状況を改善していく効果があります。

意思決定層の多様化ができていないことで、時代遅れの価値観や感覚から抜け出せずに問題が見過ごされてきたのです。

しかし、私たちメディア業界の従事者は、この問題が「他の誰か」の責任だと言うことはできません。私たちの取り組みが十分ではなかった、もっと早く、もっと積極的に変革を求めなければならなかった、と猛省しています。

そして、メディアが変わることがこんなにも強く望まれている今を逃したら、根本から生まれ変わるチャンスを逸して、もう二度と人々の信用を取り戻せないかもしれない、信頼できる情報を伝える役割が果たせなくなるかもしれない、という強い危機感から、この署名活動を始めました。意思決定層の女性割合が増えればすべて解決するわけではありませんが、生まれ変わるために絶対必要な最初の一歩です。

【圧倒的に少ない女性役員】
1月27日に「オープン」な形で行われたフジテレビの記者会見の登壇者は、港浩一前社長をはじめとする5人全員が年配の男性でした。意思決定層に女性をはじめとする多様な価値観が反映されず、年配男性の圧倒的優位と支配という実態を如実に表していました。

しかし、この問題はフジテレビだけのものではなく、日本のマスメディア全体に共通する課題です。

民放労連では民放の女性役員割合の調査を続けると同時に、2020年12月には、新聞労連、出版労連、WiMN(メディアで働く女性ネットワーク)と一緒に、民放連、新聞協会、書籍協会、雑誌協会を訪れて、それぞれのメディアでの意思決定層の女性割合を早期に30%以上とするよう要請しました。(*1)ところが、それから3年以上経っても、メディアの女性役員登用は不十分なままです。2023年の民放労連の調査では、キイ局の女性役員割合の平均は10.1%。また、全国のテレビ局の63.8%、ラジオ局の72.4%で女性役員がゼロでした。(*2)2024年4月の新聞協会の調査によると、新聞社の女性役員割合は5.7%でした。(*3)民放キイ局で、女性管理職割合の数値目標を掲げていたり、新卒採用の女性割合が社によっては50%を超えているところもありますが、意思決定層の女性比率はまだ極めて少ない状態です。

【社会に与える影響と私たちの責任】
メディアの影響力は計り知れません。

ニュースでどんなテーマを取り上げるのか。その決定権は、ニュースの編集担当者に委ねられています。残念ながらその多くが今の日本では男性によって占められています。編集責任者の多くを男性が占めることで、少子化対策、性暴力、差別など、社会の深刻な問題が十分に取り上げられていなかった、提案しても「ニュースバリューがない」と却下されてしまったという現実がありました。それを現場の女性記者が少しずつ変えてきた歴史がありますが、まだまだ不十分です。ニュースの現場では、子育て・介護などで、長時間働けない人は現場にいられなくなる、もしくは何とか働き続けても意思決定者にはなれないという傾向が明らかにあります。結果として「生活者」や「弱者」の目線がニュースに反映されにくい構造が続いてきたのです。

また、ドラマやバラエティ番組など、エンターテインメントコンテンツの制作現場でも、度々起こる差別やステレオタイプの表現の炎上がある度に、多様な意見が出せる環境だったら防げたかもしれないという声が聞かれました。

メディアは社会を映し出す鏡です。メディア内部が抱える偏見や不公正はそのまま社会に反映されてしまいます。私たちメディア従事者は、この状況を変えるために行動しなくてはなりません。

【今こそメディアを変える そのために力を貸してください】
この問題を解決する最初の一歩として、私たちはメディア各社に「女性役員3割」を直ちに実現するよう求めます。この大きな衝撃を、目の前の火を消すためではなく、根本的に意思決定の構造を変える力にして、多様な声が反映される組織に生まれ変わりたいと思っています。そうしてこそ、視聴者、聴取者、読者の皆様に信頼されるメディアになる、より良いコンテンツを生み出せるようになる。そう信じています。

私たちは、メディア従事者として、メディア業界改革のために声を上げます。

どうか皆さんの力を貸してください。

【提出予定】
集まった署名は3月初旬に民放キイ5局、民放連に提出したいと考えています。また、新聞協会、書籍協会、雑誌協会にも同様の要請を行う予定です。

【署名の発信者について】
民放労連(日本民間放送労働組合連合会) : 日本唯一の民間放送の産別組織で、全国の放送局や放送関連プロダクションなど約110組合、約6,200名が加盟している労働組合

MIC(日本マスコミ文化情報労組会議) : 新聞、印刷、放送、出版、映画、広告、音楽、コンピュータそれぞれの労働組合の連合会、協議会等で構成された組織


資料
*1https://www.minpororen.jp/?p=1749

*2https://www.minpororen.jp/?p=2613  

     https://www.minpororen.jp/?p=2628

*3 日本新聞協会「新聞・通信社の従業員数・労務構成調査」(2024年4月)


全文引用させていただきました。素晴らしい意見表明です。

同時に、やっと出て来たかという思いもあります。

今回のフジテレビの会見(最初の方)で分かったのは、「他者にのみ、無限の厳しさを要求する」という姿勢が、誰の眼にも明らかになった事です。

こと自分達にとって不利な何かが起きてしまったら、全力を挙げて矮小化し、論点をずらし、果ては人のうわさも75日を待つ。

それが全て可視化されてしまったのが今回。というか、日本テレビのセクシー田中さん事件なども入れれば、ダメ押しとなったのが今回の事件でしょうか。

無論、これはテレビ業界だけの話では無い。新聞業界や雑誌メディアにも言える事です。

そして、もう終わりにしなければならない話でもあります。ホンマ、エエ加減にせーですわ。

この意見表明を受けて、どんなリアクションが業界に起きるかを見て行かないと。

匿名の米メディア幹部が2025年の業界予測。ジェフ・ベゾス氏がワシントン・ポストの売却を強制されるかもなんだって



CNBCの記事を拙訳していきます(2024年12月23日午前7時投稿。同日午前9時22分更新)。

13 anonymous media executives make predictions for the new year(13人の匿名のメディア幹部が新年に向けた予測を立てる)

Published Mon, Dec 23 20247:00 AM ESTUpdated Mon, Dec 23 20249:22 AM EST

Alex Sherman
@in/alex-sherman
@sherman4949

■重要なポイント

・複数のメディア幹部は、コムキャストとワーナーブラザース・ディスカバリーによる大規模な取引を期待している。

 ・他の幹部は、ドナルド・トランプ氏の規制管理がテレビ放送の関連会社の統合に関するルールを緩和する事に焦点を当てている。

 ・二人の幹部は、ボブ・アイガー氏の後任として誰が選ばれ、誰が選ばれないかを予測している。


ホ、ホ、ホ!これはホリデーの伝統である:匿名のメディア幹部が2025年の業界予測を行う。

クリスマスの12日を記念して、私たちは世界の最も強力なメディアおよびエンターテインメント幹部の中から、匿名で発言した12の予測をお届けする。これにより、彼らは来る年に対するビジョンについて率直に語る事ができる。そして、ホリデーの喜びを伴い、ボーナスとしてもう一つの予測を提供する。いわゆる「ベイカーのダース」だ!

2024年の予測を振り返ると、過去の年よりも良くはなかった。一方、一部は的中したり、部分的に的中したりしている。

ワーナーブラザース・ディスカバリーのMax、ネットフリックス、ディズニーが昨年の参加者が予測したように、全てが初めての大規模ストリーミングバンドルを組む事は無かったが、Maxとディズニーは提携した。テレビ放送局は、他の幹部が予期したように、地域のスポーツ権を継続的に確保している。RedBird Capitalはパラマウント・グローバルを完全に買収しなかったが、そのプライベート・エクイティ会社は、スカイダンスと共に同社との合併を発表したコンソーシアムの一部であった。

2024年の他の予測について言えば、ネルソン・ペルツ氏とジェイ・ラスーロ氏は、ディズニーの取締役会に参加するための活動家キャンペーンで成功を収めなかった;ディズニー CEOのボブ・アイガー氏は2026年を超えて契約を更新せず、キャンドルメディアを買収せず、ダナ・ウォルデン氏を後任に指名しなかった;NBAのメディア権はディズニー、ワーナーブラザース・ディスカバリー、アップルに行かなかった——それはディズニー、NBCユニバーサル、アマゾンに渡った。

ああ、もう一つの外れがある:コムキャストはほとんどのケーブルネットワークのスピンオフを発表したが、NBCユニバーサルをスピンオフしてワーナーブラザース・ディスカバリーと合併する事はなかった。

これが今年の予測への良い繋ぎになる:

■幹部1:コムキャストがワーナーブラザース・ディスカバリーのスタジオとストリーミング資産を取得し、NBCユニバーサルと合併する

二度目のチャンスだ!ワーナーブラザース・ディスカバリーはそのリニア資産を会社の残りから分離している。コムキャストはほとんどのケーブルネットワークをスピンオフしている。これは何かを意味するに違いない、そういう事でしょうが?

■幹部2:コムキャストがチャーターを買収し、残りのNBCユニバーサルをスピンオフする

そう、コムキャストにはスピンコ1とスピンコ2があるかもしれない!この幹部は、コムキャストがドナルド・トランプ政権を試し、10年前にタイムワーナー・ケーブルを買収する提案を撤回した後、アメリカの2大ケーブル会社を統合しようとしていると予測している。これは、政府がその取引を阻止するだろうと判断した結果であった。

■幹部3:フォックスがワーナーブラザース・ディスカバリーの資産の大部分を取得する

フォックスは2019年にディズニーに大多数のエンターテインメント資産を売却した後、再び規模を拡大し、HBO、映画スタジオ、ターナーネットワーク、ワーナーブラザース・ディスカバリーのストリーミング資産を取得してメディア業界を驚かせるとこの幹部は述べている。

フォックスが売却する可能性があるとの予測もあったが、マードック家の信託の未来が不明である事を考慮するなら、フォックスは成長のための明確な手段を求めているのかもしれない。

■幹部4:ダナ・ウォルデン氏がディズニーを年末に去る

ディズニーはすでに新しいCEOの指名を2026年初頭まで延期すると発表しているため、この予測は同社が発表を少し前倒しする事を前提としている。ディズニー・エンターテインメントの共同議長であるウォルデン氏は、ハリウッドの中の人であり、この職に最も近い候補者と見なされている。ボブ・アイガー氏からボブ・チャペック氏への引き継ぎが上手く行かなかったため、取締役会は候補者を慎重に審査する時間をかけている。

別の幹部は、NBCユニバーサル・エンターテインメントおよびスタジオの会長であるドナ・ラングリー氏がウォルデン氏や他の内部候補に対するチャレンジとしてこの職に考慮される可能性があると推測している。

■幹部5:ジェフ・ベゾス氏はトランプ大統領が自らの企業へ影響を与える事を示したため、『ワシントン・ポスト』の売却を強制される

ベゾス氏は『ワシントン・ポスト』の未来に対して献身していると述べているが、同紙は今年、様々なドラマを演じてしまった。もしかすると2025年は、ベゾス氏が余計な頭痛を我慢する事を止める年かもしれない。

■幹部6:複数のテレビ局グループが財政難から売却を余儀なくされる

EWスクリップス、テグナ、シンクレア・ブロードキャストなどの企業は、従来のペイテレビ評価が低下し、契約解除が増える中で、最近数年の間に株価が下落しているのを見守ってきた。これらの企業の幹部は、新しいトランプ政権がさらなる統合の道を開くと予測している。数社は、倒産を避けるためや必要な規模を得るために、絶望から売却に至る可能性が高いとこの幹部は推測している。

■幹部7:トランプ政権はテレビ局の所有権ルールを緩和し、CBS、ABC、NBC、フォックスが自らの関連局を買収する道を開く

前の考えと似ているが、この幹部は、局の買収者は放送ネットワーク自身であると言うより大胆なステップを踏んでいる。

■幹部8:パラマウント・グローバルがライオンズゲートを買収する

パラマウント・グローバルが来年、スカイダンス・メディアとの合併に向けて政府の承認を得ると、同社の新しいリーダーシップはビジネスの変革を図るだろう。著者は、来年の初めにライオンズゲートスタジオがスターズからスピンオフされた後に、パラマウント・グローバルがライオンズゲートスタジオを買収すると予測している。

■幹部9:大手テクノロジー企業が電子ゲームメーカーのエレクトロニック・アーツを買収する

過去数年間、コムキャストやディズニーと関係を持っていたエレクトロニック・アーツは、2025年にネットフリックス、アルファベット、アップル、あるいはアマゾンなどの大手テクノロジー企業に売却されると著者は見込んでいる。これは、2023年にマイクロソフトがアクティビジョンを買収した流れを受けるものである。

■幹部10:業界のM&A熱は大げさに報道されており、実際には思われているよりも少ない取引が行われる

あなたたちは間違っている!この幹部は、M&Aの予測が一般的に実現しないだろうと述べており、統合が変化の多い業界に実際の解決策を提供する事は無いと考えている。

■幹部11:パラマウント+、ピーコック、マックスがまとめて販売される

パラマウント・グローバル、NBCユニバーサル、ワーナーブラザース・ディスカバリーの幹部たちは、ストリーミングの統合オプションを考慮する必要があると公言している。もし、これら3つのサービスを組み合わせたバンドルがあったらどうなるだろうか?この幹部は、3つのサービスが一つのプラットフォームでハードバンドルされるか、まとめて割引価格で販売されると予測している。

■幹部12:スポーツストリーミングサービスのヴェニューは決して発足せず、フォックスはESPNのストリーミングサービスにスポーツコンテンツをライセンスする

ディズニー、フォックス、ワーナーブラザース・ディスカバリーが共同出資しているヴェニューは、今年初めに大々的に発表された。しかし、Fuboによって提起された独占禁止法の訴訟が、サービスの開始を遅らせている。一方で、ESPNは2025年秋までに「フラッグシップ」ストリーミングサービスを発表する予定であり、これにより企業はヴェニューを放棄する事になるとこの幹部は予測している。

■幹部13:キャシー・ケネディ氏がルーカスフィルムを辞任する

ケネディ氏は2012年からディズニーのルーカスフィルムの社長を務めており、現在70代である。スター・ウォーズフランチャイズの新しいリーダーが必要な時期かもしれない。

フォースが共にありますように。2025年に何が起こるのか見てみましょう。楽しい休暇を!


開示事項:コムキャストはCNBCの親会社であるNBCユニバーサルを所有している。


※興味深そうな記事を拙訳しておりますので、よろしければ読者登録お願いします。後、拡散も。








「アップルがロシアの検閲に加担している」と国境なき記者団が非難

国境なき記者団の声明を拙訳していきます。
Apple’s complicity with Russian censorship: RSF calls on the tech giant to refuse compliance with regulators that do not respect international standards for the right to information(アップルのロシアの検閲への加担:国境なき記者団は、情報に対する権利の国際基準を尊重しない規制当局への従属を拒否するよう要求)

情報の自由への公然たるコミットメントに矛盾して、アップルはロシアの検閲者の要求に屈し、ロシアのApp Storeから独立したジャーナリズムアプリやコンテンツを削除している。国境なき記者団(RSF)は、アップルに対し、国際基準に合致しない規制当局の命令を拒否する事で、市民の自由で独立した情報へのアクセスを真に守るよう求めている。また、RSFはアップルに対し、透明性のある措置を採用するよう呼びかけている。

11月14日、アップルはロシアのApp Storeから3つの主要なジャーナリズムポッドキャストを削除した。「インサイダー・ライブ」、「BBCの『Что это было?』(「何がそれだったのか?」)」、「エコー」などがそれである。翌日、アップルはアメリカの放送局「自由ヨーロッパ放送/ラジオ・リバティ(RFE/RL)」のロシア系支局であるスヴォボダのアプリも削除した。

さらに、10月には、RFE/RLとアメリカ公営放送ボイス・オブ・アメリカが共同制作したアプリ「カレント・タイム」をアップルがブロックした。また、2023年8月には、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁からの圧力を受けて、アップルはロシアの亡命メディアであるメデゥーサとコロドのポッドキャストをプラットフォームから削除した。これらの決定により、アップルはロシアのデジタル領域から独立メディアの漸進的な排除に寄与してきた。

「合法的な命令に従わない場合、アップルはその国でApp Storeを運営したり、コンテンツを配信したりできなくなる可能性がある」とアップルの代表はRSFに対して述べた。「アメリカ政府は、民主的な原則はこれらのサービスの利用可能性を通じて最も助けられるため、企業がロシアの人々に通信サービスを提供し続ける事を奨励している」
アップルが権威主義国家からの恣意的な命令に従う事は、2020年に採択された「人権へのコミットメント」における公的な情報の自由への誓約に疑問を投げかけている。また、これは、世界最大のジャーナリストの監禁国である中国において、2017年に同社が行った行動の再発を懸念させる。具体的には、中国のiPhoneでVPNをブロックした際、多くのジャーナリストやその情報源を含むインターネットユーザーが監視から自分自身を守り、フェースブック、グーグル、ウィキペディアなど、中国で禁止されているサイトにアクセスするのを可能にしていた。

西側諸国によるロシアへの制裁にもかかわらず、アップルは間接的なiPhoneの輸入のおかげでロシアで繁栄し続けている。2024年には、iPhoneの販売がロシアのスマートフォン市場の12%を占めており、これは2020年よりも多いと、ロシアで禁止されているロシアのメディア「モスクワ・タイムズ」が今週発表した記事で指摘されている。



バイデン大統領の息子、ハンター氏の恩赦を巡る米メディアの反応



米メディア研究所のポインターの記事を拙訳してみました。

Media reaction to President Joe Biden’s pardon of his son, Hunter(バイデン大統領の息子、ハンター氏の恩赦を巡るメディアの反応)

今週、メディア界は1日の夜遅くに報じられたニュースに注目した。ジョー・バイデン大統領が息子ハンター氏に対して全面的かつ無条件の恩赦を発表したからである。この恩赦には、違法に銃を購入した事および脱税に関連する連邦の有罪判決が含まれている。

バイデン大統領は声明で「彼に対する告発は、議会の私の数人の政治的対立者が私を攻撃し、私の選挙に反対するために煽動した後にのみ起こった。ハンターのケースの事実を見る合理的な人間は、ハンターが私の息子であるために特別扱いされただけだという結論に至る事が出来る以外に何もない — それは間違っている」と述べた。

翌日、メディア界はこのニュースの分析に全力を尽くした。ケーブルニュースネットワークは特にこの件に熱心であり、CNNが多くのホットテイク(インターネット上で個人があるトピックについて強い意見を述べた文章やスピーチを指す非公式の表現)を提供した。

ニューヨーク・タイムズのピーター・ベイカー氏は「1日の夜に息子のハンター・バイデン氏に恩赦を与える事で、現職の大統領は、選択的起訴や政治的圧力について不満を漏らし、バイデン氏が今まで長い間擁護してきた制度の公正さに疑問を呈する形となった」と書いた。

ニューヨーク・タイムズの保守系コラムニストであるブレット・スティーブンス氏は、そのコラムの見出しでこの恩赦を「不名誉な」と呼んだ。スティーブンス氏は「もし民主党が共和党の台頭の一因を理解したいのであれば、1日のバイデン大統領による息子のハンター氏への恩赦を見る事が出来る。これには、まさにその悪質さ、政治的偽善、むき出しの自己利益、忌まわしい例が含まれており、多くのアメリカ人がMAGAworldが「沼」と呼ぶものについて嫌悪する理由を特に表している」と述べた。

スティーブンス氏はさらに「バイデン大統領の弱々しく、忘れられがちで、しばしば愚かな大統領職の惨めな結末である」と付け加えた。

ワシントン・ポストの編集委員会は「はっきりさせるために言うと、バイデン氏は息子ハンター氏を恩赦する法的権利を疑う余地なく持っていた。しかし、1日にそうした事で彼は司法省を貶め、ハンター・バイデン氏への恩赦とトランプ氏が公正な司法行政に対して取るかもしれない今後の行動を同列に扱う事を招いた。これによって、多くのアメリカ人の間で司法制度がダブルスタンダードであるという疑念が深まるリスクが生じ、トランプ氏の司法制度を再構築しようとする動きを正当化する事になりかねない」と述べた。

ポリティコのニュース責任者であるアレクサンダー・バーンズ氏は「これは、我々が知っている司法制度を破壊したい人々への豊かなる贈り物である。政府が偽善的なエリートによる自己利益クラブであると主張する人々にとっても同様である。これは約束を破る行為であり、バイデン氏の支持者たちはバイデン氏が引き起こした負傷によってまた一つの屈辱を味わう事になる。決定は、首都が大統領候補ドナルド・トランプ氏とその任命者による連邦法執行機関への攻撃に備えているときに下された」と述べた。

もちろん、保守メディアは興奮しているが、その主な理由は彼らがハンター・バイデンに数年間執着してきたからである。その執着や、ドナルド・トランプ大統領候補が再任期に報復を考えている事を示す全ての兆候が、バイデン氏の決断に影響を与えた可能性がある。

ワシントン・ポストのコラムニストであるユージン・ロビンソン氏は明白な事を指摘した。「私がジョー・バイデン大統領であったなら、同じ事をしたであろう。私は、犯した犯罪のためではなく、私のせいで連邦刑務所の懲役の可能性に直面している息子を恩赦にするだろう」と述べた。

ロビンソン氏はさらに、「ハンター氏を恩赦する事が大統領にとって政治的に正しい選択であったとは言えない。大統領が行うべき道徳的に正しい選択であったのかも疑問である。しかし、もし私の息子がハンター氏の立場におり、ペンを一振りで彼を救い、新たなスタートを与える力があったなら、私はそれをするだろう。多くの父親が同意すると思う」と述べた。

多くのメディアで繰り返し指摘されているのは、バイデン氏が恩赦を与えないとずっと言い続けていた事である。彼は自らの選挙戦で、カマラ・ハリス氏の選挙戦でもそう言っていた。

Mediaiteのトミー・クリストファー氏は、「最も有害な意見は、表面的には客観的なメディアの人物から出るもので、事実や内容を無視して、大統領が行った事が巨大な不正であり、トランプ氏が行ってきた事と同等であるか、あるいはそれ以上であるという考えを補強しようとしている」と書いている。

恩赦を批判する多くの人々は、相当な手間をかけた結果、ハンター・バイデン氏が不当に扱われたり、単に大統領の息子であるがために厳しい罰を受ける対象になった事を認めている。そして彼らは、バイデン大統領を嘘つきと呼ぶ。

クリストファー氏は「これらの発言は現在『嘘』として特定されている — そして、(CNNのスコット)ジェニングス氏や(ドナルド)トランプ氏のような支持者にとって公平な動きである。状況が逆であれば、間違いなく民主党員も同じ事を言うだろう。だが、ニュース関係者は支持者を模倣する事はない。『嘘をつく』と『考えを変える』の間には大きな違いがある。ジャーナリストの義務は(トランプ氏を嘘つきと呼ぶ事を避けるために思いつく全ての言い換えを考えた者たち)アメリカ人に全ての事実を提供する事である」と述べた。

クリストファー氏は続けて「まず第一に、バイデン氏がその約束をしたとき、まだ大統領選挙を戦っており、責任を問われる性的捕食者で有罪の犯罪者が彼の後任となる事はないとかなり確信していたため、ハンター氏をさらなる攻撃から守る必要が少なかった。本人が辞退した後でも、カマラ・ハリス副大統領の状態は良好であり、トランプ氏の驚くべき勝利の数日前や数時間前でもそうであった。その間、トランプ氏はハンター氏を攻撃する事をキャンペーンの一環として、事実のない虚偽の主張と否定された告発を定期的に行っており、これが大統領の恩赦が広範な時間を包含する理由の一部を説明する」と述べた。

再び、恩赦はまた、ハンター・バイデン氏が政治的な駒となってしまった事を指摘している。ポリティコの上級ライターであるアンカッシュ・カルドリ氏は先週、「基本的だが重要な命題から始めよう:ハンター・バイデンに対する起訴は、おそらく他の誰かに対しては提起されなかっただろう。これはハンター・バイデン氏の行動を正当化するものではないが、銃の犯罪はほとんど実際の前例がなく、脱税の根拠となる行動は通常、司法省によって返済や罰金を通じて解決される。我々がここにいる理由は、トランプ氏と彼の共和党の同盟者たちが、ジョー・バイデン自身の司法省に対して息子を起訴するように効果的かつ成功裏に圧力をかけたためである」と述べた。

