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これまで海外の新聞業界の動向などを紹介してきましたが、今後は海外のコンテンツ配信ビジネスや「ほぅ」と思わせる新規ビジネスについて紹介していきます。

影響

「生成AIは世界の政治に大きな影響を与えるだろう」と米政治サイトのポリティコが警告。ただし、AIのフェイクが直接有権者の行動に影響を与えている具体的な証拠はほぼ無いらしい


ポリティコの記事を拙訳していきます(2024年4月16日午後4時投稿)。

Up close and personal with AI ‘fake news’(AIの「フェイクニュース」を間近で見るなら)

By DEREK ROBERTSON  04/16/2024 04:00 PM EDT

生成AIは世界の政治に大きな影響を与えるだろう。フェイクニュースやフェイクディベート、さらには本物の候補者の偽アバターによって、すでに不和の種が蒔かれている。
しかし、実際にはどのくらい悪くなるのだろう?
本日公開された一連の報道の中で、ポリティコのマーク・スコット記者は警鐘を鳴らしている。アメリカの大統領選は、今年行われる50の選挙の一つにすぎない。そして、有権者を欺いたり、説得したり、単に混乱させたりすることを目的としてAIが生成した画像や音声は、各国政府が追いつこうと奮闘する中、世界中で猛威を振るっている。
スコット記者は、次のような例を繰り返し挙げている。英国労働党のキーア・スターマー党首が部下を叱責するフェイク音声、ニューハンプシャー州の予備選に参加する有権者を思いとどまらせるAI生成の「ジョー・バイデン」によるロボコール、ロシアのプロパガンダ活動の一環としてパリ五輪を批判するフェイクの「トム・クルーズ」、さらには北アイルランドの下院議員のディープフェイク・ポルノなどだという。
そして、強力なAIモデルの開発を支援する企業は、この状況に追いつこうと奮闘している。「常にシステムを破壊しようとする新しい方法を考え出す輩が要る」と、マイクロソフトの責任あるAIの最高責任者であるナターシャ・クランプトン氏はスコット記者に語った。(マイクロソフトはOpenAIとMistralの主要な支援者であり、AIによって生成された虚偽または有害なコンテンツに対抗する取り組みの中心に据えている)。
しかし、国家安全保障当局者やテック企業の幹部、監視団体へのインタビューでスコット記者は、AIが生成するディープフェイクは、悪意のある政治活動家にとって厄介なツールであると考えている一方、幾つかあるツールの1つだと分かった。アスペン研究所のAI選挙計画のジョシュ・ローソン氏は、AIのフェイクが直接有権者の行動に影響を与える具体的な証拠は殆ど見つかっていないと語っている。また別の研究者は、ドナルド・トランプ前大統領が歓喜に沸く黒人支持者に囲まれている画像など、より悪質なフェイクコンテンツは「実際には成功していない」と述べている。
スコット記者とPOLITICOのビジュアルプロデューサーを務めるルシア・マッケンジー氏は、人工知能 (AI) が生成した選挙資料に対する一般の認識を、Ipsosの世論調査に基づいた一連のビジュアルチャートで捉えた。その結果、AIに対する人々の見方に関しては、世界的に大きな隔たりがあることが分かった。特筆すべきは、スマートフォンによる混乱がまだ記憶に新しい発展途上国の人々は、先進国の人々よりもAIをよく理解しており、AI全体に対してより悲観的であるという事だろう。
これらの人々は、本物のニュースとAIディープフェイクを区別する能力にも自信を持っている。その能力に自信がある上位5カ国 (高い順) は、インドネシア、南アフリカ、トルコ、タイ、ブラジルである;下位5カ国はフランス、スペイン、米国、ドイツ、韓国だ。
スコット記者とマッケンジー氏は、KFF、AP通信、NORCパブリック・アフェアーズ・リサーチ・センターによる、特にアメリカでのオンラインメディアの信頼度に関する世論調査も参考にしたが、結果は芳しいものではなかった。KFFの調査によると、米国の成人の31%近くが「2024年の大統領選挙に関する情報の正確さについて、常に、あるいはほとんどの場合、不確かだと感じている」という。調査に回答した成人の過半数は、AIが誤った情報の拡散を助長すると考えており、AIに詳しい人ほど、それが真実だと考える傾向が強かった。
...だが、親愛なる読者の皆さんはどうだろうか? 今日公開されたシリーズのもう一つのパートは、本物のコンテンツとAIが生成したコンテンツを区別する能力をテストするもので、世界の指導者やイベントの本物の画像と、スコット記者がMidjourneyを使って生成した一連のフェイク画像を比較する(全面開示:AIが生成した画像を見ることで報酬を得て、1日の大半を過ごしている身としては、44%しか正解出来なかった)。
スコット記者とポリティコの編集者であるアオイフェ・ホワイト氏の声と、AIが生成したクローンの声を比較した2本のサウンドクリップもあるが、個人的にはあまり説得力がない。動画に関しては、バイデン氏とトランプ氏の間で現在行われている悪名高い偽のライブ配信「討論会」に対して、チームは2つの質問を投げかけた。結果、このチャンネルでは不遜で下品な反論が連続して行われる事になった。
それらの答えは意図的に偽物だ。しかし、政治家の性格に関する曖昧で一般的な評価は、実際の性格よりも意見形成に大きな役割を果たすことが多い。AIディープフェイクがこのような環境で変化を起こすために必要なのは、必ずしも有権者の考えを変えるのではなく、有権者がすでに信じたいと思っていることを確認する手助けをすることかもしれない。

