ガーディアンの記事を拙訳していきます(2025年2月8日午後6時投稿)。
We didn’t click ‘consent’ on any gambling website. So how did Facebook know where we’d been?(我々は如何なるギャンブルウェブサイトでも「同意」ボタンをクリックしなかった。それなのに、フェースブックは我々がどこに行っていたかをどうやって知ったのか?)
In an experiment, we surfed sites without making a wager or agreeing to data sharing. Our Meta feed filled up with betting ads(実験の中で、我々は賭けをしたりデータ共有に同意したりする事なく、様々なサイトを閲覧した。すると、我らがMetaフィードにはギャンブル広告が次々と表示された)
Revealed: gambling firms secretly sharing users’ data with Facebook without permission(暴露された事実:ギャンブル企業がユーザーのデータを無断でフェースブックと共有)
Shanti Das
Sat 8 Feb 2025 18.00 GMT
フェースブックユーザーがアカウントにログインすると、数十件のギャンブル広告が表示される。オンラインカジノやベッティングサイトのプロモーションは、無料スピンや「ベットブースト」、割引、ボーナスを提供している。だが、その人はこれまでギャンブルサイトで賭けをしたりゲームをプレイしたりした事がなく、ターゲットにされる事に同意した事もない。どうしてこんな事が起こるのだろうか?
『オブザーバー』は、潜在的なギャンブル顧客がどのように追跡され、プロファイルが作成され、オンラインでターゲティングされているかを調べるための実験を行った。そのために、我々は英国で運営ライセンスを持つ企業が運営する150のギャンブルウェブサイトを訪れた。まず、ウェブサイトがマーケティング目的でデータを使用するための同意を求めているかどうかをメモした。そして、「同意する」または「拒否する」をクリックせずに、ネットワークトラフィックを観察した。
これを行うために、公式のMetaアプリケーションであるPixel Helperを使用し、フェースブックの親会社Metaと共有されるデータの記録を見る事が出来た。多くのケースでは、データは共有されていなかった。しかし、約3分の1のケースでは、Meta Pixelと呼ばれる追跡ツールがウェブサイトに埋め込まれており、ウェブページが読み込まれる際に自動的にトリガーされている事がわかった。これにより、我々が訪れたウェブページに関する報告がフェースブックに送信されており、これに独自のユーザーIDがリンクされていた。
いくつかのケースでは、我々がクリックしたボタンやその他のブラウジング活動に関するデータもフェースブックに送信されていた。あるサイトは、我々が来週予定されているエバートン対リバプールの試合に賭ける可能性がある事を示すボタンをクリックした際にフェースブックに通知した。別のサイトは、我々が100回の無料スピンのプロモーションを表示するためにクリックした事をMetaに通知していた。
我々は、マーケティング目的でのデータ使用に「同意する」または「受け入れる」をクリックした事は一度もなかったし、データが共有される事にも同意していなかった。しかし、数日後にフェースブックに再ログインすると、フィードはギャンブル広告で溢れていた。
これらの広告はさまざまなブランドからのものであり、その中には自身のデータ共有の実践がルールに違反していないブランドも多く含まれていた。これは、一度データがMetaと共有されると、それがターゲティング広告システムに取り込まれ、Metaがユーザーが好むと思う事に基づいて人々をプロファイリングするために使用されるためである。つまり、Metaは特定のオーディエンスをターゲットにしたい企業に広告を販売する事が出来る。ペットオーナーや不妊治療を希望する女性、テイラー・スウィフトが好きな人、あるいは潜在的なギャンブル顧客などである。
また、広告主はMetaが自社のブランドに興味を持つと考える新しい顧客をターゲットにする事も出来る。その中には、既存の顧客の人口統計的特性、興味、行動に基づいて、ソーシャルメディアの巨人によって類似しているとプロファイリングされた「類似顧客」も含まれている。『オブザーバー』のテストによると、フェースブックユーザーは「リアルマネーゲーミング」に興味を持つ人物としてプロファイルされていたため、このようなターゲティングの結果として広告が表示された可能性がある。
この調査は、規制当局にとってこの種のマーケティングプラクティスをどのように監視しているかについて深刻な疑問を提起している。テスト中、我々は多くのギャンブルサイトが違法にデータを共有している中で、自動的にオプトインの同意プロセスを設けており、人々がウェブサイトを使用しているという単なる理由でデータ共有に同意していると仮定している事に気づいた。ある同意バナーには「より良いブラウジング体験を提供するためにクッキーを使用します。このウェブサイトを引き続き使用する場合は、皆さんがそれを受け入れていると仮定します」と記載されていた。
これはデータ保護規則に違反しているように見える。ICO(情報コミッショナー機関)は、同意は「明確かつ肯定的」でなければならず、事前にチェックボックスがオンになっている事やオプトアウトしない事に依存するのは不十分であると述べている。しかし、この実践は広まっている。
また、Metaの役割についても疑問が生じる。Metaは、不正に共有された場合でも、送信されたデータを使用して広告を販売する事で利益を得ている。我々は以前、警察、NHS(国民保健サービス)信託、ある政党などがMeta Pixelを悪用してウェブサイトのユーザーを追跡していた事について書いた。いくつかのケースでは、健康問題や犯罪の報告に関する敏感なデータをMetaと共有していた。しかし、このテストの結果としてフェースブックに表示されたギャンブル広告の集中は、これまで見た中で最も激しいものであった。
グラスゴー大学のギャンブル研究の教授であるヘザー・ワードル氏は、「無秩序なマーケティング」は「非常にリスキー」であると述べている。「もし皆さんがすでにギャンブルによる困難を経験しているなら、それは恐らくさらにギャンブルを促進する事になる」と彼女は言う。
Metaはこの結果についてコメントしなかったが、企業はデータを送信する前に同意を得るべきであるとする条件を定めていると述べた。「我々は、広告主にビジネスツールの正しい設定方法を教育している」と広報担当者は述べた。
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