メディアの中には、これがバイデン大統領の大統領職を傷つけると主張する者もいるが、それは一時的な感情に基づくものであると感じる。まもなく、ドナルド・トランプ氏はホワイトハウスに戻る事になるかもしれない。バイデン氏の息子に対する恩赦を、彼の大統領職の間に自分が見合った事を行うための理由として使う可能性がある。

しかし、トランプ氏の行動から見る限り、本人は自分のしたい事をするために理由を必要としない感覚がある。前例があろうとなかろうと。


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国境なき記者団、「#MeToo時代のジャーナリズム」報告を発表。#MeToo運動がメディアの世界に大きな影響を与えている事が明らかに



親愛なる皆様:

#MeToo運動はメディアの世界に大きな影響を与えている事が、特定の調査に基づく国際的な報道機関である国境なき記者団(RSF)が昨日発表した「#MeToo時代のジャーナリズム」という報告書によって明らかになった。

今回の報告書のためだけに調査された113人のジャーナリストのうち、80%以上が女性の権利、ジェンダー問題、およびジェンダーに基づく暴力を扱う記事の数が増加したと答えた。#MeToo運動はまた、新しいメディアの創設、ニュースルームの方針の変更、新しいジャーナリストネットワークの発展を促している。

一方、女性の権利、ジェンダー問題、性別に基づく暴力に関連する仕事は今なおジャーナリストにとって危険であり、我々の報告書に対する調査では27%の回答者がそのように述べている。また、約60%がこれらの主題を報じたためにサイバー嫌がらせを受けたジャーナリストの事例が少なくとも一つあると答えている。ロシアのような権威主義体制の国々では敵意が依然として強く、亡命が唯一の選択肢であることもある。タリバンがアフガニスタンで権力を奪還して以来、女性ジャーナリストはメディアから追放されるか、国を逃れざるを得なくなっている。

こうした調査結果に基づき、RSFは政府、法執行機関、司法当局、オンラインプラットフォーム、メディア機関に対して、女性の権利、ジェンダー問題、及び性別に基づく暴力に関する取材時にジャーナリストが完全に保護されることを確実にするための16の勧告を策定した。

この独占調査を実施できたのは、皆様の支援のおかげである。皆様の寄付がなければ、スタッフはこのような調査活動を行うことも、ジャーナリストが安全に職業を行えるように勧告を策定することもできなかったであろう。継続的なご支援に感謝申し上げる。

私はRSFを支持します。

国境なき記者団 (RSF)
アンヌ・ボカンデ氏、RSF 編集長

キーア・スターマー首相、メディア企業はAIで使用結果を管理すべきと発言、テック系に釘を刺した格好



ガーディアンの記事を拙訳していきます(2024年10月28日午前5時投稿)

Keir Starmer says media firms should have control of output used in AI(キーア・スターマー首相、メディア企業はAIで使用結果を管理すべきと発言)

PM says content creators must be paid and vows to ensure technology ‘does not begin to chip away’ at press freedoms(首相、コンテンツ制作者に報酬を支払うべきと述べ、テクノロジーが報道の自由を「スクレイピングが無い」よう保証すると誓う)

Alexandra Topping
Mon 28 Oct 2024 05.00 GMT


キア・スターマー首相は、人工知能技術が経済と英国を変革する中で、メディアは自分たちのコンテンツを管理し、その報酬を受け取るべきであると述べた。

ジャーナリズムを「民主主義の生命線」と称する首相は「報道の自由を擁護」しながら、デジタル技術の成長する力がジャーナリストやパブリッシャーが民主的な価値を守る能力を蝕まないようにすると誓った。

ニュースメディア協会のジャーナリズム・マターズキャンペーンを開始する記事の中で、スターマー首相はAI、クリエイティブ産業、メディアが政府の経済成長の使命の中心であり、産業政策の「バランスをとる」ために両方のセクターと協力していると述べた。

「我々は、出版者が自分たちの作品を管理し、報酬を求めるべき基本原則を認識しており、AIの役割を考えるときにもそれは同様である」とスターマー首相は述べた。信頼出来る情報の提供がかつてないほど重要なメディア環境に不可欠だからだという。

メディアが、パブリッシャーやアーティストのコンテンツをスクレイピングするAI企業を許可する計画に対して反発があると首相が明らかにした事で表向き安堵の念が広がっている。オンラインコンテンツをデフォルトで使用してAIモデルを訓練するのをテクノロジー企業に許可する計画に反対する組織にはBBCが含まれており、パブリッシャーや他のコンテンツクリエイターが選択肢を持たない限りそうなる。

政府はテクノロジー企業からの投資を誘致したいと考え、英国のデータセンターへの250億ポンド以上の投資を発表した。一方グーグルは、英国がデータセンターをもっと建設し、テクノロジー企業がAIモデルに著作権で保護された作品を使用出来るようにしないと置き去りにされる危険があると先月になって警告した。パブリッシャーはこれを「空き巣が入らないように家の外に掲示をしろと言っているようなものだ」と述べている。

スターマー首相は、デジタル市場、競争、消費者法が、消費者と事業者に対する少数のテクノロジー企業の「過度の支配力」に取り組む為に英国の競争監視機関を強化すれば「関係のバランスを再調整」するのに役立つと主張した。

6月にジャーナリズム研究のロイター研究所からの報告書は、ニュースを選択的に避ける人の割合が7年前より10パーセントポイント増加し、20の主要市場で39%の過去最高に達した事が分かった。これは2012年にデジタルニュース報告が始まって以来、記録されたニュース回避の最高レベルであった。

スターマー首相は、英国には900以上の地方および国内の新聞があり、英国のニュース産業は依然として80%以上の人口に届いていると書いた。「ニュースの未来についての悲観的な予言にもかかわらず、それは驚くべき強さを示している」と述べた。

「選挙キャンペーン中に私や前首相のリシ・スナック氏をしっかりと責任を負わせた決心強く、鋭い第4の権力のメンバー」を称賛した。「私も現在の野党指導者もこれに不満は言わなかった。我々の偏った支持者をメディアに向ける事もなかった。我々はこれが民主主義の行動である事を受け入れ、我々の仕事を他の前例に沿って行った」とも述べた。

「だが、それは当たり前の話ではない。世界中でジャーナリストがこれらの価値を守るリスクを冒している」と付け加え、ロシア占領下の東ウクライナで報道中に捕えられた後、ロシアの拘束で命を落としたウクライナのビクトリア・ロシュチナ氏や「ガザでの言葉にならない苦難を報じて亡くなった何百ものジャーナリスト」に哀悼の意を表した。

夏には、労働党がスラップス(ジャーナリスト、学者、運動家を威嚇する目的でオリガルヒなどが起こす偽りの訴訟)に取り組む提案を遅らせたことに懸念があった。上院のフレデリック・ポンソンビー労働党法務大臣は、政府が見直しを行うと約束したものの、市民参加に対する戦略的訴訟に関する単独法案の提出や、この問題への取り組みのタイムテーブルを示すことはできないと述べた。

一方、スターマー氏は報道の自由を守るために、政府は「司法へのアクセスと並んで、調査報道を保護するためにスラップスの使用に対策を講ずる」と述べた。

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過剰なAI信頼は批判的思考を減らしてしまう←バングラデシュのメディアが問題提起



バングラデシュのデイリー・スターの記事を拙訳していきます(2024年10月27日午前4時1分投稿)。

Over reliance on AI may reduce critical thinking(過剰なAI信頼は批判的思考を減らしてしまう)

Sun Oct 27, 2024 04:01 AM
Last update on: Sun Oct 27, 2024 11:08 AM

メディアリソース開発イニシアチブ(MRDI)が行った研究によると、調査対象となった25のニュースメディアからの53人のジャーナリストのうち、半数以上が人工知能を使用している事が判明した。

回答者の約3分の2は、AIを使用する事で効率が向上し、コンテンツの品質が改善されたと感じており、52%は労働負荷が軽減されたと調査では報告している。

この報告書は、昨日首都のデイリー・スター・センターでの討論で公表された。

バングラデシュ大学のマスメディアおよびジャーナリズム学部の助教であるマリハ・タバスム氏と、デジタリー・ライトのマネージングディレクターであるミラージュ・アーメド・チョウドリー氏が調査結果を発表した。

調査参加者のうち、77%は男性で、23%が女性である。参加者の半数が紙媒体メディアを代表し、テレビチャンネルおよびオンラインポータルがそれぞれ25%と23%を占めている。

また、報告書は参加者の50%が、将来的にAIがジャーナリズムの品質を大幅に向上させると信じていると述べている。

女性は男性よりAIを受け入れる傾向が強く、女性参加者の58%がニュース制作にAIを使用しているのに対し、男性は48%である。

AIによる失業の懸念は中程度で、多くの参加者が5段階中3と評価している。一方、ジャーナリストの間ではAIへの過剰依存が批判的思考を減らし、コンテンツの信頼性に影響を与えるのではないかという強い懸念がある。

研究のフォーカスグループディスカッションセグメントの主な調査結果では、ジャーナリストは特にAIに対して技術的変化に対する根強い抵抗を示し、それをツールではなく脅威と見なしているとされている。また、翻訳やファクトチェックといったタスクでAIの利点が明らかであるにもかかわらず、報道現場がその能力を十分に活用していないと述べている。

調査の制限について話し合う中で、2人の研究者は小さいサンプルサイズと印刷メディアの高い代表性が伝統的なジャーナリズムの実践に傾いた結果をもたらすかもしれないと述べた。

ダッカ大学のマスメディアおよびジャーナリズム学部の准教授であるサイフル・アラム・チョウドリー氏は、「無料のAIツールの利用はデジタル安全性とセキュリティについての懸念を引き起こす... 独立ジャーナリズムの繁栄が次の2、3年で起こる可能性がある中で、これら無料AIツールの使用は私たちを困難な状況に追いやるだろう」と述べた。

チョウドリー氏の意見に同調し、トランスペアレンシー・インターナショナル・バングラデシュ(TIB)のコーディネーターであるモハマド・タウヒドル・イスラム氏は、AIツールの頻繁な使用が私たちを将来のビジネスモデルに対してより脆弱にするだろうと述べた。

「こうした無料ツールは我々からの入力を得て強化されている。このような外部統合は危険である。多くの国際的なニュースメディアはAIを内部統合している。我々もそれをし、独自のAIモデルを作成しないと、ニュースメディアは独自性を失うだろう」と述べた。

バリシャル大学のマスメディアおよびジャーナリズム学部の助教であるエムラン・ホセイン氏は、AIを責任を持って使用すれば包括的な出力を得ることが可能であると述べた。


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メディアの過負荷:我々がコンテンツをより少なくする必要性とは



データエシックスの記事を拙訳していきます(2024年10月20日付け)。
Media Overload: Why We Need Less, Not More Content(メディアの過負荷:我々がコンテンツをより少なくする必要性とは)

Author: Thomas Telving    Published on: 2024-10-20    

AIに関する誇大広告の多くは、既に供給過剰にある分野での生産を加速することに焦点を当てている。AIが真の社会的進歩を遂げるためには、より大きく、意味のあるビジョンが必要だ。

メディアの経営者やマーケティング担当者、その他多くの人々は、生成AIを用いてコンテンツを作成する事により大きな生産性の向上を見込んでいる。テキスト、画像、ポッドキャスト、さらには映画をほとんど人の手を介さずに作成し、品質が向上し続ける技術を用いれば、コスト削減や効率的な生産拡大への明らかな機会がある。このような背景の中、AIに高価な取り組みを任せることは合理的な選択のように見えるかもしれない。だが、そこには大きな問題が存在する。

■コンテンツ自動化の背後にある誤った仮定

メディア生産を自動化しようとする動きは、人類がより多くのメディアコンテンツを必要としているという根本的に誤った仮定に基づいている。だが、控えめに言っても、事実ではない。インターネットの登場以来、デジタル情報の増大する流れは、啓発や教育するのではなく混乱させ、圧倒するような圧倒的な洪水に変わった。不幸な事に、情報を得るほど真の知識は得られていないように思える。何が重要で、何が些細であるか、また何が真実で、何が虚偽であるかを区別することはほぼ不可能となっている。ほとんどの人々は見出しを流し読むしかできず、ニュアンスのない表面的な世界観にとどまっている。我々は、読んだものを意味のある形で吸収または文脈化する時間と精神の明瞭さを見つけるのに苦労している。

■ソーシャルメディアの台頭とコンテンツの爆発

情報の氾濫はソーシャルメディアの台頭とともに激化し、この頃から「コンテンツ」という言葉がジャーナリズムやコミュニケーションで普及し始めた。「スペースがあるなら、コンテンツでそれを埋めよう」という考えが一般的だった。その結果、私自身もコンサルタントや広報担当として働く中で、コンテンツを作り出す事が当たり前となり、しばしば虚構のコンテンツを生み出して空隙を埋めていた。真の関連性が薄れ、ユーザーの心理的報酬システムを戦略的に操作して可能な限り多くのクリックを集め、ウェブトラフィックを促進することに終始してしまったのである。広報メディアは商業的コンテンツプロデューサーと直接競争する事になり、今日では皆が注意を引き、それを収益化するという同じゲームをしている。啓発は静かに注意に取って代わられた。

■AI生成メディアの過剰供給の危険性

このような状況の中で、より多く、そしてより安価なAI生成メディアコンテンツが増えるという展望は問題である。アメリカのメディア学者ニール・ポストマン氏が1985年の著書『Amusing Ourselves to Death』で予見したように、誘惑的なメディアコンテンツの抗しがたい魅力は、我々の最も重要な自由の一つ、すなわち自らの注意を制御する自由を自ら進んで放棄させてしまっている。そして我々はそれに抵抗するどころか、積極的に楽しんでさえいるのだ。この現実を考慮すると、メディアにさらに多くの燃料を注ぐのが良い考えであるとはとても言い難い。

■AI主導の世界で注意を取り戻す

我々の注意を巡る競争に対する良い解決策を見つけるのは容易ではない。そのような解決策はメディア業界を超えた、AIを共に用いて作り出す社会のあり方のより広いビジョンに関わるものでなければならない。コミュニケーションと注意の問題を脇に置くとしても、ドイツの哲学者ハルトムート・ローザ氏の洞察が貴重な出発点となるかもしれない。ローザ氏は、成長に取り憑かれた現代社会では、我々は下りのエスカレーターを歩いているようだと主張する。止まると、立ち止まるのではなく後退することになる。AIの文脈において、技術が持つ膨大な生産性の可能性にも関わらず、それがしばしばエスカレーターを加速させているだけでしかないのを見出せるだろう。社会を改善する事なく、AIは我々全員を、メディア業界の人々だけでなく、取り残されないように、より多くをより短時間で達成するように強いる絶え間ない加速に寄与している。我々が生成AIで自分自身や組織を効率化するにつれ、追いつくためには速く動き、より多くのものを生み出さねばならないが、実際には何も改善されない。単に疲れ果て、集中力を失うだけである。

■AIの役割のより幅広いビジョンの必要性

もし我々の指導者や野心的な市民が集められる最大のビジョンが、より多く、より速く、より安く生産することに過ぎないのなら、一つ確かなことがある:我々は人工知能から真の人間の利益を引き出せないであろう。生産性は向上するだろうが、我々の幸福は増さないであろう。ストレス、不安、不満の波は止むことなく続くだろう。この絶え間ない加速に対抗するためには、基本的な質問を問い続ける必要がある:どのような人生、職場、コミュニティを我々は望むのか? 新しい技術を用いてどうすればより幸福で満たされた人間になれるのか?そして個人レベルで、メディアコンテンツの生産増加に対抗するために:いつ私は幸せを感じるのか?何が私に真のエネルギーを与えるのか?

私は今でも、人工知能が真の進歩のための独自の機会を持っていると信じている。だが、日を追うごとに、賢明にそれを活用するのではなく、その可能性に溺れる可能性が高まっている。

この評論は元々、国内日刊紙『ポリティケン』に掲載されたものである。

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アメリカ人のメディアへの信頼は依然として低いとギャラップ世論調査。…日本は他山の石なのか?



ギャラップの世論調査を拙訳してみます(2024年10月14日付け)。グラフはサイトからの引用です。

Politics
October 14, 2024
Americans' Trust in Media Remains at Trend Low(アメリカ人のメディアへの信頼は依然として低く)
Trust in political and civic institutions highest for local and state governments, lowest for media and Congress(政治・市民機関への信頼は、地方政府と州政府が最も高く、メディアと議会が最も低い)

by Megan Brenan

【ワシントンD.C.】 -- アメリカ人のマスメディアに対する信頼は依然として記録的な低さを示している。ニュースを「完全に、正確に、公平に」報じることへの「大いに」または「ある程度」の信頼を示したのは31%である。これは昨年の32%と同様だ。アメリカ人のメディアに対する信頼、新聞、テレビ、ラジオなどは、2016年に初めて32%に落ち込み、昨年再び同じ水準になった。

3年連続で、メディアを全く信頼していないアメリカの成人(36%)が、「大いに」または「ある程度」信頼している成人を上回っている。さらに33%のアメリカ人は「ほとんど信頼していない」と表明している。

■アメリカ人のマスメディアへの信頼(1972-2024)

 一般的に、ニュースを完全に、正確に、公平に報じるという点において、新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアにどれほどの信頼と自信を持っているか?「大いに」「ある程度」「あまりない」「全くない」のいずれかで答えてください。



※

折れ線グラフ。新聞、テレビ、ラジオといったマスメディアがニュースを完全に、正確に、公平に報じることに対して、「大いに」または「ある程度」信頼しているアメリカ人の割合、「あまり信頼していない」割合、「全く信頼していない」割合の1972年から2024年までの推移を示している。最新の「大いに」または「ある程度」信頼する割合である31%は、2024年9月3日から15日にかけての調査によるもので、この推移の中で最も低い値である。
% 大いに/ある程度 % あまり信頼していない % 全く信頼していない

ギャラップはこの質問を1972年に初めて行なった。その後1997年以降はほとんどの年で調査を行っている。1970年代の3回の調査では、信頼度は68%から72%の間であったが、1990年代後半から2000年代初頭のギャラップの次の調査では、51%から55%と減少した。最新の結果は、9月3日から15日にかけて行われた調査から得られたもので、アメリカのメディアおよび他の市民や政治的団体に対する信頼に関するギャラップの年次アップデートも含まれている。

これまでと同様に、政党支持者はニュースを完全に、正確に、公平に報じるメディアへの信頼度に違いがある。現在、民主党支持者の54%、無党派層の27%、共和党支持者の12%が、メディアに対して「大いに」または「ある程度」信頼していると述べている。無党派層の信頼度は2022年の過去最低と一致し、民主党と共和党の信頼度は過去最低に統計的に近い。



※※

政党支持者のマスメディアへの信頼、1972-2024

一般的に、新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアがニュースを完全に、正確に、公平に報じるという点において、どれほどの信頼と自信を持っているか?「大いに」「ある程度」「あまりない」「全くない」のいずれかで答えてください。

% 大いに/ある程度


2016年に急激に51%まで低下した後、民主党支持者のメディアに対する信頼は2017年から2022年の間で68%から76%の範囲で推移していたものの、昨年58%に下落し、その後も低下している。

過去20年で、年齢による信頼の大きなギャップも顕著になっている。サンプルサイズを増やすために集約データを使用した年齢層別の分析によれば、最も高齢のアメリカ人(65歳以上)と50歳未満の人々の間で信頼度に17パーセントポイントの差があった。それぞれ43%と26%である。


※※※

年代別のマスメディアへの信頼、2001-2024

一般的に、新聞、テレビ、ラジオなどのマスメディアがニュースを完全に、正確に、公平に報じるという点において、どれほどの信頼と自信を持っているか?「大いに」「ある程度」「あまりない」「全くない」のいずれかで答えてください。

% 大いに/ある程度


若い民主党支持者は年配の民主党支持者に比べてメディアを信頼する度合いがはるかに低い。18歳から29歳の民主党支持者の31%が「大いに」または「ある程度」信頼しているのに対し、65歳以上の支持者では74%である。

■地元および州政府が最も信頼を集める一方、メディアおよび立法機関が最も信頼されていない

民主的プロセスに関与するアメリカの10の市民および政治機関の中で、ニュースメディアは最も信頼されていないグループである。連邦政府の立法機関である上院と下院はメディアと同様に信頼されていない。信頼していると答えたのは34%だった。

対照的に、アメリカの成人の多数は、地元の問題を処理する地元政府に少なくとも「ある程度」の信頼を表明しており(67%)、州問題に対処する州政府に対しても55%が信頼を寄せている。また、国が直面する問題について民主主義制度の下で判断を下す際には、国民全体に対して54%が信頼を持っている。

アメリカ人の40%から48%は、連邦最高裁判所が率いる司法部門、政治生活における男女、国際問題を処理する連邦政府、および大統領が率いる行政府を信頼している。国内問題を処理する連邦政府を信頼するアメリカの成人は少なく、37%である。



※※※※


これらの個別の評価はすべて、1972年以来の平均を下回っている。連邦政府の国内および国際問題の処理、行政および司法の各部門、そしてアメリカ国民全体を含むいくつかの評価が歴史的な低評価に近い。昨年からの唯一の大きな変化は、公職に就いている、または立候補している政治生活の男女への信頼が6ポイント増加したことである。

■民主党は共和党より多くの機関を信頼するが、司法部門は例外

民主党の過半数が、立法および司法の各部門を除くすべての機関に対して54%から82%の範囲で「大いに」または「ある程度」の信頼を表明している。共和党の過半数は、司法部門および州と地方の政府に信頼を寄せている。

メディアに加えて、民主党の信頼は共和党より40ポイント以上高く、行政部門、連邦政府の国際および国内問題の処理、公職候補者で顕著である。共和党の信頼は、民主党を上回るのは唯一の機関である司法部門である。



※※※※※


各機関は、立法および司法の各部門を除いて、若い成人よりも年配の成人から多くの信頼を得ている。これらの部門については差がない。

■結論

 アメリカ合衆国は連邦政府、その三権、および公職に就くあるいは立候補している者を含む多くの機関への信頼危機に苦しみ続けている。さらに、第四の権力であるマスメディアへの信頼は新たな低さに達している。地元および州政府、そしてアメリカ国民全体は、アメリカの成人の半数以上から信頼を得ている唯一の機関である。

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全国紙、地元紙、通信社、NHK、民放各社は袴田巌氏の逮捕時の報道を検証せよ

 

 

上が毎日。下がBBC。BBCは「世界で最も長く拘置された死刑囚に無罪判決」とあります。
決定的な証拠を提示出来なかった検察側の敗北は明白であり、これ以上の控訴などはすべきではない。
メディアはそう呼びかける一方、当時の自分たちがどんな報道をしたかを検証していくべきです。どこかしら、予断を与える報道ではなかったのか。袴田さんの名誉を貶めていなかったか。直接取材せずとも、通信社の配信記事を載せた各地域の地方紙も同様です。
報道の在り方とは、自らを振り返り、分析し、妥当だったかどうかを検証し、場合によっては断罪する行為も含まれるのですから。
仮にしないのなら、在野の人が立ち上がるべき。都道府県立図書館には、場合によってはマイクロフィルム化している場合がありますから。多分、地元の静岡には地元の図書館にある筈。
それと、しばらくは袴田氏をゆっくりくつろがせてあげてほしい。玄関前で「今どんな心境ですか」てな問いかけ、止めてあげてホンマ。

アメリカの著名映画人バリー・ディラー氏「レガシーメディアの統合は解決策ではないし、主導権を握る行為でも無い。そもそも、主導権は既存メディア業界には無い」


メディアポストの記事を拙訳していきます(2024年9月25日付け)。
Legacy Media Consolidation Not The Answer - Or 'Hegemony': Barry Diller(レガシーメディアの統合は解決策ではない - あるいは「主導権を握る」行為でも無い: バリー・ディラー氏)

    by Wayne Friedman , Staff Writer, Yesterday

既存テレビネットワーク中心のメディア企業が生き残るための唯一の方法は統合なのだろうか?
伝説的なテレビおよび映画のエグゼクティブであるバリー・ディラー氏によると、仮にそう信じているのなら、それはエゴ、特にエンターテインメントのエゴだけを考えている事になるという。