「カホフスカ水力発電所のダムが破壊された事で、南部は砂漠と化した」 #ウクライナ戦争



今回のウクライナ南部のカホフカダム決壊が農業に与える影響について、イースト・フルーツ・コムという専門サイトが考察しています。拙訳してみます(2023年6月6日午後11時1分投稿)
Russian terrorists destroyed horticulture of southern Ukraine overnight(ロシアのテロリストがウクライナ南部の園芸を一夜にして破壊した)

by EastFruit6 Jun 2302301

ロシア占領軍がウクライナ領内で人道に対する罪を犯し続けている事を表明せねばならないのは、非常に残念である。2022年秋のロシア軍のドニエプル川右岸への敗走中、カホフスカ水力発電所のダムを部分的に爆破し、2023年6月5日から6日にかけての夜、ロシア軍が一時支配していた地域にあるダムを完全に爆破した。

イースト・フルーツのアナリストによると、カホフスカ水力発電所のダムの爆発は、広大な領土や多くの町の洪水につながる環境的・人道的大惨事であるだけでなく、世界の食料安全保障に対するより大きな犯罪でもある。

事実、カホフカ貯水池は欧州最大級の灌漑システムの心臓部であった。中東、アジア、アフリカ、欧州の国々に小麦、トウモロコシ、ヒマワリとヒマワリ油、大豆、大豆粕を供給したのはウクライナ南部地域だ。また、この灌漑システムの水は、ウクライナの全野菜の80%、かなりの量の果物とブドウを育てる事を可能にした。桃、アプリコット、サクランボ、ブドウなどのウクライナの温暖気候の果物の殆どが、カホフカ貯水池からの灌漑によって栽培された。ウクライナとモルドバの住民に手頃な価格のトマト、ナス、キュウリ、トウガラシを提供する夏の温室のほとんどは、カホフカ灌漑システムの支流沿いにも設置されていた。

今日、灌漑なしでは、この地域のほとんどの農産物、特に果物や野菜を栽培するのは不可能だ。実際、この地域の年間降水量は400mm前後に過ぎず、そのほとんどが冬季、つまり生育期以外の期間に集中している。このようなわずかな降水量は砂漠の典型であり、カホフスカ水力発電所のダムが破壊されると、実際にウクライナ南部は砂漠に変わってしまう。

また、現在進行中のクリミア自治共和国の砂漠化は、農業に適さないだけでなく、原則として人間の生活に適さない場所になる事が、このテロ行為によって確実視されている。

実際のところ、現在では半島にドニエプル川の水がなければ、少なくとも今後10年間で、海水が帯水層に徐々に浸透する事になる。現在、クリミアの多くの都市では、住民に水を供給するために使用されている深さ800メートル以上の井戸が、既に過剰なレベルの塩を含んでいる。飲用出来ないし、家庭のニーズにも適していないが、人々に供給され続けている。特に家電製品はすでに大量に故障している。同様に、このような水はクリミアの灌漑には全く適さない。

