Perplexity courts publishers with ad revenue share experiment(Perplexity、広告収益分配実験でパブリッシャー引き寄せ)
The AI search engine expands its ad revenue share programme that pays publishers for their content being used in search summaries. But does it really level the playing field or simply create a new form of digital dependency?(AI検索エンジンは、検索サマリーで使用されるコンテンツに対してパブリッシャーに支払う広告収益分配プログラムを拡大する。だが、本当に競争の場を平等にするのか、それとも単に新たなデジタル依存の形を作るだけなのか)Posted: 5 February 2025 By: Marcela Kunova■要約:
・AI検索エンジンのPerplexityは、広告スポンサー付きの質問に対する収益分配を提供するパブリッシャーパートナーシッププログラムを拡大し、Perplexity Proへの無料アクセスを提供している。Perplexityは他のAI企業とは異なり、自社でモデルを訓練せず、ウェブサイトからのコンテンツを要約していくという。
・著名な情報源を優先するために50以上のシグナルを使用したランキングシステムを採用し、全ての回答に引用を含めている。一方、潜在的なバイアスや信頼出来る情報源の資格についての課題が残ったままだ。
・タイムなどのパブリッシャーはこのパートナーシップに楽観的であり、AI企業と伝統的メディアの持続可能な関係を構築する興味深い実験と見なしている。
■詳細:
AI検索企業であるPerplexityは、昨年夏に開始されたパートナーシッププログラムを通じてパブリッシャーとの関係を築こうとしている。それ以来、タイム、フォーチュン、デア・シュピーゲルといった主要メディアだけでなく、アメリカのブラッククリエイターコミュニティBlavityなどのニッチなメディアからも注目を集めている。PerplexityはOpenAIやGeminiのような他の生成AIの巨人とは異なり、モデルを訓練する事はない。ユーザーの質問に対してウェブサイトのコンテンツを要約して答える検索エンジンであり、ただリンクの束を出すだけではないのである。これはパブリッシャーのコンテンツの利用方法を変える重要な違いである。
■要点
Perplexityの提案は非常にシンプルである:人々がPerplexityを使って質問をする際、AIはしばしばニュース機関や他のパブリッシャーのコンテンツに頼って回答を提供する。現在、Perplexityは収益分配制度を通じて何かを還元しようとしている。広告主がPerplexityのプラットフォームで質問をスポンサーする際、回答に引用された内容のパブリッシャーは、その収益の一部を受け取る事が出来る。また、パブリッシャーはPerplexityのAI技術を自社のウェブサイトで使用出来る他、スタッフは1年間Perplexityのプレミアムサービスを無料で利用出来る特典も提供している。
「我々はこのプログラムを構築して、全ての関係者にとってスケーラブルで持続可能なインセンティブの整合性を確保出来るようにした」とPerplexityのCEOアラヴィンド・スリニバス氏は述べている。新たにパブリッシャーパートナーシップの責任者となったジェシカ・チャン氏は、同社が従来のメディアにとって敵ではなく友人として位置づけようとしている事を強調し、大手ブランドからニッチなアウトレットまであらゆるサイズのパブリッシャーと協力したい意向を示している。
■課題
どの検索エンジンも誤情報を拡散する事から免れられない。Perplexityとて例外ではない。誤情報のリスクを最小限に抑えるために、チャンは同社がいくつかの戦略を採用している事を説明する。たとえば、50以上の異なるシグナルを用いたランキングシステムを使用し、どの情報源が最も権威があるか判断し、信頼出来るファクトチェック済みのソースを優先している。また、全ての回答に引用を含める事で、ユーザーが情報を自分で確認出来るようにしている。もっとも興味深いのは、このシステムが事実に基づいて答えられない質問に挑戦するように設計されており、情報を要約するためのツールであり、意見を形成するためのものではない事を明確にしているという事だ。
一方、同社は自社のAIコンテンツ検出システムが完璧ではない事を認めている(公正を期すために、どの検出システムもそうではない)。複数の情報源を相互参照する事は助けになるが、特に速報や新たなトピックに関しては、誤情報が複数のアウトレットに初めて現れる事があるため、必ずしも正確性を保証するわけではない。このシステムがそのようなシナリオにどう対処するのか、また、情報が修正される際にどれだけ早くその情報を更新出来るのかについては、ソース資料が明示していない。
別の潜在的な弱点は、Perplexityが「信頼出来る」情報源の引用に重点を置いている一方、どのようにして信頼出来る情報源を判断するのか、その過程で特定のバイアスがシステムに組み込まれる可能性があるかどうかについて明確な説明がない所だろう。信頼性の基準が不明確であるため、意図せずして偏った情報を選別するリスクが生じる可能性があるからだ。この点は、ユーザーが提供される情報の正確性や公平性を評価する際の信頼性に影響を与える可能性がある。
■注意点
重要な詳細が一つある:収益分配モデルは広告が関与する場合にのみ適用され、Perplexityが現在通常の回答を支えるために使用しているパブリッシャーの膨大なコンテンツには補償がない。企業は、これが一回限りの支払いよりも持続可能であると主張しているが、それはパブリッシャーがPerplexityに支払う広告主が現れるまで、実質的に無料のコンテンツを提供している事を意味する。この広告主の存在はパブリッシャーがコントロール出来るものではない。これは、最近の資金調達ラウンドで90億ドルの評価額に達した企業にとって、あまりにも小さいパイのスライスであり、その成功はパブリッシャーやクリエイターからの質の高い最新のコンテンツに依存している事を、おそらくあまり意識したくない状況である。
また、力のダイナミクスに関するより広い問題もある。Perplexityがパブリッシャーのパートナーを自任している一方で、実質的にはニュースコンテンツの新たなゲートキーパーになりつつある。パブリッシャーは、利益ある結果よりもコンテンツのコントロールを維持するためにプログラムに参加するよう圧力を感じる可能性がある。
こうした懸念にもかかわらず、Perplexityのアプローチは、コンテンツクリエイターとの持続可能な関係を創出しようとする点で、少なくとも他のAI企業の中でも際立っている。TIMEのCEOマーク・ハワードは楽観的で、パートナーシップが信頼出来るジャーナリズムを提供しつつ新しいオーディエンスに到達するという同社の使命に合致していると述べている。
このプログラムの成功は、広告収益が実際にどのように生まれるか、またパブリッシャーが提供される技術ツールに実際の価値を見出すかどうかに依存するだろう。現時点では、AI企業と伝統的メディアの間に共通の地盤を見つけるための興味深い実験を示している。
英国最大の育児フォーラムMumsnetのジャスティン・ロバーツCEOは、OpenAIに対して法的措置を取っているが、次のようにコメントした。「クリエイターが自らのコンテンツに対して適切に補償される事を確保する事は、単に正しい事をするだけでなく、質の高い著作権のある人間の作品の持続可能な供給に依存する生成AI分野の将来の成長にとって不可欠である。Perplexityのパブリッシャープログラムは、革新と公平が共存出来る世界に向けた前向きな一歩である」
・パブリッシャープログラムへの参加を希望する場合は、publishers@perplexity.ai までメールでお問い合わせを。
・注:この記事は、2025年2月5日の17:25にJustine Robertsの引用を追加して更新された。
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