基本的には、質の高いコンテンツと配信の交差点に帰着する。
幅広い配信アクセスは忘れよう。年を取った線形テレビや急速に変化するストリーミング、それに他のすべてのデジタルメディアアクセスも。代わりに、人々が見るために優れたコンテンツを制作することに焦点を当てるべきである。

最近のフィナンシャル・タイムズのイベントでのインタビューで、ディラー氏は、企業は自分たちがリーダーシップポジションにあると信じるのをやめる必要があるとの懸念を指摘した。「ハリウッドはもはやその覇権を持っていない」と述べ、「伝統的な企業が廃業するという意味ではない」と付け加えた。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのような企業は、間違った方法で取り組んでいるかもしれない。「問題は、視聴者が見たいと思うプログラム、映画やテレビの製品を作っているかどうか。それを競合よりも上手にできれば、うまくいくであろう」と指摘する。

ディラー氏は続けて、「あなたの製品を観衆に届けるための非常に多くの異なる方法があるため、配信経路、つまり製品を世に出すことができる経路さえあれば、うまくいくだろう」と述べた。

それでも、伝統的なメディアは、大手テクノロジー/デジタルメディアの領域に踏み込まないよう注意せねばならない。更に重要な事として、リーダーシップの地位にあるとの仮定を諦める事かもしれない。「ハリウッドのリーダーシップの定義とは何か。それは、テック企業、つまりネットフリックス、アマゾン、アップルに移行したということだ。彼らが、いわば世界の映画とテレビビジネスの支配者であると誰もが呼ぶであろうと思う」という。

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなどは、これに向かって徐々に動いており、ネットフリックス、アマゾン、アップルのようなデジタルメディア会社に高品質/プレミアムなテレビ番組と映画を提供する「武器商人」のような存在になることを目指している。

多くの既存メディア企業はこの微妙なシフトを行っているが、完全に舵を取っているわけではない。依然として配信(線形テレビネットワーク、ストリーミング、地方テレビ局)に注力し、段階的な財務およびビジネスの移行を行っている。

ディラー氏はこの変化の一部として主要なインフルエンサーになれると信じていた。

最近、ディラー氏はパラマウント・グローバルへの入札を検討しており、長い間間違った方向に進んでいた会社の方向を正すためのより良いアプローチを持っていると信じていた。
元パラマウントの上級テレビおよび映画のエグゼクティブであったディラー氏は、これが彼がビジネスを始めた場所への回帰の道となり得たと信じていた。

「私はこれを欲求ではなく、義務と考えた。これをどうすれば良いか知っていると思った」と彼は言った。

その道の具体的な詳細は何か? ディラー氏は沈黙した。暗黙の了解として…主導権とは関係ない。

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メディアの構図は変わりつつあるが、それでもオーディエンスはニュースを欲しがる←米メディア研究所のディスカッションより



ポインターの記事を拙訳していきます(2024年9月4日付け)

The media landscape is changing, but audiences still want news(メディアの構図は変わりつつあるが、それでもオーディエンスはニュースを欲しがる)
Industry leaders broke down myths about news avoidance and trust in discussions with Poynter about state of the news industry(業界の指導者は、ニュース回避と信頼に関する神話を打ち破った)

By: Angela Fu
September 4, 2024

今までのニュースの受け手が減少している時期に、メディア擁護者はニュース疲れを心配しており、多くのメディアは人々が何を求めているのか自問している。

コンテンツクリエーターでありアンダー・ザ・デスク・ニュースの創設者であるV・スピーハル氏によれば、答えは自分が関わっているという感覚だという。「人々は客観性を求めているわけではない」とスピーハル氏は述べた。「確認されること、教育されること、巻き込まれること、あるいはそのストーリーを基に築き上げる事が可能な状況を望んでいる」

スピーハル氏のコメントは、ポインター・インスティテュートの会長であるニール・ブラウン氏が主導するニュース業界の現状に関する3つの円卓討論の1つで述べられたものである。席上、ワシントン・ポスト、ニューヨークタイムズ、TIME、ブルームバーグニュースのメディア関係者、およびインフルエンサーや独立ジャーナリストを特徴としており、ポインターが今週発行した「オンポイント - 価値の上昇: ジャーナリズムとニュース業界のトレンドと牽引力」(OnPoynt — Values Rising: Trends and traction in journalism and the news industry)と題した報告書の公開に続いて行われた。この報告書を出発点として、パネリストたちはニュース回避の神話を分析し、人工知能やその他の技術が業界に与える影響を解析した。

この報告書によれば、「メディア」を信頼しないという多くの人々についての物語はニュアンスに欠けているという。ピュー・リサーチ・センターでは、多くのアメリカ人が地元のニュースソースを信頼し、その重要性を信じている事を発見した。オーディエンスにとって意味のある情報やサービスを提供する事が信頼を生むと報告書は主張している。

URLメディアのCEO兼共同創設者である S. ミトラ・カリタ氏は、席上で「誰かが二度目に電話をかけてくる時」として信頼を定義すると共有した。パンデミック中、カリタ氏はCNNの上級副社長を務めた。一方、そんな広範な影響を持っているにもかかわらず、自身は近所の人々が依然として新型コロナについての個別の情報を得られないことに気付いたとき、「無力」だと感じたという。

カリタ氏は、近所の人々の質問に答えるニュースレターを立ち上げ、Epicenter NYCへと進化させた。「一度助けてくれた。また助けてくれる?」という声を聞く事は信頼の謙虚な示現だったとカリタ氏は述べた。

メディアリテラシーのインフルエンサーであるケルシー・ラッセル氏は、テクノロジーの進歩が情報へのアクセスを容易にし、その結果、ジャーナリストを含む専門家が伝える事を疑問視させるようになったと述べた。その専門家の言葉をそのまま受け取る必要はなく、インターネットを使って矛盾するかもしれない情報を検索する事が可能だからだ。

「長い間、ジャーナリストたちは大きな力を持ち、ジャーナリストが言っていることが真実であり、質問する余地はなかった。だが今では、質問をする事が出来るようになった」とラッセル氏は述べた。「プロセスについて人々に話すことが多ければ多いほど、ジャーナリスト自身でなくても、それをまとめる全チームであるかもしれないが、人々の信頼を得始める。以前は誰も疑問視しなかった舞台裏を見たいと思っているからだ」

報告書は、全国紙に焦点を当てたメディアへの不信に関する多くの指摘があったと認めている。スピーハル氏は、多くのオーディエンスがジャーナリストや伝統的なメディアは自分たちを気にしていないと感じていると指摘した。

「(その認識は)ジャーナリストや伝統的なメディアは私にまったく関心を持っていないように感じる。ただお互いについて心配し合っており、お互いを出し抜くことや誰が特ダネを持っているかに関心があるだけなのだ、と」「その間に、アメリカの一般市民は置き去りにされ、自分が貢献するには賢くないと感じたり、ニューヨーク・タイムズを読まなければ理解できないというように感じている。」

「ニューヨーク・タイムズを憎むと言っているのは愛されたいという感情の裏返しであり、同紙が我々を愛していないと感じているからだと思う」

全国メディアはしばしば人々の信頼を得る手段としてその公正性を強調するが、公正性は距離を意味し、人々が求めているのは「より多くのつながり」であるとカリタ氏は述べた。

一部のメディア視聴者がニュース疲れの現象を嘆く一方で、多くの人々は実際にはニュースに関心を持っていると多くのパネリストが述べた。ワシントン・ポストの上席政治担当記者のアシュリー・パーカー氏は、子供たちが早い段階で新聞から世界について欲しい情報を得られることに気付いたと述べた。そして前回の大統領政権時代には、記者証を見た人々がしばしば政治の話をしたいと止められた事があったと言う。

「ニュース疲れがあったが、政治の詳細に対する非常に大きなニュースへの魅力もあった」とパーカー氏は述べた。「記者ではない普通の人々が私と同じように夢中になって魅了されていることに驚いたものだ」

ポインター・インスティテュートのメディアワイズのディレクターであるアレックス・マハデバン氏は、人々にはニュース疲れではなく、むしろソーシャルメディア疲れがあると考えていると述べた。かつてニュースを消費することは「意図的」な行動であり、人々は意図的に新聞を手に取る必要があった。しかし、ソーシャルプラットフォームとウェブ2.0の台頭によりニュースの消費が「偶発的」に行われている。

「世間の人々がニュースの選択肢が多すぎるためにニュースに疲れているのではなく、ソーシャルメディアに疲れているというのが、今見えている事だ。より意図的なニュース消費に戻るために、若者たちはニュースレターや個々のクリエイターのようなものに目を向けている」とマハデバン氏は述べた。

世間の人々はニュースに参加する機会を提供するためにお金を払うことをいとわない、とパネリストたちは述べた。マハデバン氏は一例として、サイドチャンネル、何人かのテクノロジージャーナリストによって運営されているディスコードサーバーを挙げた。購読者は関係するジャーナリストおよびそれらのジャーナリストのニュースレターの他の読者と対話が出来るようになっている。

コロンビア大学ジャーナリズム倫理のクレイグ・ニューマークセンターのエグゼクティブディレクターであるマーガレット・サリバン氏は、サブスタックのニュースレターを始めた際に、人々が「個人的な声に本当に反応する」事に気づいたと言う。サリバン氏の投稿は無料だが、コメントしたい人は購読する必要がある。

聴衆は本質的に良いストーリーテリングに興味を持っていると多くのパネリストが述べた。そしてジャーナリストはその興味を満たす助けをしている。

「人間を見てみると、彼らはお互いにストーリーを語るのが好きだ。彼らは興味深い話を読むのが好きだ。彼らはストーリーに反応するのが好きだ。彼らは自分の世界を理解するのが好きだ」とブルームバーグメディアのチーフデジタルオフィサーであるジュリア・ベイザー氏は述べた。「そして私は、ジャーナリストとして、興味深いストーリーを見つけてそれを世界に共有するというこの仕事を続ける機会、義務、そして実際の義務があると思う」

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一方、アルジャジーラによると、ロシア政府は自分達の検閲を正当化しながらアメリカ政府のロシアメディア制裁を非難しています



アルジャジーラの記事を拙訳していきます(2024年9月6日付け)

‘Unacceptable pressure’: Kremlin denounces US for targeting Russian media(アメリカがロシアのメディアを標的にするのは『受け入れがたい圧力だ』とロシア政府)

Kremlin spokesman also says media censorship during Ukraine offensive is ‘justified’ as Russia is in a ‘state of war’.(ロシア政府報道官は、ロシアがウクライナを攻撃し『戦争状態にある中』メディアの検閲は『正当化される』とも語る)
6 Sep 2024
ロシア政府は、アメリカ政府がジャーナリストと国営メディアネットワークに対する制裁を発表したことを受けて、ロシアのメディアに対して容認できない圧力をかけていると非難している。
金曜日、ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は、アメリカが世界情勢に対するロシアの見解が人々に届かないようにしようとしていると記者たちに述べた。
「アメリカ政府は、我々の視点からニュースを得るための選択肢が存在する事さえも認めていない。これは露骨な圧力に他ならない。この立場を容認できないものと強く非難する」と語った。
アメリカ司法省は5日、ロシアのテレビ寄稿者ディミトリー・サイムズ氏とその妻アナスタシア・サイムズ氏を、アメリカの制裁に違反するとして起訴した。これは、ロシア国営放送局RTの従業員2名を起訴し、RTとそのトップ編集者を制裁した翌日の事だった。二人が11月のアメリカ大統領選挙に影響を与えようとしたと非難している。
4日に財務省が制裁を課した10人と2つの団体には、RTの編集長マルガリータ・シモニャン氏とその副編集長エリザベータ・ブロドスカヤ氏が含まれている。
「アメリカは、ロシアやロシア国民、更には我々の視点から発信しているロシアメディアに対しても圧力をかけ続けている」とペスコフ報道官は述べた。
サイムズ夫妻は、2022年6月以降、ロシアのチャンネルワンのために行った仕事に対して100万ドル以上を受け取り、個人用の車と運転手を与えられたとして起訴された。このネットワークは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて2022年にアメリカ政府から制裁されている。
一連の起訴は、ロシアがオンライン偽情報とプロパガンダを用いて次期アメリカ選挙に干渉しようとしているという懸念が再燃しているタイミングで行われた。
ペスコフ報道官は、ロシア政府がアメリカメディアに対してロシア国内で独自の制限を課すと述べた。
「対称的な対応は不可能である。アメリカには国営ニュース機関も国営テレビチャンネルもないからだ」とペスコフ氏は国営RIAノーボスチ通信に語った。
「だが、アメリカのメディアが情報を伝えるのを制限する措置が行われる事は間違いない」と述べた。
記者会見でこうした制限について尋ねられた際、ペスコフ報道官はロシアがウクライナ紛争をどのように報じるかを考慮に入れると述べた。
「彼らのいくつかは情報を一方的に伝え、フェイクニュースを避けようとしない。我々はこれをすべて考慮に入れる」と答えた。
ペスコフ報道官は、ロシアがアメリカメディアに対してどのような制限を導入するかは明言しなかった。
アメリカのメディアの大半は、ウクライナに対する法律が独立報道を標的にしている事から、ロシア政府がウクライナでの戦争を開始した際にすでにロシアからスタッフを削減または撤収させている。
一方、ペスコフ報道官は、戦争中のモスクワの前例のない検閲を正当化し、ロシアの情報統制の強化を認めた。「我々が置かれている戦時下では、制限は正当化され、検閲も正当化される」と彼は国営タス通信に別の会見で発言していた。
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今回のバイデン大統領のレース撤退演説に米メディアはどんな反応を示したか



米メディア研究所ポインターの記事を拙訳していきます。

Media reaction to President Joe Biden’s historic address to the nation(ジョー・バイデン大統領の歴史的演説に対するメディアの反応)

歴史的な演説で、バイデン大統領は24日の夜、ホワイトハウスのオーバルオフィスから国民に対して、なぜ再選を目指さないのかを説明した。このような演説は56年以上ぶりのことである。

「私はこの職務を敬愛しているが、それ以上に私の国を愛している」とバイデン氏は述べた。「民主主義を守るためには何物も障害とはならない。個人的な野心も含めて、だ」

「この国に50年以上奉仕することが私の人生の特権であった」と語った。一方、年齢を理由に競争から身を引く可能性を示唆する唯一の場面で、バイデン氏は「バトンタッチの時が来た」と述べた。「新しい声、フレッシュな声、若い声が必要な時と場所もある」と語った。

バイデン氏は11分間話したが、その言葉はドナルド・トランプ氏とは対照的な強いメッセージを含んでいた。トランプ氏の名前を直接挙げることはなかったが、副大統領カマラ・ハリス氏に全面的な支援を表明した。

ABC、CBS、NBCの三大ネットワーク、およびPBSはすべて通常の番組を中断してバイデン氏の発言を放送した。デイビッド・ミュアー(ABC)、ノーラ・オドネル(CBS)、レスター・ホルト(NBC)の各氏が夕方のニュースアンカーとして、報道を監督した。

ケーブルネットワークCNN、フォックスニュース、MSNBCも特別報道を行ったが、フォックスニュースはすぐにジェシー・ウォーターズ氏がホストを務める通常の番組に戻った(ウォーターズ氏もバイデン氏の演説について論じた)。

しかしCNNとMSNBCは大規模なパネルと共に完全な特別報道を行った。CNNはアンダーソン・クーパー、ジェイク・タッパー、ケイトラン・コリンズの各氏が司会を務め、報道には大量のキャストが参加しているように感じられた。すぐ後に最も強力な瞬間がCNNで見られた。

感情的なヴァン・ジョーンズ氏は、「バイデン氏は『キャラクターが重要か?』と問うた。今夜、それが重要だと言える。今夜、それが重要だ。幼少期に吃音があったバイデン氏ややってのけた。そう、やったのだ。良い男だ。剣に倒れた。多くの英雄は最後まで戦うが、剣に倒れた。年を取っているが、心はまだそこにある。言葉は明瞭ではないが、愛は明瞭である。心はまだそこにある」と述べた。

ジョーンズ氏は続けて、「これは人々が見るべきだと思う。誰かがあの椅子に座り、何があっても権力を手放そうとしなかった。権力を手放さず、反乱を起こさせ、あの椅子から出ようとしなかった。投票で追い出されても出ようとしなかった。それに対し、あの同じ椅子に座る誰かが、キャラクターが重要であり、優雅さがあり、人々を第一に考えられる事を示している。バトンを渡せたし、それがより大きな人物であることを示している」

ジョーンズ氏は結論として、「権力を持つ男たちが何をするか、どのように行動するかの二つの例が今ある。ジョー・バイデン氏よりも良い行動はできない。この吃音のあった子供は成長し、この国のためによくやったし、今夜もよくやった」と述べた。

CNNのデイビッド・アクセルロッド氏は、「歴史はジョー・バイデン氏を見る目を優しくするだろう。人々は今週よりも彼を見違えるように評価するだろう。そして彼の成果とこの国へのコミットメントをより明確に見るだろう」と付け加えた。

アクセルロッド氏はバイデン氏のメッセージが明瞭であったことも指摘し、「誰もこの国より大きくはない。それはドナルド・トランプ氏から最初から発せられているメッセージとは非常に異なる。トランプ氏のメッセージは、『国は私だ。私は国より大きい』というものであった。この対比は非常に際立っている」と述べた。

CBSニュースのジョン・ディッカーソン氏は、バイデン氏が自分を吃音のある子供と称した点について、「世界で最も力強い男が突然、小さな子供に縮こまったように見えた。これはアメリカの可能性を語るための方法だ。どのような始まりを持っていてもオーバルオフィスにたどり着くことができる。バイデン氏はそのような雄大なレトリックを持つことが知られていない大統領である」と語った。

別の議題としてバイデン氏のパフォーマンスがどうだったのか、どのように聞こえ、どのように見えたのかということが議論されるだろう。

バイデン氏はかつてほど活力に満ちていないのは確かだ。特に議論から始まり、バイデン氏は最近の3月の一般教書演説と比較してもそれほど強く見えない。そして彼が再びあのエネルギーを持つことはないと言っても間違いではない。ニューヨーク・タイムズのマイケル・D・シーア氏は、24日の夜の演説中にバイデンは「ためらいながら」話していると述べた。

しかし彼は依然として国を運営するのに十分な鋭さを持っているように見える。

MSNBCのステファニー・ルール氏は、バイデンの演説はバイデン氏がレースから降りても大統領を続けられるのかという疑問を沈黙させるものであると述べた。「司令官としてその演説を行い、それを見た誰もが『任期を全うできない』とは思わなかった」とルール氏は言った。

MSNBCのレイチェル・マドー氏は、「彼の声は揺らぎ、彼の話し方はこの任期の初めと比べても強くないかもしれない。大統領職は代償を伴い、彼はその役職に就いた最高齢の男性であり、かつてない挑戦の時期にこの役職にあった。しかし、ビジョンは明確である」と述べた。

次の数日間、メディアや政治関係者はバイデン氏の演説の内容と方法について検討を続けるだろう。彼らの政治的な立場によってそのレビューは形作られる可能性がある。

ともあれ、2024年7月24日という日付を忘れないで欲しい。歴史が作られた日である。

NBCニュースのクリステン・ウェルカー氏は、「これは歴史の教科書に載る演説であり、1968年にリンドン・ジョンソン大統領が再選を目指さないと発表したときの演説と同様に、何度も再生され続けるだろう」と述べた。

■新しい討論会の日程?

ジョー・バイデン大統領と前大統領ドナルド・トランプ氏は二つの討論会を行うことに合意した。一つは6月27日、CNNが主催した。我々はすでにその結果を知っている。次の討論会は9月10日にABCニュースが主催する予定だった。

しかしバイデン氏がレースから降り、トランプ氏がABCニュースが主催する討論会に参加したくないと発言し始めた。彼はハリス氏と討論する意思を示しているが、フォックスニュースが討論会を主催することを望んでいるとも述べている。

フォックスニュースはすぐにそれに飛びつき、そのネットワークはトランプ氏とハリス氏のキャンプに、ペンシルベニア州のスイングステートで討論会を提案する手紙を送った。討論会は9月17日に開催される予定であった。手紙には正確な日付、場所、観客がいるかどうかについては協議中であると記載されていた。

報道によれば、その手紙にはフォックスニュース・メディアの社長ジェイ・ウォレス氏と政治担当副社長ジェシカ・ローカー氏の署名があった。彼らは、司会者としてブレット・ベイヤー氏とマーサ・マカラム氏が「最適な選択肢」であると示唆した。

24日の夜までには、トランプ氏またはハリス氏のキャンプからコメントの要求に対する返答はなかった。

■フェアな質問

ホワイトハウスの報道官カリーヌ・ジャン=ピエール氏は、24日に公式の記者会見を開催した-これはバイデンが大統領選から降りたと発表して以来初めてのことである。

しかし、ジャン=ピエール氏がバイデンの発表以来初めて公に姿を見せ、話をしたわけではなかった。23日にABCの「ザ・ビュー」に出演していた。

24日のホワイトハウスでの記者会見中に、彼女はそのことについて尋ねられた-これは正当かつフェアな質問であった。特別な出来事に鑑み、なぜホワイトハウスの記者との会見前にテレビ番組に出演したのか?

ジャン=ピエール氏は、「いいえ、そこは理解しています。ここでは大統領がいないときにはブリーフィングを行わないというプロトコルがあります。いつもそうしてきたことです」と述べた。

バイデン氏は、新型コロナから回復するため数日間を過ごした後、22日にワシントンに戻ってきた。

「ザ・ビュー」に出演したことに関しては、ジャン=ピエール氏は「2、3週間前から予定されており、大統領が決定を下す前の話だ。それだけです」と述べた。

テレビ番組-特にリベラルで友好的なパネリストが多い番組-に出演する前にワシントンの記者と会うのは、賢明ではないように思える。

大統領がホワイトハウスにいないときに記者会見を行わないという事なのか? 一般的なルールとしては良いかもしれないが、大統領が1968年以来行われていないことを決定したときには、規範を破るのが良いとは思わないだろうか?

一方で、バイデン氏が24日の夜にオーバルオフィスからの演説を行う前に、報道官が発言したことにも驚いた。

最後にもう一つの考えとして、ジャン=ピエール氏がホワイトハウス報道官としての任期を終えようとしている可能性もある。彼女を雇った人物が2021年1月20日以降、もはや大統領ではないためである。


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ロシア、AFP通信やポリティコなどEUの81の異なる報道機関の国内での放送へのアクセスを禁止すると発表。EUがロシアの報道機関数社に対して同様の禁止措置をとった報復



アドウィークの記事を拙訳していきます(2024年6月26日午前7時59分投稿)。

※EUがロシアの報道機関数社に対して同様の禁止措置をとった報復として、ロシアは25日、AFP通信やポリティコなど欧州連合 (EU) の81の異なる報道機関の国内での放送へのアクセスを禁止すると発表しました (Reuters)
※ロシア外務省は声明で、今回の禁止措置は「国内ジャーナリストに対する動機に基づく嫌がらせと、EUにおけるロシアメディアの不当な禁止」に対応するものだとしています (The Hill)
※今年5月、EU理事会は、ロシアとつながりのある4つのメディア (ボイス・オブ・ヨーロッパ、RIAノーボスチ、イズベスチヤ、ロシスカヤ・ガゼータ) がウクライナとの戦争におけるロシア政府のプロパガンダを広め支援しているとして、EU内での放送活動を停止させました (Politico)
※ロシア政府は、ロシアメディアへの規制が解除されれば、放送禁止措置を撤回する用意があると述べてはいます (Al Jazeera)

ハリウッドのスト終了後も、米メディア大手はスポーツ中継に力を。その背景にあるのは?