ダムと灌漑システムの復旧には少なくとも5-10年かかるが、これは侵略者からウクライナが完全に解放されて初めて可能となる。そもそも5年という期間は楽観的なシナリオであり、システムの復旧に数十億ドルが必要であっても、実際に実施することは極めて困難なのだ。

したがって、今ウクライナの農家が優先すべきは、灌漑用水が確保できるウクライナ中央部で、タマネギ、ニンジン、サラダ、青菜などの野菜を栽培・処理する技術を開発する事にある。さもなくば、今後数年間、ウクライナは野菜の輸出だけでなく、夏場でもウクライナ国民のために野菜製品を自給する可能性も捨て去らねばならないだろう。

皆さんのブログのアクセス数激減は4月のグーグルのコアアップデートのせいかも。して、回復策とは? #ブログ #グーグル #アルゴリズム



ロックコンテンツ・コムというサイトが興味深い報道をしてはりましたので拙訳してみました。チャートはサイトからの引用です。

How the April Core Update Impacted Our Blog And What We Did To Recover Traffic and Keywords(4月のコアアップデートがブログに与えた影響及びトラフィックとキーワードを回復するために行った事とは)

5月10日付け

2023年4月、重要なグーグル・コア・アップデートがあり、幾つかのWebサイト、ブログ、ポータル、eコマースのランキングに影響が出た。ロック・コンテンツのブログも影響を受け、多くのコンテンツが位置を失ったり、検索エンジンから完全に脱落したりしている。

この更新プログラムは、レビューまたは評価を含む製品およびコンテンツに関連したものだ。したがって、2023年時点でもはや意味をなさなくなった製品、資料、ツールレビューがコンテンツに表示されているとしたら、このアルゴリズムの影響を受けていることは確かである。

グーグルはアルゴリズムについて次のようにコメントしている。

「レビューシステムは、推奨、意見の提供、または分析を提供するために書かれた記事、ブログ投稿、ページ、または同様のスタンドアロンコンテンツを評価するように設計された」。

つまり、グーグルは製品レビューや一般的なレビューだけでなく、ツールを推奨したり、特定のテーマに関するより具体的なデータで分析したりするコンテンツ全般に影響を与えている。

例えばここロック・コンテンツでは、影響を受けたコンテンツのほとんどは以下の通りである。
  • 2023年以前のトレンドについて語ったコンテンツ
  • 2023年以前に使うべきツールを紹介したコンテンツ
3月と比較すると、16.31%もアクセス数が減少していたのだ。

ブログへの影響


図を見ると、3月に比べて4月のトラフィックはかなり不規則ではあるが、3月の方がずっと規則正しい行列が出来ている一方、週末は自然に落ち込んでいた事が分かる。

では、このアルゴリズムは、ウェブ上の他のサイトにどのような影響を与えたのだろうか。

グーグルと技術専門家(主に開発者、SEO、コンテンツの専門家)はフォーラムで、このアルゴリズムが自社のウェブサイトにどのような影響を与えたかを議論している。

これらのフォーラムのメンバーからの幾つかの見解を以下に示したい。

「再び大きな落ち込みを見る。デスクトップのトラフィックはかなり減少している。グーグル・サーチ・コンソールのインプレッション数とクリック数は大幅に減少している」。

「4月15日に何が起こって、私の最も重要な用語とその4つの意味的変種全てに対するクリック数がこれほど大きく減少したのかを見極めようとしているところだ。みんな同時にあっという間に消えてしまった」

「Googleは、ちょうど私のサイトで最もトラフィックの多いランディングページの一つにヒットした...過去3ヶ月の間、ランキングの低下はなかったにもかかわらず、トラフィックが92%減少した」 。

では、アルゴリズム更新後のトラフィックとキーワードを回復するために、ロック・コンテンツとして何をしてきたかを示したい。

グーグルによると、コンテンツに関して何らかの対策が必要だという。また、タイトルに年が含まれているコンテンツを毎年更新するに当たっては、コンテンツ自体を見直して、そこに含まれているデータが現在の時点でも意味を持っているかどうかを確認する必要がある。

ここロック・コンテンツでは、古くなったコンテンツの更新に加えて、その年に使用できる完全な推奨コンテンツやツールのリストほどではないが、最も検索されたキーワードを持つコンテンツを検索して更新するという戦略を用いた。