NBCボストンの記事を拙訳していきます(2024年5月18日付け)。
Media giants lean on sports as Hollywood strikes still loom over content slates(ハリウッドのストライキがコンテンツ制作に影を落とす中、メディア大手はスポーツに注力)

This year, while stars once again graced the stages following the end of the strikes, the presentations still leaned more on sports than scripted shows.(今年もストライキが終わり、スターたちがステージを飾ったが、会議でのプレゼン内容は、台本があるショーよりもスポーツに傾いた)

By Lillian Rizzo,CNBC • Published May 18, 2024    • Updated 3 hours ago    

■メディア大手がスポンサーを獲得するスケジュール発表、大スターの登場の背後に隠れた昨年の影響

・メディア大手は今年、ハリウッドストライキの終了後にスターが登場するスケジュール発表で広告主を魅了したが、昨年の作業中断の影響がコンテンツのスケジュールに現れた。 

・既存メディア大手がNBAや夏季オリンピックを強調する一方、ネットフリックスはクリスマスにNFLの2試合を配信することを発表し、スポーツが再びショーを盗んだ。

・企業は依然としてストリーミングに重点を置いており、広告対応プラットフォームを提供するテクノロジー大手は、今後の堅調なスケジュールをアピールしている。

メディア大手は昨年、ハリウッドストライキとコスト削減がコンテンツとスターの力に影響を与える中、広告主を魅了するアップフロントス会議でスポーツに軸足を移した。

今年は、ストライキの終了後にスターが再びステージに姿を現したが、それでもなおプレゼンテーションは脚本付き番組よりもスポーツに重点を置いていたからだ。

昨年の作業中断の影響で、一部のメディア企業はプレゼンテーション中に強調できるシリーズや映画が少なかった。ディズニーやワーナー・ブラザース・ディスカバリーを含む企業のコスト削減も事態を悪化させた。

ライブスポーツは依然として最大の観客を引き付けるため、最も広告収入を見込めるため、アップフロントス会議の目玉であった。

「ストライキ中、企業は収益面で恩恵を受けたと思う。そして、コンテンツ支出がどのようにリターンを本当に駆動しているかを理解しようとする問題のために、本格的に取り組むことを躊躇していたと思う」とウービットゲーミング&エンターテインメントのエグゼクティブチェアマンであり、元NBCケーブル社長のトム・ロジャース氏は言った。

「以前は新シーズン向けに一定のプログラムを出すことが自動的なもので、コンテンツが収益性をどう駆動しているかを理解することなく、比較的定型的なものだった」と付け加えた。

彼は伝統的なメディア企業にとって二つの重要な問題を指摘した。すなわち、伝統的なテレビの衰退と、ライブスポーツを放送するために企業が支払わなければならない増加する料金である。

「コンテンツ支出のレベルを維持するのであれば、定義上、それはエンターテインメントプログラムを減らさなければならないということを意味する」とロジャース氏は言った。

■エンターテインメント不足

ディズニーはディズニープラスのシリーズ「アガサ・オール・アロング」と「デアデビル: ボーン・アゲイン」の予告編を強調したが、ケーブルネットワークのFXに関しては、Huluでもストリーミングされている人気シリーズ「ザ・ベア」の次のシーズンを強調するにとどまった。また、同社ではABC放送ネットワークの人気リアリティシリーズの次の作品として「ゴールデン・バチェロレット」を発表した。

一方、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、HBOシリーズのスピンオフである「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」と「アンド・ジャスト・ライク・ザット」を前面に押し出した。

「強力なコンテンツのスケジュール—それがスポーツであれエンターテインメントであれ—は、パズルの一部に過ぎない」とディレクTV広告のチーフ広告販売責任者であるエイミー・ライファー氏は言った。「広告対応ストリーミングの爆発的な成長で、現代のテレビ体験はコンテンツとそれを支える広告の両方に依存しているのだ」

いくつかの映画はアップフロントスで大きな役割を果たしてはいた。NBCユニバーサルのピーコックが「オッペンハイマー」のようなブロックバスターから最近ブーストを得ていた後には、特にそうだ。

コムキャストのNBCユニバーサルは、今後のミュージカル映画「ウィキッド」といくつかのピーコックオリジナルシリーズの更新に焦点を当てた。

夏の映画の興行収入シーズンは、5月の最初の週末からレイバー・デーまで続くが、今年は約8億ドル縮小する見込みであり、限定的で不安定なブロックバスター映画の流れが予想されている。前年同期のチケット販売が50%近く減少した第2四半期に続くものである。

映画の公開は第4四半期に向けて本格的になると予想されている。ワーナー・ブラザースの「ジョーカー:フォリー・ア・ドゥー」、パラマウントの「グラディエーターII」、ディズニーアニメーションの「モアナ2」、ユニバーサルの「ウィキッド」などの主要タイトルが映画館に登場する。2025年と2026年のカレンダーには、マーベル、スターウォーズ、バットマン、スーパーマリオブラザーズ、そして第3のアバター映画のロールオーバーチケットなどの主要フランチャイズからの作品が増える予定だ。

一方、最近、ストリーミングプラットフォームに広告対応のより安価な層を追加したネットフリックスやアマゾンプライムビデオのようなテクノロジー大手は、スポーツだけでなく今後の映画やシリーズも披露し、アップフロントス週間に全力で参加した。

アマゾンは、現在MGMスタジオを所有しており、「ミスター・アンド・ミセス・スミス」、「ザ・ボーイズ」、「ザ・サマーアイターンド・プリティ」などのオリジナルシリーズの更新と今後のシーズンに言及した。俳優のジェイク・ギレンホールは「ロー ドハウス」の続編を発表し、ウィル・フェレルとリース・ウィザースプーンは映画「ユーアー・コーディアル・インビテッド」について話した。

一方、ネットフリックスはアダム・サンドラーの「ハッピーギルモア」の続編と他のシリーズのスケジュールを発表した。

■スポーツの支配

今年もアップフロントプレゼンテーションのほとんどでNFLが再び主役を演じた。

夏季オリンピックからNBAまでの主要なスポーツプログラムは、最大のテレビおよびストリーミング視聴者を引き付け、膨大な広告収入をもたらすため、プレゼンテーションの中心的な部分だった。

「主要なクライアントからよく聞くのは、ライブスポーツにおける配置を確保する以外のアップフロントバイイングの重要性が薄れているということだ」と世界的なプレミアムパブリッシングプラットフォームであるティーズのチーフレベニューオフィサーであるマイク・デュプリーは言った。「オンデマンドの世界での質の高いコンテンツへのアクセスが、歴史的にアップフロントモデルを駆動していた希少性を減少させている。ライブスポーツは権利の再交渉を通じて証明されたように最後の砦のようだ」

NBCユニバーサルは、パリで開催される次回の夏季オリンピックに多くのプレゼンテーションを費やした。NFLは、アップフロントス週間のすべてのプレゼンテーションで役割を果たし、広告対応ストリーミングの新参者であるネットフリックスを含んでいた。アップフロントプレゼンテーションの数時間前に、次の3年間のクリスマスにNFLの試合を配信契約締結が発表され、最も大きなスポーツの話題となったかもしれない。

アマゾンは、木曜夜のフットボール、その2番目のブラックフライデーゲーム、および1月の最初のワイルドカードプレーオフゲームを紹介し、プライムでは初めての試合となる。

「今年、メディア大手が『ウィキッド』、五輪、そしてジェイソン・ケルセ氏のようなスポーツの大物に賭けてBuzzを生成しようとしているのを目の当たりにした」とデジタルマーケティング代理店グッドウェイグループのメディアアクティベーション副社長であるティム・ハード氏は指摘する。「進化するライブスポーツの風景と大学スポーツ、NFLの試合、五輪を活用するオムニプラットフォーム体験の周りには多くの興奮があった」

フィラデルフィアイーグルスで13年間プレーした後、最近NFLを引退したケルセ氏は、今シーズンからESPNのコメンテーターになることをディズニーのアップフロントで発表した。本人の出演は見出しを飾り、彼と兄弟トラビス・ケルセは、イベント中に「アボットエレメンタリー」のスターでありクリエーターであるクインタ・ブルンソンを持ち上げるという行動を取ったため、注目を集めた。

— Sarah Whittenが本稿作成に寄与した。

開示:コムキャストはNBCユニバーサルとCNBCの親会社である。

米ラジオ自由アジア、安全保障関連法を巡る懸念から香港事務所を閉鎖へ


コートハウス・ニュースの記事を拙訳していきます(2024年3月29日付け)。AFP電を転載しています。

US outlet Radio Free Asia closes Hong Kong office over security law fears(米ラジオ自由アジア、安全保障関連法を巡る懸念から香港事務所を閉鎖へ)
RFA is the first foreign media outlet to publicly announce its closure in Hong Kong since the prohibitive law came into effect on March 23.(RFAは、3月23日に禁止色の濃い法が施行されて以来、香港での閉鎖を公式に発表した初めての外国メディアとなった
AGENCE FRANCE-PRESSE / March 29, 2024
【ワシントン (AFP) 】 アメリカのラジオ自由アジアは26日、香港が物議を醸している新しい国家安全保障法を制定した後、職員の安全上の懸念を理由に香港事務所を閉鎖したと発表した。
香港は先週、国家反逆罪、スパイ行為、対外干渉などの犯罪に厳しい罰則を導入した国内治安法 (通称23条) を施行した。
この法律は、いくつかの民主主義国や人権団体による迅速な批判を引き起こしていた。2020年に中国政府が施行した同法と連携して機能することになる。同法は、香港のほぼすべての反対意見を黙らせ、施行以来300人近くが逮捕されている。
RFAの社長兼最高経営責任者 (CEO) を務めるベイ・ファン氏は声明の中で、 「RFAのスタッフと記者の安全に対する懸念」 を理由に、香港でのフルタイムのスタッフがいなくなり、オフィスを閉鎖したと述べた。
ファン氏は 「RFAを『外国勢力』と呼ぶなど、香港当局の行動は、第23条の制定によって安全に活動する能力について深刻な疑問を投げかける」 と述べた。
香港政府の報道官は 「個々の組織の運用上の決定」 についてコメントを避けたが、当局は国家安全保障法に関連して 「すべての脅迫的で中傷的な発言を強く否定し、非難する」 と述べた。
「香港だけを取り上げ、ジャーナリストが懸念を抱くのはここで活動しているときだけで、他の国ではそうではないと示唆することは、乱暴ではないにしても、著しく偏っている」 と広報担当者は26日にAFPに語った。
香港の治安担当責任者クリス・タン氏は先月、RFAがメディアを標的にした新たな犯罪があると報じた際、23条を 「中傷」 していると非難した。
RFAの記事はこの法律に対する批判をしていた。
RFAが法律に違反したかどうか尋ねられたとき、タン氏は後に、 「外国勢力」 によって売りつけられた誤った情報があるので国民を警告したいと述べた。
ワシントンに本社を置くRFAは、報道規制のある国の報道に焦点を当てている。議会から資金提供を受けているものの、編集の独立性が義務付けられている。
下院外交委員会の民主党トップであるグレッグ・ミークス下院議員は、RFAが 「執拗な圧力と嫌がらせに直面しているにもかかわらず、香港から発信される独立したニュースの数少ない情報源」 だったと述べ、RFAの撤退に警鐘を鳴らした。
ミークス議員は 「RFAの香港支局が28年ぶりに閉鎖されたことは、中国政府がいかに厚かましく香港の自治権を消滅させたかを思い起こさせる」 と述べた。
ファン氏の26日の声明によると、RFAは1996年に香港事務所を開設し、編集独立の民間報道機関として運営してきた。
「最前線の状況」 に言及し、 「RFAは閉鎖的なメディア環境のために用意された別のジャーナリズムモデルを使用する方向にシフトする」 と述べた。
RFAは、3月23日に国家安全保障法が施行されて以来、香港で閉鎖を公式に発表した最初の外国メディアとなった。
香港当局者は、安全保障上の抜け穴を 「塞ぐ」 ために必要だとして、新たな安全保障法制を擁護している。
当局はまた、1997年に英国から中国に返還されて以来、香港のミニ憲法である基本法の下で制定する 「憲法上の責任」 を指摘した。
アメリカやEU 、日本、英国は、憲法23条を最も強く批判している国々だ。
AFP通信

「残念ながら、信頼とは双方向のものである。我々メディアが国民に話を聞いてもらいたいのであれば、まず国民の意見に耳を傾けなければならない」。カナダでの重たい問題提起



ザ・ハブというサイトの記事を拙訳していきます(2023年10月27日)。
Tara Henley: Trump, Big Tech, polarization: The media blames everything but itself for loss of trust(タラ・ヘンリー:トランプとビッグテックと二極化:メディアは信頼を失った原因を3つ挙げているが、じゃあ自分たちはどうなのか)

Media execs are heavy on platitudes and light on specifics(メディア企業の幹部は陳腐さを重視し、具体性を軽視している)

Tara Henley|Posted on October 27, 2023

メディアへの信頼低下という問題はかつてないほど切迫している。大半のニュースをほぼ全て信頼していると答えたカナダ人はわずか37%しかいないからだ。レガシーメディアが非常に賢明にも現在対処しようとしている難問である。

今月初めにトロントで開かれたライブイベント 「Trust Talks」 では、著名なニュースリーダーが一堂に会し、ジャーナリズムの現状と将来について思索を深めた。

だが、残念な事に、この出来事はそもそもなぜ信頼が低いのかを示す結果となった。

この議論は、CBCの司会者であるナフラ・アイドが司会を務めた。彼は熟練したインタビュアーであり、自らが内省を申し出る気がない、あるいはできないように見えるメディアの責任者たちに、あるレベルの自省を説得しようとする羨ましい立場にあった。 この委員会は、トロント・スター紙のアイリーン・ジェントル氏(社会・人種正義コラムニストのシュリー・パラドカー氏の代役)、CBCのブロディ・フェンロン氏、グローバルのソニア・ヴェルマ氏など、何時も通りの顔ぶれで構成されており、そのラインナップ自体が、国民の特定の立場にあるかどうかに疑問を投げかけた。 

出席率は確かにその認識を反映しているように見えた。500席のイザベル・バーダー・シアターは、せいぜい半分くらいしか入っていなかったからである。無料チケットと無料の食事が用意されており、開始時間が約15分遅れたため、遅刻してくる人もいた。周りで行われていたショー前の雑談から判断すると、観客の大部分は同じ社会環境の人々で構成されており、その多くはお互いを知っていた(例外として、地元のジャーナリズム学生の派遣団や、質疑応答中に中東に関する報道についてパネリストと対立した数人の若い活動家がいたが)。

CBCのキャサリン・テイト社長は冒頭の挨拶でチャールズ・ディケンズの「知恵の時代、愚かな時代だった」という言葉を引用し、その後ソーシャルメディアをめぐる懸念、偽情報、ジャーナリストへのオンライン上の嫌がらせ、大手テック企業の無責任さを強調した。テイト氏は当初から、このイベントはメディアの終焉をメディア自身以外のほぼ全ての人のせいだと明言していた。

アイリーン・ジェントル氏は、テイト氏に続いて、主に夕方を通してニュースに対する外部からの圧力にコメントを集中させた。そこには、ニュースへの無関心から 「嫌われ者」 からの敵意、オンラインハラスメント、ドナルド・トランプ氏、意図的な偽情報、 「致命的な」 偽情報、ニュースサイクルの速さ、広告収入の壊滅的な損失、より広範な社会における細分化された注目まで、様々な要因が含まれていた。奇妙な事に、ジェントル氏はまた、発行元の訂正のような幾つかのジャーナリズム規範が、我々の仕事に対する一般の人々の信頼に及ぼす悪影響を指摘した。

一方、ソニア・ヴェルマ氏は、ニュースの制作にどれほどの費用がかかるかを強調し、ビッグテックが自分達のコンテンツに対する補償もせずにメディアの広告収入を奪っているという事実を嘆いた。 「こうしたプラットフォームは我々の広告費をむしり取っているだけでなく、我々が信頼出来る報道機関として果たしているような責任や責任を全く負っていない」と言った。ブロディ・フェンロン氏は、感情的な反応によって引き起こされるソーシャルメディアアルゴリズム、汚染された情報エコシステム、政治的二極化、ドナルド・トランプ氏、Twitter/Xやフェースブックなどのプラットフォームでのニュースの優先順位の低下、そして、信頼低下の責任の元凶だと述べた。 ニュース回避とニュース疲れという世界的な現象を招いたというのである。 また、報道機関の信用を傷つける人々についても指摘した。 「メディアに対する批判が増えれば増えるほど、つまり、組織的な批判が増えれば増えるほど、信頼の低下に与える影響が大きくなるという、説得力のある証拠がある」とフェンロン氏は述べた。 「驚いた事に、メディアは人々の敵だということを定期的に世に伝えると、それを信じ始めるのだ」

だが、公平を期すために言うなら、この夜のイベントに希望の光が見えなかった訳では無い。

ジェントル氏は、我々がもっと批判的であるべきだったのに、メディアがソーシャルメディアの受け入れを過度に信じすぎていたことを認めた。

ヴェルマ氏は、ニュース編集室における考え方のさらなる多様性を求めた。 「健全なニュース編集室とは、健全な議論が行われ、異なる視点を持つ人々がいるニュース編集室のことです」と言う。

フェンロン氏の名誉のために言っておきたい。本人は我々のメディアには視点の多様性に関して問題があると認めていた。ニュースルームの多様化は、人種的、文化的多様性を意味する。「だが、政治的、地理的多様性も意味します。多くの人がニュースルームでも報道でも、自らを省みていないからだ」と言いました。 ディスカッションの後半では、こうも述べている。「現在、ほとんどのニュース編集局は地方からの撤退により、交通の便の良い大都市中心部にある傾向にある。 また、我々ジャーナリストの中からは異論もあろうが、この国の平均収入と比較すると、十分な給料をもらっています。 ニュース編集室では政治が進歩的になる可能性がある」 ヴェルマ氏も、メディアバブルが現実の問題であることを認めた)

注目すべきは、3人の指導者はいずれも、アイデンティティ政治を巡る議論を殆ど行わなかった事だろう。

とはいえ、このイベントは最終的には満足のいくものではなく、陳腐な表現が多く、具体的な内容は少なかった。

そして、一般の人々と定期的に交流している人ならとっくに知っていようが、殆どの人々は曖昧な理由でメディアを信用しているのではなく、極めて具体的な理由でメディアを信用している。(これは、聴衆からの幾つかの質問によって証明されたものであり、正確な主張と彼らが問題とした正確な言語を引用して、アウトレットと日付別の記事を参照した)。

では、なぜ夜の間、特定のニュース報道についてほとんど議論されなかったのだろうか。なぜ、これほどまでに間違いを認めなかったのか。

100年に一度の危機、パンデミックについての報道はどうだったのか、自問してみてはどうだろうか。研究所流出説、ロックダウン、学校閉鎖、ワクチン義務化などの物議を醸す話をどうやって解決したのか。政府に批判的だったか? エキスパートクラス? 企業力って?

2020年の人種的計算はどうなっていたのか?

そして、ほとぼりが冷めてしまった今、公共秩序緊急委員会は何千もの展示物と何百時間もの証言を公開しているが、トラック運転手の危機に関する報道と緊急事態法の発動は、入手可能な事実とどのように結びついているのだろうか。

また、このイベントでは、一般的な苦情についての言及がほとんどなかったのは何故なのか、とも聞かざるを得ない。ましてや、批判者をパネルに加えることはおろか。(フェンロンは会話のある時点で、そのような説明責任について頷いてはいた。『ご指摘が現実だ。私自身を念頭に置くが、我々は自分自身に質問されると事に不慣れだ』本人がリアルタイムでこれを改善したいと考えていることを示す一つの方法は、CBCのオンブズマンが記録した苦情の傾向をいくつか明らかにする事だったろう)

以下に、メディア関係者が自問すべき重要な質問をいくつか挙げる。

もはや事実だけを報道するのではなく、積極的に意見に影響を与えようとしていると信じている一般市民にどう対応するのか。

メディアにいる我々は、偏見について具体的にどのように取り組んでいるのか? 我々のニュース編集室には保守派、労働者階級の出身のジャーナリスト、大学の学位を持たない人々、田舎や宗教的な背景を持つジャーナリストが何人雇用されているだろうか?  そして、メディアが「目覚めた」イデオロギーに過度に影響されているという主張をどのように考えればよいのだろう?  このような難しい質問を自分自身に問いかけることなしに、我々の仕事に対する社会の信頼低下の核心に到達する事は無い。 そのため、この夜のステージに立った指導者たちは、一般市民のメディアリテラシーを育む以外に具体的な解決策を提供するものがほとんどなく、本質的に我々のジャーナリズムを探し出し、支援するためのより良い仕事をするように促していた。もちろん、このような感情は、国民の知性と善意の両方を根本的に見下しているように見える。残念ながら、信頼とは双方向のものである。我々メディアが国民に話を聞いてもらいたいのであれば、まず国民の意見に耳を傾けなければならない。 そして、大衆が我々を信頼してくれることを期待するなら、我々も大衆を信頼する事から始めなければならないのだ。

このコラムは、元々はタラ・ヘンリー氏により「リーン・アウト」に掲載された。

By Tara Henley

タラ・ヘンリー氏はトロントを拠点とするライター兼ポッドキャスターで、ベストセラー『Lean Out』の著者である。

「ジャーナリストはTikTokerになれるで」。3人のジャーナリストがニュース向けに使い方を伝授



ニーマン・ラボの記事を拙訳していきます(2023年10月2日午前9時49分投稿)。
Journalists can be TikTokers too. Three journalists explain how to use the platform for news(ジャーナリストもTikTokersになれる。3人のジャーナリストがニュースのためのプラットフォームの使い方を説明する)

“Audiences really want to see you be a human being.”(『オーディエンスは、皆さんが人間であると本当に理解したいのだ』)

By Hanaa' Tameez @hanaatameez Oct. 2, 2023, 9:49 a.m.

【ギリシャ・アテネ】—ソフィア・スミス・ゲイラーは先週、ギリシャ・アテネで開催されたIMEDD 国際ジャーナリズム・フォーラムの席上で、TikTokの 「ピーク・ニュース解説者」 に到達したと述べた。このプラットフォームで注目を浴びるには、報道機関やジャーナリストは、既存の記事の説明や作り直しだけでは到底無理だ。

スミス・ゲイラーは、ジャーナリストがどのようにTikTokで実験しているかについて語った3人のジャーナリストのうちの1人である。彼女はフリーランスのジャーナリストで、直近ではViceワールド・ニュースの上席特派員を務めている。その前はBBCに在籍していた(BBCは現在、TikTokを『重要なプラットフォーム』と呼んでいるが、彼女は昨年、 『TikTokが提供する公共サービスの機会を見るよう上層部を説得するのは難しいと思った』と振り返っている)。

プレゼンテーションの際、スミス・ゲイラーは「報道機関はTikTokを使っていますが、ジャーナリストはどこにいる?」と題し、個々のジャーナリストはTikTokクリエイターになれるし、なるべきだと主張した。ロイター・ジャーナリズム研究所の2022年12月のレポートによると、現在、ニュースパブリッシャーは一般的に次の四つの方法のいずれかでTikTokを使用している。ニュースに素早く反応する担当記者
  • TikTok専用の特徴的なニュースブランドによる社会的ネイティブコンテンツ
  • 既存の動画コンテンツを再利用し、従来のニュースの議題に固執することが多い放送局
  • 有名人のニュースやスクープの 「自然の遊び場」 を作る人気ニュースブランド
risj-tiktok
(サイトより引用させて頂きました)

スミス・ゲイラーによると、TikTokのニュースに欠けているもの、そしてジャーナリストが入り込めるものは「パーソナリティとニッチ主導、インフォテインメントとアウェアネスを中核としたプラットフォームファーストのコンテンツ、」だという。

「ニュースルームは、ジャーナリストが...個々のジャーナリストのクリエーターになることを奨励し、サポートするために、もっと多くのことをすることができると思います」 と述べた。「我々がTwitterで記者を中心にコミュニティを構築してきたように、若者がニュース、情報、娯楽を得るための最も重要な場所であるプラットフォームでも同じ事をすべきなのだ」。

スミス・ゲイラーは、自身がTikTokで作ったスキルと専門知識は、他のプラットフォームでも視聴者を増やすのに役立ったと述べた。インスタグラムのフォロワー数は6月から30%増加したという。「ピーク時のニュース解説者」 に到達し、観客はよりユニークで専門的なストーリーテリングを求めている、と彼女は述べた。

本人がTikTokでジャーナリズムを成功させる秘訣はこうだ。
■規則性

フォロワーだけに頼ってシェアするのではなく、動画が頻繁にFor You Pagesに表示されるようにする
時間をかけてニッチを開拓しながら、自分のニッチに戻ってイノベーションを起こす
頻繁に投稿したり、コメント欄に参加したりして、定期的に聴衆と関わり、親しむ。

■独自性

親しみやすく、個人的であることによる主流メディアからのTikTok動画の差別化
他のクリエイターやジャーナリストと差別化するためにオリジナルのビデオフォーマットを実験する
リサイクルでお茶を濁さない。既存の資産を手直しするのではなく、垂直に撮影し、TikTokを意識して動画を編集する
スミス・ゲイラーのプレゼンテーションに続いて、ニュースがTikTokや類似のプラットフォームをどのように利用できるかについてのパネルディスカッションが行われ、トムソン・ロイター財団のTikTokリーダーであるエンリケ・アナルテ・ラソと、ワシントン・ポストのTikTokプロデューサーであるカーメラ・ボイキンが参加した。

ボイキンはニューヨーク州ロチェスターでテレビニュースの記者をしていた。その頃、彼女はTikTokの個人アカウントを立ち上げ、記者としての仕事の幕を下ろした。これがポスト紙の目にとまり、2021年からTikTokのプロデューサーを務める。現在、ポストには2人のフルタイムのTikTokプロデューサーがいる。

アナルテ・ラソはパンデミックの最中の2020年に、面白半分でTikTokを作り始めた。現在はTikTokアカウント 「Openly」 を運営しており、これはLGBTQ+の権利と問題に関するロイター財団の垂直組織である。そこでは、彼は5人のチームの中で唯一のOpenlyのビデオプロデューサーである。脚本のファクトチェックや編集は編集チームに頼っているという。

ボイキンは、科学者たちが新たに撮影したブラックホールの画像をネタにしたジョーク動画が、一般の人々の反応をよく表しているため、観客を魅了し、楽しませたと説明している。画像は実際には何にも見えなかったのだ。

「オーディエンスは皆さんが人間である事をを本当に望んでいる」 とボイキンは述べた。「情報を伝えられるし、聴衆と関係を持ち、人々を引き込めると示しているだけなのだ」

The newly processed, sharper image of a black hole, published Thursday in the Astrophysical Journal Letters, used machine learning to fill in a lot of data missing from the original obtained by the Event Horizon Telescope.=木曜日、天体物理学ジャーナル・レターズに掲載された、新たに処理されたより鮮明なブラックホールの画像は、機械学習を使って、イベントホライズン望遠鏡によって得られたオリジナルから欠落していた多くのデータを埋めた。 #blackholesun #blackholes #astronomy #EHT #telescope

♬ original sound - We are a newspaper.


Openlyの唯一の映像プロデューサーとして、アナルテ・ラソはTikTokのコンテンツの開発と公開を担当し、編集チームと協力して同プラットフォームの利用を促している。その作業は、そもそもTikTokが何であるかという、誤解を解くことから始まる。

「TikTokの使い方をトレーニングしたときに感じる一番の恐怖は、『居間で踊ったり、猫と遊んだりしたくない」 という感じだ』」とアナルテ・ラソは述べた。「それだけをする必要は無い。多様なな使い方がある。説明もできるし、カーメラのような素晴らしいパフォーマーにもなれる。カメラを操作してインタビューする事も可能だ」

特定のプラットフォーム向けのコンテンツを開発することは、プラットフォームの変化や視聴者の興味やパターンに適応しなければならないことを意味する。スミス・ゲイラーは、自分達のTikTokコンテンツ制作戦略が今後どのように変化すると思うかについてパネルに質問し、彼女自身も 「プラットフォーム上の高品質コンテンツの過飽和」 のために、自分の動画の制作価値を向上させることを優先し始めていると述べた。彼女はまた、TikTokが動画を優先するようになったため、より長い動画を作り始めた。

ボイキンは、全てのプラットフォームで自分のビデオにアクセスできるように取り組んでいると語った。本人によると、一部の動画はTikTokではうまくいくが、YouTube Shortsのようなプラットフォームではうまくいかないことがわかった。その理由は、動画にはTikTok特有のサウンドや特徴、参照が含まれている可能性があるからだ。

「より多くのスクリプトベースのストーリーに焦点を当てることで、それらのストーリーはどのような垂直プラットフォームでも公開することができる。」とボイキンは語る。「エントリーポイントや (プラットフォームの) 言語を理解する必要は無い」 。

アナルテ・ラゾによると、配属先のような小さなニュースルームは、単にニュースを伝えるだけでなく、ニュースが人々の生活にどのような影響を与えるかを強調する説明に傾いているという。これにより、限られたリソースを効率的に使用するのも可能だ。

「大規模なニュースルームや直接の競合他社 (の一部) ほどのスピードやリソースは無いが、我々には専門知識があるし、プラットフォームの言語が何であるかを分かっている知っています。」とアナルテ・ラソは語る。「我々や、それほど多くのリソースを持っていない他のすべての人々は、人々に付加価値を与えることに焦点を当てると思います。そこが最終的に実際に違いとなってくる」。

IMEDD国際ジャーナリズムフォーラムは、ギリシャの非営利団体「メディア教育開発向けインキュベーター」Iが主催している。このセッションの記録されたビデオはここで見ることができ、すべてのセッションの記録はここで見つけることができる。

アメリカの既存メディアを襲う「ニュースのファンダム化」現象



ザ・ヴァージの記事を拙訳していきましょう(2023年8月18日午前11時投稿)。

The fandomization of news(ニュースのファンダム化)

Younger generations expect news to come straight from creators. But when creators are wrong, the news ecosystem quickly breaks down.(若い世代は、クリエイターから直接ニュースが届けて欲しいと願っている。だが、クリエーターが間違っていれば、ニュースのエコシステムは即座に崩壊する)

By Kate Lindsay, a culture writer and co-founder of the newsletter Embedded.
Aug 18, 2023, 11:00 PM GMT+9|

8月9日水曜日、16歳のインフルエンサー、リル・テイ (本名Tay Tian) のインスタグラムのアカウントに発表が掲載された。そこには、リル・テイが兄のジェイソンとともに突然予期せず亡くなったと書かれていた。

5年ぶりのアカウントへの投稿だった。テイは2018年に闘争的で生意気な性格で話題になったが、数か月でオフラインに戻った。声明は唐突だった。しかし、家族から直接送られてきたようで、作者本人のアカウントに直接投稿された。だが、真実では無かった。何故こうなったのか?

このニュースはソーシャルメディア上で爆発的に広がり、それを後押ししたのはTikTokの共有やインスタグラムの投稿への反応だった。多くのメディアもこの記事を掲載した他、一部のメディアは匿名の管理チームによって事実確認をした旨報じている。そして8月10日、リル・テイはTMZに直接声明を発表した:彼女も兄も生きていた。アカウントは、おそらくハッキングされていた。

この大失敗は、ソーシャルメディアがいかに根本的に変化し、ニュース環境を複雑化させたかを示している。インスタグラムやTikTokのようなプラットフォームは、人々が自分自身に情報を伝え続けるために信頼できる場所につながりを作り、エンターテイメントを提供するだけでなく、情報源から直接ストーリーを聞くことができるという理由もあって成長している。

ピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカの30歳未満の成人のほぼ4分の1が、定期的にニュースを受信しているとの事である。別の最近研究では、若者の主要なニュースソースとして、インフルエンサーがジャーナリストを追い越しており、聴衆は主流の報道機関やジャーナリストよりも、有名人やインフルエンサーのような 「個性」 からニュースを得るのを好む事が分かった。

「顔が見えない場合は企業のように見える。そして、Z世代の多くにとって企業は悪い企業や信用できない企業に等しい」と、Z世代向けメディア企業Shit You Should Care Aboutの共同創業者であるルーシー・ブラキストンは語る。

■Z世代は、自分で報じ律する事を強いるインフルエンサーの世界に真っ先に取り込まれた

この変化はZ世代にとって特に深刻で、Z世代はインフルエンサーなどのオンラインクリエイターの世界に真っ先に取り込まれた。この世代は、従来の報道機関には見過ごされていたデジタルコミュニティの中で育ち、ドラマチャンネルのような間に合わせの当局を通じて、自らを報じ律するよう強いられていた。視聴者がお気に入りのクリエイターについてのニュースを聞きたい、または噂を否定してもらいたい場合は、クリエイター自身または同様のデジタル一次情報源からそれを聞く必要があった。

これらのコミュニティのメンバーは、ある種の市民ジャーナリズムの域にまで発達し、今ではより伝統的なニュースでも頼られるようになった。馴染みのないジャーナリストや専門知識だらけの息苦しい配信元の記事より、一人称の情報源や関連する経験を持つ人を優先するようになった。グーグルのジグソー部門がケンブリッジ大学とGemicとともに発表した最近の研究では、TikTokが米国でデビューした2018年の時点で、ケイティ・ペリーが修道女を殺したという噂を調査する参加者がいた。

「彼らは、この質問に明確に答えた主要なニュースソースからの記事が見つからなかった事に失望した」 と研究では指摘している。「彼らはTikTokでケイティ・ペリーのファンが意見を述べなかったなら、この話は真実ではないに違いないと結論付けた。ケイティ・ペリーのファンを信頼しており、彼女の活動を日々伝え、真実を知っていた。」 (ちなみに、ペリーとの財産争いに巻き込まれた修道女が、法廷で倒れて亡くなったというのが噂の真相だ)

他のケースでは、膨大な数のニュースソースに圧倒され、Z世代の消費者は現在の出来事をフィルタリングするための 「頼りになる」 情報源に依存していることが調査で判明した。多くの場合、これは似たような価値観を持つオンラインパーソナリティだった。

「独立系メディアの世界には純粋さが感じられる」 と、テクノロジーとデジタルカルチャーをカバーするコンテンツクリエイターのジュールズ・ターパックは言う。「彼らの視聴者は、ゼロから100への成長を目の当たりにしている。構築された関係は遥かに個人的なものだし、構築された基盤となる信頼はよりフレンドリーなのだ」。

場合によっては、この小さなクリエイターニュースのシステムが機能した事例も存在する。2022年秋、トライ・ガイズのファンが、元メンバーであるネッド・フルマーが従業員と浮気したのではないかと推測し始めた。その出元は、Redditが最初だった。これは、コンサートでフルマーとその従業員を目撃したファンの生の証言と、フルマーが最近のビデオからカットされていることを示唆する手がかりに基づいていた。この議論が数週間続いた後、トライ・ガイズは不倫を認め、フルマーと決別したことを明らかにした。

不幸な失敗例もある。有名人のゴシップアカウントDeuxmoiは、従来のメディアが報じないような内部情報を持っているとアカウントオーナーが主張した事もあって、パンデミックの最中に流行した。このアカウントには200万人以上のフォロワーがおり、既存メディアが追いかける噂の発信源となることが多い。一方で、その噂が間違いであることが判明することも多い。最も顕著なのは、6月に行方不明の潜水艇が捜索されている最中に、同アカウントが5人の乗客全員が生存して発見されたという匿名の情報を投稿し、後に削除したことだ。削除の2日後、アメリカ沿岸警備隊は、乗客は全員乗船後数時間で死亡していたと発表した。

インフルエンサーは、良くも悪くもニュースサイクルにおける自分の役割を意識するようになっている。最近では、クリエイターのダニ・カルボナリが、シェインの後援で同社の工場の1つを訪れた際に自らを 「調査ジャーナリスト」 と呼んだことで話題になった。カルボナリは、削除された自身の動画を使用して、シェインの労働法違反に関する正当な報告を 「否定」 した。その中には、労働者を12時間から14時間労働の対象とし、月に1日だけの休日を許可することも含まれている。実際、取材旅行全体を後援し、指示している企業についての報道の公平性を求められると、カルボナリは配信を更に強化したのである。

誤った情報の拡散は、多くの場合、ベビーブーム世代の技術音痴のせいにされがちだが、Z世代がソーシャルメディアを熱心に利用していることで、誤った情報が飛躍的に広がる可能性だってある。

2022年2月、ターパックはZ世代が誤ってスポーツ選手のシャカリ・リチャードソンに関する誤った情報を広めてしまった例を指摘した。リチャードソンはTHC陽性反応が出たため30日間の出場停止処分を受け、2020年の東京五輪 (2021年に開催) には出場できなかった。一方、ロシアのフィギュアスケート選手カミラ・バリエワは、2021年12月の冬季オリンピックを前に、同様に禁止されている心臓病治療薬の陽性反応を示したが、出場は許可された。リチャードソンや他の人々は、これらの一見矛盾する裁定に人種問題があったといち早く指摘し、Z世代の政治的非営利団体「Path to Progress」がインスタグラムに投稿したインフォグラフィックがそれを後押しした。この投稿は社会正義感に突き動かされ、数千人にシェアされた。

実際には、ターパックが彼女のビデオで指摘しているように、異なる判決の理由は年齢に起因していた。ヴァリエワは当時15歳で、ドーピング規定により保護対象下になっていたというのが真相だ。

「コメントはこのコンテンツの不正確さを指摘する人々で溢れていたが、この種のアカウントのインスタグラムのコメントを誰が見ているのだろうか。」とターパックはビデオで尋ねた。

現在の思春期の子どもたちのために、学校はこの問題に取り組もうと努力しているが、標準化されておらず、手薄になることもある。

「ニーマン・ジャーナリズム・ラボのローラ・ハザード・オーウェン編集長は言う。「それは良いアドバイスではありません。ウィキペディアは手始めに読むには素晴らしい情報源です」。

ブレイキストンのZ世代に焦点を当てたメディア会社、Shit You Should Care Aboutは、毎日のニュースレターで合法的な情報源のみを使用するよう注意している。7万7000人の読者が自分では目を通さないような定評のあるニュースレターにリンクしている。ブレイキストンは、若い読者との信頼関係を維持し、大文字のNを使ったニュースのように思われすぎないよう、個性を重視している。しかし、その親密さは諸刃の剣となる可能性がある。特に、Z世代の読者がニュースのキュレーションを信頼する人物が、彼らの期待を裏切った場合はなおさらだ。フォロワーがブレイキストンの選んだニュースに反対すれば、その反発は個人的なものになりかねない。

「取材の仕方や場所が変わる。微妙なニュアンスが必要なものについては、インスタグラムに近づくことさえしないのだ」。

ソーシャルメディア・ニュース・マシーンもまた、衰退した従来のニュース・エコシステムの灰の中から生まれた。2022年、ノースウェスタン大学のメディル・スクール・オブ・ジャーナリズム、メディア、統合マーケティング・コミュニケーションは、地元の新聞社が週に2紙のペースで潰れていることを明らかにした。メディア業界は2023年上半期に1万7000人以上の削減を発表したが、これは過去最高であった。一方、Z世代で毎日ケーブルニュースを見るのは僅か6%であり、48%はまったく見ないと言っている。

今日のニュース環境は不安定で競争が激しいため、リル・テイのケースのように、報道機関も同様に騙され、読者の信頼を失い、クリエイター・エコシステムに戻ってしまう可能性がある。「報道機関が判断を誤る事は良くある」とオーウェンは言う。「大変だ、何も信用できないと感じる事もあろう。それはとても危険だ」

真実と虚偽の間に立っている唯一のものは、たった一人のクリエイターかもしれない。

「Under The Desk News」 の元でTikTokを運営していたV Speharは、最初にTikTokに参加したときにはジャーナリズムの世界で働いた経歴を持っておらず、料理動画を投稿する場所として使用することを計画していた。しかし、日々のニュースを素早く取り上げることで視聴者を獲得し、現在では300万人のフォロワーが、その名の通りデスクの下で撮影された日々の政治ニュースを視聴している。

ロサンゼルス・タイムズはVの成功に注目し、彼らを起用して独自のパーソナリティベースのTikTokアカウントを立ち上げた。彼らは、ニュースルーム内でTikTok上の個々のクリエイターの成功を再現しようとする多くの配信元のうちの1つである。ワシントン・ポスト紙のアカウントは、ホストのデイヴ・ジョーゲンソンがニュースを不遜な態度で捉え直したおかげで2019年に有名になり、それ以来160万人以上のフォロワーを獲得し、カーメラ・ボイキンや最近ではクリス・チャンを含む少数のホストを追加していた。

既存メディアがそうであるように、Z世代は彼らに適応するしか選択肢を与えておらず、そうでなければアルゴリズムに迷い込んでしまう。グーグルのジグソーによる調査では、若いニュース消費者は積極的に情報を取捨選択することに消極的であることが分かった。ある参加者は、ニュースや政治を検索したりフォローしたりする必要性を感じないと述べた。

「重要なものは共有される。共有を行っているのが既存メディアでない限り」。ジグソーは、そう指摘する。

(文中敬称略)


「AI時代だからこそ、署名記事が大事やで」との英国のメディア業界情報サイト #AI #メディア



英国のホールド・ザ・フロントページという業界情報サイトの記事を拙訳してみます(2023年5月31日投稿・6月1日更新)。

Editor highlights importance of bylines amid rise of AI in journalism(AIがジャーナリズムで台頭する中、編集者が署名記事の重要性を強調)

by David Sharman Published 01 Jun 2023 Last updated 31 May 2023

ある編集者は、ジャーナリズムにおける人工知能 (AI) の利用が増加する中で、署名記事の重要性を強調した。

ダンカン・ウィリアムズがその人で、署名活動を 「かつて非常に尊敬されていた職業の核心的価値を守るために必要なもの」 として賞賛している。

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写真に写っているダンカンは現在、ウェストカントリーの歴史的メディアブランドであるパルマンズ・ウィークリー・ニュースというオンラインニュースアグリゲーションサービスを運営している。

彼のコメントは、最近のAIを使った地域の報道実験に続くものだ。例えば、独立プレス基準組織(Independent Press Standards Organisation)は先月、編集者たちにロボットの使用に 「警戒」 するよう警告していた。

最近ダンカンのフランチャイジーとしてウェイモスからの見方(View From Weymouth)を担当したドーセット・ニュースの編集者カラム・ゲシンスも、取材にロボットを使うと約束している。

ダンカンは論説の中で、 「これはもはや、自分の名前が印刷されているのを見たいという単なるエゴに基づく必要性ではなく、かつては非常に尊敬されていた職業の核心的価値を守るために必要なものとなっている」と主張した。

「人間の作家が作品に署名するという行為は、直に金の棒に埋め込まれた極印のようなものになるかもしれない。それは本物なのか、それともAIとの合金なのか。書いたなら信じて欲しい、そう言って欲しい。自分の署名をして欲しい」

「人工知能がジャーナリズムの分野を変えたのは間違い無い。自動化されたニュースアルゴリズムは、前例のない速度で記事を生成し、膨大な量のデータをふるいにかけて数秒以内にニュース記事を作成出来る」

「この技術の進歩は、効率性と利便性を提供する一方、責任あるニュース発行者が無視できない課題も提示している」

「AIアルゴリズムはデータ処理に優れているものの、ソースの検証、コンテキストの分析、複雑なイベントの正確な解釈に必要な人間の判断力と洞察力に欠けている」

「一方、優れたジャーナリストは、独自の批判的思考、経験、倫理規範を持ち寄り、責任ある方法で情報を調査、検証、提示出来るようにすべきなのだ」

「署名は説明責任を象徴するものとして機能し、その仕事に責任を持つジャーナリストに信用と評価を与えます。読者が署名を見ると、専門知識と誠実さを持った人間が情報を精査したと分かる」。

「署名は信頼の証として機能し、記事の正確性、公平性、公平性を確保するために厳密なチェックとバランスが取られている事を示すのだ」。

(文中敬称略)

世界新聞・ニュース発行者協会によると、海外の報道機関では半数が集成型AIを使用しているものの、ガイドラインを設けている社は2割やねんて #AI #メディア #ChatGPT



journalism.co.ukが世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)の集計を引用しながら報じているところによりますと、昨今話題の集成型AIを使用している報道機関は全体の半数になっている一方、ガイドラインを設けているのは2割に留まるのだそうです(2023年5月26日付け)。以下、拙訳。グラフはサイトからの引用です。

WAN-IFRA: Half of newsrooms use Generative AI tools, only a fifth have guidelines in place(WAN-IFRA:報道機関の半数がGenerative AIツールを使用しており、ガイドラインが整備されているのは2割のみ)

ChatGPT has made content summaries a breeze, but publishers are still worried about what the tech means for accuracy, plagiarism and data privacy(ChatGPTはコンテンツの要約を簡単に作成可能としたが、正確性、盗用、データプライバシーの観点からこの技術が何を意味するのかをパブリッシャーは依然として懸念している)

Posted: 26 May 2023 By: Teemu Henriksson

本稿はWAN-IFRAに最初に掲載され、許可を得てここに再掲載されたものである。

2022年末にOpenAIのChatGPTが爆発的に普及した。以来、人工知能とジェネレーティブAIを特に画期的な技術と呼ぶ声が後を絶たない。

特にニュースメディア業界は、ジェネレーティブAI (GenAI) がジャーナリズムにとって何を意味するのかという、深く複雑な問題と格闘中である。一部で懸念されていたように、AIがジャーナリストの仕事を脅かす可能性はますます低くなっているように思われるが、報道機関の幹部は、例えば情報の正確性、盗用、データプライバシーなどについて懸念している。

業界の現状を概観するため、WAN-IFRAは4月下旬から5月上旬にかけて、ジャーナリストや編集マネージャーなどのニュース専門家の世界的なコミュニティを対象に、編集局内での集成型AIツールの使用状況について調査した。

世界各国から101名の参加者が調査に参加してくれた。ここでは、彼らの回答からいくつかの重要なポイントを紹介する。

■半数の編集局では既に集成型AIツールを使用

殆どの集成型AIツールが一般に利用可能になったのはせいぜい数ヶ月前であることを考えると、調査回答者のほぼ半数 (49%) が自社の編集局でChatGPTのようなツールを使用していると答えたのは非常に注目に値する。

一方で、技術の進化は早く、予測不可能な面もある事から、多くの報道機関が警戒感を抱くのも無理はない。これは、企業がこれらのツールを (まだ) 採用していない回答者に当てはまるかもしれない。

51%だそうな

全体として、業界における集成型AIに対する態度は圧倒的に肯定的であり、調査参加者の70%は、集成型AIツールがジャーナリストや編集局にとって役立つと期待していると述べた。

「短期的には価値がない」 と答えたのは僅か2%で、10%は 「分からない」 と答えた。18%は、この技術が本当に役立てるには更なる開発が必要だと考えている。

■コンテンツの概要作成が最も一般的な使用例

ChatGPTに対しては、この技術がジャーナリストにとって取って代わることになるのではないかという若干の警戒的な反応もあったが、実際に記事作成に集成型AIツールを使用している編集現場の数は比較的少ない。

代わりに、主なユースケースは、例えば要約や箇条書きなどの情報を消化して凝縮するツールの機能である、と回答者は述べた。ジャーナリストがこの技術を使っている主な仕事としては、調査/検索の簡素化、テキスト修正、ワークフローの改善などがある。

54%だそうな


一方、今後、より多くの編集現場がこの技術をより広く活用し、業務にさらに統合する方法を模索するようになれば、一般的な使用例は進化していく可能性が高い。

回答者は、将来集成型AIがより役立つと期待する具体的な例または分野として、パーソナライズ、翻訳、およびより高いレベルのワークフロー/効率の改善などだと強調した。

■集成型AI使用に関するガイドラインを持つ編集現場はほぼ皆無

編集現場で集成型AIツールの使用を制御する方法に関しては、様々な手法が広く普及している。

現在のところ、大半のパブリッシャーが緩やかなアプローチをとっている。調査参加者のほぼ半数 (49%) が、ジャーナリストは自分が思うようにテクノロジーを自由に利用できると答えている。また、29%が集成型AIを使用していないと回答している。