例えば、2022年のソーシャルメディアトレンドに関するこのコンテンツである。タイトルから年号を削除し、2023年のコンテンツを更新した。すると、データを更新した後、新規セッションの割合が57.14%増加したのだ。このコンテンツが4月にはそれほど人気がなかったこと、そして更新後、再び多くのトラフィックを獲得した事に注目して欲しい。

ブログへの影響2

故に、4月にトラフィックが減少したと考えられる場合、2023年までさかのぼるコンテンツをマッピングする事が不可欠となる。その後、そのデータをより効率的に更新する方法をキュレートする。これまでにロックは428の失われたキーワードを回復した。4月から42.42%増加している。

WriterAccessを使用して、SEOの専門知識を持ち、チームやビジネスのランキングを迅速に回復できるフリーランサーを探す事がヒントとなろう。

■コンテンツに関するグーグルの推奨事項

※ユーザーの視点から評価する。つまり、読者の立場に立って、彼らにとって最も価値のある情報は何かを考える。

※経験を示す。自分とチームがそのテーマについて知識がある事と権威を示す。

※裏付けとなる証拠を提供する。画像、ビデオ、またはリンクを使用して、レビューの信頼性を強化する (それが何であろうともだ) 。

※定量的な測定値を共有する。項目がさまざまなパフォーマンスカテゴリにどのように蓄積されるかを議論し、読者が情報に基づいた意思決定を行うのに役立てる。

※長所と短所を議論する。独自の研究や個人的な経験に基づいて分析していく。

※重要な意思決定要素に焦点を当てる。経験に基づいて最も重要な要素を優先する。

※推奨事項をサポートする。何かを最良と主張する場合には、その主張を裏付ける直接の証拠を提供する。

※スタンドアロンのソート済みリストを作成する。個別に詳細な固有のレビューを記述する場合でも、ソート済みリストに自己完結できるだけの有用なコンテンツが含まれていることを確認していく。

これらは、コンテンツを作成したり、製品レビューページを作成したりしていく上での幾つかの重要な推奨事項だ。グーグルがコンテンツアップデートをリリースする際には、何が起きているのか、どのような解決策が考えられるのかを深く分析する必要がある。

我々は、世界最大の検索エンジンからの更新を常に監視し、皆さんと皆さんのビジネスが非常に重要な何かに直面した場合に何をすべきかを分かるように、我々自らの視点を示して行きたい。
この更新プログラムに気づいたときに何をし、ビジネスにどのような影響を与えたか。

マーケティングに於ける最良の実践を引き続き更新していくのであれば、ロック・コンテンツのインタラクティブなニュースレターThe Beatの購読を強くお勧めしたい。ここでは、デジタルマーケティングの世界で重要なトレンドを全て見つけられるだろう。そこで会いましょう!

抗議運動の取材は、ジャーナリストにとってどれほどのリスクなのか?←米ハーバード大メディア研究所が直球勝負な研究結果を紹介 #メディア


その昔、西成暴動の際に取材に当たっていた全国紙の記者さんが角材で頭を割られるという事件がありましたが、そういうのを知っている身としては是非とも知ってもらいたい話。

ハーバード大学のメディア研究所「ニーマンラボ」が、抗議運動の取材での注意点について問題提起しています(2022年11月30日午後12時29分投稿)。以下、拙訳。

■抗議デモを取材する記者への脅威が高まる

ジャーナリズムと抗議運動は、良くも悪くも密接に関連しているかのようだ。

ジャーナリズムの慣習では、何らかの触媒となる出来事が起きるまでニュースは 「起きない」 事が多い。例えば政治の世界では、反戦デモからブラック・ライヴズ・マター運動、COVIDによる中国のロックダウンに反対する現在のデモに至るまで、その衝突とドラマのために注目を集める抗議活動が触媒となる傾向がある。

ジャーナリストは、このような抗議運動を報道する事で、その光景を誇張し、内容を過小評価する傾向があり、抗議する人々の懸念を十分に伝える事ができないとして、長年にわたり学者から批判されてきた。

以前にも触れたが、このように抗議運動がどのように報道されるかを重視する姿勢は、現在進行中の研究では説得力のある問題である事に変わりはないが、これまでほとんど注目されてこなかったもう一つの方程式がある。それは、抗議運動を取材しているジャーナリストにとって、どのようなものなのかという事である。