2割りだそうな


集成型AIツールをいつ、どのように使用するかについて、経営陣からのガイドラインがあると答えたのは、回答者の僅か5人 (20%) であり、3%は、自分の配信物での使用は許可されていないと答えた。

編集現場は集成型AIに関連する多くの複雑な問題に取り組んでおり、今後ますます多くのパブリッシャーが、この技術の使用方法について具体的なAIポリシーを確立する (あるいは、その使用を全面的に禁止する) と考えるのが妥当だろう。

■編集現場の最大の関心事は不正確さと盗作

AIツールを利用して作成されたコンテンツが、後に虚偽または不正確であると指摘された事例が報道機関によって掲載されている事を考えるなら、AIによって作成されたコンテンツに関して、情報の不正確性/コンテンツの品質が報道機関の最大の懸念事項であるのは驚くべき事ではないかもしれない。調査回答者の85%は、これを集成型AIに関する具体的な問題として強調した。

パブリッシャーのもう一つの懸念は、盗作/著作権侵害に関連する問題であり、続いてデータ保護とプライバシーの問題である。明確なガイドラインの欠如 (前のポイントを参照) は、これらの不確実性を増幅するだけであり、AIポリシーの開発は、スタッフのトレーニングや集成型AIツールの責任ある使用についてのオープンなコミュニケーションとともに、そうした懸念を緩和するのに役立つはず筈だと思われる。

コレでオーラス


WAN-IFRA会員は調査結果全文をここから読める。

Teemu HenrikssonはWAN-IFRAの調査担当編集者である。


クウェートのテレビ局にAIアンカー登場。「フェダ」という名前なんやって #AI #テレビ



アドウィークの報道によりますと、インドに続いてクウェートのテレビ局が「フェダ」という名前のバーチャルニュース司会者を発表しました(2023年4月11日午前10時45分)。

「私はクウェートの最初の司会者で、クウェートニュースで人工知能を扱っているフェダと申します。どんなニュースがいいですか。ご意見をお聞かせ下さいませ」とアラビア語でTweetしました。

クウェート・タイムズとクウェート・ニュースの両方の副編集長であるアブドラ・ボフテイン氏は、英国のガーディアン紙の取材に対し、フェダは 「新しく革新的なコンテンツ」 を提供する可能性のあるテクノロジーのテストであると語っています。

ボフテイン氏によりますと、フェダはクウェート訛りがあるように作られており、今後120万人のフォロワーを持つ同サイトのTwitterアカウントでニュースを発表する可能性があると述べた。

「フェダとは、銀を指すクウェートの古名でロボットの色は銀色と金属色をイメージしていますので、2つを組み合わせた」のだそう。

なお、国境なき記者団2022の報道自由度でクウェートは180の国と地域のうち158位にランク付けされています。

他にやるべき事してからやろと、記事で皮肉っていますね。そもそも、アラブのテレビ局でAI女性を起用するなら、アラブの民族衣装まとわせた方が良かったのでは。

今回のトルコ・シリア大地震での各国メディアの報道についての解説記事が #メディア


今回のトルコ・シリア国境大地震を巡って、アメリカのポインターというメディア研究サイトが、各国の報道振りをまとめた解説記事を配信しています。以下、拙訳。

Opinion | Media coverage of the devastating earthquakes in Turkey and Syria(オピニオン|トルコとシリアの壊滅的な地震に関するメディア報道)

Harrowing video and excellent explanatory journalism helped the world try to comprehend the earthquakes and aftershocks.(悲惨な映像と優れた解説ジャーナリズムが、世界が地震と余震を理解するのに役立った)

February 7, 2023

並べた数字には理解を超えるものがある。

トルコとシリアを襲った大地震と余震で、月曜日の夕方の時点で3500人以上が死亡した。マグニチュード7.8と7.5の二度の地震の後、極寒の冬に余震が続いた。影響は遠くレバノン、ヨルダン、イスラエル、エジプトでも感じられた。

余震の1つとその余震がテレビで生中継された痛ましい映像がこちら(訳注;ロイター通信のサイトです)。音だけでも恐ろしい。ロイターによると、ビデオの記者ユクセル・アカランは「(映画の) 捜索救助のため瓦礫の山に向かっていた際、大きな音とともに2回連続して余震があり、左手に見える建物は地底に沈んでいた。埃が沢山付着した。地元の人が来て埃まみれになる」と語っていた。

アカランはその後、子供たちを連れて反対方向から走ってきた女性に出会った。女性の娘を抱き上げてから落ち着かせようとした。

動画は悪夢のスナップショットに過ぎない。

余震は80回近く報告されてた。辛くも生き残った多くの人は凍えるような寒さの中、屋外で寝かされている。

シリアを拠点とするフォトジャーナリスト、カリル・アシャウィはCNNの取材に対し、 「大惨事だ。救急隊員や消防士が助けようとしているが、残念だが対応する人が多すぎる。全てを処理出来ない。家族全員が死んだ。同じ家族で7人から8人、皆いなくなった。このような状況を私は今日見聞きしている。今は凍えるような寒さで、行き場のない人がたくさん街で寝ている」と語った。

なぜこの地震はかくも致命的だったのか。

ワシントン・ポストのキャロリン・Y・ジョンソンは、「恐ろしい死者数は幾つかの要因の結果だ。地震の規模と比較的地表近くでの発生、そして人々が住む場所に近かった。6日の地震は地表から僅か11マイルほどのところで発生した。つまり、地震波は建物や地表の人に到達するまでに遠くまで到達する必要はなく、より激しい揺れになった」とリポートしている。

ジョンソンは、なぜこの地震がこれほど破壊的だったのか、非常に詳しく報じた。これは、何が起こったのかをよりよく理解するのに役立った優れた説明ジャーナリズムの一例である。

ウォールストリート・ジャーナルのエリック・ニーラーとニディ・サブバラマンは、「トルコ・シリア地震はどのように発生したのか?大災害の科学の裏で」との記事を失費雨している。

トルコのアダナから報告したAP通信メフメット・ギュゼル、ガイス・アルサイード、スーザン・フレーザーは、「この地震は、過去10年間に甚大な被害を受けてきたこの地域に更なる悲劇をもたらした。シリア側では、この地域は政府の支配地域と、ロシアの支援を受けた政府軍に囲まれた同国最後の反体制派支配地域とに分断されている。一方、トルコには内戦による難民が何百万人もいるからだ」と指摘した。

また、「反政府勢力が支配するこの地域では、何百もの家族ががれきの中に閉じ込められたままだと、反政府勢力の非常組織『ホワイト・ヘルメット』が声明で述べた。この地域には、戦争によって国内の他の地域から避難した約400万人の人々が密集している。多くは過去の爆撃で既に破壊された建物に住んでいる」としている。

ニューヨーク・タイムズパブロ・ロブレス、アグネス・チャン、ジョッシュ・ホルダー、ローレン・レザービーによる印象的なビジュアル・ジャーナリズムを御覧頂きたい。

トルコとシリアを襲った地震の詳細な地図を示している。また、地震で大きな被害を受けた地域の前後の写真も残っている。例えば、ある写真には2020年6月の無傷のイェニ・モスクが写っている。その隣には今日のイェニ・モスクがあり、汚れてほこりっぽい浜辺にしわくちゃになった砂の城のようになっている。

また、同紙には「地震後:トルコとシリアからの写真」が掲載されている。

どちらも、この壊滅的な災害の影響を示す強力なジャーナリズムである。

ワシントン・ポストのアダム・テイラー、ジョー・スネル、オリバー・ローレント、ローレン・ティアニーによる以下の記事も同様だ。地図、写真、ビデオは地震による広範囲の破壊を示している。

(文中敬称略)

拙訳終わり。発生間も無いのに、ここまでの配信をしてしまう底力が凄い。日本の報道機関に、伍して配信出来る何かがあるのかとすら思ってしまいました。




経済危機やけど、それでも存続を模索するアルジェリア・メディア←頑張りやとしか言い様が無い(涙) #メディア


どこの国のメディアも経営が苦しい。でも必死こいて頑張っている・・・。今回ご紹介するインターナショナル・ジャーナリスツ・ネットワークが報じたアルジェリア・メディアの奮闘振りを紹介してみます(2023年1月3日付け)。

Amid economic crisis, Algerian media strive for sustainability(経済危機の渦中で持続を模索するアルジェリア・メディア)
by Nourredine Bessadi
Jan 3, 2023 in Media Sustainability

アルジェリアでは、多面的な危機により独立した報道機関の存在そのものが脅かされている。現在の景気低迷で既に廃業した社もあれば、経営難が深刻化して従業員への給与支払いが出来なくなった社もある。

例えば、フランス語の日刊紙エル・ワタンでは、3月以降の賃金未払いを不平とするストが7月に始まり、8月に終了したものの、同紙の存続は依然として不透明である。

また、アルジェリア全土で独立系メディアは、独立性と持続可能性を維持するための適切なビジネスモデルを今も模索しているが、その目標はいまだ達成されていない。

■公告という罠

数十年にわたり、アルジェリアのメディアの多くは、国家が編集内容を監督するために使用する政府機関である国立出版広告庁が提供する公告に依存してきた。これにより、政権内で政府を横断しない編集方針を維持する限り、メディアは無数の恩恵を受けられた。

政府の方針から逸脱した報道機関が増えるにつれ、そうした報道機関のリソースは突然枯渇した。その上、近年の経済危機により、かつては広告収入の柱であった自動車販売店などの広告主が事実上姿を消した。

こうした課題は、従来のメディアの管理者が代替手段を探すことを余儀無くさせ、新たに設立されたパブリッシャーが新しいビジネスモデルを採用せざるを得なくなる結果となっている。ただ、そこにも大きな困難が潜む。

アルジェリアのメディアが追求している選択肢は以下の通りである。

■サブスクリプションによる有料コンテンツ

アルジェリアでは電子決済が遅れて登場したせいもあり、他の多くの国で行われているようなメディアによるオンラインコンテンツの収益化の恩恵を受けられなかった。電子決済は今日に至るまでアルジェリアではほぼ不十分なままである。また、銀行と郵便局の間のオンライン決済システムの運用上の問題や、海外からの決済サービスがない事に不満を持つメディアもある。

Twala.infoは、オンラインコンテンツの収益化を主導している販売店の1つであり、購読料のみでコンテンツを提供している数少ない新聞の1つである。

■Google AdSenseについて

AdSenseによるオーディエンスのマネタイズにより、パブリッシャーはオンライン・アクセスから収益を得られる。これは現在、オブザーブアルジェリ、アルジェリー360、デア・デイリーなどのデジタル新聞が使用しているモデルだ。

匿名を希望したオブザーブアルジェリの関係筋は、このモデルがアルジェリアで実行可能かどうかを尋ねられたとき、ウェブサイトへのアクセス数だけでなく、ユーザーの場所によっても異なると答えた。AdSenseは国、期間、広告主の期待によって異なる規模を確立しているため、アルジェリアのメディアがGoogle AdSenseからどれだけの収入を得ているかを正確に知る事は不可能だ。ヨーロッパ、アメリカ、湾岸諸国からの読者が多数を占めるアルジェリアのオンライン新聞は、主なユーザーがアルジェリアに拠点を置く新聞よりも収入が大幅に多い。

オブザーブアルジェリは、アルジェリア人の重要な移住先であるカナダやフランスに拠点を置くインターネットユーザーをターゲットにしている。関係筋によると 「他よりもRPM (1000インプレッションあたりの収益) が多いトピックがある一方、政治問題を扱う記事には、国外報道記事に比べてRPMが非常に低いという。

■クラウドファンディング

多くの国では、メディア産業を革新し、編集局の長期的な持続可能性を確保する策として、新しい形態の共同出資が登場している。協調には財務コンポーネントが含まれるケースが大半だ。

一方、アルジェリアでは、特に緊迫した政治状況の中で、これは政府によって 「外国からの資金提供」 と烙印を押され、パブリッシャーが法的措置を受ける可能性がある。これにより、ローカルメディアの可能性の幅は大いに狭まってしまう。

アルジェリアの全てのパブリッシャーが単一のビジネスモデルを選択していない事に注意すべきだろう。中には、利用可能な手段や機会に応じて、2つ乃至3つのビジネスモデルを同時に採用している社もある。TSAのようなパブリッシャーは、Google AdSenseを利用して収益源を多様化しながら、民間広告から利益を得続けている。

アルジェリアのメディアは、政治的背景やエコシステム全体から切り離せない事は明らかである。今日のメディアは、世界的な不確実性と深刻な経済混乱の中で、円滑に移行できる経済モデルを求め続けているのである。

拙訳終わり。移民の多い国というのは知ってましたが(俳優のジャン・レノがそうですよね)、カナダに結構な数の移民がいるんですね。で、そこからのアクセスと収益が馬鹿にならないと。移民=県外移住者という括りで考えると、日本のローカル・メディアにも同様の事が言える筈。ここらに注力していますかという話になりますが、さて如何でしょうか。

「極右・極左系メディアの両方が、主流メディアよりも読みやすい政治報道をしているぞ」との研究結果が米で


アメリカのジャーナリツ・リソースというサイトに、2023年1月4日付けで興味深い論文が。拙訳してみました。

Far-right, far-left media offer easier-to-read political news coverage than mainstream outlets, study suggests(極右と極左のメディアも、主流メディアよりも読みやすい政治ニュース報道を提供している事が研究で示唆)

The study provides insights into "what journalists at reputable organizations might want to consider when they’re writing news about heavily partisan politics,” says researcher Jessica Sparks.(研究者のジェシカ・スパークスによると、この研究は 『信頼できる組織のジャーナリストが、党派色の強い政治についてニュースを書くときに考慮したい事』 についての洞察を提供している)

by Denise-Marie Ordway    | January 4, 2023

研究者らが2021年に党派・非党派のメディアが制作した約6000本の政治ニュース記事を分析したところ、以下の3点が明らかになった。
  1. 極端なバイアスがあるメディアは、保守的な偏見であろうとリベラルな偏見であろうと、無党派のメディアよりも短い文章を使い、堅苦しくない言葉を使う傾向があった
  2. 主流の報道機関は全体として、より高い教養レベルで記事を書いた。例えば、ロイターの通信社の記事は、平均して大学1年半を修了したレベルで書かれていた。一方、極左のオンライン出版物であるWonketteは、平均して9年生の読書レベルで書いている。極右のオンライン出版物であるAmerican Thinkerは11年生レベルで書いた
  3. 極右と極左の論調は、無党派の論調よりも否定的だった。一般に肯定的な単語と否定的な単語の比率は低かった
研究者らは、ジャーナリズム研究に掲載予定の論文「極端な状況:米国のメディア アウトレットにおける読みやすさ、グレード レベル、センチメント、トーンの評価」で今回の研究結果を説明している。

この調査結果は、対象となった20のメディアのみに適用されるが、これらの報道機関の違いや、専門的なジャーナリズムの倫理や規範に従わない事が多い党派的なメディアからの情報を求める視聴者がいる理由について洞察を提供している。

論文の主著者でジャーナリストから研究者に転身したジェシカ・F・スパークスは、一般的に人々はシンプルで分かりやすい言語を好むと述べている。「超党派」 のメディアは、より多くの人々が理解出来る言葉を使っている。また、重要な事実や文脈を省いて、問題や出来事をより単純な言葉で表現する事も多く、特にある政党が別の政党よりも利益を得ている場合は尚更だとスパークスは指摘する。

「人間である我々は、所謂 『認知を渋りたがる』 傾向がある」とスパークス。「もっと認知エネルギーを使いたがる人もいるものの、極めて限られる。そのため、そのように考えると、単純化された文章、特に物事を 『我々対彼ら』 という枠で括った文章を読んだ場合、ワシントンの複雑な出来事を検証しているニュース報道よりも、簡単に認知処理出来るのだ」。

フロリダ大学博士課程のスパークスと共著者でフロリダ大学ジャーナリズム・コミュニケーション・カレッジのジェイ・ヒミロウスキー准教授は、2021年初頭の3週間に掲載された5847本のニュース記事を分析した。ただし、誰もがアクセス可能な報道に焦点を当てたかった事もあり、無料記事のみを対象とした。

放送局、オンライン・オンリー、ニュース通信社など、様々な報道機関の政治報道を調査した。調査した20人のうち、7人は無党派だった。3つは極左系、2つは極右系で、8つの媒体が少なくともやや右や左寄りの記事を掲載した。

スパークスとヒミロウスキーは、AllSides、Ad Fontes Media、Media Bias/Fact Checkの3つの偏向評価サイトから収集した情報をもとに、Readableを使って報道機関の偏向度を判定した。Readableは、例えば「バッシング」や「禁句」といった否定的な言葉の数と、「達成」や「素晴らしい」といった肯定的な言葉の数を比較するツールだ。文章の構造、非人称的で形式的な言葉の普及、「我々」や「私」といった人称代名詞が登場するかどうかといった要因に基づいて、記事の形式を評価した。

また、広く使用されている2つの可読性スケールである、「フレッシュ・キンケイド・グレード・レベル」と「ガニング・フォグ・インデックス」に基づき、各報道機関のニュース記事を理解するために必要なグレードレベルを決定した。

スパークスは、自分が対象とした極左と極右のメディア組織が似ている事に驚いたという。どちらも低学年向けで、よりシンプルで堅苦しくない言葉を使っていた。

「右翼メディアは他のメディアとは大きく異なる事が示唆する研究が殆どだが、読みやすさに関しては必ずしもそうではないという事が我々の発見ポイントだ」 と付け加えている。
報道機関の党派別読書レベル
これらは、20の報道機関の政治記事に対する読解力レベルの評価で、近日刊行予定の『Journalism Studies』に掲載される論文の著者によって調査された。ドットをスクロールすると、各アウトレットのグレードレベルの評価が表示される。報道機関は、Ad Fontes Mediaによって決定されたバイアス (バイアスの欠如) に従ってグループ化される。レーティングは、2021年初頭の三週間に収集されたニュース記事の分析に基づく平均値である(訳注:スクリーンショットにしたのでスクロールは出来ません。元のサイトにアクセスして下さい)。

バイアス分布図

出典:ジャーナリズム研究で近日公開予定の「極端な状況:米国のメディア アウトレットにおける読みやすさ、グレード レベル、センチメント、トーンの評価」。 クラーク・メレフィールドによるチャート。
■ジャーナリストへのアドバイス

党派メディアが意図的にコンテンツを読みやすく、理解しやすくしているかどうかは不明である。しかし、
スパークスとヒミロウスキーは、その読みやすさが無党派の報道機関との差別化に役立っているとしている。

「オーディエンスが自分たちの態度を反映し、主流のジャーナリズムを拒否するコンテンツを求めているのであれば、政治的スペクトルの両側にある党派的なメディアは、コンテンツの内容とコンテンツのスタイルの両方で差別化することで利益を得る」と2人は記している。「文の構造、非公式性、語調はそれを実現する一つの方法かもしれない」。

「ワシントン・ポスト」や「インディアナポリス・マンスリー」などのメディアにジャーナリズム研究を掲載してきたスパークスは、超党派の編集局で働くジャーナリストはシンプルな言葉を使う事が重要だと問題提起する。その一方で、ニュース記事を複雑にしても、報道している問題や出来事について微妙な理解を国民に提供する必要もある。

そして、記者には、問題の様々な側面を説明するのに時間をかけ、党派が問題を過度に単純化している場合は、注意して報じて欲しいとアドバイスしている。

「この研究は、我々が何に直面しているのか、また、評判の高い組織のジャーナリストが、党派色の強い政治についてのニュースを書いている際、どのような事を考慮したいのかについて、より良いアイデアを与えてくれると思う」としている。

メディア報道と極端な政治についての詳細は、メディアの注目度が最も高い議員に関する記事と、トランプ支持の集会や極右グループの報道に関するティップシートを参照して欲しい。
※デニーズ・マリー・オールドウェイ
オーランド・センチネルやフィラデルフィア・インクワイアラーなど、アメリカと中央アメリカの新聞やラジオ局の記者を経て、2015年にThe Journalist's Resourceに参加。USA トゥデー、ニューヨーク・タイムズ、シカゴ・トリビューン、ワシントン・ポストなどにも論文が掲載されている。全米、地域、州レベルのジャーナリズム賞を多数受賞しており、2013年にはフロリダA&M大学のしごきなどの問題に焦点を当てた調査シリーズでピューリッツァー賞の最終候補に選出されている。また、ハーバード大学ニーマン・ジャーナリズム財団の2014~15年度フェローでもある。また、教育ライター協会の理事も務めている。Twitterアカウントは@DeniseOrdway

(文中敬称略)
拙訳終わり。賢明なる拙ブログの読者の皆様におかれましては、「あ、これって日本の報道機関にも言えてるかも」と思われたのでは。ワタクシメ自身は、一般紙の政治面の報道スタイルが思い浮かび「あ、そやそや」と感じ入った次第です。

インターネット時代の書き方について、主要メディアは研究してみる必要性があるのではないでしょうか。皆様、如何でしょう?