この疑問に対する重要な答えが、アラバマ大学のケイトリン・ミラー (Kaitlin C.Miller) とサマンサ・コーカン (Samantha Kocan) による『ジャーナリズム』誌の新しい研究記事にある。ミラーとコーカンは、新聞社や放送局に勤務するアメリカのジャーナリストを対象とした全国代表の調査を用いながら、ジャーナリストが抗議活動を取材するとはどのようなものか、個人的にも職業的にもどのような影響があるのか、また、ジャーナリズムの役割や目的についての態度が抗議活動を取材する際に経験する嫌がらせとどのように関連しているのか調査した。

ジャーナリストが抗議行動で遭遇する事を研究するのに適した瞬間である。2020年のユネスコの報告書は、その厳しい状況をこう要約している:「抗議デモを取材しようとした世界中の何百人ものジャーナリストが、嫌がらせ、暴行、脅迫、逮捕、監視下に置かれ、拉致され、機材を損傷させられた。他の人々は隔離され、屈辱を与えられ、窒息させられ、実弾だけでなく非致死的な弾丸でも発砲された」。

抗議活動を取材するジャーナリストのリスクが高まっている事は、世界中の報道機関に対する脅威の大きな潮流の一部だと理解できる。こうしたジャーナリストへの虐待の激化は、権威主義体制や、ジャーナリストが驚くべき割合で殺害され続けているメキシコのような場所で最も悪質であるものの、その一方で、ジャーナリストがより大きな形態のオンライン攻撃や、読者や視聴者、見知らぬ人からの直接の嫌がらせに直面している事から、長い間 「安全」 であると推測されてきた西側諸国でも同様である。

では、少なくともアメリカでは、抗議活動を取材するジャーナリストにとってどれだけ悪い事なのだろうか。(原注:ジャーナリストはどのくらいの頻度で抗議活動を取材しているか。調査回答者の90%以上が、ある時点で抗議活動を取材した事があると答えており、そのグループの80%近くが 「Black Lives Matter」 のデモを取材した事があるという。これは、2020年と2021年のニュース報道の中心が、このような抗議活動であった事を示している)

第一に、この研究に携わった方々は、ジャーナリストが法執行機関やデモ参加者との間で経験したと報告した肯定的な経験と否定的な経験を区別しようとした。そこに注意する事が重要である。そして、そのミックスから浮かび上がってくる全体像は少し複雑だ。例えば、「法執行機関で否定的な経験をしたジャーナリストや、抗議者で肯定的な経験をしたジャーナリストは、 「専門家としてのアイデンティティが強化された」「行動を起こそうという気になった」といったポジティブな効果を経験する傾向が強かったとしている。

このように、抗議行動を取材する事が本来的に悪い経験であると言うのは不公平であるものの、調査対象となったジャーナリストの半数近くが、抗議行動を取材する際に恐怖を感じ、また安全でないと感じたと述べている事は注目に値しよう。深刻な身体的損傷を報告したジャーナリストはほとんどいなかったが、約12%が軽度の身体的損傷を負ったとし、約22%がデモを取材した結果、精神的健康を害したと答えている。

特に、ジャーナリストが抗議者からのネガティブな(虐待、敵意など)を経験する頻度が高く、警察でのネガティブな経験が少ないほど、抗議活動をこれ以上報道しないように求めたり、ジャーナリズムの仕事から完全に離れる事を検討したりするなど、自分の職業的状況を変えようとしているとする傾向がある事が、同研究者らによって明らかにされた。

実際、調査対象となったジャーナリストの10人に1人は、抗議活動を取材した経験を理由にジャーナリズムから離れる事を考えたと述べており、同様の数のジャーナリストが、遭遇した出来事を理由に精神医療サービスを求めたと報告している。こうした数字は比較的小さいと思われるかもしれないが、著者らは「アメリカでジャーナリストとして最も差し迫った危険な場所が、社会にとって最も重要なニュースがある場所でもあるとすれば、組織も学者も民主主義にとって何を意味するのかを考え始めなければならない」と主張している。

更なる点として、これにも性別による要素が挙げられる。2対1の差で女性は男性よりも抗議活動を取材した結果、ジャーナリズムから離れる事を考える傾向が高い。それより更に大きな差で女性は同じ理由で精神医療サービスを求める傾向があった。抗議行動での現場での嫌がらせが女性に不釣り合いなほどの負担をかけ、すでに不利になっているように見える職業を離れる可能性を高めているとしたら、それはアイデアの市場にとって何を意味するのだろうか、と著者らは問いかけている 。

最後に、抗議行動を取材した後にトラウマを経験したジャーナリストは、ジャーナリズムとその「役割概念」を他のジャーナリストとは異なるものとして見ている可能性を示唆した。これは今後の研究課題の提起だ。ジャーナリズムを行う上で安全でない世界は、どのように異なる種類のジャーナリズムを生み出す可能性があるのか、そしてそれは、社会におけるジャーナリズムの理想的な役割について我々がどう考えるかに何を意味するのだろう。

(文中敬称略)

拙訳終わり。心の傷というのはあるでしょうね。というか「呑み込まれてしまう」ってのもあるでしょうし。女性ジャーナリストの方が深刻だという報告ともども、非常に重たい話です。

なお、末尾に編集部注として、今回の記事をお書きになったマーク・コディントンとセス・ルイス両氏がは、ジャーナリズムに関する最新の学術研究についての月刊ニュースレターを創刊したとの事です。「RQ1」というタイトルだそうで、今後ニーマンでも紹介していくそうですので、ご興味のある方はどうぞ。

※御賛同頂けるようであれば拡散お願いします。あと、読者登録もよろしければ。


アルジャジーラ情報によると、チェルノブイリの電源カットは重大な安全性への影響は出ていないとIAEAが言ってるそうです #ウクライナ #ロシア



UN nuclear watchdog says Chernobyl power cut has no critical impact on safety

The loss of power at the Chernobyl plant does not have any critical impact on safety at the site, the UN’s nuclear watchdog says.

The International Atomic Energy Agency (IAEA) tweeted that the “heat load of spent fuel storage pool and volume of cooling water at Chernobyl Nuclear Power Plant [are] sufficient for effective heat removal without [the] need for electrical supply”.


国連の核監視団体、チェルノブイリの電源カットによる安全への重大な影響は出ていないと発言

チェルノブイリ原発の電力喪失は、原発の安全性に重大な影響を及ぼしていないと、国連の原子力監視団が発表した。

国際原子力機関(IAEA)では、「チェルノブイリ原子力発電所の使用済み燃料貯蔵プールの熱負荷と冷却水の量は、電気供給を必要とせず、効果的な熱除去に十分だ」とTweetしている。


以上、取り急ぎ。・・・何か異常が出たらTweetして欲しいモノです。

あのロイター通信が、四半世紀ぶりに英国でストを計画中なんだって #新聞 #メディア #ロイター通信

あのロイター通信が、四半世紀ぶりにストを計画しているのだそうです。ガーディアンが報じています(2012年2月3日午後10時45分投稿)。続きを読む

iPad、アフリカなどの新興国のビジネスにインパクト #iPad

iPadがアフリカなどの新興国のビジネスに多大の影響を与えている事が明らかになりました。

community.nasdaq.comが報じています(2012年1月25日午後3時43分投稿)。続きを読む

アップル製品を製造している中国のフォックスコンで爆発事故。2人が死亡(2) #Apple #iPad

先ほどの続報です。今回の事故、原因も去る事ながら、アップル製品の製造への影響が心配されますね。そっち方面の情報で有名な台湾のdigitimes.comが分析を行っています(2011年5月21日付)。

事故のあった工場はiPad2の生産ラインが52あったそうです。年産は4200万台だったそうです。したがって、2011年後半のiPad2の供給に影響が出るのではないかと懸念する向きがあると、台湾の業界情報筋が話しているそうです。

フォックスコンの広報担当者によると火事は鎮火し、建物だけしか被災していないとしていますが、iPad2の製造への影響については何も話さなかったそうです。

市長の話として地元メディアが報じたところによると、成都の工場では2011年の1~4月期に160万台のiPad2を生産していたそうです。

iPad2もだけど、iPhoneはどうなんだろうなあ。続報があれば、また紹介しますね。





東日本大震災、コカコーラの売り上げにも影響  #earthquake #PrayforJapan #jishin

今回の東日本大震災は、各産業に影響を与えていますが、意外な所にまで及んでいました。あのコカコーラも、その1つでした。第1四半期の売り上げは伸びましたが、市場関係者の予測を僅かに下回りました。その理由が東日本大震災だったのだそうです。BBCが報じています(2011年4月26日午後1時10分投稿)。
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