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新年にメディアとコンテンツの7大トレンドが到来。オタクがムーブメントの火つけ役やトレンドセッターに #メディア #オタク


ドイツのハンブルグ・タイムズというサイトによる今年の御託宣(2023年1月2日付け)。以下、拙訳。

New Year holds seven key trends for media and content (新年にメディアとコンテンツの7大トレンドが到来)

Experts share their predictions for content industry in 2023(2023年のコンテンツ産業の予測を専門家らがシェア)

02 January 2023

nextMedia.Hamburgによると、様々なメディア分野の専門家が、デジタル出版&ジャーナリズム、デジタルマーケティング、オーディオ、プラットフォーム、動画、クリエイターエコノミー、メタバースのカテゴリーにおいて、鍵となるテクノロジー、イノベーション、発展を新年に予測した。以下はその概要である。

1. デジタル出版–Z世代向けのジャーナリズム

2022年のスクープ・アワード(訳注:ドイツで大きな影響力を持ち、競合するニュースメディアによって広くフォローされた特ダネを表彰する賞)受賞者で、ジャーナリズムの収益化戦略の専門家でもあるジャック・ライリーは、ターゲット層であるZ世代を見過ごすべきでは無いと訴える。若者のメディア利用の変化は、将来のジャーナリズムの基準となる。ジャーナリストやパブリッシャーは、Z世代に訴求させるために、高解像度の映像と優れたアルゴリズムを考慮に入れねばならない。この傾向は、将来のジャーナリズムとその収益化に関する新しい視点を開くものであり、ジャーナリストやパブリッシャーに機会をもたらす。

2. デジタルマーケティングにおける人工知能

創造的な人工知能ツールはますます利用しやすくなり、驚くべき結果をもたらす。したがって、クリエイティブ・エージェンシーの仕事は簡単に置き換えられると、ハンブルクのジャスタドシュガーマーケティングのマネージングパートナーを務めるラミン・アタエイは分析する。一方、この傾向にはチャンスがある。「創造性は変わっていない。ただし、企業が創造性を発揮する方法を変え、問題解決に向かう必要がある。クリエイティブとストラテジストのチームは、AIとインテリジェントな自動化を使用してビジネスソリューションを設計せねばならない。単調な定型作業が無くなり、より革新的で充実した作業のためのスペースと時間が空くだろう」とアタエイは指摘した。

3. 改善されたコンテンツのオーディオデータ

ホーブッフハンブルグ・パブリッシングコリン・ハウアーCEOは、データ処理について 「オーディオ市場は2023年も成長を続けるだろう。顧客のニーズにより良く対応するに当たり、ユーザーデータをより重視すべきだ。優れたコンテンツはこれまで以上に重要になるため、創作者や作家との協力は非常に重要である」 と語っている。ユーザーデータは、様々なチャネルやプラットフォームでのメディアやトピックの開発に役立つ可能性があるとし「今後も強力なコンテンツが視聴者に届くだろう」 と予測した。

4. 玩具から道具まで拡張現実モーフィング

スナップのハンナ・ジョンソンは、多くの人は今でも拡張現実をデジタル玩具と考えているが、玩具から道具への顕著な変化が起きつつあると考えている。「多くの人が毎日自然にこの技術を使って、友人とコミュニケーションを取ったり、お気に入りのブランドと連絡を取ったりしている。この技術は企業にとって可能性を秘めている。広告キャンペーンの最中に自分の顔を見ると、顧客はバーチャルで製品を試す事ができる 」 。ARサービスは、フェスティバルやコンサートなどのエンターテインメント分野に徐々に進出していくだろうとも予測している。

5. 動画における合成媒体

人工知能で生成されたメディアは 「合成メディア」 と呼ばれ、5年後にはオンラインコンテンツ全体の90%を占める可能性が高い」 とハンブルクの新興企業「Oxolo」の共同創業者であるエリザベス・ロランジュは述べた。この技術はハイパーパーソナライズされた広告の成長を促進し、例えば、ターゲットグループに似たバーチャルなアクターを通じて、ターゲットグループや個々の顧客に自動的に適合させられる。この技術は今後数年で更に普及し、多方面で使用されると予測される。合成メディアは映画、画像、テキストの世界に革命を起こすだろう 」との事である。

6. ソーシャルプラットフォームの 「
TikTok化

ドイチェ・ヴェレのソーシャルメディア担当コーディネーター、ヨハンナ・リューディゲは 「Z世代がハードニュースに関心がないという考えは偏見であり、2023年には反論されるだろう」 とした。若者は頻繁にTikTokでハードニュースを求める。動画の情報密度が高ければ高いほど、動画がバイラル化する可能性が高くなり、ユーザーの生活の現実と密接に結びつく可能性が高くなる」 と分析している。ビデオは理解可能で本物でなければならない。同時にリューディゲは、YouTubeの短編、インスタグラム、フェースブックのリールのような他のプラットフォームの 「TikTok化」 を指摘している。「TikTokのストーリーテリング形式の短いパーソナライズされたニュースが至る所で見られるようになるだろう」 。そこから、メディア企業はクリエイターから学ぶ事が出来るとしている。

7. メタバースが文化的受容を獲得

ユング・フォン・マット・ナードの創業者であるトアン・グエンによると、2023年には技術的な変化よりも文化的・社会的な変化が予想されるという。「最近まで、デジタル世界やデジタルアイデンティティは主にギークやオタクと結びついていた。社会的に見れば、こうした層は主に地下室の子供や部外者で、自分達のアバターのために服を買ったり、友人を作ったり、オンラインの世界で恋に落ちたりしていた 」と指摘する。一方、メタバースが大衆の多くの部分に固定されているため、こうしたオタクがムーブメントの火つけ役やトレンドセッターになりつつある。例えば、ゲーム内での仮想購入は多くの売上を生み出している。「メタバースに関与しないブランドは、トレンドセッターや中間層との接触を失っている」 と強調していた。

(文中敬称略)

拙訳終わり。「ムーブメントの火つけ役やトレンドセッターになりつつある」か。昨今、萌え絵がラジカルフェミに叩かれるというのは、ひょっとしたらそういう役周りになっているオタクに嫉妬しているのかも。と、思ってしまいましたが、皆様如何でしょうか。

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日本の新興メディアでChatGPTによる記事作成例が #ChatGPT #メディア



で、日本のメディア業界に於ける具体的な実践例がありました。それが上記のコインデスクはんの記事。厳密に言えば、英語のサイトを日本語版に人力で翻訳したとなりますが、ともあれ、記事を作成したらこうなるという見本にはなっています。

日本語対応をしているかどうかは現状不明ですが、実際に登場したら革命を引き起こすかもしれません。少なくとも、他業種でも見られる「働かないおじさん」(メディア業界は特に酷い)を一掃する良い機会になるでしょう。また、そうなって欲しいので、是非とも大手の活用を望みます。

米ハーバード大学のメディア研究所に寄せられた2023年の予言。「ツイッター抜きによる透明性への新たな道を」 #メディア


ハーバード大学のメディア研究所「ニーマン・ラボ」に寄稿された2023年の予言です。以下、拙訳。

New paths to transparency without Twitter(ツイッター抜きによる透明性への新たな道)

A movement to expand industry transparency cannot be led by the news organizations that perpetuate the lack of transparency.”(『業界の透明性向上運動を、透明性の欠如を永続させたままの報道機関が主導するのは無理筋だ』)

仮に報道機関が今回のTwitter騒動から一つの教訓を得るとすれなら、それは、何千人もの疎外されたジャーナリストが、重要な関係を培い、忠実な支持者を築き、他のプラットフォームでは得られない方法でメディア業界について学ぶためにTwitterを頼りにしていたという事になろうか。

今、Twitterというプラットフォーム自体に注目し、その崩壊によって我々が失うかもしれないものに目を向けがちである。一方、パニックに陥ったり、早々に悲しんだりするのではなく、Twitterへの依存が露呈した業界の穴、すなわちアクセスの悪さや透明性の欠如を補修する事に取り組む必要がある。

私の予想では、メディアはジャーナリストをより身近な存在にして、経験の浅い同業者の教師となろう。新年には、メディア企業が社内の人材パイプラインに広い網を張り、外部のプラットフォームに頼らなくても、強固で多様なネットワークを構築出来るようにと願っている。また、社会から疎外されたジャーナリストたちが専門機関に集まり、専門機関が奨学金やリソース、トレーニング、ガイドを提供することで参入障壁を低くしてくれると信じている。

こうした予測の全てが、Twitterがメディアワーカーの層を越えてコミュニティを発展させる事により軽減に貢献した最初の問題に向かっている。1つのプラットフォームが、内外を問わず、この業界に大きな影響を与えたことは注目に値する。一方、ここ数週間 (しかも現在は日々急展開だ) の状況を考えると、未来がこれほど不透明なプラットフォームにこれほど依存するのは危険である事が明らかになった。

ジャーナリズムのリソースとしてのTwitterを完全に置き換えることは難しいだろう。現代のデジタル環境では、ニュースメディアとソーシャルメディアが深く絡み合っている。ジャーナリストがTwitterをキャリアに活用する以外でも、デジタルファーストのオーディエンスがニュースを共有し、影響を与え、交流する上で欠かせない存在になっているからだ。

二重の透明性とは、Twitterが社会から疎外されたジャーナリストたちにカーテンの裏側を覗かせる一方で、(良くも悪くも)一般のニュース消費者にも同じ生々しさを見せるという事だ。つまり、メディア関係者間の緊張や意見の相違、一般論がすべてオープンになることを意味する。

コメント中心の生の議論に参加できることはTwitterの特徴であり、それはすでに数多く存在するオンライン・フォーラム(Redditはそのひとつ)でも同様に再現は可能である。だが、従来のコメント欄は、社内であれ、別のソーシャルメディアサイトであれ、Twitterで起こるライブな対話には敵わない。

業界の透明性向上運動を、透明性の欠如を永続させる報道機関が主導するのは不可能だ。むしろ、外部の主体(メディア記者、メディア批評家、ジ・オブジェクティブやニーマン・ラボのような場所)が、報道機関の透明性の欠如に対する責任を追及出来るのだ。Twitterの完全な代替にはならないかもしれないが、ジャーナリズムがいかに独自の解決の一端を担えるかを証明するものとなろう。

新しい年、メディア業界は、Twitterを活用してキャリアを築いてきた大学世代のジャーナリスト、ローカルニュースのジャーナリスト、フリーランサー、後発組らがTwitter抜きで取り残されないよう、透明性とアクセス性を念頭にこれらのリソースを真剣に検討する事に期待したい。

※寄稿者のアレックス・ペリーはThe Daily Northwesternの編集長。ProPublica Emerging Reporterでもある。

(文中敬称略)

拙訳終わり。確かに、マスクはんの発言のせいで毎日のように揺れ動くTwitterを、今後も頼みとして良いのかというのはありますね。

それはそれとして、業界の透明性向上運動を、透明性の欠如を永続させる報道機関が主導するのは不可能だとの言葉、グサリと来ました。アメリカでもそうなのかと。「外部の主体に報道機関の透明性の欠如に対する責任を追及させよ」との言葉は特に、です。

追及は日本でもやっていなくも無い。だけど、やっている人には「ネトウヨ」「パヨク」のレッテルが貼られがちな訳で・・・。さてどうしたもんだかという年の瀬ですなぁ。

2021年のアメリカ大手紙やデジタルニュースサイトの人員削減は「かなり減少していた」と、ピュー・リサーチセンター #メディア #人員削減


ハーバード大学のニーマン・ラボによりますと、色々と取りざたされているアメリカのメディアですが、2021年の状況を見る限りでは前年より「かなり減少」していたと、ピュー・リサーチセンターが分析していたそうです(2022年10月18日付け)。

何しろ2020年はレイオフがニュース業界の隅々にまで及んでいた感がありました。

アトランティックやニューヨーク・タイムズのような大手が雇用を削減。新聞チェーンは一時帰休を実施し、編集局の規模を縮小していました。隔週発行の新聞も、新興ニュースサイト、公共ラジオ局、受賞歴のある雑誌も同様でした。ニュース業界の人々は 「絶滅イベント」 のようなフレーズを使った。「リストラ」 や 「効率性の追求」 、 「映像への転換」 といった言葉でおなじみの業界でさえ、かなり暗いものだったと、ニーマンは振り返っています。

もっとも、長い目で見たら別。ピュー・リサーチセンターが新たに発表した報告書によると、2021年はアメリカの大手新聞社や新興ニュースサイトにおけるレイオフの割合が、同センターが2017年に傾向の追跡を開始して以来最も低かったのだそうです。

実際、2021年は大手新聞社の11%がレイオフに直面したものの、複数回のレイオフを経験したところはありませんでした。一方の2020年はと言うと、新型コロナウイルスと呼ばれるものが経済に衝撃を与え、33%の新聞社が人員削減を行い、11%が複数回のレイオフを経験した。

ピューの研究者らは、トラフィックの多いニュースサイトでも同様の傾向がある事を発見した。このニュースサイトは、1カ月あたりのユニークビジター数が少なくとも1000万人以上のデジタルネイティブと定義されています(Viceのようなニュースサイトは、1カ月あたりのユニークビジター数が少なくとも1000万人以上があっても、もともと紙媒体としてスタートしたニュースサイトは調査から除外されました)。また、2021年にレイオフを実施したデジタルニュースサイトは、前年の18%に対し、わずか3%でした。

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サイトより引用させていただきました。アメリカの新聞社の発行部数が全体的に減少している事が、2021年の公式報告で目立ったレイオフの減少に一役買っている可能性があると、ピューは注意を促しています。日曜日の平均発行部数が5万部以上という対象基準を満たした新聞は、2017年の110紙に対し、2021年は73紙だけとなっていたからです。ただし、ほぼ同数のデジタルネイティブの報道機関が毎年ピューの基準を満たしているとの事です。なお、調査では2017年の35社に対し、2021年は34社が含まれているとしています。

なお、詳細な分析はこちらで読むことができます。

なるほど、近視眼的に見たらアカンのかもという話ですね。ただし、今年はどうなるんやろな(汗)。

アメリカでのいじめ事件から、当事者が意図してかどうかは知らないけど被害に遭った場合に親御さんが使えそうな手があるのを発見 #いじめ



アメリカのミズーリ州のウェンツビルという街で虐め事件が起きているのですが、被害者が意図してかどうかは分からないものの、日本で同じ目に遭った場合に対策として使えそうなのがあったので紹介します。

KMOVというメディアの報道です(2022年6月2日午後12時34分投稿)

Wentzville school parents come forward after video of daughter being bullied sparks rage in community(娘が虐められているビデオを見て、ウェンツビルの学校の両親が名乗り出。地域社会の怒りに火をつける)

The parents are asking school leaders to step in.(両親は、学校の指導者に介入するよう要求)

By Jenna Rae

Published: Jun. 2, 2022 at 12:34 PM JST

【ウェンツビル=KMOV】 この24時間、ウェンツビル学区(訳注:日本の教育委員会に相当)の親たちは、学校の指導者に対して「恥ずかしい」「激怒している」などと口にしている。全ては、31日にウェンツビル中学校内で起きた虐め事件を映したビデオに端を発している。「ニュース4」では、この事態に巻き込まれた両親と、地区が何年もいじめを隠蔽してきたと主張する他の人々に話を聞いた。

これは、火曜日の昼休みにウェンツビル中学校で撮影された36秒間のビデオだ(https://www.kmov.com/2022/06/02/wentzville-school-parents-come-forward-after-video-daughter-being-bullied-sparks-rage-community/)。1人の生徒がチョコレートミルクをビャータという別の生徒にかけるところから始まる。その後、職員が介入することなく21秒が経過している。そして、かけた生徒が戻ってきて、ビャータの頭を何度も殴ったのです。

「学区があのようなことを許し、すぐに介入せず、あのような事態が起こっていることに気づかないなんて、私には不可解だ」(“For a school district to allow something like that to happen and not intervene right away or be aware that a situation like that is occurring, it’s mind baffling to me,”)とメリッサ・アランは言う。

アランはビャータの母親である。彼女とビャータの父親であるポール・トリップは、娘が関係する虐め事件は今回が初めてではないと「ニュース4」に語っている。

「これは初めてでは無い。この数週間、週に一度は彼(トリップ)から電話がかかってきている」(“This isn’t the first time. I’ve gotten calls from him [Tripp] once a week the last couple weeks,”)とアランは説明する。

「2週間前、彼女は誤って女の子の靴を踏んでしまい、廊下を走っていると、その女の子に何度も何度も頭を殴られた」(“Two weeks ago, she accidentally stepped on a girl’s shoe, the girl punched her in the head over and over again as she ran down the hallway,”)と、トリップは説明した。

アランとトリップはウェンツビル中学校を訪れ、娘に関わる進行中の虐めを巡って何度か学校の指導者と話したという。ソーシャルメディアに投稿された31日のビデオは、ウェンツビルの保護者の間で波紋を呼んだ。多くの人が、学校は何年も虐めを真剣に受け止めてこなかったと語っている。

「大きな問題に発展するような些細な事に対し、十分な規律がないのです」(“There’s just not enough discipline for the minor stuff that’s leading to bigger issues,”)とアランは説明する。

地区内の虐めを良く知っているというある保護者は、31日のこのビデオを見ても驚かなかったという。

「あれを見た際、『状況は変わっていないんだな』って投稿したんだ」(“When I saw that, you know, I posted it and said ‘I guess things aren’t changing’,”)とパトリック・ヴァイニングは語る。

ヴァイニングには、ウェンツビル高校で同じ被害に遭った子がいた格好となった。2019年、ヴァイニングの息子イアンが8年生の教室の床に座っていると、生徒が近づいてきて、頭を数回殴っていたからだ。

「親として、自分の子どもがそんな目に遭うのを見たい人はいない」(“As a parent, no one wants to see their child go through that,”)と、ヴァイニング。

ヴァイニングは、学校がこの事件を真剣に受け止めていなかったため、弁護士を入れたという。今、彼とアラン、トリップ、そして他の親たちは、学校の指導者に行動を起こし、変化を起こすよう懇願している。

「事を邪魔立てするのは、親を困らせようとしたり、起こっていないことを押しつぶそうとする行為だ。これを明るみに出す必要がある。もっと多くの人が出てきて話を共有する必要がある」(“What’s not going to work is to try to badger the parents, or push something down that’s not happening. We need to bring this to light. We need more people to come out and share their stories,”)とヴァイニングは指摘する。

アランとトリップも同じ意見で、この問題を取り上げてもらうために次の教育委員会に出向く積もりだという

「子供達の安全を守るべく、適切な措置がとられることを願うばかりだ」(“I just hope that proper measurements are taken to keep our kids safe,”)とアランは語った。

トリップとアランは、ミルクを注ぎ、娘を何度も殴った生徒を告発すると「ニュース4」に語った。「ニュース4」では、学校の指導者達に、この事件や他の事件についても、オン・カメラ・インタビューで取り上げるよう要請した。彼らは拒否しましたが、次のような声明を送って来た。

「昨日の昼食時に発生した事件を監督しているスタッフがいる。我々の学校では、このような行為を容認していません。学校のチームは調査を完了し、適切な懲戒処分を行いました。ウェンツビル学区は、学習に安全な空間を作るために努力しており、夏に向かっても生徒の幸福を優先していく」(“We had staff supervising the incident that occurred yesterday at lunch. We do not tolerate this type of behavior in our schools. Our team has completed its investigation and appropriate discipline has been given. The Wentzville School District works hard to create a space that is safe for learning, and we will continue to prioritize students’ well-being as we head into summer.”)

(文中敬称略)
拙訳終わり。感心した点が幾つかあります。

今回に限りませんが、マレーシアやハワイなどの学校での虐め事件が、映像の拡散で露見したケースが幾つかあります。今回も、その1つでしょう。撮影した人間が、どのような意図を持っていたかまでは不明ですが。まず、そこを見習いましょう。虐めの証拠記録を抑えておくのです。

で、次に、拡散したソーシャルネットワークなどで、どんな反応があるかを見定める。今回のケースでヴァイニングさんとアランさんトリップさん御夫婦が知り合えたのも、ソーシャルネットワークだと推察されます。「前にも同じような事が起きていた」との指摘に反応したのでしょう。つまり、そこで得られた情報を基に、投稿者に接触し、味方に付けていく。

そして、最後に、今後の行動について、メディアに予告する。これ大事だなと。

今回、意図してかどうかは不明ですけど、御夫婦は教育委員会に出向くと予告し、それが地元メディアの注目するところとなっていますよね。これをやれば、教育委員会とて逃げ口上が打てない。「どんな事を言われたのか。言われた事にどう対応するのか」と畳みかけられる。それでも逃げを打つ場合があるかもしれませんが、醜態を放送・配信出来るというのは、保身しか考えていない教育委員会(この地区がそうとは申しておりません。旭川や酒田のを念頭に置いて書いております)には痛撃となりましょう。無論、学校側にも使える手です。

虐めが起きた場合は、家族だけで悩まない。上手に世間を味方に付け、メディアが飛びつきそうな仕掛けを考える。それが大事なんだなと、この事例を見て感じ入った次第です。

今、子供が虐められ、学校や教育委員会に不誠実な対応しかされていない御家族に申し上げたい。このミズーリ州の事件での親御さんの行動を真似して下さい、と。

※御賛同頂けるようであれば拡散お願いします。後、読者登録も宜しければ。


ロシアの政府支持系ニュースサイトに、ウクライナ侵攻などを批判する記事を少なくとも30本投稿された模様。自社の記者の犯行 #ウクライナ戦争 



CNN情報です。

2人のロシアの記者が9日、政府支持系ニュースサイト「lenta.ru」に、プーチン大統領のウクライナ侵攻と政府を反対する人達の弾圧を批判する記事を少なくとも30本投稿した模様です。

CNNでは、ソ連がナチスドイツを破った77周年にちなんだ記事や、戦勝記念日を利用してウクライナへの流血の猛攻を正当化するロシアの指導者を批判する記事が、殆ど即座に削除された事を確認しています。

記者の名前は判明しています。Egor Polyakov氏とAlexandra Miroshnikova氏。ロシア海軍の黒海艦隊旗艦モスクワの沈没事故の戦死者について、ロシアの防衛当局が「遺族に嘘をついている」(“lying to relatives”)とし、プーチンが「21世紀で最も血生臭い戦争」("bloodiest wars of the 21st century.")の一つを開始したと非難するなど、記事の中でいくつかの主張を展開しています。

「プーチンとその仲間は、戦争が終わった後、裁きの場に立つ」とお二人はlenta.ruに投稿しています。「この戦争に負けた後、プーチンとその仲間は、自分たちを正当化したり、逃げたりするのは不可能だろう」("Putin and his associates won’t be able to justify themselves or flee after losing this war.")

ちなみにCNNによりますと、お二人はlenta.ruのビジネスエディターなのだとか。このサイトの親会社は最近、ウクライナ侵攻でアメリカの制裁の対象となっているロシアのスベルバンクに買収されています。

CNNではお二人とlenta.ruにコメントを求めたが、すぐには回答が得られなかったそうです。

ロシア議会は3月上旬、ロシアのウクライナ戦争に関する虚偽とみなされるものを犯罪とする法律を可決しています。違反すると、150万ルーブル(約21,467円)の罰金か、最高で15年の禁固刑を喰らいます。一方、プーチンと国営メディアはウクライナでの本格的な地上戦を未だに「特別作戦」と呼んでいます。

なお、ロシアの独立系ニュースサイトMediazoneは、記事が掲載された後、お二人の声明と思われるものを配信しています。

声明では「プーチンは偏執狂的な独裁者だ」(“Putin is a paranoid dictator,”)とバッサリ。「プーチンは去らなければならない。彼は無意味な戦争を始め、ロシアを泥沼に陥れた」(“Putin must go. He started a senseless war and is leading Russia into a ditch.”)とボロクソです。

また、お二人は、侵略に関する政府の方針を公に否定しただけでなく、プーチンがウクライナでの意図について当初から嘘をついていたと非難しています。

「プーチンはウクライナにおけるロシアの計画について繰り返し嘘をつき、最初は一つの目標を挙げ、その後全く別の目標を挙げた」("Putin repeatedly lied about his plans for Russia in Ukraine, naming one goal at first then a completely different one.")というのが、その主張だとの事です。

「ドンバスの解放」、「脱ナチス化」、「ウクライナの非軍事化」を呼びかけた事などを例に挙げ、不必要な戦争のために急遽まとめられた正当化だとしています。

戦勝記念日シリーズの記事の1つには、ロシア海軍の旗艦で死亡した船員の家族に嘘をついているとお二人が主張している事に焦点を当てたものでした。CNNでも先月ウクライナの2発のミサイルによって沈められた乗組員の運命について、不安に駆られたロシアの親たちが情報を求めて奔走している様子を報じていました。

記事では、ロシア海軍がモスクワ号の乗組員の古い画像を再び流し、実際よりも多くの船員が無傷で退艦した事を示唆した可能性があると主張していました。

 「悲劇の後、国防省が流した黒海艦隊の指導者と乗組員の映像は、行方不明の乗組員の親族が映像の中で実際に彼を認識していたものの、アーカイブの可能性がある」("The video of the Black Sea fleet leadership and crew members that the defense ministry circulated after the tragedy could’ve been archival since a relative of a missing crew member actually recognized him in the video itself.")と指摘しています。

こうした主張についてCNNは独自に確認出来なかったとしています。

なお、lenta.ruの各記事は、見出しの下に同じ緊急の訴えで始まっていました。

「『免責事項:この資料は国家によって承認されたものではないので、大統領府はこれを削除する...』つまり、こうだ。『削除前にスクリーンショットを大急ぎで撮っておけ』」("Disclaimer: This material is not approved by the state, therefore the presidential administration will delete it... In other words: TAKE A SCREENSHOT URGENTLY before it’s deleted.”")

なお、お二人は「我々は仕事と弁護士とおそらく政治亡命先を探す事となるだろうね!」(“We’re looking for work, lawyers and probably, political asylum!”)と言ってlenta.ruからログアウトした模様です。

「恐れるな、黙るな」(“Don’t be afraid, don’t be quiet,")と書き込みは続いていたそうです。「抵抗せよ! 君たちは一人じゃない、沢山いるんだ! 未来は君たちのものだ!.... ウクライナに平和を!」(“Resist! You are not one, you are many! The future is yours!... Peace to Ukraine!")

CNNによりますと、ロシアのメディアで政府に批判的な報道がなされることは、特に2月にウクライナで戦争が始まって以来、稀なのだとか。国営メディアから反体制的な報道がなされたのは、3月にロシアのテレビ局「チャンネル1」の生放送中に、長年ロシアを担当してきたMarina Ovsyannikova氏が反戦の看板を掲げたときが最後だったそうです。Ovsyannikova氏は逮捕され、3万ルーブルの罰金を科された。

Ovsyannikova氏は現在、ドイツ系の報道機関向けにロシアとウクライナから取材を行っているそうです。

以上、取り急ぎ。Ovsyannikova氏も含めたお三方に、ピュリッツァー賞を追加授与してあげて欲しいな。

ウクライナ戦争で霞んでしまった温暖化ガス排出というアジェンダ。ドイツのメディア大手アクセル・シュプリンガーでは自社目標90%やそうです #メディア



FIPPというメディア業界情報サイトの記事です(2022年3月25日付け)。ドイツのメディア大手、アクセル・シュプリンガーはんが表題のような目標をブチ上げています。

社として、CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)が協力して、企業が気候科学とパリ協定の目標に沿った排出削減目標を設定するのを支援したいのだそうです。

2045年までに、アクセル・シュプリンガーでは自社での回避可能な全ての排出量を90%削減する目標を立てました。また、今後10年間でCO2排出量の絶対量を毎年3~4%削減し、2024年度からは気候ニュートラルとなり、不可逆的な排出量をすべて相殺すると誓約しています。

アクセルシュプリンガーSEのCEOであるマチアス・ドップフナー氏は、「1994年、アーレンスブルグのアクセルシュプリンガー印刷工場は、欧州で初めてEUの環境監査を受けた。今日、当社はメディアとテクノロジーの国際企業として、再び地球温暖化防止分野で先駆的な役割を果たす事になるだろう」(“In 1994, the Axel Springer printing plant in Ahrensburg became the first in Europe to undergo the EU eco-audit. Today, we are an international media and technology company and will once again play a pioneering role in the area of climate protection”)と語っています。

そして「2024年度以降、ネットゼロ企業となり、気候変動に左右されない企業になるという意欲的な目標を掲げ、模範を示して業界をリードし、現在と将来の世代の未来を確保するために役割を果たすことを目指している」(“With our ambitious goals of becoming a net-zero company and being climate-neutral from the fiscal year 2024 onwards, we aim to lead the industry by example – and do our part to secure the future of current and coming generations.”)と続けています。 

なお、直接排出だけでなく、間接的に発生する排出も全て考慮の対象だそうです。これは、Science Based Targetsイニシアチブの厳格な科学的基準を満たすものであり、アクセルシュプリンガーの気候保護への意欲を、地球温暖化を1.5℃に抑えるというパリ協定に一致させるものなのだとか。   

アクセル・シュプリンガーSEのサステナビリティ責任者であるマーカス・ヴェルナー・ブランク(Marcus Werner Blank)氏は、「2020年の当社の気候変動排出量は約40万トンのCO2で、これはフランクフルト(デア・オーデル)程度の小都市にほぼ匹敵する。この事から明らかなように、我々は自らの責任を直視し、気候変動と戦うためにより強力な行動を取らなければならないのだ。そこで我々は、2045年までに回避可能な排出量を90%削減するための具体的な施策を展開している。短期的には、オフセットプロセスの最適化を進め、2024年からオフセット排出量の割合を5%から100%に引き上げる予定だ」(“In 2020, our climate emissions were approximately 400,000 metric tons of CO2 – roughly equivalent to a small city on the order of Frankfurt (Oder). What this makes clear is that we have to face up to our responsibility and take stronger action to combat climate change. We are therefore developing concrete measures to cut our avoidable emissions by 90% by 2045. In the shorter term, we will continue to optimize our offset process and increase the share of offset emissions from 5 percent to 100 percent starting in 2024.”)と述べています。 

また、今週、レコメンデーションプラットフォームのOutbrainと契約を締結したと発表しました。この契約によりますと、BILD、WELTグループ、B.Z.、Rolling Stone、Musikexpress、Metal Hammerが提供するドイツのデジタル製品は、アウトブレインを統合して、編集記事の個人向け推薦サービスを行い、ネイティブ広告によるアクセル・シュプリンガーのマネタイズをサポートする事になるのですって。

まぁ2045年頃になれば、紙媒体の需要は今よりも更に少なくなっているでしょうから、達成できそうな目標でしょうね。森林伐採を減らすという意味でも良い方向性でしょう。

・・・個人的には、メディア企業が約四半世紀後も自分達が存続しているだろうとの前提を立てている事に少し驚きましたが。

世情騒然とする中、あのCNNが新しくストリーミング・サービス開始。CNN+と言うそうです #CNN



ウクライナ戦争のせいで霞んでしまっているニュースが幾つかありますが(中国の東方航空機墜落事故なんか、その最たるもんですね)、その1つがこれ。

ケーブル・ニュース・ネットワークというのが社名のCNNが、ストリーミング配信に力を入れつつあるのです。その名も「CNN+」。もう社名SNNに変えたらエエやんw

ストリーマブルという専門サイトの記事を紹介していきます(2022年3月29日午前4時投稿)。

本日の朝、「5 Things with Kate Bolduan」の初回放送をもって、CNN+が正式に始動したそうです。ケーブル・ニュース・ネットワークは、ライブ、オンデマンド、インタラクティブな番組を組み合わせながら、自社の特徴であるジャーナリズムのブランドをストリーミング時代に持ち込もうとしていると、サイトでは解説しています。

CNN+のサービス開始時の料金は月額5.99ドル、年額59.99ドルやそうです。デビューを記念して、最初の1ヶ月以内に契約した加入者には、「生涯のお買い得品」(“Deal of a Lifetime.”)が提供されます。このキャンペーンを利用したお客さんには、アクティブな加入者である限り、ストリーミングの月額料金が50%割引になるのだとか。

発売当初は、月額わずか2.99ドルで利用可能。将来、月額料金が値上げされた場合でも、その半分の金額を支払う事になるそうです

さらに、参加するアプリストアでは7日間の無料トライアルをやっています。

以下、アメリカでのサービスの話。

CNN+は、Amazon Fire TV、Android携帯電話およびタブレット、Appleデバイス(App Store経由でiPhone、iPad、Apple TV、Apple TV 4K、Apple TV HD)で利用可能。この新しいストリーミング・サービスを既存のCNNアプリに統合していく方向なんだそうです。

今のところ、対応してない大手サービスAndroid TVデバイスです。スマートTVがAirPlayやCastに対応している場合は、公式アプリが無くてもストリーミング出来る可能性があります。

また、CNN+は、モバイルとコンピュータの両方でウェブブラウザ経由でも利用できます。

現在、以下のデバイスでCNN+をストリーミングすることができます。
  • Apple TV
  • Amazon Fire TV
  • iPhone
  • iPad
  • アンドロイド携帯
  • Androidタブレット
  • ウェブ
CNN+はライブ、オンデマンド、インタラクティブの3つのタイプのコンテンツに重点を置く予定だそうです。開始時には、8~12本のライブ番組が毎日配信され、さらに毎週配信される多数の番組のプレミア・エピソードが用意される予定です。デイリーとウィークリーの両番組は、ニュース業界で最も知名度が高く、信頼されている著名人がホストを務めます。

アンダーセン・クーパー氏やドン・レモン氏、ジェイク・タッパー氏やウォルフ・ブリッツァー氏といったおなじみのCNNキャスターに加え、ニュース業界全体からジャーナリストを引き抜いています。具体的には、NBC の元キャスターケシー・ハント(Kacie Hunt)氏や、Foxニュースの元キャスター クリス・ウォラス(Chirs Wallace)氏、NPR の元レポーター兼キャスターのオウディー・コーニッシュ( Audie Cornish)氏、ESPN の元パーソナリティであるジェイメール・ヒル(Jemele Hill)氏やカール・チャンピオン(Cari Champion)氏といった方々やそうです。

さらに、CNN+の新しいオリジナルシリーズも配信して行くそうです。

CNN+はまた、1000時間を超えるCNNオリジナル・シリーズとCNN Filmsのストリーミング配信の拠点となる予定です。

この他、加入者にはインタビュー・クラブというサービスがあるそうです。サービス開始当初は、CNN+のコミュニティから寄せられた質問をもとに、1日に2~3本のインタビューが行われる予定。加入者は質問を投稿し、その回答をリアルタイムで、またはオンデマンドで見る事が出来ます。

なお、CNN+の最初のプログラム・ラインアップは先週発表されていました。

気になるのがCNNのライブ放送は見られるかどうかですが、ケース・バイ・ケースなんだとか。ただし、ほぼ無いとの事です。CNN、CNN International、HLNのライブストリームはCNN+の購読に含まれませんが、有料テレビ契約によりTV Everywhereのクレデンシャルを持っているユーザーは、アプリ内で従来のCNNケーブルネットワークを視聴出来ます。

アメリカCNNのケーブルコンテンツをストリーミングで視聴したい方は、Sling TVなどのLive TV ストリーミング・サービスが必要になります。

CNN+
(サイトより引用させて頂きました)

既存サービスとの棲み分けをしながら、新しい客層を掴もうとしてはりますね。視聴者の質問に対する回答なんて、何となくラジオのノリがある感じも。

いずれにせよ、思い切った試みではある。敬意を表したい。


旭川いじめ自殺事件の第三者委員会報告の一部提出まで2週間を切りました。で、思う事が。皆さん地元の教育長の名前思い浮かびますか?

いじめアクセス

アクセス解析をしたところ、昨日と本日、訪問者数そのものは少ないものの、虐め問題を集中的にお読みになられる方が多い事に気づきました。

多分、このニュースに反応しはったんやろなと。Twitterで検索すると、旭川市教委をボロクソに言うてはる人しか見当たらなかった。ホンマ、擁護のしようが無いなと思いつつも、少し今のワタクシメの考えを書いてみます。

ワタクシメは結婚もしておりませんし、子供もいません。従って、今の教育現場を知りません。未婚社会が進む中、同じような人が増えているのではないでしょうか。まずそこが問題かと。

ワタクシメの場合、旭川いじめ自殺事件の前から、学校のいじめ問題そのものには関心がありました。前に住んでいた神戸の垂水区で女子中学生の自殺事件があり、調査の過程で虐められていたとの証言があったのに、教育委員会の幹部が隠蔽を図ろうとする事案があったからです。「酷いな。教育委員会おかしいやろが」と思わざるを得ませんでした。

その思いに変化が訪れたのが、隣の須磨区で教師間暴力が発覚した事。全国ニュースになりましたよね。実は、この事件が発覚したのは、上記の自殺事件と隠蔽事件を受けて、第三者委員会が改めて調査し直した報告書を教育委員会が受領してから数日後だったのです。「神戸市教委、腐ってるがな」との思いに変わりました。

御記憶の方も多いでしょうが、加害者教師を謹慎処分にした際、有給だった事が発覚し、全国レベルで怒りの火に油を注ぐ格好となりました。一から十まで対応がおかしかった。そこで、ある疑問がワタクシメの中で生じました。「一体どんな奴がトップやねん」と。調べたら、簡単に分かりました。神戸市のHPを引用させて頂きます。

神戸市教育長

経歴を見たら分かりますが、教育現場に関わった事が無いのに、教育長に就任しています。他の分野で培った知見を応用して欲しいとの事だったのかもしれませんが、であるならば結果が全然出ていないとなります。

平成30年=2018年で、今が2022年。この間、上記の虐め自殺隠蔽事案があり、須磨の教師間暴力事件の発覚が2019年10月(この事件を巡っては、対策会議の調整を行っていた職員が自殺する事件も起きています)。これとは別に組体操の骨折事故が多いので止めるべきとの市長の意見を無視して続行させ、6人の骨折事故が発生したりしています(以上ウィキペディアより)。なお、改めて調べ直すと、こうした事件とは別に、昨年末にバスで局部を露出した教師が懲戒免職処分を喰らっています(神戸市のHPより)。

一体、この長田サンは何なのだろうと。組織を仕切れて無いではないかと。

で、旭川の事件を知り、続報を追う内に同じ疑問が浮かびました。「旭川市の教育長って、どんな人なのよ」と。

今となっては、Twitter上で有名人ですよね。そう、黒蕨真一サン。経歴はhokkaidolog - 北海道市区町村議会議事録検索から分かります。旭川市議会 2019-10-0810月08日-07号 が出典です。以下、引用。

○議長(安田佳正)日程第12、議案第100号「旭川市教育委員会教育長の任命について」を議題といたします。 本案について、提出者の説明を求めます。西川市長。
◎市長(西川将人)議案第100号、旭川市教育委員会教育長の任命につきまして、提案理由を御説明申し上げます。旭川市教育委員会教育長黒蕨真一氏は、本年12月12日をもちまして任期満了となることから、同氏を再度任命いたしたく、議会の同意を得ようとするものであります。黒蕨氏は、昭和59年3月、室蘭工業大学を卒業された後、旭川市に奉職し、環境部長総合政策部総合計画担当部長総合政策部長などを歴任され、現在、教育委員会教育長の要職にある方であります。黒蕨氏は、教育に関し、豊かな識見を有されており、かつ、人格も高潔な方でありますことから、本市の教育長として適任であると存じますので、何とぞ御同意賜りますようお願い申し上げます。
○議長(安田佳正)これより、質疑に入ります。発言の通告がありません。御質疑ありませんか。               (「なし」の声あり)
○議長(安田佳正)別に御発言がなければ、質疑・討論終結と認め、直ちに採決いたします。お諮りいたします。本案については、原案どおり同意することに御異議ありませんか。             (「異議なし」の声あり)
○議長(安田佳正)御異議なしと認めます。よって、本案は、原案どおり同意することに決定いたしました。
○議長(安田佳正)ここで、ただいま教育委員会教育長に任命の同意を得ました黒蕨真一氏から、御挨拶をいただくことにいたします。
◎教育長(黒蕨真一)(登壇)ただいま教育長の任命につきまして、皆様方の御同意を賜り、心から厚く御礼を申し上げる次第であります。4月に教育長に就任をしてから約半年間ということでありまして、まだ短い期間ではありますけれども、改めまして、教育行政の重要性につきまして強く認識をしているところであります。将来の地域を担い、未来の旭川を築いていく子どもたちのため、また、市民の皆様方のために、課題はたくさんございますけれども、旭川市の教育、文化の発展、振興のために、教育長としての使命を精いっぱい果たしてまいりたいと考えております。ぜひとも、議員の皆様方の引き続きの御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、まことに簡単ではありますが、挨拶とさせていただきます。どうぞ、引き続きよろしくお願いをいたします。
引用終わり。寒々しいやり取りですが、ここから分かるのは、神戸市教育長の長田サン同様に、教育現場に立った経験が無く、かつ、就任後ボロボロの組織運営をしている所。

現場経験の無いのを教育委員会のトップに据えるんは要注意やな。

そう言わざるを得ません。神戸も旭川も、市長には任命責任があります。そして受け入れた市議会にも問題があります。もっと精査せーと。

同時に、この拙ブログをお読みで、旭川市や神戸市以外の地域にお住まいの方に申し上げたい。

1)皆さん、地元の教育長の名前、パッと出て来ますか。

2)どんな経歴の方か言えますか。

3)どんな経緯で使命・承諾されたかという報道を思い出せますか。

この内のどれかが、或いは全部が言えないようなら、それは今日か明日にでも、家の周囲で第二の廣瀬爽彩さんを見る事を意味しているのかもしれません。いや、ひょっとしたら、皆さんの自宅の中でかもしれない。

事件を受けてワタクシメは「海外の真似出来そうな対応策や改善策を取り入れたらどうか」と思いたち、グーグルのニュースアラートで日々関連しそうな情報を見るようになりました。

英語では、教育委員会の事をeducational boardもしくはschool boardと言いますが、それでニュース検索したら、こんな感じです。国をアメリカに設定しています。

FireShot Capture 309
人事などを詳しく載せたり、何を討議しているかなどをマメに報じているのが分かります。アメリカでは教育委員が公選制という事情もありますが、それを割り引いて考えても関心を持たれている事が分かります。

なお、2日前のサンフランシスコのテレビ局は、地元の教育委員の罷免を求めるリコール運動を詳しく報じていました。


このように、イイネ1件やRT6件つくなど、関心を持たれているのです。それらを踏まえて、こう言いたい。

仮に皆さんのお住まいの地域のメディアが、教育行政に関する報道を殆どしていないようなら、こういうアメリカのメディアのように報道するよう注文した方がエエですよ、と。

無関心が腐りきった教育行政を生んでいる(これに関して旭川市教委も神戸市教委も反論出来ないでしょう。一連の不祥事が全てです。特に旭川は、去年までの5年間で教員が4人も猥褻行為で逮捕され、トドメが廣瀬さんの自殺事件でした)以上、再発防止策の1つとして、まず関心を持つ事。そして、関心を持ってもらうよう、メディアも報道に工夫をしないと駄目です。

そう、旭川の一連の事件は、事後の対応の酷さも含め、そんな行動しか取れないようになってしまった、権力の監視を怠った地元のメディアの責任も大きいのです。メディアあさひかわは除きます。

最後に、くどくどしいですけど、もっぺんだけ書きます。

無関心はナァナァな土壌となり、事無かれ主義の温床になります。それが昭和の時代からの虐め事件から学ぶべき教訓です。芽の内に詰んでしまうコミュニティ作りが必要なのです。そして、そこで果たすべきメディアの役割は、決して小さくない。

皆様如何お思いでしょうか。御賛同頂けるようであれば、拡散お願いします。


香港の蕭澤頤・警察庁長官「報道の自由は絶対ではない」。こういう発言、何で日本の報道機関は問題視せーへんのか! #香港 #言論弾圧


こういう台詞を問題視する日本のメディアはゼロなんか? 香港の蕭澤頤・警察庁長官が「報道の自由は絶対ではない」とほざいているんですけど。
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インドの経済紙が「メディア企業は、場所に応じたエンターテインメントを求める消費者に向けてコンテンツ作りをしなければならなくなるだろう」と予測 


さて、拙ブログのメイン・テーマであるメディア業界の今後についての記事を、今年も紹介します。

インドの日経とも言えるエコノミック・タイムズはんは「メディア企業は、場所に応じたエンターテインメントを求める消費者に向けてコンテンツ作りをしなければならなくなるだろう」と言うてはります。
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米名門大学のメディア分析サイトが、今回のアフガン政権崩壊について、自国のメディアの報道姿勢を断罪。そして「憂うべき報道の空白が出来てしまった」と警鐘 #アフガニスタン

アメリカの名門、コロンビア大学のメディア分析サイト「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」が、今回のタリバンによるアフガニスタンの政権奪取について、今までの自国メディアの報道姿勢を断罪する一方、「憂うべき報道の空白地帯が出来てしまった」と警鐘を鳴らしています(2021年8月16日付け)。ジョン・オルソップ(Jon Allsop)というお名前のフリー・ジャーナリストの方による寄稿です。

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オーストラリアで自国の #メディア の #新型コロナ 報道についてどう思うか世論調査したら、59%が「人騒がせな報道だ」と思ってるそうで 

考えさせられてしまった試み。オーストラリアのサウスウェールズ州で、自国の新型コロナに関する報道についてどう思うか世論調査したところ、「人騒がせ」系が多いと答えた人が59%もいたのだそうです。同種の調査、日本でもやったらどうなのか。
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ニュースレターファーストのローカルメディア企業である6AMシティ、2021年に事業規模が3倍以上のペースで急成長中 #ハイパーローカル #メディア #ニュースレター 

アメリカで急成長中のローカル・メディアについてのご紹介。ニュースレターを最優先にしてはる6AMシティという会社でして、今年だけで規模が3倍になるんちゃうかという勢いなんですって。


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米CNBC「スーパーボウルが49歳以下の世代に視聴されていない。アメリカのメディアの分断化が進んでいるという事だ」と問題提起 #メディア


アメリカで今年のスーパーボウルの視聴者数が減ったという話は前にも紹介しましたが、CNBCの記者さんが「それってメディアの分断が深刻化してるって事やで」と問題提起してはります。続きを読む

ベルリン発のスタートアップのForum.eu「全欧のメディアをひっかき回すで!」 #Forum.eu #メディア

ベルリンのForum.euというスタートアップが「欧州全土のメディアをひっかき回したるで!」と、意気軒昂なんやねんて。

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広告収益を主体とするメディア、ブロガーやインフルエンサーに負けつつある←カザフスタンの話やけど、他人事ちゃう人おるやろな(後編) #メディア


深くて辛そうな話の後編です。中央アジアのカザフスタンの独立系メディアは、収益の柱を広告としてきたのですが、それをブロガーやインフルエンサーに持って行かれつつあり、更に…。
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「警官の撮影は禁止や」「なめとんのかボケ」。フランスで治安新法案にジャーナリストが激怒


フランスで、警官の写真撮影を禁止する治安新法が提出され、ジャーナリストが激怒していると、ワシントン・ポストが報じています。
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アメリカ人が信頼するニュース・メディアに、何故かニューヨーク・タイムズなど主要メディアを抑えBBCが2位に #メディア #BBC


ロイターのジャーナリズム研究所の最新調査によると、アメリカ人が信頼するニュース・メディアとして、あのニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、CBSなどを抑え、英国のBBCが2位につけている事が明らかになりました。続きを読む

英国では左派の有権者の間でメディアへの信頼度が低下してんねんて #メディア #支持層

所変われば何とやら。日本では所謂「ネトウヨ」の間で既存メディア(特に朝日や毎日、東京)に対する信頼度が低い事が知られていますが、英国では逆に左派の有権者の間でメディアへの信頼度が低い事が、研究結果から分かったそうです。
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Viceメディア、155人をレイオフ #メディア #レイオフ 

Viceレイオフ

アドウィークはんの「まとめ」記事。今回は、いや、今回もクビ斬り系な話です。

※Viceメディアのナンシー・ドゥバック(Nancy Dubuc)CEOが発表していたそうです。まずアメリカ国内で55人、ついでアメリカ国外で100人以上を、向こう数週間の内にレイオフするのですって (Adweek)

※同社では、2019年初頭に10%の人員削減を行っていました。この時はデジタル事業の強化をする上で必要なのだと、CEOが従業員向けのメモで説明していました(Deadline)

※ところが、同社のデジタル部門もレイオフの影響を受けそう。人件費の5割を占めるのが、デジタル部門でして「にもかかわらず、売り上げの21%しか出していない」(Vice Digital’s teams will be disproportionately affected by the layoffs. Currently, the company’s digital organization accounts for 50 percent of headcount costs, “but only brings in about 21 percent of our revenue,”)とCEOは続けています (Variety)

※なお、ドゥバックCEOは、「巨大テクノロジー」(“Big Tech”)企業は「ジャーナリズムにとって大きな脅威だ」(“great threat to journalism”)と嘆いています(THR)

※会社側では、退職金を用意するし、今年の健康保険は賄うとしています  (Reuters)

コメントするのが辛い話ですね。と言うか、余りに同じような話ばかり紹介する内に、自分の中の何かが麻痺しつつあるのが怖い。

東欧のアルバニアでも新型ウィルス蔓延でメディアの存続危機 #新型ウィルス #コロナウィルス #メディア


新型ウィルスの流行により、世界的な規模でメディアの経営に危機が生じています。今回紹介するのは東欧のアルバニア。新聞社が次々と休刊し、残る社も金銭的に厳しい状況だそうです。
続きを読む

中国政府、自国ジャーナリストに習近平への忠誠度試験 #中国

中国酷すぎ
訳すのを忘れる所でした。中国政府が、自国のジャーナリストに対して、習近平サンに対する忠誠度をテストしてはるんですって。続きを読む

「検閲 天安門」と「censorship Tiananmen」の差は何なんだろう? #天安門 #メディア

もうホンマ、どう言うたらエエのか。

「検閲 天安門」と「censorship Tiananmen」で検索すると、ホンマにトホホな結果に。午後8時42分前後での検索結果です。

24時間以内での天安門 検索

24時間以内での検索で、主要メディア(新聞社やテレビ局)の何と寡黙な事よ。朝日の天声人語は、有料会員限定記事だそうで、途中から読めませんし、毎日の記事はワタクシメのブログで先刻ご紹介済みです。そもそも数が少ない。

一方「censorship Tiananmen」で検索すると、こんな風です。

天安門毛熱英語

 数の多さとか、圧倒的ですよね。同じ条件で検索して、こういう結果です。

こうした英語圏のメディアより、地理的な近さで言えば目と鼻の先になるのが、我が国のメディアです。あ、ここで言うメディアとは既存メディア、英語圏で言うLegacy Mediaです。

危機感というのが無いのか? AIを駆使して削除しまくっているという現状を、何故インターネット上で大々的に報じないのか?

IT系メディアが報じているから任せようなのですか? 説明責任が問われますよ。アンタら、自分たちの事を公共財とヌケヌケと主張したんでしょ?? 公共財は、検閲を議論なしに許すのですか???


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